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本編 燦聖教編
スパイダーをテイムしよう
しおりを挟む「この船は自動運転じゃから行き先をジャバネイル王国の航路に設定っと!
よし!これで何もしなくとも乗っておるだけでジャバネイルに到着するのじゃ!」
船の仕組みはよく分かんないが、魔石を使うんだよな?
パールが色々と教えてくれたけど、よく分かんなかった。
「今回はオーちゃんが錬金術で航路の魔石を作ってくれたんじゃ!オーちゃんは中々の腕前じゃ!前に使っていたヤツよりも精度が高いのじゃ」
パールがオーちゃんのお店で何か頼んでたのは魔石だったのか……!
パールがオーちゃんの所に走って行き、ベタ褒めしてる。
パールがあそこまで褒めるのは珍しいよな。
オーちゃん……また真っ赤になってる。イカツイのに可愛い……。
猫が大きなオーガキングを褒め照れるオーガキング……ププッ変な絵面だな!
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
「よしっ!ティーゴよスパイダーの所に行くのじゃ!」
「了解だ!」
聖獣達は今回付いて来るのかな?
「俺とパールは今からスパイダーを見つけに行くんだけど皆は一緒に行くか?」
『俺と銀太は異空間に現れた海に今から行くんだよ!』
『スバルと釣り勝負するのだ!我は初めての釣り!楽しみなのだ!』
人化した銀太は、オーちゃんが作った大きな釣り竿を両手に持ち、嬉しそうにしっぽをブンブン振っている。
完全な人化はまだ出来ないみたいだな。
この獣人姿の銀太も可愛いから、俺はこのままでも良いけどな。
「そうか!いっぱい釣れると良いな?」
『うん!』
余りにもニッコリと嬉しそうに笑う銀太が可愛いくて、頭を撫でた。耳がぴこぴこと動き気持ち良さそうだ。
『ティアはね?行きたいんだけど……そのう…スパイダーはちょっと苦手なの!』
『オイラもだ!』
『パティもにがて』
ティアとカーバンクルのユパとパティはスパイダーが苦手らしい。
「それなら連れてきて大丈夫?」と聞くと一匹や二匹なら平気らしい。
『沢山のスパイダーが苦手なの!』
なるほどな。
結局みんなそれぞれする事があるらしく、パールと二人でスパイダー探しに行く事に……。
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
「所でパール?何処に行くんだ?」
「ガイアの森じゃよ!」
「ガイアの森……ってエルフの里があった森か!」
確かAランクやSランクやウジャウジャと生息しているって……。
そんな所にDランクのスパイダーとか居るのか?
「そうじゃ!三百年前はガイアの森にスパイダーがいっぱいおったんじゃ」
三百年前の情報って……。それだけ聞くと凄いな。
「では行くのじゃ!」
シュン!
俺達はガイアの森に転移した。
パールは森に着いてすぐ、ダダ漏れする強さを消した。
そうしないと、見つける前に魔獣達が逃げちゃうからな。
俺も魔力量だけなら操作出来るので、一応少なくしとく。
それはあんまり関係ないってパール言われ、ショックだったけどさ。
俺にはダダ漏れする怖さがないらしい……。何で⁈それなりに強くなった筈なんだけど……?悔しい。
「確かこの洞窟の奥にスパイダーの森があったんじゃよ!」
大きな木が生えている奥に洞窟が見える。
高さ二メートル程の小さな洞窟。
相変わらずこの森は鬱蒼と見た事もない木々が生い茂っているな。
大きな木々の道をかき分け洞窟へと歩いて行く。
「この奥じゃ!ほら……スパイダー達の糸が木の葉や枝、草にも付いておる。さあ!洞窟の中に入るのじゃ!」
洞窟の入り口にある木々の至る所にスパイダーの糸が絡まっていた。
ちょっと入るの勇気がいるなぁ……。
洞窟の入り口も何重にも糸が張り巡らされ糸を切らないと中に入れない様だ。
「さぁティーゴよ?魔法の練習じゃ!この糸を魔法で切ってみよ!」
いきなり練習?よおーしっ任せてよ!
これでも大分魔法上達したんだぜ?
《ウインドカッター》
洞窟入り口を塞いでいる糸はびくともしない。
「あれ?」
「この糸はキングスパイダーの糸じゃ。もっと高ランク魔法じゃないと切れんよ?」
そんな頑丈な糸……俺は知らないぞ?
それなら……Aランク魔法だ!
《ブラスト》
洞窟入り口を塞いでいた糸が細切れになった。
「ふう……どうだパール先生?」
「ふむ……中々じゃの。腕を上げたのじゃ。さぁ洞窟に入るのじゃ!」
俺達は小さな洞窟に足を踏み入れた……。
「真っ暗だな……」
「ふうむ……灯りが必要じゃの!」
パールがそう言うと辺り一面が明るく。
「おお!見やすいな……ってわっ⁉︎」
スパイダーの糸が足に絡まり思いっきりズッコケてしまった。
「ブッッククッ折角明るくしたのに何をしておるんじゃ!」
「いてて……何だこれ⁉︎」
俺の足に絡みついた糸は美しい虹色をしキラキラと輝いていた。
「うむ……ワシもこんな糸、初めて見たのじゃ」
何と!洞窟中は虹色に輝く美しい糸が壁一面に張り巡らされていた。
虹色の壁だ。
「何て綺麗なんだ……」
「もしやこの奥におるスパイダーは……?」
「どうしたんだ?パール?」
「いやっ何でもない!先を急ごう!」
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
やっと出口……小さなトンネルは意外と長かった。
何もない道が延々と続いたからな。終わりがいつ来るのかと思ったぜ。
外に出ると其処はスパイダーの村だった。
スパイダー達が小さな家を作り住んで居た。
「なぁパール……俺こんなの初めて見たよ!」
「ワシもじゃ!スパイダーが村を作るなど聞いた事がない」
俺とパールが不思議そうに村を見ていると気付いたスパイダー達が騒ぎ出した。
「見つかったな!どうする?」
「とりあえず此奴らに用はない!ワシが会いたいのはSランクじゃからの!」
「えー⁉︎なんて?Sランク?俺はスパイダーをテイムするとばっかり……」
「何を言うておるんじゃ!お主はSランク以上しかテイム出来んじゃろーて!」
そっそうだけどさ……パールがテイムするのかな?とか思ってた何て今更言えないよ……。
『そこのお前達?我らスパイダーの村に何の様だ?』
二メートルはある大きなスパイダーが奥から出て来た!
「ほう……キングスパイダーか!ワシが魔法で此奴を眠らせるからティーゴはその時にテイムするのじゃ!」
「了解だ!」
パールが力を解放し魔法を放とうとしたその時!
『待って!この子を殺さないで!』
大きさ一メートルほどの、七色のふわふわした毛を纏ったスパイダーが飛び出して来た。
『主様!どうして?こんな奴ら私が一瞬で!』
『お主はまだまだ子供じゃ!見る目がない!
……この人達が本気を出せば妾達の村など一瞬で消えるであろう……』
『なっ……⁈』
『妾はこのスパイダー村の主をしております。エンシェントスパイダーです。この村に何様ですか?』
「なっなんと!お主はエンシェントスパイダー!
やはりそうか……虹色の糸を見てもしやと思ったんじゃが……」
「何?何?エンシェント?俺初めて聞いた名前だよ!」
「古代種じゃよ。ワシは絶滅したと聞いておったがのう……」
「でっ伝説の古代種だって⁉︎」
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