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本編 浮島編
魔導国家レミアール
しおりを挟む「さぁ……歩くんじゃ」
両手を縛られた魔導国家レミアールの騎士達が、パールに誘導され船に乗り込んで行く。
こいつらをどうしようかと悩んだ結果、船に乗せて一緒にレミアールへと向かう事にした。この浮島から放り投げる案もあったんだが、流石に夢見が悪いからな。
それに二百人くらい乗った所で、あの船ならどって事ない。後五百人は乗れるんじゃないか?
「おっとお前はあっちじゃ。ティーゴよ? こ奴から魔導国家について話を聞いてくれ」
「ええ? 俺がか? そんなのはパールが聞いた方が良いんじゃないのか?」
パールが俺に騎士団長ドノーキンを押し付けて来た。
「むう……まぁ確かに。ワシも一緒に話を聞いた方が良いかのう」
じゃあ他の奴らの誘導をどうしようかとパールが頭を捻る。
「俺が誘導してやるよ!」
「僕もお手伝いさせて下さい」
「スバルにリィモ」
スバルがいつの間にか船に戻って来ていた。リィモはそのスバルから浮島の話を聞いたらしく「僕に出来る事ならなんでも手伝わせて下さい」っと言ってきた。本当に良い奴なんだよな。
「助かるよ! じゃあ後は任せたぞ」
「おう!」「はい」
残りの騎士達の誘導はスバル達に任せ、俺とパールはドノーキンを連れて、船の操縦室に向かった。
「で、お主らの国、魔導国家レミアールは何処にあるんじゃ?」
「えっ!?……どうして我らが魔導国家レミアールの者だと!? あっいやっ……それは…ごにょ」
顔を逸らし額から汗を流し挙動不審な動きをするドノーキン。
流石に自身の国の秘密は言いたくないか。
「ふう面倒じゃな。こんな時はアレの出番じゃな。お喋り魔法」
「あれか! 久しぶりだな」
お喋り魔法を使われちゃうと、どんな事もペラペラと勝手に話してくれるから便利なんだよな。
これもカスパール様のオリジナル魔法って言うんだから、本当凄いよな。
「それで魔導国家レミアールは何処にあるんじゃ?」
「それは……ペラペラ…ええとこの場所からもう少し北西に飛ぶと空からでも分かる。目立つ人工的に作られた島があるんだ……あやっ?!」
「ほう? その場所から倭の国に近いのか?」
「……倭の国には近くない。真逆の方角にあるのが倭の国だから」
「そうか、でこの場所からどれ程でレミアールに着くんじゃ?」
「……それは、俺達の魔導兵士で空を飛んで来て一時間くらいかかった。この船ならもっと早く着くだろう」
「そうか……なら、直ぐに出発じゃな」
パールはいつもの様に口角を少し上げ悪巧みしている顔になる。またどんなお仕置きを考えてるんだよ?
「ティーゴ様。全員乗船完了しました」
「リィモ! ありがとう」
リィモがわざわざ操縦室に来て教えてくれる。
「じゃ僕は乗せた男達が悪さをしないように見張ってますね」
「おおっ頼んだよ」
パールはドノーキンに魔導国家レミアールまでの道を案内させる為に一緒に操縦室にいると言う。だが俺はここに居ても特にする事もないので、再び甲板に戻り浮島を眺めていると。
「よく見たら……酷いあり様だな」
大砲や何かでせっかくの美しい浮島が穴だらけになっている。これはどうにかして……あっ! そうだ。二号が浮島の建物に興味を示してたんだ。
二号に頼んで直して貰おう! 鳥人達から建物の話も聞けるだろうし、お互いにとっても良い。
よしっ! そうと決めたら二号を呼びに行くぞ。
その後は魔導国家レミアールに出発だあ!
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