幼なじみ公爵の伝わらない溺愛

柴田

文字の大きさ
19 / 113

7-4 ※

しおりを挟む


 労わるように行き来する指に油断していると、くちゅん、と突然身体の中に異物が入り込んできた。おそらく指だ。尿を排泄する器官とばかり思っていたそこに、指が入るような穴があっただなんて知らなかった。穴があったとしても、そもそも指を入れていいものなのか、とニーナは青褪める。
 なぜなら、とても窮屈で苦しかったからだ。絶対に指を入れていいところなんかじゃない。
 分泌液の滑りを借りてなんとか入っているようなものなので、痛みはないものの異物感と圧迫感が凄まじかった。

「くる、し……え、これ? へ、ヘンリー……、ねえこれッ」

 なんでそんなところに指を入れるのだろうか。もしかして今していることはすべて、無知なニーナをヘンリーがからかっているだけではないのだろうか。
 そんなふうに思っていると、浅い場所で留まっていた指が中でクイッと曲げられる。おなか側の壁を押すようにして刺激をされた。ぐっ、ぐっ、ぐっ、と優しい力で押されるというのを続けられるうちに、突起を触られていたときのような感覚が下腹部に広がってくる。あんなに強烈なものではないけれど、決して不快なだけではない感覚に身を任せたくなった。

 異物感を感じていたのは最初だけだった。
 そこはとても伸縮性に優れているようで、ヘンリーの指の太さにすぐに馴染んだ。おなかの奥がじくじくと気持ちよくなると、ヘンリーの指を締めつけるように身体の中が蠢きだす気がした。自分で意図的におなかに力を入れてみると、ヘンリーの指の太さがはっきりわかる。

「きもち、い……っ、ヘンリー、ヘンリー……んんっ」

 ずっと触っていてほしい。さっきのような、頂に昇り詰めるほどの強い快感じゃなくてもよかった。じわじわ気持ちよくて、あったかくて、弱い快感にずっと浸っていたくなる。
 しかしニーナが指を入れられる感覚に慣れてくると、ヘンリーの指が抜け出ていった。そしてすぐに、二本に増えた指がゆっくりと捻じ込まれる。

「……ッあ、はあ、ぁ」

 二本に増えただけで驚くほど圧迫感が強くなった。しかしそれでも指を入れられること自体には慣れたので、恐ろしくはない。ヘンリーは二本の指を半分ほど入れた状態でじっと固まる。ニーナの中が太さに慣れるのを待っているようだった。
 今は太くて苦しいけれど、この指が気持ちいいことだけをしてくれるのを、ニーナはもう知っている。

 きゅう、きゅう、おなかに力を込めて指を締めつけてみる。先ほどヘンリーが指の腹で圧したところに、二本になって面積も増えた指が当たり、少しだけ気持ちよくなれた。そうして何度かおなかに力を込めて緩い快感を味わっていると、また中で指がクイッと曲げられる。
 トントンと指が中の気持ちいいところを刺激して、また下腹部に快感が溜まっていく。これが限界まで溜まって弾けてしまったときに、さっきの強烈な感覚がやってくるのだろう。あれは尋常ではなく気持ちよかったけれど、やはりまだ怖い。

 とんとんとん、と浅い場所を押し上げていた指が、にゅぷ、と少し奥へ入ってくる。ちょっと進んでは戻ってきて、また進んで、ニーナが気づかないうちにいつの間にか指の根本まで埋まるようになっていた。挿入されず余っている指が鼠径部に当たっている。恐ろしいほどの奥を暴かれていて、ニーナは身体の奥が突き破られてしまったのかと恐ろしくなった。

 ヘンリーの手を思い出してみる。ヘンリーは身長がとても高くて、それに合わせて手もとても大きかった。ニーナと手を合わせたとき、指の太さも長さもまるで違って――あれが根本まで入っていることを考えると、信じられない気持ちになる。

「う、あ……っ、うそ、うそ、おなか、破れちゃう」

 ニーナが唇をわななかせると、中に入れられたヘンリーの指が、奥にある何かをこねた。ここが突き当たりだと教えるように、こり、こり、とこねられる。そこをこねられると、その奥にあるだろう器官――子宮が疼くような気がした。
 ずくん、とおなかの底が重くなる。

「あ、……は、ぁ……ッ、あ、へん、り、ヘンリー……っ、さっきの、きちゃうっ」

 奥をこねていた指が浅い場所に戻ってきて、強めの力でぐいぐい圧迫してくる。意識してみると、そこは先ほど強い快感を得た突起のちょうど裏側にあたるようだった。気持ちいい。気持ちいい。――けれど、中の刺激だけでは至れそうになかった。
 怖いと思っていたはずなのに、届かないとなると途端に欲しくなる。おなかの底に溜まって今にも弾けてしまいそうな快感を解放できないことが、我慢を強いられているようで気がおかしくなりそうだった。

「ヘンリー、ヘンリィ、もっと、強くっ、してぇ……!」

 ぐり、と外から突起を撫でられる。
 その途端、じりじりと溜まっていた快感が今度はいとも簡単に弾けた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結】初恋の彼に 身代わりの妻に選ばれました

ユユ
恋愛
婚姻4年。夫が他界した。 夫は婚約前から病弱だった。 王妃様は、愛する息子である第三王子の婚約者に 私を指名した。 本当は私にはお慕いする人がいた。 だけど平凡な子爵家の令嬢の私にとって 彼は高嶺の花。 しかも王家からの打診を断る自由などなかった。 実家に戻ると、高嶺の花の彼の妻にと縁談が…。 * 作り話です。 * 完結保証つき。 * R18

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く

紬あおい
恋愛
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

大人になったオフェーリア。

ぽんぽこ狸
恋愛
 婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。  生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。  けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。  それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。  その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。 その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。

処理中です...