エッセイのプロムナード

スクールカーストへの考察

社会の実態とスクールカースト

そこに於てではこのような現実乖離の傾向とスクールカーストに走る子供たちの実態やその生起理由についてですが、これに付いては明大教授の内藤朝男という方がその著書「いじめの構造」の中で実によく分析していて、伊藤氏が「タバコ云々」で描いたところの子供たちの倫理観消失や、無法の様のその生起理由さえもがよく判ります（推奨、ご一読）。それ加うるに私観ですが「大人社会が子供の世界に凝縮されて投影される」という一説から鑑みて、また一定期間を強制的に閉鎖空間に寄せ集められて過ごさざるを得ないという、謂わば逃げ場の無い子供たちの状況から鑑みて、オーバーかも知れませんが子供たちは“生存する為に″このカースト制を受け入れる他ないのだろうとも思えるのです。その論旨は、６９年間のつまらない私の人生経験から見てですが、この社会における法律や規範などというものはこれらは謂わば建前であって、公平無私なものですらなく、その建前とは別個の、権力と云うか力と云うか、社会を実効支配する者達の意向と規範こそが、実は隠れた実効的法律のようになっていると思えるのです。昨今の森友・加計疑惑を雲散させてしまうような官邸の力、ＮＨＫへの郵政の横槍や上野政務官への批判無視等、また海外で云えば彼のトランプや中国の習近平、あるいはロシア・プーチンらの力の外交（内政も！）など、その現れを挙げれば切りがありません。卑近な例で恐縮ですが私の拙著「引っ越し顛末記」にあるような家主と不動産会社（及びヤクザ親分）などの恣意と強要もやはりそうです。その他にもパワハラやセクハラがあり、何よりも格差社会の現れとその有り様自体が、この社会の実態というものが何であるかを現しているでしょう。これらを糾弾しようが揶揄しようが、あるいは正式に警察や当該機関に訴え出ようが、権力層や格差社会の上の連中はビクともしません。シニカルに鼻を鳴らすのがせいぜいです（尤も今こうして文芸誌に私が記しているように表現の自由があるだけでもマシというものですが…）。

　　　　　　　　　　【スクールカーストを誘った社会の実態？】