人生和歌集 -風ー(1)

多谷昇太

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海を渡る風

(未定…)

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数ⅡB絵の具と筆菓子折りも姉のこころのただありがたしも

仕事と私生活はともに順調に滑り出しました。毎日の皿洗いや雑務など勤勉でまだ若かった日本人こと、松山氏と私にとっては遊びのようなもので何の苦にもなりません。ボスのビショッフ氏始めドリスやフィリップ、ウエイターたちとの人間関係もなに差し障りなく行き、万事順調です。フランクフルトでの惨めな体験をかつて手紙で伝え、いまやっとこうして得た生活を手紙で伝えたので日本の姉も喜んでくれました。その手紙で依頼したのですが姉から届いた小荷物には高校時代の数ⅡBの教科書と家に置いて来た油絵具と筆が入っていました。そして日本の煎餅などスナック菓子も。
(…以降後日にまた加筆します)
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