異世界転移したら……。~色々あって、エルフに転生してしまった~

伊織愁

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第四十一話 『小さな騎士様』

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 華の母親とメイドと執事、使用人たちが無事に転送された。 直後、寝室の部屋の扉が大きな音を音を立てて開かれた。 

 寝室には優斗と華、フィルとフィンしかおらず、パレストラは寝室を見回した。

 彼女はクリュトラたちを探しているようだった。 パレストラは慌てた様子もなく、優斗へ視線を向けて来た。

 「クリュタイムネストラ様はどうした? それに使用人たちもいないようだが……」
 「……っさぁ、俺たちが来た時には、既にいなかったな」
 「ほう」

 時期にエーリスへ逃げた事はバレてしまう。 エーリスの皆が追手の対応が出来る時間を稼ぐ為に、優斗は慣れない嘘を吐いた。 フィルが何時ものように、頭の上へ移動してくる。

 一触即発、優斗とパレストラの間に張り詰めた空気が流れる。

 『ユウトっ! パレストラ1人だけみたいだよ。 ハナの魔道具を使う時だよっ』

 (ああっ!!)

 監視スキルの声に内心で答え、木製短刀を取り出した。 素早く魔力を注ぎ、2本の短刀を強化する。

 (先手必勝っ!)

 優斗は短刀を強化した直後、背中に隠した手袋型の魔道具を発動させた。 真っ直ぐにパレストラの懐へ入り、短刀を斜め上へ切りつける。 パレストラは余裕の笑みを浮かべて、身体を斜めに移動するだけで優斗の攻撃をよけた。

 「くそっ!!」
 
 優斗の攻撃を避けた後、パレストラの足が優斗の顔を掠る。 ギリギリで避けた優斗の頬にうっすらと傷をつけ、凪いだ空気が髪を揺らした。 パレストラの蹴りを避ける為、足首を掴んだと思ったが、パレストラの足は優斗の手をすり抜けていた。

 距離を取るために後ろへ下がった優斗は、ベッドに足元を取られて倒れ込んだ。 

 フィルもベッドの上へ転がる。

 「……っそれは……」

 パレストラが優斗の手袋へ視線を向ける。 魔道具がバレたかと思い、身構える優斗。 しかし、パレストラの視線は少しだけ外れている。 いつの間にか懐から華の部屋へ転移する為の魔法陣の羊皮紙がベッドの上へ落ちていた。

 (これもバレたらまずいっ!)

 優斗は慌てて魔法陣を懐へしまった。

 起き上がった優斗は、窓際にいる華の所まで戻って背中で庇う。 足元でフィルもフィンと華をかばう様に前へ立つ。

 「……もう、何処かに転移した後って事か……。 まぁ、大体、何処へ逃げたかは分かっているがな……」
 「……っ」

 一瞬で間合いを詰めて来たパレストラは華の首根っこを掴むと、窓を開けて華を空中に放り投げた。

 一瞬の出来事だった。 パレストラを止める間もなく、華はツリーハウスから放り投げられたのだ。

 「華っ!」
 「「ハナっ!!」」

 フィンとフィル、優斗の3人が華の名を叫んだのは同時で、優斗が真っ先に窓の外へ飛び降りていった。 続いてフィルとフィンが少年少女の姿で飛び降りた。

 最後に、パレストラが不敵な笑みを浮かべて飛び降りる。

 真っ先に飛び降りた優斗は、華に追いつくと、しっかりと抱きしめた。 広場では既に下へ降りて来ていた瑠衣たちと、クリストフと戦士隊たちがマリウスと呼ばれていたエルフと戦闘を開始していた。

 「優斗っ!! あっ……。」

 華が強く抱き着いてきた後、優斗の背中に2人分の重みを感じた。 フィルとフィンが背中に乗って来て、ぐんと落ちるスピードが速くなった。 背中でしがみつくフィルとフィンに叫ぶ。

 「ちょっ、フィル、フィンっ! せめて、スライムになっておけよっ」
 「「ごめんなさいっ」」

 猛スピードで落ちていく優斗たちに続いて、パレストラも猛スピードで落ちてくる。 鋭い視線が突き刺さり、上を振り仰ぐ。 不敵な笑みを浮かべて落ちてくるパレストラと視線があった。

 『こわっ! 顔が怖いっ、絶対に飛んでるっ!!』
 (こわっ!)

 「……っパレストラ、何でこんなことっ」
 「エレクトラアハナ様、それは……」

 地面が近づき、優斗は銀色の足跡を地面へ付ける。 銀色の足跡の上へ着地した優斗の衝撃を足跡が吸収し、無事に地面へ降り立った。

 少し距離を開けて、轟音と土煙を上げ、振動で地面が震えた。

 「あんな狭い所で戦いなんて出来ないだろう」

 ニヤリと笑ったパレストラは大剣を背中から取り出し、音を鳴らして構えた。

 「華、離れて結界を展開して、フィン、いつでも逃げ出す準備をしていてくれ」
 「分かったわ」
 「……っうん、優斗、気を付けてっ!」

 フィンに華の部屋へ転送できる魔法陣を渡す。 真剣な表情で頷いたフィンは魔法陣を受け取り、身体の中へ仕舞う。

 『虫よけ結界が発動されました。 最大限に強化されます』

 優斗の背後で光が放たれ、華の周囲に結界が発動された。 フィンはスライムの姿に変わり、華に引っ付いている。 

 フィルもスライムの姿に変わり、再び優斗の頭の上へ飛び乗った。

 ◇

 優斗が旅立った後のエーリスでは、復旧作業も終わり、森での狩りは禁止されているものの、概ね元の生活を取り戻しつつあった。 しかし、いつまたティオスの配下が襲撃に来るかもしれないという不安が住民の間に流れていた。

 「フージン、ご飯だよ」

 フージンの餌やりがクオンの最近のお手伝いになっていた。 母親のリュディの治療院の庭に、風神の厩舎が作られていた。

 他にも怪我をした一角獣が保護されている。

 風神はユウトの弟であるクオンを見つめ、やれやれというように餌をついばむように食べ始めた。

 風神に不愛想な態度を取られていても、クオンは楽しそうに風神を見つめていた。 

 ご飯の後はブラッシングをし、手綱を繋げて散歩にも繰り出す。 森へは入れないので、集落の中を一周するだけだ。 

 鼻歌を歌いながら手綱を牽くクオンの後頭部を眺める。

 『風神、今、大丈夫?』
 『フィルか……まぁ、大丈夫だが、何かあったのか? やはり我も連れて行けば……』
 『今は、その話をしている暇はないんだよっ』

 置いて行かれた事を少しだけ根に持っている風神だった。 何処か慌てているフィルの声の様子に、優先事項を考え、今は黙っておこうと小さく息を吐いた。

 エーリス一周の散歩は直ぐに終わった。

 広場の中心にあるタルピオス家のツリーハウスに戻って来ると、隣の治療院の庭へ風神をクオンが引っ張っていく。 

 厩舎で落ち着いた所で、フィルの声が再び聞こえた。

 『風神、今からエーリスの森の安全地帯へ行ける?』

 クオンは鼻歌を歌いながら、次は厩舎の掃除を始めた。 他の保護されている一角獣の世話も始め、鼻歌が本格的に歌い出すまでになっていた。

 (夢中になっているから、大丈夫だろう……)

 『安全地帯へ行って何をする?』
 『そこへ、ハナの母親と数人の使用人たちが転送するから、エーリスまで護衛して連れて行ってほしい』
 『承知した。 我の主には作戦を伝えているのか?』
 『……今は本当に急いでいるから……緊急事態なんだっ』
 『分かった、我が伝えておこう』
 『ありがとう、助かるよっ』

 本当に緊急事態なのか、フィルはとても焦っていた。 風神は自身の魔力を周囲へ流し、幻影魔法を行使した。 他の一角獣が風神の魔力に触れ、身体を小さく跳ねさせたが、クオンは気づていないようで、ご機嫌で歌いながら他の一角獣のブラッシングを続けている。

 そっと厩舎を抜け出した風神は、幻影魔法を使って自身の姿を消し、エーリスを抜け出す事に成功した。 集落を出る時、何かの気配を感じたが、目視で確認は出来なかった。 風神は気を取り直して安全地帯を目指し森の中へ消えた。

 ◇

 治療院での仕事を終えたリュディは、先程まで聞こえていたクオンの歌声が聞こえなくなった事で、庭に作られている厩舎を治療院のツリーハウス、1段目のログハウスの窓から見下ろした。

 「あら? クオンの姿が見えないわね。 家へ戻ったのかしら? いつもは迎えに行くまで厩舎にこもっているのに……」

 ツリーハウスから見えるエーリスの出口を見つめ、広場にも遊んでいるクオンの姿は見えない。 リュディの胸に嫌な予感がよぎる。

 「……っまさか、森へ行ってないわよね……」

 ◇

 安全地帯へ向かう為、森の中へ入った風神は後ろの気配に深いため息を吐いた。

 森の入り口では気づかなかったが、しばらくしてつけられている気配に気づいた。

 (この魔力は……クオンか。 我がこっそり抜け出した事に気づくとは……中々、やるではないか)

 風神はクオンに気づかれない様に、クオンの周囲へ結界魔法を掛けた。 しばらく走ると、エーリスの転送できる安全地帯へ辿り着いた。 風神が一歩入ると、地面が明るい光を放ち、光の中に数人の人影が現れた。 中心に立っていた女性と視線が合う。 何処となく、雰囲気が華に似ていた。

 (ふむ、この女性がハナの母上か……)

 華の母親、クリュトラは風神を見ると笑顔を浮かべた。

 「まぁ、貴方がエレクトラの言っていたフージンね。 こんにちは」

 風神はわずかに頷き、顔をエーリスの方角へ振る事で、着いて来る様に促した。 

 メイドや使用人から感心した声が囁かれる。 クリュトラたちが風神に近づくと、背後から草木を揺らしながら、クオンが飛び出て来た。 

 風神の目の前へ立ち、庇う様に両手を広げた。

 (……ああ、これは……何か勘違いしているな)

 「フージンに近づくなっ! フージンは僕が預かっている大事な一角獣なんだっ!」
 「あらあら、まぁまぁ」

 クオンの言葉に風神は瞳を見開いた。

 クリュトラは小さな可愛い騎士に、感激したようだ。
 
 「小さな騎士様、私たちはフージンに危害を加えるつもりはないわ。 むしろ、彼に守ってもらう為に来たのよ」
 「えっ……フージンに守ってもらう?」
 「ええ、私の娘、エレクトラが紹介してくれたのよ」
 「……っエレクトラって……ハナちゃんの事?」

 自身の娘がレアンドロスから『ハナ』と呼ばれている事を知っているクリュトラは、笑顔で頷く。 メイドや使用人たちも大きく頷いた後、クオンを生暖かい眼差しで見つめる。 ハナの母親だと気づいたクオンは、目の前の女性がエルフの里長だと気づき、顔を青ざめさせた。

 どうしたらいいのか分からなくなったクオンが狼狽えている姿を風神は呆れた様に眺めていた。

 風神はクオンの頭頂部を鼻でつつき、振り仰いだクオンと視線が合うと、エーリスの方角へ顔を振った。 ハッとしたような表情を浮かべたクオンは、非礼や挨拶を省いてクリュトラたちをエーリスへ連れ帰る事にした。 安全地帯だと言っても、いつまでも留まってはいられない。

 「ふふっ、とりあえず、レアンドロスの家へ連れって行ってもらえるかしら?」
 「……っはい……」

 ◇

 クオンは家に居るだろうと思い、リュディは隣のツリーハウス、自宅へ戻っていた。 3段目の子供部屋であるログハウスへ向かい、クオンの部屋の扉をノックする。

 クオンの部屋は右奥にあり、トイレを挟んだ向かいの部屋は優斗の部屋である。

 ノックをしても返事がなく、扉を開けて部屋の中を覗くと、クオンの姿がなかった。 益々、胸に不安が広がった。

 「……っあの子、本当に森へ行ったんじゃないでしょうねっ」

 リュディは直ぐに2段目に作られた食堂のログハウスへ向かい、階段を降りて行った。

 食堂の木製の両扉を乱暴に押し開け、右側に置いてあるL字型のソファへ視線を向けた。 人が増えた事で、最近、ソファを新調した。 ソファには一息ついていたのか、リューが紅茶を優雅に楽しんでいた。

 「リューっ! 大変、クオンが何処にもいないわっ! もしかしたら、森へ行ったのかもっ」
 
 慌てた様子でリューへ詰め寄って来たリュディを落ち着かせるように、肩に手を置いてソファへ座るように促す。

 「リュディ、落ち着け。 クオンが1人で森へ行く訳ないだろう? その辺で遊んでないのか?」
 「遊んでないわよっ! 一応、広場は治療院の上から見てみたんだからっ」
 「……後は、友達の家か?」

 リュディは顔を左右に振り、リューの意見を否定した。

 「この時間は、クオンは一角獣の世話をしてるのよっ、だから厩舎にいるはずなのにっ。 通常ならそんなに心配しないわよっ。 でも今は、森の中は危険だわっ」

 森の中にティオスの配下の者が潜んでいる可能性があるのだ。 クオンが連れ去られたらと思うと、気が気ではなかった。

 嫌な妄想が脳裏に浮かんだ瞬間、リュディと同じように、食堂の木製の両扉が乱暴に押し開けられた。

 大きな音に、リュディとリューの両肩が大きく飛び跳ね、出入り口の方へ視線を向けた。

 「リュー、リュディ!! 大変だよっ!」
 「クオンっ! 貴方、何処に行っていたのっ!」

 リュディはクオンが食堂へ飛び込んでくると、L字型のソファを回りこんで、出入り口へ向かい、クオンを抱きしめた。

 ソファで座っていたリューから、安堵の息が聞こえた。

 「リュディっ! そんな事よりもっ」
 「そんな事よりもっ?!」

 リュディはクオンの両の頬をむにっと掴み、左右に引っ張った。 クオンは引っ張られながらも、事の次第を説明する。

 ふごふごと口を動かしているだけのクオンの言葉を聞き取ったのは流石である。

 「えっ?! クリュタイムネストラ様がエーリスに避難して来たっ?!」

 まだ、頬を引っ張られているクオンは、高速で頷いた。 クオンの丸い頬肉が揺らされる。
 
 「……っクリュタイムネストラ様っ」

 背後でリューの声が耳に届き、食堂の入り口で佇んでいるクリュトラを見止め、リュディの身体が固まった。 リュディが復活するまでに少しだけ時間がかかったが、何とかリュディは冷静さを取り戻した。

 「じゃ、ユウトたちは計画通り、クリュタイムネストラ様の救出を終えたんですね」
 「ええ」

 リュディとリュー、クリュトラは食堂のL字型のソファへ座り、メイドが紅茶を淹れなおした。 メイドと使用人たちは、今後、クリュトラが過ごす客室を整える為、客室がある4段目のログハウスへ行っている。

 「ユウトたちは、今は……」
 「きっと、パレストラを相手にしているわ」

 強く拳を握りしめたリュディはユウトたちの事を心の底から心配している。 

 リュディの肩を抱いているリューは、ユウトなら大丈夫だろうと信じている。

 「あっ、ハナちゃんの部屋の魔法陣を使うって言ってたんですよね?」
 「ええ、レアンドロスがそう言っていたわ」
 「あちゃぁ」

 リュディは行き成り頭を抱えて項垂れた。 リューも何かを思い出したのか、『ああ、それは不味いな』と少しだけ慌てた様な声を出した。

 ソファから立ち上がったリュディはリューの方へ視線を向ける。

 「私、ちょっと行ってくるわ」
 「ああ、分かった。 気をつけろ」
 「ええ、大丈夫よ。 後、ここにクリュタイムネストラ様がいるなら、それなりの結界が必要だわ」
 「心得ている」

 クリュトラは何が何だか分からない様子でタルピオス家の夫婦を見つめた。

 リュディは懐から転送魔法陣を取り出すと、何処かへ転送して行った。 

 残されたリューは風神と話し合い、エーリスの集落全体に幻影魔法と結界魔法を掛けた。

 エルフの里から突然、エーリスの集落が消えた。
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