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第二話「やっぱ、アホ執事な」
しおりを挟む………翌朝。
「チョリース、クロきち、高須お嬢様」
「ごきげんよう、唐安さん。 義務教育課程でマトモな挨拶を教わらなかったのかしら?」
「これはこれは、チャ…唐安殿、おはようございます」
本来ならば、このような害虫は執事たる僕が駆除して差し上げるのが任務であるのだが…お嬢様がこのゴキ◯リを好いている以上、無下に扱いする訳にもいかない…。 僕は涙を呑んでお嬢様の恋路を応援することを決意していた。 ………んん? 涙を呑んで? 何故? 普通に応援するのが良き執事としては当たり前………のはず、あぁチャラ安殿がチャラ虫なのが問題なのだ。 うん、チャラ安殿がお嬢様とお付き合いするとなれば、お嬢様に相応しい男性となって頂かねばいけませんね。
などと戯言を思考していると、どこからともなく現れる、宮守殿。
「こら!チャラ安! アンタといると桐絵にバカがうつるでしょ!」
「ちょちょちょ、アマネッチそれ何気酷くない?」
ふふ、さすがは宮守殿わかっていらっしゃる。 一緒にチャラ安殿を更正させましょう!
「ただでさえアホな執事が近くにいて、うつらないか心配なのに」
「なっ!? 僕がアホ執事ですとっ!?」
前言撤回、全くわかっていませんね。 宮森殿。
「さ、アホとバカがうつる前に行きましょ」
「…え、えぇ、そうですわね」
宮守殿はお嬢様の手を引く、そのままスタコラと足早に教室へ向かっていく。 まったく嵐のようなお人だ。 取り残されたアホ執事とバカチャラ男が、二人して呆けた顔で突っ立っていた。
「クロきちはさ? ぶっちゃけ、あの二人のことDo思ってんの?」
急に何を言い出すのかと思えばこの男は、これがチャラ男特有のコミュ力という奴なのか? あまりにも的外れ過ぎる質問で、ヘソで茶が沸きそうですよ。
「………別に、主とその御学友と思ってますが……」
そうだ。 それ以上の感情など…僕には……無い………無いつもりだ。
「なら、高須お嬢様はオレッチが頂いても構わないってコトで、OK?」
チッ、心の中で舌打ちする。 してしまう。
「………お嬢様がそれを望まれる、のであれば…」
ふーん、とまるで興味が無くなったかのような返事をするチャラ安。 何が不満なんだ?
「やっぱ、アマネッチの言うとおりなんカナ? クロきちって、アホな」
「な! 貴方にそんなことを言われる覚えはありませんよ」
そうだ、バカなチャラ男如きに言われる覚えは無い。 何なんだこのチャラ男は、自分から的外れな質問をしておいて、僕をアホと罵るとは。 僕はお嬢様の執事だぞ? そんな感情…許されない! そもそもお嬢様はお前にツンデレなのだ、気付けバカ虫!
「お二人共、尊い方です。 貴方のように下衆な目で見ることはできません」
そう、これが正しい答えだ。 僕は間違ってない。
ふーん…「やっぱ、アホ執事な」。 そう言ってチャラ安は教室へと一人向かっていく。
くそっ、どいつもこいつも何だってんだよ。
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