私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第5章 遅れてきた新入生

301 みんなで自己紹介

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「…であるからして、相性が低いからといってその属性の魔法が取得できないわけではないと証明されている。しかし、相性が低い魔法を使う場合、相性の高い者よりも多くの魔力が必要であり…」

 何時もなら楽しくてあっと言う間に終わってしまう基礎魔法学の授業だけれど、今回に限ってはとても長く感じる。
 王都に来てから、私達はルーク君に何回か手紙を送っていた。もちろん、ルーク君からも手紙をもらていたのだけれど、どの手紙にも学校に入学するなんて一言も書かれていなかった。
 入学するのをいつ決めたのかとか、どうして教えてくれなかったのかなど、いろいろと聞きたいことはたくさんあった。ちらりと横を見てみれば、ルーク君は真剣な表情で黒板を見つめていた。瞳はキラキラと輝いていて、授業についていけないと言うこともないようだ。
 私も集中しないと!
 それでも、うっかりすると視線はルーク君に寄せられ、その度に自分を叱咤しつつ、授業が終わるのをひたすら待った。


◇◇◇

 ところ変わって食堂。私達はルーク君に話を聞くべく、ルーク君を取り囲んでいた。
 クラスの子達もルーク君とお話ししたかったと思うけれど、今ここにいるのは私達だけだ。彼らは私達が久しぶりの再会と言うこともあってか、快く送り出してくれたのだ。


「それにしても本当にびっくりしたわ」

 席に座ってすぐに、キャシーちゃんがしみじみと呟いた。

「ごめんね。本当はすぐにでも手紙に書きたかったんだけど、色々と事情があって…」
「事情?」
 
 その事情とやらを思い出しているのか、どこか遠い目をするルーク君。キャシーちゃんが身を乗り出して質問したところで、アミーちゃんに止められる。

「それよりも。ひとまずは、自己紹介でしょう」
「自己紹介って、俺達はもう知った仲じゃんか」
「ばかね。この中にはルーク君と会うのが今日が初めての相手もいるでしょうが」
 
 きょとんとした顔のハル君に、アミーちゃんは呆れたように首を横に振る。

「ハル、俺達を忘れないでくれよー」

 フィン君の言葉に続けるように、「けん…」とリプカが遠慮がちに、「ぶー!」とソルテが目を吊り上げながら、「うわんっ!!」とスピカがハル君に体当たりをお見舞いする。「いてっ」と小さく叫ぶハル君をマカロンとシフォンはやれやれと言うように見つめていた。

「じゃあ、改めて俺はフィン。ハル達とは学校に入学してから友達になったんだ!俺とも仲良くしてくれると、うれしいなー」
「こちらこそ、よろしく」

 フィン君とルーク君が握手するのを、私達は笑顔で見守る。
 二人とも仲良くなれそうで良かった!
 マーブルは既に紹介済みだから、他の子達を紹介する。ルーク君はその都度、全員に「よろしく」と笑顔で挨拶をするのだった。


「それで、どうして入学するって教えてくれなかったんだ?」

 自己紹介がひとまず落ち着いたところで、ハル君が改めてルーク君に問いかける。

「長い話になるし、聞いても楽しくないと思うんだけど…それでも聞きたい?」
 
ルーク君は何やらしばらく葛藤したあとで、そう言った。

「「「「聞きたいっ!!」」」」
 
 そんな言い方されたら余計に聞きたくなっちゃうよ!!みんなも同じ気持ちなのか、全員で身を乗り出す。私達の勢いに押されたのか、ルーク君は少し体をのけぞらせていた。

「そ、そうなんだ。じゃあ、ご飯食べながらでもいいから聞いてくれるかな
「うん!あっ、ルーク君もちゃんと食べてね」
「ありがとう」
 
 「ここの料理はどれもおいしんだよ」と勧めると、ルーク君は「楽しみだな」と喜んでいた。
 
 そして、ついにルーク君の口から、私達と別れてからの奮闘の日々が語られることとなった。
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