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リリィ様の新作ドレスを試着
しおりを挟むこの日アルビダはシュトロン邸に来ていた。リリーローズからドレスが完成したので試着しに来てくださいと連絡があり、急遽決まった。
シュトロン邸に作られたドレス室にて用意されたドレスに袖を通すと。
「アルビダ様、とても似合いますわ」
〝想像の何倍も天使すぎて、可愛すぎて、美しすぎですわ! ああっ……ずっと眺めていたい。目に焼き付けるのよ! リリィ〟
「…………ありがとうございます」
リリーローズが大興奮し褒めたてる。
おまけで心の声まで聞こえてくるもんだから、アルビダは何回も褒められているようで、恥ずかしくって、どう対応して良いのか分からず困っていた。
用意された新作のドレスは、白を基調とした中に一部差し色で青色が使われており、大人っぽいデザインのドレス。レースがふんだんにあしらわれていて可愛さもある、今の流行りがリボンがついたドレスなので、新しい流行となりそうだ。
「このドレス、絶対にアルビダ様に似合うって思ってたんです。想像通り……いやそれ以上で私嬉しいです」
「わたくしもこんなに素敵なデザインのドレスが着れて嬉しいです。お姫様になったみたいですわ」
その言葉が嬉しくて、リリーローズはアルビダの手をギュッと握りしめた。
〝アルビダ様に褒められた、嬉しくて死んじゃいそう〟
「ふふふ。アルビダ様にそう言っていただけて嬉しいです。試着も終わったことですし、これからお茶にしませんか? サロンに用意してもらいますね」
「はい」
二人でサロンへと向かっているのだが、アルビダの様子が少しおかしい。
なぜなら、リリーローズがアルビダの手を握ったまま離さない。仲良く手を繋いでサロンへと歩いている。
さらには大興奮のリリーローズの心の声まで聞こえてくるもんだから脳内はプチパニック。
〝ふわぁ~♡アルビダ様と手を繋いで歩いているわ。どうしましょうサロンに着いたら離さないとダメよね。この手をずっと握りしめていたいのに……〟
「あれ? アルビダ様……少しお顔が赤いですよ? 調子が悪いのですか?」
そんなアルビダの様子の変化に気づいたリリーローズが、アルビダの顔を覗きこむ。
「たっ、体調は大丈夫です……」
「ですがお顔が赤いような?」
「そっ、それは……手をずっと握りしめていたいとか言われて……」
———あっ、しまった。動揺して……
「ひゃ!?」
アルビダの言葉に、リリーローズも赤面する。まさかそんな返事が返ってくるなんて、思っても見なかったんだろう。
〝ちょっとまって!? 私ってばなんてことを口走ってるのよ! 心の声がダダ漏れとか落ち着くのよリリィ、これ以上の失態は許されないわよ? こんな時は深呼吸よ〟
二人は赤面しながら同時に深呼吸うし、ぎこちない動きでサロンへと向かった。
★★★
サロンにつき、お茶を飲み少し落ち着いた二人。
「このお茶は今母がすごくハマっているお茶でして、少し変わった味がしますでしょう?」
「はい。初めて飲みましたが、美味しいですね。少し不思議な口当たりです」
「これは抹茶というお茶なのです。わざわざ異国から取り寄せていますの。お土産にお持ちしますわね」
〝抹茶で少しでも挽回できたかしら? もうリリーローズとは会いたくないなんて思われたらどうしましょう。アルビダ様に嫌われたら生きていけない〟
笑って話す表情とは真逆の、リリーローズの悲しそうな心の声が聞こえてくる。
リリーローズのことを嫌いになるわけないのにとアルビダは思う。
「……あの、わたくしはお土産などなくても、リリーローズ様のことが大好きですわ」
「はうっ!? わわっ、私もアルビダ様のことが大好きです。私のことはリリィと呼んでください」
「では、リリィ様。わたくしのこともアビィと呼んで下さいませ」
「アビィ様! もちろん呼ばせていただきます」
〝やったわー! 念願だった愛称呼びの夢が、こんなにも早く叶うなんて! いつかは呼んでみたいと思っていたけれど……嬉しい〟
リリーローズはアルビダの手を再び熱く握りしめるのだった。その手をアルビダも嬉しくて握り返した。
———帰ったら、妖精さんたちに報告しないとですね。リリィ様と、愛称呼びできるくらい仲良しになりましたって。ふふふ。
★★★
アルビダ「読者様、わたくし愛称よびできるお友達ができましたの! これも読者様の応援のおかげです!」
アルビダは子犬のような目をしてじっと見ている。
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