嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!

大福金

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やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

第百五十一話 孤児達をお風呂に入れよう

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「ええっ! フィアどうして泣いてるの? わっシャルロッテまで」

「ア゛アイザックしゃまぁぁううっ」

 この孤児院の状況が余りにも酷いので、アイザック様はこの事を報告しに行ってくれていた。
 戻って来たら、私とシャルロッテが号泣しているので驚いたようだ。

 なぜ泣いているのかを、説明したいのだけれど、泣きすぎてちゃんと喋れない。それを見かねたジーニアス様が、代わりに説明してくれた。

「そうか……フィアはとても良い事をしたんだね。優しいソフィアだから出来る事だよね」

 アイザック様は優しく笑い、泣いている私を抱き寄せた。

「ひゃっ!」

「ふふ。ソフィア? よしよしだね」

 アイザック様はそう言いながら、私の頭を優しく撫でる。
 ギュッと抱きしめられ、頭を優しく撫でられている状況に、頭が混乱し涙が引っ込んだ。

 ちょっ! アイザック様? 私は小さな子供じゃないんですよ?

「何をやってるんだよ!?」

 ジーニアス様が、アイザック様から引き離してくれた。グッジョブですジーニアス様。ドキドキして頭がおかしくなる所でした。ん? アイザック様から舌打ちが聞こえた気がするんだけれど、見ると笑ってるし、気のせいかな。

「はぁ……ジーニアス? 君はいつも絶妙なタイミングで……」
「いやいや? いきなりソフィアを抱きしめる君の方がね? 問題じゃないかな?」
「フィアは婚約者だからね? あれくらいのスキンシップは普通だよ」
「(仮)のだけどな?」
「なっ!?」

 アイザック様とジーニアス様は、二人の世界に入ってしまった。仲良く何やらお話ししている。何を話しているのか分からないけれど、ここはそっとしておこう。

「ソフィア様見て下さい」

 シャルロッテが感嘆の声を上げる。それは私も同じで、何と子供達は、三つあった寸胴鍋全てのスープを飲み干してくれた。

 子供達の青白かった顔色は、頬に桃色の血色が入り、なんだかお肌もぷっくり艶々に見える。これは早くも癒しのお水効果かしら。

 座り込み動こうとしなかった子供達が、今は楽しそうに走り回っている。

 さてと次はお風呂よね。

 ふうむ……人数が多いからなぁ。洗うとなると中々大変だよね。うーん……どうしようかな?
 あっ! そうだ。温泉を作るってのはどうだろう。
 まぁ流石にこの広さでは、本当の温泉は無理だけど、お庭に広い湯船を作るなら……幸いここの中庭はかなり広いのに、手入れがされておらず草が生い茂っている。

 この広い中庭を使わない手はないでしょ。

 でもどうやって温泉を作ろうかな……例えば土をレンガのように錬成し積み重ねたりとか?
 良い良い! 私って天才よね。もしかしたら土から陶器を錬成出来るかもだし……くふふっ

ーーソフィア? 何をにやついてるんだ?

「シルフィ! どうしたの?」

ーーんん? ソフィアが何してるのかなってノームと遊びに来たんだよ。

「えっノームも来てるの?」

ーーほらっ外で土掘って遊んでるの見えるだろ?

 食堂から見える中庭で、ノームが楽しそうに走り回っていた。あの姿を見ると、妖精王の威厳など微塵もないけれど。

 そうよ! ノームって土の妖精王じゃない。なら陶器の作り方知ってるんじゃ? 妖精王だもん絶対何か知ってるよ。

「おーい! ノーム」
「えっソフィア様? どこに行くんです!?」

 私はノームのいる中庭に走り出した。その後をシャルロッテが慌ててついてきた。

ーー何だよソフィア? ずっと僕の事を置いてけぼりにしてさ? 僕だって一緒に行きたかったのにさぁ? ねぇ僕がどれだけ寂しかったか分かってるソフィア?

「……ええと……ごめんね?」

 しまった。ここ毎日ノームは小屋で待機して貰ってたから、拗ねちゃってる。やばい……これは機嫌を先に直してもらわないと、相談できない。

「ええとね? 本当にごめんね? この街を出て王都に戻ったらいっぱい遊んであげるからね?」

ーーホントに? 信じて良いの?

 馬の姿なのに、ジト目で見られているのが分かる。

「ホントよ! ノームの事大好き」

 私はノームの首に抱きついた。

ーーふふ。分かった約束だよ?

「もちろんよ」

 ノームの機嫌がなおった所で私は、レンガや陶器を錬成出来ないかと相談した。
 こんな感じの湯船を作りたいんだと、イメージ画も見せて。
 
ーーそんなの簡単だよ? ソフィアはそんな物が欲しいの? 変わってるねぇ? 良いよ作ってあげるよ。

「えっ? 作れるの?」

ーーそうだよ? そう言ってるだろ? これくらいの大きさでいい?

「あわっ」

 ノームがそう言って地面を叩くと次の瞬間、陶器の湯船が現れた。大きさは大浴場の広さだろうか、二十人くらい余裕で入れる広さだ。

「凄い……簡単に湯船が完成しちゃった」








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