おうちで♡

雑田

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おみせでこいびとえっち♡

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 * * *


初めてのバイト。初めてのコスプレ喫茶。

1年前、謎の行動力に突き動かされて選んだバイトは男の子が可愛い服を着て接客をするこの仕事だった。
きっかけは街中でたまに見かける女の子の格好をした男の娘。
小柄で身長も低く、劇的に可愛いわけではないがそれっぽくすれば可愛く見える(と友達に言われた)自分の容姿を活かして出来ることがあれば、少しは自信が持てるのではないかと自分なりに考えた結果だった。

「今日からバイトで入りました、ゆきですっ、よろしゅくおねがいしまし…!」

初日の挨拶は面接の時よりガチガチに緊張していて、自分がめちゃくちゃ噛んでいたのも覚えていないくらい初出勤の記憶は朧げだ。
そのとき自分では気付かなかったが、その一瞬、ほんわかした空気が流れていたらしい。
そして同じく横に並んでいた同期の話だと、その中でもも1人だけが目を見開いて僕のことをガン見していたのだとか。

これは後に、ももの言動も相俟って人気No.1の先輩が新人を品定めしていたのだと噂されるようになる。





「えーと、りょうくんとゆきくんだよね」
「今日からよろしくー」
「ちょっとずつ慣れてけばいいから、そんなに緊張しなくて大丈夫だよ~」

自己紹介が終わったあと、僕と同期のりょうくんは先輩達に囲まれていた。
2人ともこういったバイトは初めてだと知り、先輩達なりに緊張をほぐそうとしてくれているようだ。
みんな優しい人みたいでよかった、とほっと胸を撫でおろしていると、お店の中でも飛び抜けて可愛い顔立ちをした男の子が僕に近付いてきた。

「もも、そんなに偉そうな態度で立ってたら2人とも怖がっちゃうでしょー」
「はぁ? 別に偉そうになんかしてないんですけどぉ」
「はいはい、新人の前で喧嘩しなーい。2人とも、ももはこう見えてじゃむらぶ人気No.1のスタッフだから、もし接客で困ったことあったらももに聞くといいよ」
「今、こう見えてって言わなかった?」
「あははー、気のせい気のせい」

目の前で先輩達がふざけ合っているが、まだそこまで打ち解けられていない僕はおろおろすることしかできない。
隣にいた同期のりょうくんも同じようで、先輩達の様子を輪の外から苦笑しながら眺めているだけだった。

「あの、よ、よろしくお願いします、もも…先輩」

僕は勇気を出して、その一言を絞り出す。
内心、呼び方これで合ってるかな? 変じゃないよね? などとドキドキしながら返事を待っていると、もも先輩は握手するように両手で僕の右手を掴んできた。

「これからよろしくねぇ、ゆきちゃん」

もも先輩がにこりと微笑む。
ぎゅっと握りしめてきたその両手が、不自然なほどに力強く感じた。




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