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清水を睨みつけながら立ち上がる
「お前は 知っていたのかよ渉のこと」
「従兄だからな」
「何で教えてくれなかった!」
「口止めされていた」
「何でだよ!」
清水は それには答えず ポケットから封筒を出し俺に渡す
可愛いクマの絵が描かれている封筒だった・・・
「渉から 自分が死んだら 柴田に渡しといてくれってさ」
「俺に?」
清水から封筒を受け取り 手紙を取り出した
便箋も おそろいの可愛いクマの絵と風船が あちらこちらに飛んでいる
少し緊張しながら俺は読み始める
綺麗な文字が並んでいる
この繊細で美しい文字は 間違いなく渉の文字だ
真っ直ぐに規則正しく並ぶ文字は 渉の性格そのものだと いつも思っていた
巧也へ
この手紙を読んでいるということは 僕はもう この世にはいないんだね
まず始めに巧也!
あの時 死のうとしていたでしょ!
「もったいないから やめろ!」
死んだ僕から言われたら説得力あるでしょ(笑)
それと ごめん
巧也を利用した
僕は本気で勉強したかったんだ
死のうとしていた巧也が 辰山高校の制服を着ていた
だから そいつは勉強ができる
しかも 死のうとしているということは もう人生どうでもいいと思っている
だったら その人生を僕のために使ってもらおうと
打算的な考えで巧也に声をかけた
何故 僕が短命であることを内緒にしたかわかる?
もし知っていたら・・・巧也は 先の短い僕に
勉強のことで あそこまで真剣になれた?
周りはみんな 勉強なんかしないで好きなことしなよって言った
特に大人たちはね
巧也だって きっと そう思っただろ?
未来のある受験生の僕は 志望校受験まで半年を切っている
絶対合格させてやると思うから 巧也は真剣になり
僕と勉強に向き合ってくれたんだよね
最高のドラマを完成させるために・・・
未来ある子どもには 勉強をしろと大人たちは言う
もう時間がない僕には 勉強しなくてもいいって・・・
それって 死ぬ子どもには させたくないぐらい勉強は嫌なものって
大人たちは分かっているってことだろ?
子どもに嫌な事させているんだよね 大人たちは おかしくない?
ごめん・・・これは 僕の僻み
僕だって きっと未来があったら 勉強が嫌いだったかもね
ようするに 生きていて普通に不幸だと思えることが羨ましかったんだ
「勉強なんかしたくねー 学校行きたくねー あいつウザイ!
信号 今日 全部赤じゃん ついてねー」
とかさ そんなことを たくさんぼやいて
「憂さ晴らし しようぜ ー」って
そんなことができない自分とか・・・
何かもう色々頭にきてさ・・・
だって 病院のベッドの上って 本当につまらない
友達と揉めることもないし 先生に怒られることもない
親から勉強しなさいって 言われることもない
変化がないんだ
だから大人たちが「勉強しなくてもいい」って言っている
その言葉が無性に腹が立ってさ
当てつけに勉強したんだ
巧也は僕の事 真っ直ぐで いい子だって
いつも言ってくれていたけど ・・・
これが僕の本当の姿
がっかりした?
だけど 当てつけに勉強していたら結構はまったんだ
病院って マジつまんない
何もできないし ゲームなんて すぐ飽きるし
本を ただ読むのも飽きた
だけど勉強は違った
知識が増えたら 頭の中で いろんな想像が広がっていくんだ
僕は楽しくなって どんどん勉強した
だけど 1人で限界だなと思った時に
死のうとしている巧也に出会ったんだ
これは ラッキーだと思ったよ
死のうとしている巧也にラッキーと思って ごめんね
だけど 巧也に勉強を教えてもらって
僕が想像できないやり方をドンドン教えてくれて 知識が増えて・・・
本当に楽しかった・・・
受験というものを掲げていたから 巧也と一緒に戦っている感じがした!
高揚感が半端なかったよ!
病院のベッドで こんな気持ちを経験ができるなんて思わなかった
巧也と出会わなかったら こんな充実した時間は 持てなかったよ
感謝している
ありがとう
僕の思っていた通りの最高のドラマだったよ 巧也
欲を言えば 辰山高校を受験するまで生きていたかったけど
残念・・・
ここから 巧也の話!
巧也ってさ 人に教えるの上手いよな
多分だけど 僕に勉強教えて楽しいと思っただろ?
その時の巧也 ムチャクチャ カッコよかったから
だから ウインウイン だね
巧也と最後に会った時 揉めただろ あれ最高!
あんな経験したかったんだ
巧也を追いかけた時 青春しているって感じが嬉しかった!
死のうと思ったぐらいだから 巧也にも色々あるんだろうけど
でも 僕にとって巧也は最高だよ!
もう一度言う
『巧也は最高だよ!!』
じゃあな さようなら
渉より
俺は読み終わり 手紙を封筒に入れ 晴れ渡った空を仰ぎ見た
手紙を読んだら涙が止まらなくなると思っていたが 逆に清々しい気持ちがした
俺の方が感謝だ
渉に勉強を教えていた時は 楽しかった
渉が俺を救ってくれたんだ
「最高だよ 渉・・・」俺は呟く
「お前は 知っていたのかよ渉のこと」
「従兄だからな」
「何で教えてくれなかった!」
「口止めされていた」
「何でだよ!」
清水は それには答えず ポケットから封筒を出し俺に渡す
可愛いクマの絵が描かれている封筒だった・・・
「渉から 自分が死んだら 柴田に渡しといてくれってさ」
「俺に?」
清水から封筒を受け取り 手紙を取り出した
便箋も おそろいの可愛いクマの絵と風船が あちらこちらに飛んでいる
少し緊張しながら俺は読み始める
綺麗な文字が並んでいる
この繊細で美しい文字は 間違いなく渉の文字だ
真っ直ぐに規則正しく並ぶ文字は 渉の性格そのものだと いつも思っていた
巧也へ
この手紙を読んでいるということは 僕はもう この世にはいないんだね
まず始めに巧也!
あの時 死のうとしていたでしょ!
「もったいないから やめろ!」
死んだ僕から言われたら説得力あるでしょ(笑)
それと ごめん
巧也を利用した
僕は本気で勉強したかったんだ
死のうとしていた巧也が 辰山高校の制服を着ていた
だから そいつは勉強ができる
しかも 死のうとしているということは もう人生どうでもいいと思っている
だったら その人生を僕のために使ってもらおうと
打算的な考えで巧也に声をかけた
何故 僕が短命であることを内緒にしたかわかる?
もし知っていたら・・・巧也は 先の短い僕に
勉強のことで あそこまで真剣になれた?
周りはみんな 勉強なんかしないで好きなことしなよって言った
特に大人たちはね
巧也だって きっと そう思っただろ?
未来のある受験生の僕は 志望校受験まで半年を切っている
絶対合格させてやると思うから 巧也は真剣になり
僕と勉強に向き合ってくれたんだよね
最高のドラマを完成させるために・・・
未来ある子どもには 勉強をしろと大人たちは言う
もう時間がない僕には 勉強しなくてもいいって・・・
それって 死ぬ子どもには させたくないぐらい勉強は嫌なものって
大人たちは分かっているってことだろ?
子どもに嫌な事させているんだよね 大人たちは おかしくない?
ごめん・・・これは 僕の僻み
僕だって きっと未来があったら 勉強が嫌いだったかもね
ようするに 生きていて普通に不幸だと思えることが羨ましかったんだ
「勉強なんかしたくねー 学校行きたくねー あいつウザイ!
信号 今日 全部赤じゃん ついてねー」
とかさ そんなことを たくさんぼやいて
「憂さ晴らし しようぜ ー」って
そんなことができない自分とか・・・
何かもう色々頭にきてさ・・・
だって 病院のベッドの上って 本当につまらない
友達と揉めることもないし 先生に怒られることもない
親から勉強しなさいって 言われることもない
変化がないんだ
だから大人たちが「勉強しなくてもいい」って言っている
その言葉が無性に腹が立ってさ
当てつけに勉強したんだ
巧也は僕の事 真っ直ぐで いい子だって
いつも言ってくれていたけど ・・・
これが僕の本当の姿
がっかりした?
だけど 当てつけに勉強していたら結構はまったんだ
病院って マジつまんない
何もできないし ゲームなんて すぐ飽きるし
本を ただ読むのも飽きた
だけど勉強は違った
知識が増えたら 頭の中で いろんな想像が広がっていくんだ
僕は楽しくなって どんどん勉強した
だけど 1人で限界だなと思った時に
死のうとしている巧也に出会ったんだ
これは ラッキーだと思ったよ
死のうとしている巧也にラッキーと思って ごめんね
だけど 巧也に勉強を教えてもらって
僕が想像できないやり方をドンドン教えてくれて 知識が増えて・・・
本当に楽しかった・・・
受験というものを掲げていたから 巧也と一緒に戦っている感じがした!
高揚感が半端なかったよ!
病院のベッドで こんな気持ちを経験ができるなんて思わなかった
巧也と出会わなかったら こんな充実した時間は 持てなかったよ
感謝している
ありがとう
僕の思っていた通りの最高のドラマだったよ 巧也
欲を言えば 辰山高校を受験するまで生きていたかったけど
残念・・・
ここから 巧也の話!
巧也ってさ 人に教えるの上手いよな
多分だけど 僕に勉強教えて楽しいと思っただろ?
その時の巧也 ムチャクチャ カッコよかったから
だから ウインウイン だね
巧也と最後に会った時 揉めただろ あれ最高!
あんな経験したかったんだ
巧也を追いかけた時 青春しているって感じが嬉しかった!
死のうと思ったぐらいだから 巧也にも色々あるんだろうけど
でも 僕にとって巧也は最高だよ!
もう一度言う
『巧也は最高だよ!!』
じゃあな さようなら
渉より
俺は読み終わり 手紙を封筒に入れ 晴れ渡った空を仰ぎ見た
手紙を読んだら涙が止まらなくなると思っていたが 逆に清々しい気持ちがした
俺の方が感謝だ
渉に勉強を教えていた時は 楽しかった
渉が俺を救ってくれたんだ
「最高だよ 渉・・・」俺は呟く
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