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第5章 遅れてきた新入生
305 そうだ!あいつらに頼もう
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「それで結局、今日はどうするんだ?」
「「「あっ」」」
ハル君からのもっともな質問に、はっと我に返る。
図書館の話…と言うより、ナタリアさんの話で盛り上がってしまい、そもそも何の話をしていたのかを忘れていた。でも、それは私だけではなかったみたいで、アミーちゃんとキャシーちゃんも気まずそうに視線をそらしている。
「「「ごめんなさい」」」
「お前らなぁ…」
三人で仲良く謝ると、ハル君に呆れた目でため息をつかれてしまった。
ううっ。面目ない。
「まあまあー、三人とも悪気があるわけじゃないんだし」
「今のうちに聞けて良かったよ。知らなかったら、早速一人で行っていたかもしれない」
しょげる私達に、フィン君とルーク君が優しい言葉をかけてくれる。ハル君も「ルークがそう言うなら」と納得してくれて、それ以上のお説教はなかった。
…今後は気を付けたいところである。
「今回の所は学校の中を見て回ることにするよ」
落ち着いた所で、改めてどうするかの話し合いをした結果、ルーク君は学校の探索をすることに決めたようだ。
でも、病気が治ったとは言え、体力に不安があるというルーク君を一人で行動させるのは不安だ。頼りになるマーブルにお願いしたいところだけど、三限目の授業は召喚学なので、それもできない。
「学校の外に行くわけでもないんだし、大丈夫だよ」
「でもなぁ」
心配する私達をよそに、ルーク君は楽しそうだ。ルーク君以外の全員で悩んでいると、ハル君の足元でくつろいでいたスピカが何かに気づいたように吠えた。
「スピカ、どうした?…あっ!!」
ハル君は突然立ち上がると、そのまま駆け出して行ってしまった。スピカも尻尾を振りながら、ハル君の後を追いかける。本当に一瞬の出来事で、呼び止める間もなかった。
一体何事かと驚いた私達だったけれど、ハル君の突然の行動の謎はすぐに明らかとなった。
「あ、ヴィンとユーゴだ」
最初に気づいたのはフィン君だった。
ヴィン君とユーゴ君は同じ一般科の生徒で、ハル君とフィン君は私達と行動を共にしていない時、この二人と一緒にいることが多かった。ちなみに、水色の短髪がヴィン君で、黄緑色の髪がユーゴ君だ。
スピカもこの二人にはよく懐いていて、先程吠えたのも二人に気づいたからのようだ。
二人にじゃれつくスピカを落ち着かせながら、ハル君は何やら彼らに話しかける。
すると、ヴィン君とユーゴ君は二人同時にこちらを見た。どうも、二人はルーク君を見ているようだ。
しばらくハル君の話を聞いた後、二人は頷いた。それを見たハル君の表情は明るいものになる。
もしかして…
私の考えを肯定するように、ハル君は二人を引き連れて戻ってきた。
「ルーク、この二人が学校案内してくれるってさ!!」
「ハル君ったら、突然すぎだよ。まずは自己紹介を先にしなくちゃ」
戻って来て早々に、満面の笑みで前置き無しにそれだけ言ったハル君を、先程のお返しとばかりにキャシーちゃんが注意する。
「あっ。そうか」
バツが悪そうに身じろぎするハル君を、ヴィン君が「ハルらしいけどな」とおかしそうに笑った。
「俺はヴィン。んで、こっちの図体のでかいやつがユーゴな」
「…よろしく」
ヴィン君が自分とユーゴ君を指さしながら自己紹介をする。
「ルークです」と手を差し出すルーク君に、ヴィン君は「知ってる」とニヤッと笑って答えた。
「ヴィン達も三限目の授業がないんだ。んで、ルークのこと頼んだら一緒に回ってくれるって」
「いいの?」
「もちろんさ。なあ、ユーゴ」
「ああ」
迷惑ではないかと躊躇するルーク君に、ヴィン君達は「任せろっ」と頼もしい声をかける。
「二人とも、くれぐれも図書館には行くなよ」
よっぽど怖かったのだろうか。最後にハル君がヴィン君達に念押ししている姿が印象的だった。
「「「あっ」」」
ハル君からのもっともな質問に、はっと我に返る。
図書館の話…と言うより、ナタリアさんの話で盛り上がってしまい、そもそも何の話をしていたのかを忘れていた。でも、それは私だけではなかったみたいで、アミーちゃんとキャシーちゃんも気まずそうに視線をそらしている。
「「「ごめんなさい」」」
「お前らなぁ…」
三人で仲良く謝ると、ハル君に呆れた目でため息をつかれてしまった。
ううっ。面目ない。
「まあまあー、三人とも悪気があるわけじゃないんだし」
「今のうちに聞けて良かったよ。知らなかったら、早速一人で行っていたかもしれない」
しょげる私達に、フィン君とルーク君が優しい言葉をかけてくれる。ハル君も「ルークがそう言うなら」と納得してくれて、それ以上のお説教はなかった。
…今後は気を付けたいところである。
「今回の所は学校の中を見て回ることにするよ」
落ち着いた所で、改めてどうするかの話し合いをした結果、ルーク君は学校の探索をすることに決めたようだ。
でも、病気が治ったとは言え、体力に不安があるというルーク君を一人で行動させるのは不安だ。頼りになるマーブルにお願いしたいところだけど、三限目の授業は召喚学なので、それもできない。
「学校の外に行くわけでもないんだし、大丈夫だよ」
「でもなぁ」
心配する私達をよそに、ルーク君は楽しそうだ。ルーク君以外の全員で悩んでいると、ハル君の足元でくつろいでいたスピカが何かに気づいたように吠えた。
「スピカ、どうした?…あっ!!」
ハル君は突然立ち上がると、そのまま駆け出して行ってしまった。スピカも尻尾を振りながら、ハル君の後を追いかける。本当に一瞬の出来事で、呼び止める間もなかった。
一体何事かと驚いた私達だったけれど、ハル君の突然の行動の謎はすぐに明らかとなった。
「あ、ヴィンとユーゴだ」
最初に気づいたのはフィン君だった。
ヴィン君とユーゴ君は同じ一般科の生徒で、ハル君とフィン君は私達と行動を共にしていない時、この二人と一緒にいることが多かった。ちなみに、水色の短髪がヴィン君で、黄緑色の髪がユーゴ君だ。
スピカもこの二人にはよく懐いていて、先程吠えたのも二人に気づいたからのようだ。
二人にじゃれつくスピカを落ち着かせながら、ハル君は何やら彼らに話しかける。
すると、ヴィン君とユーゴ君は二人同時にこちらを見た。どうも、二人はルーク君を見ているようだ。
しばらくハル君の話を聞いた後、二人は頷いた。それを見たハル君の表情は明るいものになる。
もしかして…
私の考えを肯定するように、ハル君は二人を引き連れて戻ってきた。
「ルーク、この二人が学校案内してくれるってさ!!」
「ハル君ったら、突然すぎだよ。まずは自己紹介を先にしなくちゃ」
戻って来て早々に、満面の笑みで前置き無しにそれだけ言ったハル君を、先程のお返しとばかりにキャシーちゃんが注意する。
「あっ。そうか」
バツが悪そうに身じろぎするハル君を、ヴィン君が「ハルらしいけどな」とおかしそうに笑った。
「俺はヴィン。んで、こっちの図体のでかいやつがユーゴな」
「…よろしく」
ヴィン君が自分とユーゴ君を指さしながら自己紹介をする。
「ルークです」と手を差し出すルーク君に、ヴィン君は「知ってる」とニヤッと笑って答えた。
「ヴィン達も三限目の授業がないんだ。んで、ルークのこと頼んだら一緒に回ってくれるって」
「いいの?」
「もちろんさ。なあ、ユーゴ」
「ああ」
迷惑ではないかと躊躇するルーク君に、ヴィン君達は「任せろっ」と頼もしい声をかける。
「二人とも、くれぐれも図書館には行くなよ」
よっぽど怖かったのだろうか。最後にハル君がヴィン君達に念押ししている姿が印象的だった。
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