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極悪チャイルドマーケット殲滅戦!四人四様の催眠術のかかり方!

「羽藤による仲直り作戦」

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「羽藤による仲直り作戦」
 稀世が二階の直やまりあたちに「直さーん、羽藤さん来たでー!さっき、なっちゃん走って出て行ったけどなんかあったん?」と聞いた。陽菜が気まずい顔をして先頭で降りてきた。一番奥のテーブル席に座る羽藤の周りにみんな座った。まだ客が少なかったので、三朗に店を任せ、稀世も席に着いた。羽藤が稀世の分も含めて六人前の上握りを頼んだ。それとは別に夏子に「お持ち帰り」をオーダーした。
 まず、「絶対の秘密」との前提で、羽藤は、公安の仕事の一環として、C-MARTを追いかけていたことを告白した。国際的な臓器売買グループの関係で動く中、マークしていた「加藤三郎」が門真のホテルで襲撃されたと聞き調査に入っていた中、23日の朝に病院で稀世と鉢合わせになったとのことだった。公安の調査なので、大阪府警と連携を取っているわけでなかったため、稀世には「ここに来たことは内緒にしておいてくれ」ということになったとのことだった。
 羽藤が帰国する二年前、C-MARTが発足して一年後から公安が捜査を始めた案件が、「加藤が三朗にそっくりだったこと」、「明日香の誘拐が絡んだこと」、そして最後に「夏子が「D」こと下辺希望と特殊な関係にあったこと」で、わずか二日でほぼ全面解決になったことに対する謝辞が述べられた。
  羽藤は、夏子にも直接礼を言いたいとのことで、陽菜が夏子の携帯に電話をかけたが、コール後、留守番電話に切り替わるだけで、それは、稀世がかけてもまりあがかけても同じことだった。夏子を呼び出すことをあきらめ、羽藤は状況を五人に話し続けた。
 加藤三郎は、今朝、意識を回復し、短い時間ではあるが話ができたとのことだった。難病を患った五歳の娘のために、一度はC-MARTの甘い誘いに乗りかかったが、最終的には、ドナーとなる子供の命を奪ってしまう事への自責の念に駆られ、断る気になっていたとのことだった。ただ、娘の命を考えると「断る」判断が正しいのかわからなくなり、ついバーで深酒に逃げてしまい、事件に巻き込まれたとのことだった。
 羽藤は、子供のために悩む加藤に同情し、自分の娘も難病で悩む中、年内に手術する機会を得たことを話し、励ました。現状、加藤が直接罪に問われることはないが、誘拐の「教唆」にあたる可能性を鑑み、C-MARTの接触手法、その後の交渉段取り等、加藤がC-MARTについて知り得たことを話すことで司法取引扱いとし、加藤自身が刑罰の対象とならぬよう動いているとのことだった。
 「D」の告白したC-MARTのデータベースから、海外組織の連携や顧客、仲介業者のネットワークが浮き出てきたため、羽藤自身がしばらく国内と海外の行き来になる間、アメリカから日本に呼び寄せた娘と妻の事を直やみんなに頼みたいとのことだった。その件は、皆、快諾した。
 あと、近日中に非公式な会ではあるが、警視庁及び大阪府警からの接待があるとの話があった。通常は、署の所長室での幕の内弁当の食事会となるのだが、今回は警視庁も付くので予算に余裕があるとのことだった。もちろん「口封じ」の意味合いもあるので、少し堅苦しい会にはなるが、食べたいジャンルがあるなら、口添えしてくれるとのことだった。
  直を筆頭に女性陣の意見は、満場一致で「三ツ星高級フレンチフルコースお代わり自由&高級ワイン、シャンパン飲み放題」となった。
 一通りの羽藤の話が終わった後、スマホをいじる陽菜が浮かない顔をしていることに羽藤は気がついた。
「陽菜さん、どうしましたか?浮かない顔されて、さっきから、スマホをずっと触っていますが…。」
「は、はい。すみません。羽藤さんの話をいい加減に聞いていたわけやなくて…。私、悪気はなかったんやけど、さっき、なっちゃんを相当、怒らせてしもたみたいで…。謝りのメールやライン入れてるんやけど、ぜんぜん読んでもらえてへんのです。」
「怒らせたって?私が来たとき、夏子さん泣きながら飛び出て行ったみたいだったんですけど、それと何か関係が?」
「はい、一昨日のなっちゃんが催眠術で「D」を自白させたこと、覚えてへんっていうから、午前中の大阪府警の記者会見の後、私のWEBカメラで撮ってた動画とか見せたんですよ。「D」に女王様になりきって尋問した時の動画に、羽藤さんに「ゴミ虫」って言うたり、みんなの前で女王様のボンテージに着替えたりしたときのやつですね…。
 私は、「あの時のなっちゃん」がネットに掲げろ言うたから、モザイクや音声加工して、ユーチューブに掲げたんやけど、「今のなっちゃん」は、あの日のこと覚えてなかったみたいで…。そんで、さっき、めちゃくちゃキレて出て行ってしもたんですよ。」
「あぁ、夏子さんは、例の事件の時、完全にトランス状態に入ってましたから、記憶が抜け落ちてるってことは考えられますね。まぁ、夏子さんが脱いだり、「D」にしたことは、私自身、捜査を優先してしまってましたから…。
  まあ、いまさら女の子の裸でどうこう言う年でもないので私は気にしませんが、夏子さんは、まだ恥じらいのある乙女ですからねぇ。それに、いくら、催眠状態にあったとしても、自分の本性をああいった状況でみんなに晒してしまったというのはねぇ…。」
「それで、さっきまりあさんにも怒られたんです。五日後、タッグでの交流戦やのに喧嘩してどうすんねん!仲直りしてこいって…。」
「まぁ、月末までは、私も大阪にいますので何かあったら連絡ください。私の方で「思う事」ありますので、恩返しがてら一肌脱がしてもらいますよ。あぁ、陽菜さんは「一肌脱ぐ」は勘違いしないでくださいよ。」
「あっ、はい…。」
 三朗が上握りを持ってきた。皆でごちそうになり、羽藤に礼を言うと、
「まあ、そのうち、ゆっくり飲みましょう。舩阪君は、また一緒にミリオタ談議できるの楽しみにしてますよ。今回は、本当に感謝していますが、今後、直師範と稀世さんは、無茶しすぎないようにお願いしますよ。」
と言い残し、全員分の会計を済ませ出て行った。
 陽菜の夏子への電話、メール、ラインは相変わらず繋がっていない。仕方ないので、稀世が「羽藤さんのおごりの上寿司をお店に置いてるから取りに来てね。」とメッセージを入れたところ、今日子が明日香を連れて、向日葵寿司にやってきた。
  明日香はすっかり元気で、護身術教室で学んだ「指折り」と「噛みつき」のお礼を稀世にした。凛と仲の良い明日香は、
「私も、凛ちゃんといっしょに、稀世お姉ちゃんみたいな女子レスラーになるね!」
と笑って宣言した。陽菜が、「私が教えた「金蹴り」使えば、明日香ちゃんがとどめを刺せたのに!」と言うと、
「女の子としてそれだけはしちゃダメでしょ!「金蹴り」は、レディー失格よ!」
と言いきり、みんな大笑いした。その後、明日香は、ひまわりと二階で一緒に遊んでくれた。今日子の持ってきた、お礼の洋菓子のセットで女子会が始まった。
  舩阪は、女性ばかりの中、男一人ではその場に居にくかったのか、カウンターに席を移し三朗相手に話しだした。男ふたり、夏子のおっぱいと黒乳首の話から、稀世のおっぱいの話になり盛り上がっていた。三朗が、「稀世さんのおっぱいは、世界一のおっぱいですよねぇ。」と自慢すれば、舩阪は「いや、稀世姉さんのおっぱいは、宇宙一の神乳ですよ。」と三朗に返した。
  舩阪がさらに熱く三朗に語り掛けた。
「陽菜ちゃんには内緒ですが、僕の理想のおっぱいは、三朗兄さんと稀世姉さんの第二回披露宴のテレビ放送の時に放送事故で見た稀世姉さんのおっぱいなんです。大きいのに張りがあって前にぴょーんって飛び出てますよねぇ。
  陽菜ちゃんのは、それはそれで個性があっていいんですけど、言葉で表現すると「食パンに干しブドウふたつ」なんです。
  三朗兄さん、無理を言いますが、いつか一度でいいですから、稀世姉さんのおっぱい揉ませていただけませんか。陽菜ちゃんと結婚すると、それは「浮気」になっちゃいますから…。次の交流戦で陽菜ちゃんタッグが初勝利上げたら、陽菜ちゃん「結婚しよな!」って言ってるので、早めに稀世姉さんに聞いてみてもらえませんか…?」
と堂々とした態度で素面の舩阪の申し出に三朗は戸惑った。(舩阪君は、僕と稀世さんの命の恩人やしなぁ…、舩阪君が稀世さんのファンと聞いたら、同じ稀世さんファンとして、僕ひとりで稀世さんのおっぱいを独占していいものか…。もし、稀世さんが舩阪君やったら「いい」というなら一回くらいは…。あぁ、どうしよう…。)真剣に悩んだ。舩阪への返事は保留させてもらった。

 翌日、翌々日も夏子は、西沢米穀特設リング会場に姿を現さなかった。陽菜は何十回と連絡を入れているのだが、全く返事がないとのことだった。向日葵寿司にも夏子の経営する店にも25日を境に、夏子は全く出てきていないし、夏子のマンションにも陽菜が行ったが、入口のセキュリティーゲートも開けてもらえない。他の、入居者に便乗してマンションに入り、夏子の部屋の前まで行くと、夏子の部屋の電気メーターがぐるぐる回っていることと、ガスや換気扇の音が聞こえていることから、本人が部屋にいることは間違いないのだが、いくらインターホンを押しても出てきてくれないことが続いた。(あー、私が「なっちゃん」やったら、こんな鍵、一分で開けたんのになぁ…。)と思いながら、「交流戦まであと○日です。連絡ください。陽菜。」とのメモをポストに入れるくらいしかできなかった。
 西沢米穀特設リング会場で、陽菜がまりあに事情を話すと、まりあは激昂し、
「陽菜!土下座でも何でもして仲直りしてきいや!それまで、お前は出禁や!」
と追い返された。その日の晩、向日葵寿司を訪れ、陽菜はこっそり稀世に相談した。
「これまで、なっちゃんと三日も顔合わせへんなんてことなかったのに…。私ほんまになっちゃんに嫌われてしまったんやろか…?謝って済むことやったら何時間でも謝って、仲直りしたいけど、それすらできへんって…。」
 稀世の胸の中で陽菜は泣きじゃくった。仕方なく、稀世が夏子に電話した。「今、陽菜ちゃんの顔は、見たくないんです。稀世姉さん、すみません…。」とだけ言って切られた。稀世は悩んだが、
「陽菜ちゃん、一度、羽藤さん頼ってみたら?何か手があるみたいなこと言ってはったやん?」
と慰めた。陽菜は、稀世の言葉に頷き、泣きながら羽藤に電話をかけた。
「もしもし、陽菜さんですね。まだ、仲直りできてないんですか…?」
「はい、何度も謝ろうと思って、なっちゃんのマンション行っても居留守使われるし、手紙やメール、ラインも送ってるんですけど全くレスがなくって、もう、私どうしたらいいのかわからなくなって…、羽藤さん、私どうしたらいいんでしょうか…。」
と電話したが、涙が止めどもなく溢れ、最後は言葉にならなかった。
「陽菜さん、9月28日、朝、八時にお会いできますか?少しお時間いただきたいのですが。」

  9月28日朝九時、夏子のマンションに羽藤が訪れた。マンション入り口の自動ドアの前からインターホンを押した。まもなく夏子の声がスピーカーから聞こえた。
「えっ?羽藤さん、こんな朝早くなんですか?」
「おはようございます。少しお話させていただけませんか。」
「えっ?すみません、今、すっぴんなんで五分でいいですから、お時間いただけますか…。羽藤さんひとりですよね。」
「はい私ひとりです。若い一人暮らしの女性のマンションを訪れるのは、はばかられたんですが、よろしくお願いします。」
「はい、急いで準備しますので、とりあえずお入りください。部屋で少し待ってもらえますか…。」
 マンション入り口の自動ドアが開いた。夏子の部屋は、小綺麗に整理されていた。リビングに羽藤を通し、夏子は洗面所で顔をつくりに入った。リビングのテーブルに無造作に置かれたスマホには、陽菜からの着信通知が連続していくつも表示されていた。
「すみません、お待たせしました。先日は、失礼しました。自分の催眠術で自爆して、恥ずかしいとこ、たくさん見せちゃって…。羽藤さんにもいっぱい失礼なこと言ってしまったり…、あと、蹴りを入れてしまったりして、本当にすいませんでした…。」
「いえいえ、失礼なんか何も無いですよ。夏子さんの活躍のおかげで、たくさんの子供の命や生活が助かったのですから誇らしいものですよ。
  それよりも、C-MARTの捜査を優先して、あの日は、夏子さんひとりに負担をかけたことをお詫びさせてください。」
と羽藤が夏子に頭を下げた。夏子は、深々と頭を下げる還暦を迎えた羽藤の姿に恐縮し、「羽藤さん、どうか頭を上げてください。」と返すのが精いっぱいだった。ゆっくりと、頭を上げた羽藤が夏子に優しく話しかけた。
「あの日のことがきっかけで、陽菜さんとけんかになったと聞いているのですが、夏子さんの本当の気持ちを聞かせてください。仲直りしたいですか?それとも陽菜さんの謝罪が必要ですか?それともほかに何かありますか…?」
「うっ、うっ、うっ…。」
夏子の瞳から大粒の涙が零れ落ちた。泣き声をしゃくりあげながら、夏子はテーブルに突っ伏し泣いた。数分泣き続け、羽藤に思いのたけを告白した。
「うん、今すぐにでも陽菜ちゃんと仲直りしたい…。ただ、今、陽菜ちゃんの顔を見る自信がない。稀世姉さんやまりあさんや他のみんなに対しても同じ…。
  あれが、私の本性やって思われてたら…、いや、きっと私の本性なんやと思う…。それをありありと晒してしまった…。この先、もう普通には付き合われへん…。
  どうしたらいいのか、それすらもわかれへん…。ニコニコプロレスやめて、どこか知り合いの居れへんところに行こうかとも思ったけど、本当に陽菜ちゃんや稀世姉さんやまりあさんのこと大好きやから…。
  こんな気持ちが続いたら、死ぬことまで考えてしまうんと違うかなって思ったら、もう部屋から一歩も出られへんようになってしもて…。
 羽藤さん、私どうしたらええのやろ。もうひとりじゃ何も考えられへんから、教えてください…。あぁ、一週間前に戻れるなら戻りたい…。」
テーブルの上に涙の水たまりができた。
「夏子さん、催眠術って凄いですよね。」
「えっ?」
「すみません、話が飛んでしまってますよね。実は、さっき、陽菜さんのお宅に寄ってきたんです。舩阪君もいました。陽菜さんも夏子さんのことですごく悩んでました。「自分のやったことで夏子さんをひどく傷つけてしまったのではないか。」、「あの時の夏子さんに言われたとはいえ、自分自身、夏子さんの気持ちや後のこと考えずに行動してしまったのではないのか。」と泣きじゃくられました。そして、夏子さんと同じように、「一週間前に戻って、今まで通りの生活に戻れるなら、何でもする。」とまで言われましたよ。」
「・・・・・。あの陽菜ちゃんが…。」
「はい、そこで陽菜さんと舩阪君の記憶を一週間巻き戻させてもらってきました。」
「えっ?それって、どういうことですか?」
「さっきの話に戻りますが、私、催眠術使えるんです。本来、そういう使い方するものではないんですが、傭兵時代やCATの隊長やってた時代に覚えたんです。なかなかハードな作戦では、戦場や出動現場ですごいトラウマを抱える隊員が出ることがあるんですね。そういったときに使う特殊な催眠術で「記憶削除」というものがあります。
  わかりやすく言うと、対象者の心に残る傷を取り除く場合もありますし、作戦上、敵の捕虜になった際、味方に危険をもたらす作戦内容や情報を意図的に削除するための催眠術ですね。
 陽菜さんにその話をしました。すると陽菜さんの方から、今回の桑才新町の倉庫であったことから、夏子さんと喧嘩になったところまでを消してほしいといわれました。そこで、記憶の封印をしてきたということです。舩阪君も同意してくれたので同時に術をかけさせてもらいました。
  陽菜さん自身に夏子さんへの行動に「遺憾」や「反省」、そして「詫びる気持ち」が強くあったのでしょう。記憶を消すと同時に、物理的な記録、つまりは、映像データやネットにアップしたファイルもクラウドのバックアップまで含めて、泣きながら陽菜さんが自主的に抹消されましたよ。
 ネットのことは、私なんかより夏子さんの方がお詳しいと思うので、説明するのもはばかれますが、陽菜さんの上げた動画を削除するだけでなく、今後万一出てくる「ミラー動画」に関しましては、内緒ですが、「今回のC-MART壊滅の立役者である夏子さんに組織から何らかの復讐の手が伸びないように」との建前で、公安のサイバー部隊が、あの日の映像がネットに出たり、それを転載した記事は、強制的に削除することにします。
 だから、もう安心してください。ニコニコ商店街の皆さんから冷やかされても「あれは、全くの別人」と言えるように、逮捕に際しての民間人の参加についてはフェイクの情報を警視庁から発表させます。例えば、「あの時の女王様は、元警官の28歳の被害者家族の女性だった。」とかね。公安としては、夏子さんには感謝しきれないほどの見事な事件解決でしたので、それくらいは、喜んでやらせてもらいます。
  この先、夏子さんは、周りから何言われても「あの女王様、私に似てて困ったわ。まあ、私の方がいい女やけどな。」くらいで、いなしてもらえれば十分です。いかがですか?」
「は、はい…。陽菜ちゃんがそんな…。稀世姉さんと三朗兄さんは?」
「あのふたりも施術済みです。もちろん、倉庫内では、稀世さんも三朗さんも、夏子さんの催眠術にかかってトランス状態で何の記憶も持っていなかったので、25日に陽菜さんが見せた動画の記憶だけ消させてもらいました。まあ、あのおふたりについては、何のわだかまりもあとくされも持たれないご夫婦なので気にしなくていいと思いますよ。
  まりあさんと直師範は、「いい大人」ですから、今まで通りのお付き合いでいいと思います。もちろん、私も「いい大人」のひとりですのでご安心ください。
 どうですか?陽菜さんと仲直りできそうですか?みんながそれを望んでますよ。」
「はい、ありがとうございます…。本当にありがとうございました…。今の話、信じていいんですよね。今の今から、元通りにみんなと付き合えるんですよね…。」
「はい、大丈夫です。それは、私が保証しますよ。」
「よかった…。羽藤さん、さっそく陽菜ちゃんに電話していいですか?明後日、交流戦初勝利をかけた大事な試合があるんです。私のせいで三日間練習休んじゃってるから、しっかりと作戦練らなきゃ。」
  優しく頷く羽藤のほっぺに「チュッ!」とすると夏子は、スマホを取った。「プルルルルル」
「あっ、陽菜ちゃん?私、夏子。今すぐ会える?」

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