7 / 12
各キャラパート
シトリンルート
しおりを挟む
小さい時からそんな感じはしてたけど、5人の中で一番残念な育ち方をしたのは、シトリンだと思う。
馬鹿っぽさに磨きがかかり、よく言えば愛されるいじられキャラなのだが、私的に愛され要素は感じず、ただのおバカキャラだ。
「も~!あんまり意地悪だと女の子にモテないぞっ☆ここは俺を立てて皆仲良く…」
「何故シトリンを立てる必要があるのだ?」
「と言うか~「自分を立てる」って意味分かってるのー?」
不毛な言い争いの中、一歩出たシトリンにオニキスとペリドットが問いかける。
「ん?ここは俺に任せろ!ってやつでしょ?」
「全然違うね」
「てか、お前に任せれるかよ!言葉の意味も分かってねーし。大体昔っからそーだよな」
サファイアのつっこみからガーネットの指摘に始まり、4人でシトリンの駄目な所を言い合う話の流れに。
(おっ!これはチャンスなのでは!?)
皆の意識が私から離れてるこの隙にと、気配を消して後ずさっていく。
こうして、シトリンという尊い犠牲の上に今日の私の平穏は保たれた。
(シトリングッジョブ!今日限定で好感度ほんのちょびっと上げとくから)
そう思ってた矢先。
「ぅぐう…。リ、リディア~!俺のビーナスはそんなことないって言ってくれるよね~っ?」
どうする?
▽助け船を出す
いいよどむ
追い討ちをかける
(くっ!?ここで話振ってくるとかっ!好感度なんか1㎜も上げるんじゃなかった)
逃げそびれてしまった私は恨みを込めて選ぶ。
▼「追い討ちをかける」
「そんなことあるでしょ。私だって思い当たることいっぱいあるよー?」
「そ、そんなぁ~」
ナミダ目になられても一切同情などしない。
が、しかし。
「言い間違いもそうだけど、探索の時も採集の時だって、よく装備忘れてるしシトリンは脛が甘いんだよね~」
「・・・リディア、それツメが甘いじゃない?」
まさかのシトリン本人に突っ込まれてしまった。
▼「いいよどむ」
「え、…!あー…あぁ、そうツメね!爪!間違っちゃった」
悲しいかな、私もあんまり国語力というかそういう方面は弱かったり…。
「だよね!どっちも体の一部だし、間違うの分かるー!でも、なんで爪が甘いってゆーのかなぁ」
「ねーねー?一応言っとくと、詰めね?爪のことじゃないから。最後の最後で仕上げが足んないってことなんだけど大丈夫?」
ペリドットが小首を傾げながらも的確な指摘をし、何も言えなくなるシトリン。
そして、同じ間違いをしていた私も慌てる。
▼「助け船を出す」
「だ、誰にでも覚え間違いってあることじゃないっ?つ、次!次から正しく使えばいいことなんだから大丈夫よ!」
自分をフォローするつもりで必死になって言ってしまって後悔する。
シトリンがパアァと効果音が聞こえるくらいキラキラした顔でこっちを見ている。
同じ間違いをした仲間意識と、庇うような私の台詞にシトリンからの好感度はだだ上がりだ。
てゆーか、結局全部の選択肢使ってるし。どの道こうなるって確定のやつじゃん?
この強制的なイベント発生の感じ、すっごくヤダ!
「さっすが俺の女神!優しーっ!!ねぇねぇ、ならこれから2人っきりで勉強会なんてどう?リディアとならどんな問題だって解いてみせちゃうよ!」
どうする?
▽しょうがな…
って、しょうがないわけあるかぁーーー!!
爪が甘かろうと、脛が甘かろうと知ったことじゃない!足らない部分は力で埋めてみせる!
そう、魔王さえも肉弾戦で戦い抜いた「武闘家リディア」の名に懸けて!!
「はぁあああああー!!!」
腕力を重点的に上げる【肉体強化】をかけ、シトリンの胸ぐらをガシリと掴む。
そして、大きく振りかぶってぇ…。
「そんなに勉強したいんならぁ、1人でしてこーーーーい!!」
絶妙な力加減で、村の北北西2キロ先にシトリンを投げ飛ばす。
「あっちって、確かぁ…」
「うむ、修練の遺跡~学問編~あたりであるな」
「あー、一度入ったら全問正解まで抜け出せなかったとこな。俺、46問目未だにトラウマだわ」
シトリンが消えていった方角を眺めていた残り4人をギンっと睨む。
「シトリンと一緒に勉強したい人、いる?」
私の鬼気迫る迫力にフルフルフルと首を降った4人はそそくさとその場を立ち去るのだった。
それから、シトリンが村に帰ってくるまで5日かかったとさ。
今回は、かなり…強引ではあったけど!なんとかイベント回収の難は逃れたのである。
馬鹿っぽさに磨きがかかり、よく言えば愛されるいじられキャラなのだが、私的に愛され要素は感じず、ただのおバカキャラだ。
「も~!あんまり意地悪だと女の子にモテないぞっ☆ここは俺を立てて皆仲良く…」
「何故シトリンを立てる必要があるのだ?」
「と言うか~「自分を立てる」って意味分かってるのー?」
不毛な言い争いの中、一歩出たシトリンにオニキスとペリドットが問いかける。
「ん?ここは俺に任せろ!ってやつでしょ?」
「全然違うね」
「てか、お前に任せれるかよ!言葉の意味も分かってねーし。大体昔っからそーだよな」
サファイアのつっこみからガーネットの指摘に始まり、4人でシトリンの駄目な所を言い合う話の流れに。
(おっ!これはチャンスなのでは!?)
皆の意識が私から離れてるこの隙にと、気配を消して後ずさっていく。
こうして、シトリンという尊い犠牲の上に今日の私の平穏は保たれた。
(シトリングッジョブ!今日限定で好感度ほんのちょびっと上げとくから)
そう思ってた矢先。
「ぅぐう…。リ、リディア~!俺のビーナスはそんなことないって言ってくれるよね~っ?」
どうする?
▽助け船を出す
いいよどむ
追い討ちをかける
(くっ!?ここで話振ってくるとかっ!好感度なんか1㎜も上げるんじゃなかった)
逃げそびれてしまった私は恨みを込めて選ぶ。
▼「追い討ちをかける」
「そんなことあるでしょ。私だって思い当たることいっぱいあるよー?」
「そ、そんなぁ~」
ナミダ目になられても一切同情などしない。
が、しかし。
「言い間違いもそうだけど、探索の時も採集の時だって、よく装備忘れてるしシトリンは脛が甘いんだよね~」
「・・・リディア、それツメが甘いじゃない?」
まさかのシトリン本人に突っ込まれてしまった。
▼「いいよどむ」
「え、…!あー…あぁ、そうツメね!爪!間違っちゃった」
悲しいかな、私もあんまり国語力というかそういう方面は弱かったり…。
「だよね!どっちも体の一部だし、間違うの分かるー!でも、なんで爪が甘いってゆーのかなぁ」
「ねーねー?一応言っとくと、詰めね?爪のことじゃないから。最後の最後で仕上げが足んないってことなんだけど大丈夫?」
ペリドットが小首を傾げながらも的確な指摘をし、何も言えなくなるシトリン。
そして、同じ間違いをしていた私も慌てる。
▼「助け船を出す」
「だ、誰にでも覚え間違いってあることじゃないっ?つ、次!次から正しく使えばいいことなんだから大丈夫よ!」
自分をフォローするつもりで必死になって言ってしまって後悔する。
シトリンがパアァと効果音が聞こえるくらいキラキラした顔でこっちを見ている。
同じ間違いをした仲間意識と、庇うような私の台詞にシトリンからの好感度はだだ上がりだ。
てゆーか、結局全部の選択肢使ってるし。どの道こうなるって確定のやつじゃん?
この強制的なイベント発生の感じ、すっごくヤダ!
「さっすが俺の女神!優しーっ!!ねぇねぇ、ならこれから2人っきりで勉強会なんてどう?リディアとならどんな問題だって解いてみせちゃうよ!」
どうする?
▽しょうがな…
って、しょうがないわけあるかぁーーー!!
爪が甘かろうと、脛が甘かろうと知ったことじゃない!足らない部分は力で埋めてみせる!
そう、魔王さえも肉弾戦で戦い抜いた「武闘家リディア」の名に懸けて!!
「はぁあああああー!!!」
腕力を重点的に上げる【肉体強化】をかけ、シトリンの胸ぐらをガシリと掴む。
そして、大きく振りかぶってぇ…。
「そんなに勉強したいんならぁ、1人でしてこーーーーい!!」
絶妙な力加減で、村の北北西2キロ先にシトリンを投げ飛ばす。
「あっちって、確かぁ…」
「うむ、修練の遺跡~学問編~あたりであるな」
「あー、一度入ったら全問正解まで抜け出せなかったとこな。俺、46問目未だにトラウマだわ」
シトリンが消えていった方角を眺めていた残り4人をギンっと睨む。
「シトリンと一緒に勉強したい人、いる?」
私の鬼気迫る迫力にフルフルフルと首を降った4人はそそくさとその場を立ち去るのだった。
それから、シトリンが村に帰ってくるまで5日かかったとさ。
今回は、かなり…強引ではあったけど!なんとかイベント回収の難は逃れたのである。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる