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本編 浮島編
やっぱり肉祭り
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この場にいる全員が、俺達に向かって平伏すといった、何とも言えないこの状況をどうにかしたい。はぁ……これはどうしたものか。
「あのっエンリケ皇子様……ええとだな? ですね。そのっ周りの人達に、ひれ伏さずに普通にしてくれって、言ってくれないかっですか?」
ここはこの人達を纏める王族に、お願いするしかないだろう。と言う安易な考えしか思い浮かばず、エンリケ皇子に必死に懇願したんだが、返ってきた返事は俺の斜め上をいくものだった。
「えっ?! 何を仰ってるのですか? 神の御使いである天使様達の前で、普通にするなど無礼極まりない。これは当たり前の事ですよ。天使様」
エンリケ皇子はそう言うと、自ら跪いた。ええとだな……うん。俺は気付いてしまった。この状況になると人は何を言っても無駄だと言う事を。
「天使様、どうかエンリケとお呼び下さい。私めなどに敬語は不要です」
はぁっ。やっぱりこうなるよな。だってな、死んだ国王を甦らせたんだから……普通に有り得ない事だもんな。俺だって銀太やパールと出会ってなければ、こんな奇跡信じられなかっただろうし。
「分かったよエンリケ、敬語は苦手だしもう使わないが、こう言う事は止めてくれ、本当に苦手なんだ。そうだよなリィモ?」
「僕は別にどっちでも気にしませんが、ティーゴさんが嫌なら止めてほしいですね」
「えっ!? こう言う事とは!? 私めは何か失態をおかしましたか!?」
リィモまで嫌だと言ったからか、エンリケ皇子が意味が分からないといった様子で、動揺しワタワタしだした。
はぁ……そうか。全く分かってないのか。
「ええとだな? 俺はこんな風にひれ伏されたり、跪かれたりするくのが苦手だ。普通にしてくれないか?」
エンリケ皇子は、キョトンとした表情で固まっている。どうやら俺の言った事が、全く理解出来ずにいるようだ。
「あの……では天使様に対して、どんな態度をとれば?」
「普通だよ、普通。いつも通りにしてくれ頼むから」
「えっ!? それは神に対する冒涜じゃ……」
「ならないから! 俺達はその方がら気楽なの! 分かった?」
「…………はい。気は進みませんが。天使様が望むなら」
エンリケ皇子はそう言うと、やっと人々に指示し、平伏す事を止めさせてくれた。
はぁ……これでやっと普通に話せる。
「あのな? みんな腹が減ってるだろ? 良かったらみんなで飯を食べないか?」
「いえっ……天使様に食べ物を奉仕して頂くなんてっ」
エンリケ皇子がそう言った後に、盛大な腹の音が建物内に鳴り響く。
「あっ……これはっそのっ」
真っ赤な顔で腹を押さえ、動揺するエンリケ皇子。ほらな? やっぱり腹が減ってるんじゃないか。
「くくっ……じゃあみんなで肉祭りにしようか」
「「「「「肉祭り!?」」」」」
「なんて魅力的な言葉なんだ!」
「お肉!」
「肉なんて奴隷にされてから一度も食してない」
「おにきゅ!」
俺が肉祭りと言うと、人々から興奮の声が巻き起こる。そりゃそうだよな。奴隷にいい飯なんてくれなかったよな。
腹いっぱい上手い肉食べてくれよ。
だが……肉祭りすると言っても、この場所は何もないし……さてどうするか?
そうだいっその事、異空間にみんなを招待し、肉祭りをするってのはどうだろう。異空間なら道具も全て揃ってるし、温泉もあるから汚れた体も綺麗に出来るし……これって一石二鳥って言うか、五鳥くらいあるんじゃ……!
よし決めた! 異空間で肉祭りだ!
「あのっエンリケ皇子様……ええとだな? ですね。そのっ周りの人達に、ひれ伏さずに普通にしてくれって、言ってくれないかっですか?」
ここはこの人達を纏める王族に、お願いするしかないだろう。と言う安易な考えしか思い浮かばず、エンリケ皇子に必死に懇願したんだが、返ってきた返事は俺の斜め上をいくものだった。
「えっ?! 何を仰ってるのですか? 神の御使いである天使様達の前で、普通にするなど無礼極まりない。これは当たり前の事ですよ。天使様」
エンリケ皇子はそう言うと、自ら跪いた。ええとだな……うん。俺は気付いてしまった。この状況になると人は何を言っても無駄だと言う事を。
「天使様、どうかエンリケとお呼び下さい。私めなどに敬語は不要です」
はぁっ。やっぱりこうなるよな。だってな、死んだ国王を甦らせたんだから……普通に有り得ない事だもんな。俺だって銀太やパールと出会ってなければ、こんな奇跡信じられなかっただろうし。
「分かったよエンリケ、敬語は苦手だしもう使わないが、こう言う事は止めてくれ、本当に苦手なんだ。そうだよなリィモ?」
「僕は別にどっちでも気にしませんが、ティーゴさんが嫌なら止めてほしいですね」
「えっ!? こう言う事とは!? 私めは何か失態をおかしましたか!?」
リィモまで嫌だと言ったからか、エンリケ皇子が意味が分からないといった様子で、動揺しワタワタしだした。
はぁ……そうか。全く分かってないのか。
「ええとだな? 俺はこんな風にひれ伏されたり、跪かれたりするくのが苦手だ。普通にしてくれないか?」
エンリケ皇子は、キョトンとした表情で固まっている。どうやら俺の言った事が、全く理解出来ずにいるようだ。
「あの……では天使様に対して、どんな態度をとれば?」
「普通だよ、普通。いつも通りにしてくれ頼むから」
「えっ!? それは神に対する冒涜じゃ……」
「ならないから! 俺達はその方がら気楽なの! 分かった?」
「…………はい。気は進みませんが。天使様が望むなら」
エンリケ皇子はそう言うと、やっと人々に指示し、平伏す事を止めさせてくれた。
はぁ……これでやっと普通に話せる。
「あのな? みんな腹が減ってるだろ? 良かったらみんなで飯を食べないか?」
「いえっ……天使様に食べ物を奉仕して頂くなんてっ」
エンリケ皇子がそう言った後に、盛大な腹の音が建物内に鳴り響く。
「あっ……これはっそのっ」
真っ赤な顔で腹を押さえ、動揺するエンリケ皇子。ほらな? やっぱり腹が減ってるんじゃないか。
「くくっ……じゃあみんなで肉祭りにしようか」
「「「「「肉祭り!?」」」」」
「なんて魅力的な言葉なんだ!」
「お肉!」
「肉なんて奴隷にされてから一度も食してない」
「おにきゅ!」
俺が肉祭りと言うと、人々から興奮の声が巻き起こる。そりゃそうだよな。奴隷にいい飯なんてくれなかったよな。
腹いっぱい上手い肉食べてくれよ。
だが……肉祭りすると言っても、この場所は何もないし……さてどうするか?
そうだいっその事、異空間にみんなを招待し、肉祭りをするってのはどうだろう。異空間なら道具も全て揃ってるし、温泉もあるから汚れた体も綺麗に出来るし……これって一石二鳥って言うか、五鳥くらいあるんじゃ……!
よし決めた! 異空間で肉祭りだ!
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