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第二章
仲直り~side蓮
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「何を今度はそんなにご機嫌が悪いんです?」
椎名に朝から何度も言われる。四日前、彼女をあの場所に連れていき、喧嘩別れした。その後、名取に連絡した。場所は一週間だけ抑えてやるから嫌なら連絡をくれればすぐに解約すると伝えた。名取は了承した。
確かに急ぎすぎたと少し反省しているが、ビジネスはチャンスをものにできるかが大事で一瞬を逃すと相手に負けることがある。多くの従業員やその家族を養う会社の舵を取ることは大きな責任が伴う。利益をあげることは何をおいても重要なのだ。
自分の会社だったらと考えていたのは確かだ。彼女に言われたことは逐一ごもっともだった。最近こうやって頭から叱られたことがなかった僕は、正直その叱責を真に受けられなくなっていると自覚があった。
彼女を責める資格は僕にはない。彼女とはこれまでかもしれないと不安がよぎった。
不安を忘れるには仕事をするのが一番だ。僕は机から頭を上げて懸案事項を椎名に聞いた。
「鈴木造船の社長は総合病院で手術したんだよな?いつだったっけ?」
「二週間前です。お見舞いに行ったほうがいいと思いますが、あちらの秘書室に行ってもいい状態なのか聞いてみましょう」
椎名が確認したところ、大丈夫だというので早速午後面会時間に手土産をもって病院へ向かった。
すると、病室へ向かうエレベーターに乗ろうとしたら、聞きなれた声がする。見ると彼女だ。清水さくら。あの日以来だった。
見たことのないブラウスにスカートのかわいらしい姿。普段はジーンズにTシャツなので目を引いた。いつもは巻いている長い髪を綺麗におろしていて、こんなに長かったのかと見とれていた。
彼女はスクラブ姿の医者と話している。親しげだ。声を立てて笑っている。何かを手渡した。小さな鉢植えだ。また二人で嬉しそうに笑っている。見ているだけでむかむかする。
この間、僕には眉間にしわを寄せて文句ばかり言っていたくせに、この医者には可愛い格好で、しかも笑顔で何かを渡したりして、なんなんだ。ふざけるな!
じっと見ていたのに気づいた医師がこちらを見た。すると、彼女は彼の視線を気にして後ろを振り向いた。僕に気がついた。
「……あ……」
僕はエレベーターが来たので無視して乗った。
「あ、待って……」
彼女が僕のほうへ走ってきたが、ドアが閉まった後だった。行くはずの階のボタンを押す手が止まった。息を吐き、思い切って『開』のボタンを押した。
開いたドアの前に息を切らして立っている彼女がいた。驚いたんだろう、真っ赤になっているのが可愛い。いつもと違うからか、そんな風に思ってしまった。
「……あ、神崎さん……」
「なんだ?この間の物件なら、名取に一週間考えるよう伝えてある」
「ご、ごめんなさい。本当に、先日は失礼なことを言いました。私のために色々考えて動いてくださったのに、お礼も言わず、あんなこと……」
真っ赤になったまま僕の顔を見てもごもごと言う。手元は指がもぞもぞ動いている。緊張しているんだろう。僕の前に来る女性がよくこうなるのでわかる。
いつもならそういうのを面倒くさいと思うのに、なぜか彼女がそうなっているのを見ると嬉しい。よくわからない。でも、確認しておきたいことがあった。
「あいつ……あの医者は君のなんだ?」
下を向いてもじもじと僕の返事を待っていた彼女は、びっくりしたように顔を上げた。
「え?」
「え?じゃない。あの、医者とニコニコ……いや、何か渡して話していただろ?」
「あ、あの先生は伯父の主治医の先生です。いつもお世話になりっぱなしで、今日やっと約束していたサボテンをお渡ししにきたんです」
何を言っている?サボテン?
「……」
「あ、あの、もしかして、神崎さんも欲しかったんですか?それなら今度もっと大きいのを持っていきますね。どんなのがお好きですか?サイズとか」
「何を言っている……そうじゃない、親しそうだったじゃないか。あいつも赤くなって笑っていた」
「え?笑って……それはサボテンの形がちょっとおかしくて……神崎さん?」
お互いで顔を突き合わせて黙る。
「「ぷっ……あはは」」
ふたりで笑い出した。喧嘩していた時の雰囲気はなくなった。彼女は僕の顔を正面から見て言った。
「神崎さん。昨日、名取社長と相談しました。今日夜にもご挨拶に伺うつもりでした。お会いできて良かったです。実はあの場所で店をやらせていただくことになりました。社長へプレゼンまでしてくださったとか、本当にありがとうございました」
彼女ははにかんだように微笑むと僕に深々と頭を下げた。びっくりした。
あの日、彼女に糾弾されて反省した僕は、名取にあの場所の賃料、あそこにするメリット、先々の戦略をまとめて送った。一週間の余地をあいつに与え、彼女と相談しろと促した。
きっとそれで納得したんだな。それならよかった。彼女は嬉しそうだ。僕もなぜだか嬉しい。
「そうか。それならよかったな」
「本当に、ありがとうございました。失礼の数々、お許しください」
「いや……僕こそ悪かった。反省した。だからやったんだ」
「……神崎さん」
「さあ、忙しくなるな。いつ頃になりそうだ」
引っ越しのことだ。
「そうですね。ひと月でやりますが、例の文化祭典までには移転したいです。そのままお客様を誘導したいので」
「なるほどな。よし、必要経費をあとで相談しよう」
「ありがとうございます」
「人員は大丈夫か?名取に人を寄越すよう言ってやるよ」
「ふふふ。最初は大丈夫です。様子を見て頼みますから……でもありがとうございます、色々と気にしてくださって……」
「君は僕の懐刀にするんだからな。名取より、僕を大切にしてもらわないと困る……」
びっくりした彼女は固まってる。あ、僕は何を言っているんだ。
「どうしたんです?また、何か女の人から言い寄られて困ってるんですか?」
「あ、いや。そうじゃなくて、あ、悪い時間がない。またな。連絡するよ」
「あ、こちらこそ、すみませんでした」
彼女と手を振って別れた。
見舞いに行くと、上機嫌の僕に鈴木造船の社長は驚いていた。こんな顔の僕を見たことがないと言う。どんな顔だ……。
彼女と仲直りができた……嬉しかった。それに、あの医者と付き合っていないとわかりなぜかほっとした。僕の懐刀なんだから、名取だけじゃなくて他の奴に取られたら困る。
戻った椎名は、鈴木社長以上に機嫌が良くなった僕に驚いていた。そして、名取の店を仮抑えしていたことなどを教えてやったらもっと驚いていた。いい気分だ。椎名がこんなに驚いたのを久しぶりに見た。
「驚きました……蓮様、本気だったんですね。要するに、ブラッサムフラワーの彼女と喧嘩をしていて先ほどまで機嫌が悪くて、やっと仲直りしてご機嫌が戻ったわけですね」
む。なんだその言い方。なんだ、その目。人を面白そうに見る目。むかつく。
「なんだ、その言い方、その目。お前……」
「いえいえ。そうですか。それはよかった。たくさんお金持っていてもデートに使うこともなさらず、かといって趣味もなく……。わたくし、大変心配しておりました。それに、店を押さえるのに数百万使うくらい蓮様には蚊が止まったようなものです」
なんという言い方だ。確かにそうかもしれないが。ばかにしているのか?
「椎名、お前……」
「まあ、いいんじゃないですか?旦那様が戻られたら報告は必要でしょうね。その店に肩入れするのは目に見えています」
「別に、そんなつもりは……ない」
「冠を見せる必要もあるんでしょう?前に言ってましたよ」
「それはそうだ。会社として協賛するかもしれないからな」
「それなら、旦那様にもお伝えせねばなりませんよ」
「考えておく」
嬉しそうに口元を押さえて出ていく椎名。
なんなんだ、むかつく。でも、彼女のことを考えるとそんなことはすっかり忘れられた。
ああ、楽しみだ。新しい事業をやれる。僕は自分の気持ちにまだきちんと気づいていなかった。
椎名に朝から何度も言われる。四日前、彼女をあの場所に連れていき、喧嘩別れした。その後、名取に連絡した。場所は一週間だけ抑えてやるから嫌なら連絡をくれればすぐに解約すると伝えた。名取は了承した。
確かに急ぎすぎたと少し反省しているが、ビジネスはチャンスをものにできるかが大事で一瞬を逃すと相手に負けることがある。多くの従業員やその家族を養う会社の舵を取ることは大きな責任が伴う。利益をあげることは何をおいても重要なのだ。
自分の会社だったらと考えていたのは確かだ。彼女に言われたことは逐一ごもっともだった。最近こうやって頭から叱られたことがなかった僕は、正直その叱責を真に受けられなくなっていると自覚があった。
彼女を責める資格は僕にはない。彼女とはこれまでかもしれないと不安がよぎった。
不安を忘れるには仕事をするのが一番だ。僕は机から頭を上げて懸案事項を椎名に聞いた。
「鈴木造船の社長は総合病院で手術したんだよな?いつだったっけ?」
「二週間前です。お見舞いに行ったほうがいいと思いますが、あちらの秘書室に行ってもいい状態なのか聞いてみましょう」
椎名が確認したところ、大丈夫だというので早速午後面会時間に手土産をもって病院へ向かった。
すると、病室へ向かうエレベーターに乗ろうとしたら、聞きなれた声がする。見ると彼女だ。清水さくら。あの日以来だった。
見たことのないブラウスにスカートのかわいらしい姿。普段はジーンズにTシャツなので目を引いた。いつもは巻いている長い髪を綺麗におろしていて、こんなに長かったのかと見とれていた。
彼女はスクラブ姿の医者と話している。親しげだ。声を立てて笑っている。何かを手渡した。小さな鉢植えだ。また二人で嬉しそうに笑っている。見ているだけでむかむかする。
この間、僕には眉間にしわを寄せて文句ばかり言っていたくせに、この医者には可愛い格好で、しかも笑顔で何かを渡したりして、なんなんだ。ふざけるな!
じっと見ていたのに気づいた医師がこちらを見た。すると、彼女は彼の視線を気にして後ろを振り向いた。僕に気がついた。
「……あ……」
僕はエレベーターが来たので無視して乗った。
「あ、待って……」
彼女が僕のほうへ走ってきたが、ドアが閉まった後だった。行くはずの階のボタンを押す手が止まった。息を吐き、思い切って『開』のボタンを押した。
開いたドアの前に息を切らして立っている彼女がいた。驚いたんだろう、真っ赤になっているのが可愛い。いつもと違うからか、そんな風に思ってしまった。
「……あ、神崎さん……」
「なんだ?この間の物件なら、名取に一週間考えるよう伝えてある」
「ご、ごめんなさい。本当に、先日は失礼なことを言いました。私のために色々考えて動いてくださったのに、お礼も言わず、あんなこと……」
真っ赤になったまま僕の顔を見てもごもごと言う。手元は指がもぞもぞ動いている。緊張しているんだろう。僕の前に来る女性がよくこうなるのでわかる。
いつもならそういうのを面倒くさいと思うのに、なぜか彼女がそうなっているのを見ると嬉しい。よくわからない。でも、確認しておきたいことがあった。
「あいつ……あの医者は君のなんだ?」
下を向いてもじもじと僕の返事を待っていた彼女は、びっくりしたように顔を上げた。
「え?」
「え?じゃない。あの、医者とニコニコ……いや、何か渡して話していただろ?」
「あ、あの先生は伯父の主治医の先生です。いつもお世話になりっぱなしで、今日やっと約束していたサボテンをお渡ししにきたんです」
何を言っている?サボテン?
「……」
「あ、あの、もしかして、神崎さんも欲しかったんですか?それなら今度もっと大きいのを持っていきますね。どんなのがお好きですか?サイズとか」
「何を言っている……そうじゃない、親しそうだったじゃないか。あいつも赤くなって笑っていた」
「え?笑って……それはサボテンの形がちょっとおかしくて……神崎さん?」
お互いで顔を突き合わせて黙る。
「「ぷっ……あはは」」
ふたりで笑い出した。喧嘩していた時の雰囲気はなくなった。彼女は僕の顔を正面から見て言った。
「神崎さん。昨日、名取社長と相談しました。今日夜にもご挨拶に伺うつもりでした。お会いできて良かったです。実はあの場所で店をやらせていただくことになりました。社長へプレゼンまでしてくださったとか、本当にありがとうございました」
彼女ははにかんだように微笑むと僕に深々と頭を下げた。びっくりした。
あの日、彼女に糾弾されて反省した僕は、名取にあの場所の賃料、あそこにするメリット、先々の戦略をまとめて送った。一週間の余地をあいつに与え、彼女と相談しろと促した。
きっとそれで納得したんだな。それならよかった。彼女は嬉しそうだ。僕もなぜだか嬉しい。
「そうか。それならよかったな」
「本当に、ありがとうございました。失礼の数々、お許しください」
「いや……僕こそ悪かった。反省した。だからやったんだ」
「……神崎さん」
「さあ、忙しくなるな。いつ頃になりそうだ」
引っ越しのことだ。
「そうですね。ひと月でやりますが、例の文化祭典までには移転したいです。そのままお客様を誘導したいので」
「なるほどな。よし、必要経費をあとで相談しよう」
「ありがとうございます」
「人員は大丈夫か?名取に人を寄越すよう言ってやるよ」
「ふふふ。最初は大丈夫です。様子を見て頼みますから……でもありがとうございます、色々と気にしてくださって……」
「君は僕の懐刀にするんだからな。名取より、僕を大切にしてもらわないと困る……」
びっくりした彼女は固まってる。あ、僕は何を言っているんだ。
「どうしたんです?また、何か女の人から言い寄られて困ってるんですか?」
「あ、いや。そうじゃなくて、あ、悪い時間がない。またな。連絡するよ」
「あ、こちらこそ、すみませんでした」
彼女と手を振って別れた。
見舞いに行くと、上機嫌の僕に鈴木造船の社長は驚いていた。こんな顔の僕を見たことがないと言う。どんな顔だ……。
彼女と仲直りができた……嬉しかった。それに、あの医者と付き合っていないとわかりなぜかほっとした。僕の懐刀なんだから、名取だけじゃなくて他の奴に取られたら困る。
戻った椎名は、鈴木社長以上に機嫌が良くなった僕に驚いていた。そして、名取の店を仮抑えしていたことなどを教えてやったらもっと驚いていた。いい気分だ。椎名がこんなに驚いたのを久しぶりに見た。
「驚きました……蓮様、本気だったんですね。要するに、ブラッサムフラワーの彼女と喧嘩をしていて先ほどまで機嫌が悪くて、やっと仲直りしてご機嫌が戻ったわけですね」
む。なんだその言い方。なんだ、その目。人を面白そうに見る目。むかつく。
「なんだ、その言い方、その目。お前……」
「いえいえ。そうですか。それはよかった。たくさんお金持っていてもデートに使うこともなさらず、かといって趣味もなく……。わたくし、大変心配しておりました。それに、店を押さえるのに数百万使うくらい蓮様には蚊が止まったようなものです」
なんという言い方だ。確かにそうかもしれないが。ばかにしているのか?
「椎名、お前……」
「まあ、いいんじゃないですか?旦那様が戻られたら報告は必要でしょうね。その店に肩入れするのは目に見えています」
「別に、そんなつもりは……ない」
「冠を見せる必要もあるんでしょう?前に言ってましたよ」
「それはそうだ。会社として協賛するかもしれないからな」
「それなら、旦那様にもお伝えせねばなりませんよ」
「考えておく」
嬉しそうに口元を押さえて出ていく椎名。
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