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第5話 愛のバカンス
リゾートは危険がいっぱい その四
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あみだくじにより決まった部屋割りは、優子と紗英、沙織と葵、そして直哉と亜子であった。くしくも反対していた二人が同部屋になってしまったのだ。
「まさか沙織と同部屋だなんて・・・・・・。運命とはやはり自ら切り開かないとダメなようね」
「あら、わたくしは結構楽しみですわ。直哉様と同部屋に慣れなかったのは残念ですけれど」
悔しそうな表情をしている葵に対して、沙織は満更でもない様であった。昔から衝突ばかりしていた二人だが、直哉と出会った事で関係に変化が生じていた。
「紗英ちゃんと一緒かぁ。よろしくねぇ。直哉は亜子となのね。沙織さんや南雲さんじゃないから安心だよぉ」
「よろしくお願いします。直哉君・・・・・・大丈夫だよね。私、直哉君を信じてるから」
直哉と同じ部屋が亜子という事で、優子と紗英は完全に安心していたのだ。しかし、当の亜子は揺れ動く気持ちに困惑し、平静を保てるか不安を感じていたのだ。
「亜子さん、よろしくお願いしますね。亜子さんなら安心ですよ。ってからかわないで下さいね」
「えっ、あ、うん。直哉君となのね。大丈夫よ、からかったりはしないから・・・・・・」
(大丈夫・・・・・・別に同じベッドで寝るわけじゃないんだし、きっとあの時の事が尾を引いてるだけよ・・・・・・そうでないと・・・・・・)
いつもの大人っぽい亜子とは違い、どこか様子がおかしかったのだが直哉は全く気がついていなかった。そんな亜子を沙織だけは、心の内をしっかりと見抜いていたのだった。
部屋割りも無事に決まったので、各自荷物を部屋に運び始めた。部屋に荷物を置くと少し早めのお昼を済ませる為、広いダイニングへと降りたのだ。
「みんな集まりましたわね。あらかたの料理を作れる食材を、事前に用意しておりますのでご安心下さいね。こうして、みんなで料理するのも楽しいものですよ」
「そうだよねぇ、こんな事って調理実習の時ぐらいしかやらないし。本格的なのは夜にするとして、お昼はサンドイッチとかにしておいた方がいいと思うんだけど」
「僕も優子に賛成かな。せっかく島に来たんだから、散策とかしてみたいよね。船から見た時は結構大きい島だったし」
「他になければサンドイッチにいたしますね。ふふふ、腕がなりますわ。直哉様の胃袋はわたくしが掴ませていただきますわ」
沙織は楽しそうにしながらキッチンへと向かっていった。他の少女達もその後に続き、直哉は少女達の手伝いをする事になったのだった。
「さっ、出来ましたわ。早めのお昼にしましょう」
「みんな上手だよね。美味しそうだよ」
「な・お・やっ。はい、あ~ん」
「な、な、葵さん!ずるい・・・・・・じゃなくて、それはダメだよぉ」
「え?何で~?だって、愛しの直哉に食べさせるのが、アイドルとしての役目だから問題ないしぃ~」
「アイドルに・・・・・・そんな役目あったっけ・・・・・・」
「葵さんの・・・・・・その行動力・・・・・・羨ましい」
「紗英ちゃん?その行動力は真似しちゃダメだからね?もう、直哉もデレってしないのっ」
結局、賑やかな昼食になったが過度な態度は直哉を困らせるから禁止と、多数決で葵以外が賛成し決まったのだった。
亜子は少しホッとした感情に支配され、直哉の顔を久々に見た気がしたのだ。何だかんだで楽しそうなその笑顔に、亜子自信も気が付かないうちに口元がにやけていた。
昼食の片付けが終わると、沙織が先頭に立ち直哉達に島の名所を案内したのだ。
夏の日差しが木々によって和らげられ、太陽の熱を土の大地が吸収しているので、思ったりより暑さを感じなかったのだ。
「まさか沙織と同部屋だなんて・・・・・・。運命とはやはり自ら切り開かないとダメなようね」
「あら、わたくしは結構楽しみですわ。直哉様と同部屋に慣れなかったのは残念ですけれど」
悔しそうな表情をしている葵に対して、沙織は満更でもない様であった。昔から衝突ばかりしていた二人だが、直哉と出会った事で関係に変化が生じていた。
「紗英ちゃんと一緒かぁ。よろしくねぇ。直哉は亜子となのね。沙織さんや南雲さんじゃないから安心だよぉ」
「よろしくお願いします。直哉君・・・・・・大丈夫だよね。私、直哉君を信じてるから」
直哉と同じ部屋が亜子という事で、優子と紗英は完全に安心していたのだ。しかし、当の亜子は揺れ動く気持ちに困惑し、平静を保てるか不安を感じていたのだ。
「亜子さん、よろしくお願いしますね。亜子さんなら安心ですよ。ってからかわないで下さいね」
「えっ、あ、うん。直哉君となのね。大丈夫よ、からかったりはしないから・・・・・・」
(大丈夫・・・・・・別に同じベッドで寝るわけじゃないんだし、きっとあの時の事が尾を引いてるだけよ・・・・・・そうでないと・・・・・・)
いつもの大人っぽい亜子とは違い、どこか様子がおかしかったのだが直哉は全く気がついていなかった。そんな亜子を沙織だけは、心の内をしっかりと見抜いていたのだった。
部屋割りも無事に決まったので、各自荷物を部屋に運び始めた。部屋に荷物を置くと少し早めのお昼を済ませる為、広いダイニングへと降りたのだ。
「みんな集まりましたわね。あらかたの料理を作れる食材を、事前に用意しておりますのでご安心下さいね。こうして、みんなで料理するのも楽しいものですよ」
「そうだよねぇ、こんな事って調理実習の時ぐらいしかやらないし。本格的なのは夜にするとして、お昼はサンドイッチとかにしておいた方がいいと思うんだけど」
「僕も優子に賛成かな。せっかく島に来たんだから、散策とかしてみたいよね。船から見た時は結構大きい島だったし」
「他になければサンドイッチにいたしますね。ふふふ、腕がなりますわ。直哉様の胃袋はわたくしが掴ませていただきますわ」
沙織は楽しそうにしながらキッチンへと向かっていった。他の少女達もその後に続き、直哉は少女達の手伝いをする事になったのだった。
「さっ、出来ましたわ。早めのお昼にしましょう」
「みんな上手だよね。美味しそうだよ」
「な・お・やっ。はい、あ~ん」
「な、な、葵さん!ずるい・・・・・・じゃなくて、それはダメだよぉ」
「え?何で~?だって、愛しの直哉に食べさせるのが、アイドルとしての役目だから問題ないしぃ~」
「アイドルに・・・・・・そんな役目あったっけ・・・・・・」
「葵さんの・・・・・・その行動力・・・・・・羨ましい」
「紗英ちゃん?その行動力は真似しちゃダメだからね?もう、直哉もデレってしないのっ」
結局、賑やかな昼食になったが過度な態度は直哉を困らせるから禁止と、多数決で葵以外が賛成し決まったのだった。
亜子は少しホッとした感情に支配され、直哉の顔を久々に見た気がしたのだ。何だかんだで楽しそうなその笑顔に、亜子自信も気が付かないうちに口元がにやけていた。
昼食の片付けが終わると、沙織が先頭に立ち直哉達に島の名所を案内したのだ。
夏の日差しが木々によって和らげられ、太陽の熱を土の大地が吸収しているので、思ったりより暑さを感じなかったのだ。
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