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潜水艇でどこまでも
遭遇
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『すまないが今話してよいかな?』
「船長、どうしましたか?」アリスさんがこたえる。
研究室に船長からの通信がはいったのはこの船が停船してから数時間たったころだった。
『…それが整備班の潜水艇がハッチの故障で出すことができない、そこで研究エリアから潜水艇をだしていただきたいのだが』
「カイくん大丈夫かね?私としては無理はさせたくないのだが…」
「もちろん構いません」
『主任にたずねたら研究エリアに潜水艇のライセンスを持っているのはカイくんだけだと、助かったよ』
「いえ、こちらこそ」
「それでは研究エリア用のハッチに向かいますね」
『よろしくたのむ、整備班は船内から原因の究明にあたらせることとしよう』
通信が切れ、博士がたずねた。
「本当によいのか?私としては大切な助手を危険にさらしたくはないのだが…」
「心配していただきありがたいのですが整備班の方々の努力を無駄にはしたくないので」
『すまない協力感謝する』
通信が切れた。
「博士これから研究用ハッチへ向かいます」
「我々はブリッジへ向かおうそこで船長たちと指示をだすことにしよう」
「わかりました」
研究エリアは三層にわかれていて上層には各分野それぞれのラボがあり中層には研究機材が保管されておりいつでもつかえるようになっている。そして下層には研究用の潜水艇とそれを出すためのハッチがついている。そこにつくと船長からの通信が入った。
『カイくん、潜水艇かはU-d3を使ってくれたまえ、必要な装備はすべて積載させているところだ』
「ありがとうございます」
『何か必要なものがあれば整備班に言ってくれできる限り用意させる』
「わかりました」
U-d3、このロボット掃除機にアームとボンベをそなえたような外見をした探査用の2人乗り小型潜水艇だ。サブパイロットが必要になるけど…だれなんだろ?
「あ、あのさ…」
「サヤ!」
「整備の人が手が足りないって聞いて…私があなたのサブパイロットやるわ!」
「ええっ!」
「サヤ!そこにいるんだな?」
「お兄様!」
アランの語気が荒い、あんな取り乱しているのは初めてみた。
「この作業は危険だ!いますぐブリッジへ戻れ!」
「イヤ!私だって役にたちたいの」
「サヤ…だが────」
「お兄様は目の病気のこともあって潜水艇にのれないだったら代わりに私がいかなくてどうするの!」
「いや!そんなの屁理屈だ!いますぐ戻れ!」
「カイさん準備整いました」
整備班の男性が話しかけてきた。
「ありがとうございます…済まないアラン、ぼくは彼女をサブパイロットとして連れて行くよ」
「なにバカなこと言ってるんだ!そこには整備班の人間もいるんだろ?」
「わ、我々はせんすいていの整備が専門で選外活動は専門外でして…」
「くっ!」
「そういうことだから…操縦者の任命権を行使させてもらう…サヤ・ウィンディを本件に限りU-d3サブパイロットとします」
「…わかった、サヤを頼む」
「ああ、もちろん」
ぼくが先に乗り込む、潜水艇の中はとてもせまく2人分のスペースにアームタイプの操縦桿とモニターがあるだけだ。全自動化されているので事足りるのだろう、まあいざとなればマニュアルモードに切り替える『最後は人間が機械をコントロールする』父さんの口癖だったけ。
『メインパイロット:カイ・シンドウ、サブパイロット:サヤ・ウィンディ…承認しました』
AIに認識されると簡単な操作テストが行われ問題なしとブリッジより判断された。
『第3ハッチ内注水します、作業員はハッチより退避してください』
『作業員全員退避を確認、注水ボタン押します!』
『注水完了、水圧異常なし!』
『ハッチ開放まで10秒、10 9 8 7 6 5 4 3 2 1…ハッチ開放』
「カイ・シンドウ、U-d3でます」
ハッチが開放されると群青の景色が広がっていた。
「現在水深256m、浮遊状態正常」
『よし、そのままスクリューをみてきてくれなにか異常があればすぐ報告してくれ』
「わかりました」
『スクリューの場所はあらかじめソイツにインストールしてあるからマップをひらいてくれ』
「わかりました、ありがとうございます」
モニターに表示されたマップを見る限り第3ハッチからスクリューまでは船壁に沿って25.3m。U-d3の航行速度は最大時速60kmだが通常は時速5km前後で航行する。幸い有線で電源供給を受けているので少しスピードを上げることにした。
「速度時速8km、このまま慎重かつ迅速に向かいます」
『了解した、船体噴水部位からの水流に気をつけろ』
「了解」
「なんでサブパイロットに?」
右を見ずサヤに話す。
「まあお兄様がバカにされるのがイヤだったから…かな」
「そっか」
アランは生まれつき目の病気で光を過敏に感じてしまい建物の外にでるときは必ず偏光グラスをつけている。そういえば大学の食堂で陰口をたたかれていたのを耳にしたことがあったな、たしか『特待生のくセに潜水艇の操縦がうまい』とか『潜水艇の操縦に関してはオレの方が上だ』とかそんな話だ。おそらくそれを聞いて兄に気をつかったのだろう。
「アランは気にしていないよ」そう一声かけることもできたけれど、サヤが見せたあの表情がよぎりその台詞単語をのみこんだ。
「まもなくスクリュー付近に到着します」
『了解』
まもなくして巨大なスクリューに出くわした直径は20mはあるそれが2基確認できた
「こちらU-d3スクリューに到着」
『了解した、スクリューに異常がないか調べてくれ』
「了解、10分後再度連絡を入れます」
『了解、異常ありしだい連絡してください』
「了解」
ゆっくりスクリュー付近を旋回していく。
「ん?」
「どうしたの?」
「なんかクラゲみたいなもの漂ってないか?」
「ほんとだ、ビニールではなさそうね」
『その映像をブリッジに』
アリスさんから返答があった。
「了解送ります」
『これは古くなった吸盤だね』
「吸盤ですか?」
『そうだ、イカやタコの仲間は古くなった吸盤が剥がれるのさ、人間の髪の毛のようにね』
「へぇ…」
『至急!至急!こちら整備、先行したU-d1、U-d2と連絡が途絶えた!そちら異常ないか?』
「了解、目視での確認を────」
そのとき激しい振動が襲った!
「あっ、あれは!」
『どうした?』
「イカです、巨大なイカです!」
「船長、どうしましたか?」アリスさんがこたえる。
研究室に船長からの通信がはいったのはこの船が停船してから数時間たったころだった。
『…それが整備班の潜水艇がハッチの故障で出すことができない、そこで研究エリアから潜水艇をだしていただきたいのだが』
「カイくん大丈夫かね?私としては無理はさせたくないのだが…」
「もちろん構いません」
『主任にたずねたら研究エリアに潜水艇のライセンスを持っているのはカイくんだけだと、助かったよ』
「いえ、こちらこそ」
「それでは研究エリア用のハッチに向かいますね」
『よろしくたのむ、整備班は船内から原因の究明にあたらせることとしよう』
通信が切れ、博士がたずねた。
「本当によいのか?私としては大切な助手を危険にさらしたくはないのだが…」
「心配していただきありがたいのですが整備班の方々の努力を無駄にはしたくないので」
『すまない協力感謝する』
通信が切れた。
「博士これから研究用ハッチへ向かいます」
「我々はブリッジへ向かおうそこで船長たちと指示をだすことにしよう」
「わかりました」
研究エリアは三層にわかれていて上層には各分野それぞれのラボがあり中層には研究機材が保管されておりいつでもつかえるようになっている。そして下層には研究用の潜水艇とそれを出すためのハッチがついている。そこにつくと船長からの通信が入った。
『カイくん、潜水艇かはU-d3を使ってくれたまえ、必要な装備はすべて積載させているところだ』
「ありがとうございます」
『何か必要なものがあれば整備班に言ってくれできる限り用意させる』
「わかりました」
U-d3、このロボット掃除機にアームとボンベをそなえたような外見をした探査用の2人乗り小型潜水艇だ。サブパイロットが必要になるけど…だれなんだろ?
「あ、あのさ…」
「サヤ!」
「整備の人が手が足りないって聞いて…私があなたのサブパイロットやるわ!」
「ええっ!」
「サヤ!そこにいるんだな?」
「お兄様!」
アランの語気が荒い、あんな取り乱しているのは初めてみた。
「この作業は危険だ!いますぐブリッジへ戻れ!」
「イヤ!私だって役にたちたいの」
「サヤ…だが────」
「お兄様は目の病気のこともあって潜水艇にのれないだったら代わりに私がいかなくてどうするの!」
「いや!そんなの屁理屈だ!いますぐ戻れ!」
「カイさん準備整いました」
整備班の男性が話しかけてきた。
「ありがとうございます…済まないアラン、ぼくは彼女をサブパイロットとして連れて行くよ」
「なにバカなこと言ってるんだ!そこには整備班の人間もいるんだろ?」
「わ、我々はせんすいていの整備が専門で選外活動は専門外でして…」
「くっ!」
「そういうことだから…操縦者の任命権を行使させてもらう…サヤ・ウィンディを本件に限りU-d3サブパイロットとします」
「…わかった、サヤを頼む」
「ああ、もちろん」
ぼくが先に乗り込む、潜水艇の中はとてもせまく2人分のスペースにアームタイプの操縦桿とモニターがあるだけだ。全自動化されているので事足りるのだろう、まあいざとなればマニュアルモードに切り替える『最後は人間が機械をコントロールする』父さんの口癖だったけ。
『メインパイロット:カイ・シンドウ、サブパイロット:サヤ・ウィンディ…承認しました』
AIに認識されると簡単な操作テストが行われ問題なしとブリッジより判断された。
『第3ハッチ内注水します、作業員はハッチより退避してください』
『作業員全員退避を確認、注水ボタン押します!』
『注水完了、水圧異常なし!』
『ハッチ開放まで10秒、10 9 8 7 6 5 4 3 2 1…ハッチ開放』
「カイ・シンドウ、U-d3でます」
ハッチが開放されると群青の景色が広がっていた。
「現在水深256m、浮遊状態正常」
『よし、そのままスクリューをみてきてくれなにか異常があればすぐ報告してくれ』
「わかりました」
『スクリューの場所はあらかじめソイツにインストールしてあるからマップをひらいてくれ』
「わかりました、ありがとうございます」
モニターに表示されたマップを見る限り第3ハッチからスクリューまでは船壁に沿って25.3m。U-d3の航行速度は最大時速60kmだが通常は時速5km前後で航行する。幸い有線で電源供給を受けているので少しスピードを上げることにした。
「速度時速8km、このまま慎重かつ迅速に向かいます」
『了解した、船体噴水部位からの水流に気をつけろ』
「了解」
「なんでサブパイロットに?」
右を見ずサヤに話す。
「まあお兄様がバカにされるのがイヤだったから…かな」
「そっか」
アランは生まれつき目の病気で光を過敏に感じてしまい建物の外にでるときは必ず偏光グラスをつけている。そういえば大学の食堂で陰口をたたかれていたのを耳にしたことがあったな、たしか『特待生のくセに潜水艇の操縦がうまい』とか『潜水艇の操縦に関してはオレの方が上だ』とかそんな話だ。おそらくそれを聞いて兄に気をつかったのだろう。
「アランは気にしていないよ」そう一声かけることもできたけれど、サヤが見せたあの表情がよぎりその台詞単語をのみこんだ。
「まもなくスクリュー付近に到着します」
『了解』
まもなくして巨大なスクリューに出くわした直径は20mはあるそれが2基確認できた
「こちらU-d3スクリューに到着」
『了解した、スクリューに異常がないか調べてくれ』
「了解、10分後再度連絡を入れます」
『了解、異常ありしだい連絡してください』
「了解」
ゆっくりスクリュー付近を旋回していく。
「ん?」
「どうしたの?」
「なんかクラゲみたいなもの漂ってないか?」
「ほんとだ、ビニールではなさそうね」
『その映像をブリッジに』
アリスさんから返答があった。
「了解送ります」
『これは古くなった吸盤だね』
「吸盤ですか?」
『そうだ、イカやタコの仲間は古くなった吸盤が剥がれるのさ、人間の髪の毛のようにね』
「へぇ…」
『至急!至急!こちら整備、先行したU-d1、U-d2と連絡が途絶えた!そちら異常ないか?』
「了解、目視での確認を────」
そのとき激しい振動が襲った!
「あっ、あれは!」
『どうした?』
「イカです、巨大なイカです!」
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