クワンティエンの夢

多谷昇太

文字の大きさ
11 / 65
西行庵

参拝?それともケ・ン・ガ・ク?

しおりを挟む
「ちょっと、亜希子さーん。ここらで休憩しましょうよ。私もう疲れちゃった」お嬢様コンビのうち匡子が音をあげて、かなり前を行く亜希子と郁子、織枝と絹子の4人に呼びかけた。こちらの匡子側は残りの5人である。「さっき金峯神社で休んだばかりでしょ。まだいくらもたってないじゃない。もうすぐ、そこよ。頑張って」としかし亜希子はつれない。「あ―ら、お弱いこと。匡子お嬢様、おぶってさしあげましょうか?」と加代が聞く。「イーだ。そう云うあなた方だって遅れがちじゃないの」「おかまいなく。あたしたちはわざと遅らしているんだから」の遣取に「先に行かせりゃいいのよ。亜希子のやつ、参拝だなんて云って。西行はただの和歌の名人。何とか教の教祖じゃないのよ。参拝じゃなくってケ・ン・ガ・クよ、見学」と梅子が自説を賜う。「そうですよね」加代が相槌を打って「それと梅子さん、もしさっきの爺と本当に歌合わせなんかやらされた時は、私と恵美に加勢お願いしますよ」と頼み込む。「まかせとけ。白河女子大歌道部をなめるな。亜希子のやつ、年配者がどうのなんて、いい子ぶってさ。今日日金で歌人面(づら)してるやつらばっかりで、スキルも中身もないのが殆どよ。どうせその口でしょ、あの爺さんも。あたしが化けの皮はがしてやるから、加代も恵美も安心してていいよ」力強く梅子が請け合った。恵美が「頼もしいっす。ケンカの時には必ず恩返しますからよろしくお願いします」と云えば「まー、おっかない。恵美さん、あんた男なの?それにお3人とも爺、爺って。爺なら…あら、私も云っちゃった。そんなお爺さんなら応援なんか頼まなきゃいいんじゃないの?」慶子が揶揄を入れると「あたしはさあ、歌の感性じゃ負けないけど、古語とかなると今一…」などと恵美が言い訳している間に先行組から9人中一番の郁子の黄色い声が伝わって来た。

       【お嬢様コンビ、匡子(左)と慶子(右)のイメージ】
acworksさん作品
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...