嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐

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私、帝国領で暴れます!

私、反省して正します!

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 おパンツも買うことが出来たので、皆さんの元に帰ります。道は分からずとも問題なし!

 すすすー。すすすーっと。

 ほいっ。到着です。

 オークション会場に着くと、遠目から見ても分かるくらいに皆さんが慌てていました。特に、皇子様の慌てようが著しいです。何かあったんでしょうか? 問題発生?

「そんなに慌ててどうしたんですか? 何かあったんですか?」
「ああ、実はな嬢ちゃん。嬢ちゃんが行方不明……に……?」

 ??? 嬢ちゃんが行方不明とは? もしかして、迷子を拾ったけど、その迷子の子を見失ってしまったとか、そういう感じでしょうか?
 それはダメですよね。拾ったからには、最後まで責任を持って親元まで届けないと。

 よし。そう言うことなら、このセレスティアさんに任せてくださいな。私が人肌脱いでやりますとも!

 そう気合を入れている私をよそに、皆さんは一度顔を見合わせると、突然叫びました。

「「「「「あああああぁぁぁぁっぁっぁぁぁ!!!??!?!?」」」」」

 うるっさいですね! 耳がキンキンしますよ! いきなり叫び出したりなんかして、一体全体どうしたと言うんですか。まるで長年の探し物を見つけた! みたいな声を出しちゃって。

「じょ、嬢ちゃん!!? い、一体どこほっつき歩いてたんだ!?」

 なんか、今日の商人さんはやけにテンションが高いですね。この人もオークションが楽しみだったのかな? ふふふ。ザ男! みたいな顔をして、結構可愛いところあるんですね。そういうギャップは、婚活で有利になりますよ! (体験皆無) 後は、髭を整えたら完璧ですね! (完全主観)

「私は普通におパンツを買いに行っていました。白とピンクの可愛いやつです。見ますか?」
「おっ、おう。そうか……。って、見せんでいいわ!!!」

 可愛いのに。照れてるのかな? そんな要素、どこにも無いと思うんですけどね。だって、おパンツと言っても、ただの布ですよ? しかも、店頭に行けば普通に並んでますし。何をそんなに恥ずかしがる事があるのでしょうか。不思議な人ですね。

 まあそれはいいです。そんな事より、今は迷子の子供を探さないと。

「商人さんたちは、迷子の子供を探していたんですよね? 手伝いますから、どんな子なのか、その特徴を教えてください」

 そう訊ねると、困ったような、不思議そうな顔をされました。
 もしかして私、なんでも出来る超人だと思われていたりするんでしょうか……? 探知自体は可能ですけど、特徴が分からないと流石にこの子だ! と当てることは出来ないですよ……。
 元聖女とは言え、私は普通の人間ですからね。

 ※普通の人間は、最強種を邪魔だよね。死んじゃえ! ポン☆ で討伐出来たりはしません。歴代の聖女さんも、当然不可能な芸当です。

 聖女さんは、ゴリラさんではないので。一応、念のため。

「??? 迷……子? の子供??? 何の話だ?」
「え? 女の子が行方不明になったんですよね? 商人さんが言っていた事ですよ? ……ハッ!!! ……まだ三十路手前に見えるのに、もう記憶病を発症されて……。可哀想に……」
「いやいやいやいや!? 俺の頭は正常だぞ!?」
「皆さん最初は、そう仰るんです。そして現実を伝えると、怒り出すんですよね……。頑張って、生きてくださいね。応援してます」

 本当に可哀想です。普通、記憶病は五十、六十を越えたあたりから見られる病気だというのにっ……。魔法でも治せないんです。これって。
 だから商人さん、強く生きてくださいね。これから大変でしょうけど……ッ!

「セ、セレ、セ、セレス、ティア……様が、勘違いしておられるのは、バスティス殿の嬢ちゃんが行方不明に、の部分でしょう。その、……嬢ちゃん、の部分が、セレス……ティア様を指しているのです」

 ・・・あー! なるほど! 確かに、言われてみれば全部繋がりますね。じゃあこの件は解決ですね!
 あ、これ、私が悪いやつじゃないですか……。一言伝えてから出れば良かったです。今度からはそうします。

 これが、今まで誰かと一緒に行動をしていなかったツケですね。誰かがいる時は、排泄の時まで見張りが着いていましたし……。鼻息荒くされるのが、ホントに不愉快で不愉快で堪りませんでしたよ。首輪も屈辱でした。今考えれば。

 つまりこれ、全部王国のせいですね。滅べチン○ス!!!!!

 でも、今回私がやらかしたのは事実ですからね。ちゃんと謝ります。

「その……、すみませんでした。何も言わずにふらふらと。何かを伝えてから、と言う文化が無かったので……。これからは、ちゃんと言ってからふらふらする様にします」
「……そうか。いや、一つずつ直していけばいいからな。今回はしょうがないという事でいいだろう」

 商人さんがそう言うと、周りの皆さんも、うんうんと頷いてくれています。本当に、優しい方たちばかりですね。ありがたいです。

「あ、そうだ。シルベスターさん。セレスティアが言いにくかったら、セレスでいいですよ。先程からよく詰まっていたので」

 私がそう言うと皇子様は、ボンッッッ!!! と、そんな音が聞こえてきそうなほど、一気に顔を染めました。

 なんで???

 それが、今日一番の不思議でした。

════════════════
エール感謝8本目!

それと、謝罪です。
今日はなんだか執筆の調子があまり良くなくて、ここが限界です(  ´ཫ`)
新人賞用の方も4000文字程度しか描けてなくて、ダメダメです。

皆様の期待に応えられるように、尽力していきますm(_ _)m
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