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悪役令嬢、おっさんの愛を手に入れる。
しおりを挟む覆いかぶさってくる晴信の顔からは、いつのまにか余裕が消え失せていた。
「僕の背中に手を回して。あぁいいね。ぎゅーってしがみつかれるとたまんない」
「は、はるのぶ……」
「怖い? 怖いね。キスしようか。それとも挿入っていくところ見る?」
「……キスして」
初めてのキスなのに、集中できない。
重なった唇が少しかさついていると感じた瞬間にはもう舌が割り入ってきて、そこからは口内をぐちゃぐちゃにされていっぱいいっぱいだ。
舌を絡めるだけのことが、これほど気持ちいいとは知らなかった。
時折唇を食まれ、啄むだけのキスを交えられると胸がきゅんとときめく。
ずっと続けていたいと思っていたのに、あわいを掻き分けるように身体の中に侵入してくる熱を感じたら、甘やかな刺激など途端に塗りつぶされてしまった。
「ん、んぅ、ふ……お、おっきい……」
「まだ先っぽだけだよ。ほら、キスに集中して」
「ふっ……う、んッ」
先端のいちばん太いところが、入ったり出たりする。
その大きさに中が慣れた頃、少し挿入が深くなった。それからまた小刻みに突いてはさらに奥を暴かれ、徐々に中を溶かされていく。
ローゼは必死に晴信の背に縋りついた。
痛くはないけれど、自分の身体の中に何かが入ってくる感覚は少し恐ろしい。
「あとちょっと……」
ぐっと奥へ押しつけられ、思わず喉を突いて出たような嬌声がこぼれた。
「全部挿入った。……はぁ、君の中とろとろだ。僕のことぎゅーって締めつけてるのわかる?」
「わか、る……っ、気持ちいい」
晴信は根本まで埋めると一旦動きを止めた。
「痛くない?」「苦しい?」と問いかけながら頭を撫でられる。思わずぼうっと浸りながら晴信を見ると、眉間に皺が寄っていた。
懸命に呼吸を抑えているけれど、隠しきれない興奮が滲んでいる。
きっと、めちゃくちゃに犯したいのを我慢しているのだ。そう気づいた瞬間、得も言われぬ感情が込み上げる。
「あ、ちょっと……締めすぎ……イっちゃうって」
「だって……っ」
膣がひとりでにうねり、双方に快楽を生む。
きつく締めると晴信の形がわかった。ビクンと跳ねる生々しい感触も伝わってくる。
彼のものがどこまで挿入っているのかもなんとなく想像することができた。身体のいちばん深いところで繋がっている。胸がいっぱいだ。
「はいってるだけで、きもちいの」
「……は、かわいいね。くそ、ほんとにいい加減にしてほしいくらいかわいいな」
額や瞼の上、鼻先にキスを落とされる。
そしてふたたび唇を重ねたまま、晴信がゆっくりと腰を引いた。ずるーっと抜けていく感覚が寂しくて、つい足でホールドする。するとすぐに奥に戻ってきた。吐息を震わせているとまた抜かれ、入れられる。
そんな緩やかな律動は、最初の数回だけだった。
だんだん遠慮のない腰使いになっていく。腰骨がおしりにぶつかり、肌を打つ音が響いた。次第にぐぽぐぽと愛液が掻き混ぜられる音が大きくなり、その淫猥さに耳を塞ぎたくなる。
喋らなくなった晴信からは荒々しい息遣いや、低く呻く声が聞こえてくるだけだ。
膝裏を掴んだ手は汗で湿っていて、重なった胸からはローゼにも負けないくらい速い鼓動が聞こえてくる。
中だけでも気持ちいいのに、秘芽を指でこねられるともうわけがわからなくなった。自分のものとは思えないようないやらしい声が絶え間なくこぼれる。可愛げなんてなくて、聞くに堪えない声なのに、晴信のものがさらに中で硬くなった。
大きく張り出した笠が肉襞を余すところなく愛撫していく。秘芽を弾かれると奥からどっと蜜が溢れた。快感のあまり喉を反らすと、すかさずそこを舌が這う。全身が敏感になっていて、どこで気持ちよくなっているのか自分でもわからない。
晴信が触れるところすべてが気持ちよくてたまらない気持ちになる。相手が彼だからこんなにも感じてしまうのだろう。表情や仕草、吐息の変化など些細なことのひとつひとつが狂おしく愛しい。胸がぎゅーっと締めつけられるたびに、連動するように中を締めてつけてしまう。
繋がっている場所が熱い。
下腹部に重く沈んだ熱が、滲むように全身に広がっていく。
「はるのぶ、はるのぶ……っ」
「イきそ……?」
声も出せずに頷くことしかできなかった。
「僕も。……まだ出したくないけど、嬢ちゃんの膣内気持ちよくて、はぁ、我慢すんの無理」
膝が頭の横にくるほど身体を折り曲げられ、上から叩きつけるように突かれる。深まる挿入と重い律動に翻弄され、目の奥に火花が散った。
射精するための自分勝手な腰振りなのに、今まででいちばん感じてしまう。
「はるのぶ、も……イく、いくっ」
「はー……僕も出る、……ん、っく」
晴信が陰茎を引き抜こうとしているのを感じ取り、彼の腰にきつく足を絡めた。
「ちょ、っと……こら」
「や、いや、このまま、出してぇ」
ためらう素振りを見せながらも、晴信の腰は止まらない。
「……っは、くそ」
「――あ、ぁ……!」
のしかかるようにしながら最奥に押しつけられ、中でどくどくと脈打つ感覚がした。
感極まって同時に達したローゼは全身で晴信にしがみついて、長く続く絶頂に身体を震わせる。
どっと汗が噴き出し、力が抜けてしまった。
拘束が解け、晴信がずるりと中から出ていく。
まだ股の間に何かが挟まっているような感覚があった。そこは余韻でいつまでもひくひくと痙攣している。まだ繋がっていたい。
けれど交接している間は夢中で気づかなかった鈍い痛みが、かすかに残っていた。
必死で息を吸っていると、乱れた髪を梳くようにして額や頬を撫でられる。
「大丈夫?」
「ええ……」
その掌にすり寄ると、晴信が困ったように眉を下げた。
「君に惚れた僕の負けだよ。全部かわいくて、何されても怒れない」
「はるのぶ……? ほれた、って」
「君が好きだよ、ローゼ。ちゃんと責任とる。君のご両親とお兄さんに何度頭を下げてでも認めてもらえるよう努力するから、僕のものになって」
「はるのぶがわたくしのものよ」
「あははっ、それでいーよ」
甘く垂れる目に見つめられると、それだけで幸せな気持ちになった。
最初の出会いは最悪だったけれど、悪魔の代わりに晴信が現れてよかったと今なら思える。そうでなかったらきっと一生、このような気持ちが胸に溢れることはなかっただろう。
この先ずっと彼のことを手放すことなどできなさそうだ。
きっと晴信はやれやれという顔をしながらも、ずっと隣に寄り添ってくれる。そんな温かい未来しか想像できないことに、ローゼは頬を緩めるのだった。
おわり
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