おーばー!〜弱小女子野球部の監督に元最強選手の男子高校生が就任してハーレムになった件〜【明鈴高校女子野球部一年生前編】

文字の大きさ
9 / 150

部員紹介とラブコメ

しおりを挟む
「女子野球部ってレベル高いよな」

 昼休みに教室で男子野球部の春川透と昼食を摂っていると、透が唐突にそんなことを言い始めた。

「ん? まあ確かに夜空は下手したら全国でもトップレベルだし、伊澄は去年の日本代表、陽依も代表合宿までいってるからな」

 すごい選手は多い。なんでこの学校にそんな選手たちが集まったのか不思議ではあるが、確かにレベルは高いとは言える。

「そうじゃない!」

 透は机を叩くと今にも「うがー!」と言い出しそうな雰囲気で詰め寄ってくる。

「大星先輩はちょっと変わってるけど美人だし、瀬川さんもクールで高嶺の花って感じだし、姉崎さんもめちゃくちゃ美人ってわけじゃないけど愛嬌あって一緒にいたら楽しそうだし、同じクラスの神崎も地味だけどまあまあだし」

「あー……」

 そういうことか、と巧は話の意図を掴んだ。透は悔しそうに机に突っ伏する。教室の端の方から視線を感じたがこれは気づかないフリをしておく。

「マネージャーの二人だって、佐久間さんは可愛い系だし、本田先輩は美人系だし、本田先輩みたいなマネージャーにドリンク作って欲しいし良いプレーできたら褒められたい!」

「うわぁ……」

 ここまで欲望全開に来られると流石に巧も引いてしまう。言いたいことはわからなくもないが、そういうことは心の中で留めておく方がいいだろうに……。

 男子野球部にもマネージャーが多数いるため、間違ってこのことが伝わると顰蹙を買うだろう。

「実際のところどうなんだよ? 気になってる子とかいないの?」

「いないな」

 これは事実だ。確かに女子ばかりの中に一人だけ男子という状況は、男子高校である巧はドキドキしてしまう場面は少なからずある。それでも練習中はそんなことを考えることはない。

「面白い話なんてないぞ?」

 そもそも野球一筋で恋愛をしたことのない巧に、この手の話題はこれ以上のことは出ない。

「じゃあ普通に戦力としてはどうなん? さっき言ってた大星先輩とか瀬川さん以外の人たちとか」

「そうだなぁ……」

 色々とスタメンを考えたりすることはあったが、まだ特徴を掴めていない人たちもいるが、ここで一度整理してみよう。

 まず部員の人数だが、三年生は一人、二年生が七人、一年生が六人。マネージャーが三年生と一年生で一人ずつだ。

 三年生の大星夜空。右投左打。ポジションはセカンド。男子野球部キャプテンの砂原大地の幼馴染で中学時代は二、三年生時に日本代表にも選ばれている。

 マネージャーの本田珠姫は元々左投左打だったが、怪我で右投左打のファースト専門となっている。珠姫は巧の幼馴染で、チームは違ったが小中学校は同じだった。

 二年生は藤峰七海、諏訪亜澄、結城棗、千鳥煌、佐々木梨々香、水瀬鈴里、月島光の七人だ。

 七海は右投右打のサード。安定感のあるバッティングと守備で安心感のある選手だ。

 亜澄は右投右打のファースト。長打力はあるがミート力に乏しく、七海とは対照的な選手とも言える。

 棗は右投右打のピッチャーと外野手。スタミナはあるがやや安定感に欠ける。野手としても守備型の選手だ。

 煌は左投左打の外野手。バッティングは苦手でパンチ力はない。足はそこそこあり外野の守備力においては夜空に次ぐNo.2と言っても過言ではない。

 梨々香は右投右打の外野手。基本的に気まぐれな選手でいつも眠そうにしている。長打力はあるが、打率はそこまで良くなく守備もそこそこだ。

 鈴里は右投左打のセカンドやショート。煌と似ており、バッティングは苦手だが内野の守備力においては夜空の次に上手い。

 光は右投両打の外野手。内野も守れるが、内野に関しては安定感がない。守備力はそこそこだが、足はチーム内でもトップだ。ただ一番打者として起用できるほどの打撃力はない。

 そして一年生。瀬川伊澄、姉崎陽依、豊川黒絵、黒瀬白雪、椎名瑞歩、神崎司の六人だ。

 伊澄は右投右打のピッチャーと外野手。陽依は両投両打のオールラウンダー。二人は幼馴染で小学生の頃はもう一人仲が良い子がいて三人でいつも一緒にいたらしい。中学のシニアでは別々となり、陽依は夜空のいたシニアに入っている。高校では同じ高校に進学したかったため二人で勉強をしたようだ。

 黒絵は左投右打のピッチャーと外野手。ピッチャーとしてはストレートしか投げれないがスピードがある。野手としてはパンチ力はあるがそもそもボールがバットに当たらないと極端な選手だ。左投というところは野球を始めた頃に左利きである親のグローブしかなかったためその頃から右利きで左投らしい。

 白雪は右投左打のショート。バランスが取れた選手だが、あと一歩パンチ力が足りないため打率は良くないが、四球を狙うため出塁率は良い。進塁打やバントなどチームプレイが得意だ。

 瑞歩は右投右打のサードとファースト。二年生の亜澄とやや似たタイプの選手でパンチ力はあるがミート力がない。それでいて亜澄よりもやや安定感に欠けるといったところだ。

 最後に司。右投右打のキャッチャーだ。バッティングもそれなりに良く、守備力も肩の強さもキャッチャー向きだ。それに加えて性格が嫌らしい。リードも嫌らしい。伊澄と何度か対決している中でキャッチャーを務めていたがどちらかというと司に苦しめられていた。

 マネージャーの佐久間由衣は選手ではない上に会話も少ないため特に言えることはないが、明るく優しく親しみやすいといったところだ。

「まあ、こんなところだな」

 それぞれ特徴があるため、夜空や伊澄、オールラウンダーでどこでもできる陽依やポジションの兼ね合いで司はほぼレギュラー当確としても悩むところだ。安定感のある選手はそれなりにいるが、逆に言えば突出していないためさらにレベルの高い安定感のあるチームに負けてしまう。多少のリスクを取って突出した選手を起用するか、負ければ仕方ないと割り切って安定感を求めるか、難しいところである。

 巧の説明を聞き終えた透は黙ったままだ。いや、なにかぶつぶつと呟いている。

「羨ましい!」

 呟いているだけかと思ったら唐突に叫び始めた。正直めんどくさい。

「高校生だから彼女欲しいんだよ! 悪いか!」

「悪くないけど俺に当たるな」

 こんなこと言っているうちは彼女ができないのでは? と思ったが煽ることになってしまうのであえて言わないでおこう。

 しかし、この状況をどうにか脱することはできないか。幸いすでにご飯は食べ終えているため、席から離れることは容易だ。ただトイレと誤魔化してもついてくるだろう。

 巧は唯一の希望である司の方に視線を向けた。方向的にお互い教室の前方を向いているため、司はこちらを向いていないが、やがて視線に気づいたのか振り向いてくれた。ややめんどくさそうな表情を浮かべたが、司はため息をつくと席を立ちこちらに向かってきた。

「巧くん、練習のことで聞きたいことがあるからちょっといいかな?」

「あぁ、いいぞ。透、また後でな」

 巧はさっさとこの場から離れたいと思ってそそくさと席から立ち上がった。

「裏切り者ぉぉぉ!」

 先ほどよりも悪化した透を放置して巧と司は教室から出た。

「君も大変だね」

 憐むような冷ややかな目線が刺さる。

「彼女欲しい病気なんだよ、きっと。あれがなければいいやつなんだけどな」

 野球の話もそうだが、学力的にも同レベルなのでわからないところは聞ける。

「恋愛ねぇ……。まだわからないなぁ」

 司も巧と同じく野球一筋だ。二年生組はわからないが、伊澄や陽依も野球バカと言っていいほど他のことには無頓着なので恋愛事には興味なさそうだ。

 巧のラブコメはまだ始まらない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

処理中です...