クワンティエンの夢

多谷昇太

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白峰の巻

脚注①カナールとカナルディエ

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♬ 讃岐の松山に松の一本ゆがみたる、もぢりさのすぢりさに、猜(そね)うだるとかや、直島のさばかんの松をだにも直さざるらん ♫

〔※以下脚注:上の歌詞は讃岐に遠流された崇徳上皇をからかって当時の民衆が歌ったとされる今様(今で云う歌謡曲?)ですが、その歌詞がかの著名な梁塵秘抄に残っています。ではこの歌集の選者たる後白河上皇は、はたしてどんな意趣を以ってこの歌を選んだのでしょうか?ちなみにこの後白河上皇は思わぬ形で即位するまでは言葉は悪いが、いわば「うつけの君」とでも評されるような、世事に疎い面があったとされる人物です。源氏物語内の八宮とはまったく異なる意味合いにおいてですが、彼、後白河は「即位するなど自分には端っから無理」として、もっぱら今様などにうつつをぬかしていたのです。それが棚ボタで即位の機がめぐってくるとまるで人が変わったかのように権力指向となり、源頼朝から「三界一の天狗め」と揶揄されるほどに、しぶとく、図々しく、実に長期に渡って皇位に君臨し続けたのでした。
 この後白河が覇者となった平清盛始め→木曽義仲→源義経→源頼朝に至るまで己が意のままに操ったとされる面を捉えて、その頼朝から、また世間からも「三界一の天狗」と評されるに至ったのでしょう。またこのことのみならず、保元の乱のあとで遠流されてもはや無害となった崇徳天皇を、刺客を向けて葬ったのがもし後白河であったとするならば、これはもうちょっと度が超えていると云うものです。
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