幼なじみ公爵の伝わらない溺愛

柴田

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「あー……ッ、あ、あ、……っ……!」

 怖いと思っていた快感の頂は、二度目となるとそんなに恐ろしくはなかった。むしろ、頭の中が真っ白になるほど気持ちいい。

「あッ!? え、待っ……て! そこ、今、触ったらだめっ」

 ぼーっとしながら快感の余韻に浸っていると、突起をさらに刺激された。中から抜いた指も合わせて四本の指をそろえ、分泌液でぬるぬるになった指を滑らせるように。弦楽器でも奏でるようにくちゅくちゅと突起をこねくり回されて、ニーナは思わずヘンリーの腕を握った。
 それでもヘンリーの手は止まらない。くちゅくちゅ、ぐちゅぐちゅ、と突起を手のひらで転がされ、強すぎる刺激に対しニーナは歯を食いしばる。震える歯の根の間からは苦悶の声が漏れた。

「ゔう……っ、へんり、だめ、だめ、またきちゃう……っ! おっきいのきちゃうのっ、ねえ! ヘンリー! あ、あ、あ、いやぁあっ!」

 ガクンッと腰が跳ね、その拍子にぷしゃああっと何かが吹き出る。排尿するときの感覚に似ていて、ニーナは恥ずかしくてたまらなかった。止めたくても、止まらない。我慢することなど到底不可能で、ヘンリーが突起をこねるたびに何度もその感覚に襲われた。

「あっ、また出ちゃうっ、いや、もうやめてよ……! ヘンリー、ねえっヘンリーったら!!」

 ヘンリーがあまりにも要求を無視するので、ニーナはたまらず目隠しをずらした。その瞬間、ずりゅ、と突起を撫でさすられて、また強い快感がニーナを襲う。ぷしっ、と自分の股の間から液体が吹き上がるのが見えた。
 ニーナは信じられない光景に呆然としたあと、ヘンリーをにらみつける。
 ヘンリーのシャツは吹き出した液体をすべて受け止めたかのように、びしょびしょに濡れていた。

「バカ……! バカバカバカ! バカじゃないの! やめてって私言ったのに!」

 怒鳴られている人間とは思えないような顔でヘンリーは笑った。ニーナには、そこに込められた感情をなんと形容するのが一番適切かわからない。愛おしげというのか、かわいくてたまらないという表情だ。とにかくニーナのよく知らない感情だけれど、ヘンリーがいつも向けてくる笑顔だった。その笑顔を向けられると、怒りがみるみるうちに萎んでしまう。
 ヘンリーのせいとはいえ、排泄物をかけられて、笑っていられるなんておかしい。しかもうれしそうにすら見える。

「…………っ、バカじゃないの……」

 手首まで濡らした液体を、ヘンリーは躊躇いもなく舐めた。ついさっきまで、ニーナの中に入っていた指も。指先についた分泌液が、ヘンリーの唇に付着する。ちゅぷ、と舌が離れていくと、指との間に糸を引いていた。
 ヘンリーと性的なこととは対極にあると思っていたのに、今のヘンリーはとても色っぽい雰囲気を漂わせている。

「ニーナこそ、ヘンリーヘンリーって僕の名前ばかり呼んで、だめじゃないか」
「だって……」

 いくら目隠しをされたところで、ヘンリーのことをデイヴィッドと思えというのは無理があった。ヘンリーとデイヴィッドは正反対というくらいタイプの違う人間だ。そうでなくとも、ニーナはデイヴィッドとこんな行為をするのを思い浮かべること自体が難しかった。

 じゃあ、自分はデイヴィッドとはこういうことをしたかったわけではないのかもしれない。正直、ヘンリーに触られている間、デイヴィッドのことなんてちっとも思い出さなかったのだ。ということは、もうニーナはデイヴィッドに未練など残っていない、と言えるのだろうか。
 そう思うと今している行為が無駄なことのように思えてきた。

「ヘンリー、もう……」
「本当はこっちも舐めたいんだけど、それをいきなりしたら嫌われてしまいそうだから今日は諦めるよ。その代わり日付が変わるくらいまで、たっぷり気持ちよくしてあげる。愛し合う人たちがしていること、全部してって言ったのはニーナだよ。ちゃんと最後まで僕としようね?」
「う……ん」

 日付が変わるまで――そうしたら今日はハイデル家に帰らなくて済む。
 その考えに至ったニーナが、ヘンリーの口づけを拒むはずがなかった。

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