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第一章 暴虐皇子のやり直し開始
8話 暴虐皇子は「タコ丸」を許さない
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商人ギルド・・・国と言う枠を超えシリウス大陸全般にネットワーク網を持つ、商人達の一大勢力「商人ギルド」
その本拠地は、ここ帝国首都ヴァルハラにあり各国にはそれぞれ、大支部、中支部、小支部と小さな農村等を除く、「街」や「都市」と呼ばれる人口500人を超える様な場所には必ず支部が存在する
商人ギルドの主な役割は、商品と商品を繋ぎ別の商品とする「ライン」と呼ばれる業務、新たな商売を支援する「アシスト」、各国間での行商を可能にする認可「パス」、後は商人への資金の貸付「ローン」、と多岐に渡るが主な仕事は以上だ。
まぁ裏で商人同士のいざこざを仲裁する部署もあるらしいけど、表立って公表していないので詳しくは知らない
大陸全般をその活動範囲とする為、かなり巨大な組織である
そんな商人ギルドが俺に・・・と言うよりヴァルハラ皇家へ依頼してくるのは、新商品をその国で取り扱って良いかの認可だ
国によっては風習や信仰により取り扱えない商品もあり、特にライン網を利用して食料を作る場合使用してる材料に至るまで厳正に審査する国もある
その点我がヴァルハラ帝国は過度な信仰を強いているわけでもなく、申請は比較的に緩いと言える
だから、この認可は最高権力者である父上、マーリン皇帝ではなく息子の俺が責任者となっているのだ。
(まぁ・・・いつも適当に書類にサインして「お土産」と言う名の、お小遣いを貰うだけの簡単な仕事だしな・・・)
1周目で何度か商人ギルドからの申請に対応した時の事を思い出し、思わず笑みがこぼれる。
でも、同時この時にもらった「お土産」でグネビーへのプレゼントを大量に買い込んで贈っていた事も思い出し、嫌な思いも蘇る・・・。
しかも、この時に認可した「タコ丸」とかいう小麦とタコと卵を使った食べ物が元で、帝国西部の大都市ナニーワの記念祭に参加していた大勢の住人が食中毒で倒れ何百人もの死者を出してしまったのだ。
いちばんの責任はタコ丸を提供していた店なのだが、中毒患者や死亡した者の遺族に対し、多額の賠償を認可した商人ギルドと帝国もその負債を負う事なった
当然、父である陛下には大激怒されしばらく城への出入りを禁止された挙句、俺の所持していた個人資産も全て没収されてしまう事になった
(あの時は、本気で父上に殺意を抱いたが、今にして思えば商人ギルドの連中に嵌められたのでは?と、疑ってしまう・・・)
実際に俺が城に帰らなくなって程なく、陛下がザッハの仕掛けた毒に倒れてしまい、、その時に同席して無かった俺は、まんまとザッハの言葉を信じ込み奴の策略で神龍公国に無謀な戦争を仕掛ける羽目になり結果、陛下を救えず見殺しにする事になったのだ・・・
コンコン・・「アーサー様、商人ギルドのギルド長等がお見えです」
皇太子の執務室のドアがノックされ、ヒルダが声をかけて来た
「あぁ入ってもらえ」
ガチャと扉が開くと、肥満気味の中年の男と、痩せ型の若そうな男が揃って頭を下げ入室して来た
ちなみにヒルダは同席を許されていない、認可前の商品は機密性が高いから・・・だそうだ
だから・・・
「殿下、この度はお忙しい中、我等商人ギルドの為にお時間をいただき誠に恐縮でございます」
確か肥満気味で脂ぎった男がギルド長で、隣の痩せ男が支部長だったかな?
「これも仕事だ気にするな・・・それよりもこの後、陛下との謁見を控えているんだ、早速要件に移ってくれ」
俺の態度に驚いた様子の二人
(まぁ拍子抜けするよな、前は来たらすぐに手土産を要求してたもんな・・・だが、時間が押してるのも事実、早めに処理してしまおう)
いつも俺から手土産を寄越せと言ってるからか、先に要件に入れと言われ痩せ型の男は手にした紙袋を俺に渡すタイミングを完全に見失っていた
「おい、何をぼさっとしてる早く書類を見せないか」
動揺している痩せ型の男に手をヒラヒラさせ、書類を要求すると男は手土産を背中に隠し封書を俺に差し出した
俺は封の蝋印を爪で弾いて外すと、中身の数枚の書類を取り出しソファーへと腰を深くかけ内容に目を通した
「果実を絞った液体」「木の代わりに鉄を固めた物を使うハンマー」「穀物を脱穀する為、水の力を使う水車」「植物から抽出した樹液と油を混ぜた洗剤」・・・・あったこれだ・・・
「小麦と卵を混ぜ、タコを閉じ込め丸く焼く」
俺は、その一枚の申請用紙だけ抜き取り二人の前に突き返す
「この申請は却下だ」
「え!?」「なっ何故で御座います!?」
俺は申請内容が記載されてる指差し、二人を睨みつける
「ここに書かれてる「タコ」だが、具体的な品種が記載されて無い・・・穀物や鶏の卵は保存が利いたり、一年通してとれたりするが、「タコ」は違うだろ?タコと言えば何でも良いって訳じゃないはずだ、この内容を明確にしない限り許可出来ないな」
ギルド長は俺が突き返した申請書を穴があくほど見つめ・・・
「こ、これは・・・大変失礼いたしました、我等、商人ギルドも殿下にご提出する前に何回も確認したのですが・・・お恥ずかしい限りです」
「あぁ次から気をつけてくれ・・・それと、他4件の申請に関しては了承する、ほれ・・これで良いか?」
ギルド長が「タコ丸」の原案となる申請書を見ている隙に他の4件にサインを終えると
「は、はい・・・確かに、お手間をお掛けしました」
2人はそろって俺に頭を下げた。俺はその場で席を立つと・・・
「では、陛下を待たせる訳にもいかないので俺はこれで失礼するよ」
俺は軽く手を上げ後ろを振り返る事無く執務室を後にした・・・・残された執務室には唖然とするギルド長と「手土産」を持ち上げたまま固まっている支部長の姿があったとか、なかったとか・・・
その本拠地は、ここ帝国首都ヴァルハラにあり各国にはそれぞれ、大支部、中支部、小支部と小さな農村等を除く、「街」や「都市」と呼ばれる人口500人を超える様な場所には必ず支部が存在する
商人ギルドの主な役割は、商品と商品を繋ぎ別の商品とする「ライン」と呼ばれる業務、新たな商売を支援する「アシスト」、各国間での行商を可能にする認可「パス」、後は商人への資金の貸付「ローン」、と多岐に渡るが主な仕事は以上だ。
まぁ裏で商人同士のいざこざを仲裁する部署もあるらしいけど、表立って公表していないので詳しくは知らない
大陸全般をその活動範囲とする為、かなり巨大な組織である
そんな商人ギルドが俺に・・・と言うよりヴァルハラ皇家へ依頼してくるのは、新商品をその国で取り扱って良いかの認可だ
国によっては風習や信仰により取り扱えない商品もあり、特にライン網を利用して食料を作る場合使用してる材料に至るまで厳正に審査する国もある
その点我がヴァルハラ帝国は過度な信仰を強いているわけでもなく、申請は比較的に緩いと言える
だから、この認可は最高権力者である父上、マーリン皇帝ではなく息子の俺が責任者となっているのだ。
(まぁ・・・いつも適当に書類にサインして「お土産」と言う名の、お小遣いを貰うだけの簡単な仕事だしな・・・)
1周目で何度か商人ギルドからの申請に対応した時の事を思い出し、思わず笑みがこぼれる。
でも、同時この時にもらった「お土産」でグネビーへのプレゼントを大量に買い込んで贈っていた事も思い出し、嫌な思いも蘇る・・・。
しかも、この時に認可した「タコ丸」とかいう小麦とタコと卵を使った食べ物が元で、帝国西部の大都市ナニーワの記念祭に参加していた大勢の住人が食中毒で倒れ何百人もの死者を出してしまったのだ。
いちばんの責任はタコ丸を提供していた店なのだが、中毒患者や死亡した者の遺族に対し、多額の賠償を認可した商人ギルドと帝国もその負債を負う事なった
当然、父である陛下には大激怒されしばらく城への出入りを禁止された挙句、俺の所持していた個人資産も全て没収されてしまう事になった
(あの時は、本気で父上に殺意を抱いたが、今にして思えば商人ギルドの連中に嵌められたのでは?と、疑ってしまう・・・)
実際に俺が城に帰らなくなって程なく、陛下がザッハの仕掛けた毒に倒れてしまい、、その時に同席して無かった俺は、まんまとザッハの言葉を信じ込み奴の策略で神龍公国に無謀な戦争を仕掛ける羽目になり結果、陛下を救えず見殺しにする事になったのだ・・・
コンコン・・「アーサー様、商人ギルドのギルド長等がお見えです」
皇太子の執務室のドアがノックされ、ヒルダが声をかけて来た
「あぁ入ってもらえ」
ガチャと扉が開くと、肥満気味の中年の男と、痩せ型の若そうな男が揃って頭を下げ入室して来た
ちなみにヒルダは同席を許されていない、認可前の商品は機密性が高いから・・・だそうだ
だから・・・
「殿下、この度はお忙しい中、我等商人ギルドの為にお時間をいただき誠に恐縮でございます」
確か肥満気味で脂ぎった男がギルド長で、隣の痩せ男が支部長だったかな?
「これも仕事だ気にするな・・・それよりもこの後、陛下との謁見を控えているんだ、早速要件に移ってくれ」
俺の態度に驚いた様子の二人
(まぁ拍子抜けするよな、前は来たらすぐに手土産を要求してたもんな・・・だが、時間が押してるのも事実、早めに処理してしまおう)
いつも俺から手土産を寄越せと言ってるからか、先に要件に入れと言われ痩せ型の男は手にした紙袋を俺に渡すタイミングを完全に見失っていた
「おい、何をぼさっとしてる早く書類を見せないか」
動揺している痩せ型の男に手をヒラヒラさせ、書類を要求すると男は手土産を背中に隠し封書を俺に差し出した
俺は封の蝋印を爪で弾いて外すと、中身の数枚の書類を取り出しソファーへと腰を深くかけ内容に目を通した
「果実を絞った液体」「木の代わりに鉄を固めた物を使うハンマー」「穀物を脱穀する為、水の力を使う水車」「植物から抽出した樹液と油を混ぜた洗剤」・・・・あったこれだ・・・
「小麦と卵を混ぜ、タコを閉じ込め丸く焼く」
俺は、その一枚の申請用紙だけ抜き取り二人の前に突き返す
「この申請は却下だ」
「え!?」「なっ何故で御座います!?」
俺は申請内容が記載されてる指差し、二人を睨みつける
「ここに書かれてる「タコ」だが、具体的な品種が記載されて無い・・・穀物や鶏の卵は保存が利いたり、一年通してとれたりするが、「タコ」は違うだろ?タコと言えば何でも良いって訳じゃないはずだ、この内容を明確にしない限り許可出来ないな」
ギルド長は俺が突き返した申請書を穴があくほど見つめ・・・
「こ、これは・・・大変失礼いたしました、我等、商人ギルドも殿下にご提出する前に何回も確認したのですが・・・お恥ずかしい限りです」
「あぁ次から気をつけてくれ・・・それと、他4件の申請に関しては了承する、ほれ・・これで良いか?」
ギルド長が「タコ丸」の原案となる申請書を見ている隙に他の4件にサインを終えると
「は、はい・・・確かに、お手間をお掛けしました」
2人はそろって俺に頭を下げた。俺はその場で席を立つと・・・
「では、陛下を待たせる訳にもいかないので俺はこれで失礼するよ」
俺は軽く手を上げ後ろを振り返る事無く執務室を後にした・・・・残された執務室には唖然とするギルド長と「手土産」を持ち上げたまま固まっている支部長の姿があったとか、なかったとか・・・
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