28 / 49
27.乙女!?
しおりを挟む
ギルマスの執務室は、ギルドの建物の最上階にあった。
目の前には、重厚な木製の大きな扉がある。
「失礼いたします。エルさまとセイヤさま、お連れさまをご案内しました」
ガイヤさんが、扉のノッカーを鳴らして、中へ声を掛けた。
「ガタッ!」
なにやら、部屋の中から大きな物音がした。
「ご、ご苦労さま。少~し待ってね」
ん?妙に声が甲高いような気がするんだけど。
エルの方を見ると、なぜかこめかみがピクピクしている。
・・・ガイヤさんは・・なんで、額から汗が?
「お待たせ。いいわよ、入って」
たっぷり1分ほどして、ようやく中から声がした。
「失礼いたします」
ガイヤさんが、ゆっくりと扉を開ける。
「「お邪魔しま~す」」
ガイヤさんに続いて、俺とコリンはそう言いながら執務室の中に入って行った。
エルは無言で入ってくる。
ライアンは、コリンに抱かれている。
室内はかなり広くて、40畳くらいはあった。
内装は、白で統一されている。
大きな姿見と化粧台、白いソファーセット、壁際には書棚や食器棚がある。
装飾には、金色の飾りがふんだんに使われていた。
・・・何というか、ベルサイユ?的な?
そして目の前には、大きな執務机。
机に向こうには、ウエーブのかかった、金髪の人物が、後ろを向いて座っている。
ゴツイな・・・肩幅が半端ない。
「ギルド長、Aランク冒険者のエルさまと、Cランク冒険者のセイヤさまです」
後ろ姿に、ガイヤさんが一礼して言った。
すると、金髪の人物は、椅子をくるりと回してこちらに向いてきた。
(この演出いるのか?)
「わざわざ来ていただいて、ごめんなさいね。ギルマスのスザンヌよ」
ニッコリ微笑んで、首を傾げた。
で、でかい・・・顔が。
女、なのか?
「エルちゃんも、お久しぶりね。元気してた?」
立ち上がって、机のこちら側へ回り込んで来ると、エルの前まで来て、その小さな両手を自分の大きな両手で包み込むように持って、満面の笑みで言ってくる。
「ん、元気。さっきまでは」
エルは、完全に表情を消して、答えている。
ただ、こめかみの震えが酷くなっている気がする。
それにしても、でかい・・背も。
「で、こちらが噂のセイヤくんね。初めまして、スザンヌよ。よろしくね」
「は、はい」
同様に、俺の手をそのゴツゴツした大きな手で握ってくる。
濃いアイシャドウに付けまつげ、瞳の色は青色の大きな目で、ニッコリ微笑む。
真赤な口紅を塗った大きな口の周りが、うっすらと青い。
ヒゲ?
金髪なのに、青?
・・・オトコ、ですか?
「まー、随分と可愛らしいお顔をしているわねえ。こんな細い腕で、ワイバーンを殺っちゃたの?」
「あ、あの」
手を離してくれないんだけど。
顔が近いし。
「あら、私があんまり美しいから、見とれちゃった?ウフフ、か~わいい!」
「うわぁ!・・ぐっ」
握られた手を、力強く引っ張られて、いきなり抱きすくめられた。
ものすごい力で、ちっ息しそうになる。
「セイヤお兄ちゃんを、いじめちゃダメ!」
その時、コリンが小さなファイヤボールを、ギルマスの大きな背中へ放った。
「あら、ごめんなさい。可愛い子を見ると、つい抱きしめちゃうのよ。・・でも、部屋の中でこんなもの撃っちゃダメよ」
ギルマスは、向かってくる火の玉の方を見ずに、片手でそれを受け止めると、まるで紙屑のように簡単に握りつぶしてそう言った。
そして、コリンの方を向いて、大きな目でウインクをした。
一瞬、バチリと音がしたような気がした。
「あの、ギルド長。そろそろ、本題を」
ガイヤさんが、恐る恐る言ってきた。
「ガイちゃん、そうじゃないでしょ。スザンヌって呼びなさいって、いつも言っているでしょう?」
「も、申し訳ありません。スザンヌさま」
ガイヤさんのことばで、ようやく俺は解放されて、ギルマスは自分の机へと戻った。
「で、その勇敢なかわいらしい子は?」
「コリン!この仔はライアン!」
コリンが、元気に答える。
「そう、コリンちゃん元気ねえ。ライアンちゃんていうの?変わった仔ね」
「ライアンは、俺の使役獣なんです」
微笑むギルマスに、そう答えた。
「このままじゃなんだし、あちらのソファーへ移動しましょうか。」
俺の答えにうなずいて、ギルマスはソファーセットを指した。
「それで、ギルド長さん・・」
「スザンヌよ」
「すみません、す、スザンヌさん?」
ガイヤさんを除いて、みんながソファーに座ったところで、俺はギル・・スザンヌさんに、切り出した。
「俺たちを呼んだのは、何か聞きたいことがあるとか?」
「そうね、まずはお礼とお詫びをしなくちゃね」
スザンヌさんは、そう言って頭を下げた。
「えっ?べ、別にそんな・・」
「いいえ、あなたたちがいなければ、今回の討伐は、失敗してたわ。だから、そのお礼を言いたいの」
困惑している俺に、スザンヌさんがそう言った。
「それに、サブマスのガイちゃんが付いていながら、多くの冒険者たちを犠牲にしてしまい、その上、あなたたちを含めて、残りの人たちを危険な状態にしたことは、ギルドとして責められるべきものだわ。だから、お詫びなのよ」
「そんな・・あの時は、不測の事態というか、不可抗力だと・・」
俺がそう言うと、スザンヌさんはかぶりを振った。
「いついかなる時も、不測の事態にさえ備えるのが、集団をまとめるものの勤めなのよ」
隣では、ガイヤさんも頭を下げていた。
「・・分かりました。でも、あの時は、みんなが全力を出し切った結果であって、誰か1人のおかげとか、せいとかじゃなかったと思っていますんで、もう、頭をあげてください」
「「ありがとう」」
2人は、ようやく頭をあげてくれた。
「でね、本題なんだけど」
「はいぃ?」
スザンヌさんが、ニッコリと微笑んで、ソファーから身を乗り出してきた。
俺は思わず変な声を出して、のけ反った。
本題って・・。
今のが本題じゃないのかよ。
「ねえ、セイヤくんて・・・何者?」
「何者って、べ、別に、平凡なただのCランク冒険者ですが・・?」
「ほんとうに?」
やべっ、やっぱりこの流れになってきた。
それにしても、でかい顔が近いっす。
「ほんとうも何も、そうとしか」
「ふう~ん」
変な汗かいてきた。
「エルも、なんか言ってくれよ。別に普通だよな?」
「普通。(でも、あたしに振らないで。あんまり、関わりたくない)」
助けを求めたのに、全く感情のこもっていないお返事。
その上、心の声がダダ漏れ。
「だったら、ステータスを見せてもらってもいいかしら?」
きたーっ!
圧が凄すぎて、断れる雰囲気じゃねえし。
「い、いいですけど」
思わず、okしてしまった。
冷や汗が止まらねー。
エル様の予言的中・・・。
「言っておくけど、あたし、『鑑定』のユニークスキル持ってるから、変に隠そうとしても無駄よ?」
「は、ハイ」
スザンヌさんが、さらに近寄って来て、膝の上の俺の手を握った。
俺は思わず、両肩をビックっと震わせてしまった。
「セイヤお兄ちゃん大丈夫?」
「あ、ああ。大丈夫だ」
隣に座っていたコリンが、心配そうに、俺の顔を覗き込んできた。
「じゃあ、見せてくれる?」
「はい」
俺は、自分のステータスを表示した。
例の、隠蔽したステータスだ。
「・・・なるほどね。想定していたのより、そんなに特異なものじゃなかったけど・・」
スザンヌさんはそう言って、宝ジェンヌのようなアイメイクの目を細めた。
「・・・擬装は、していないようね。でも、レベルとあまりにも、アンバランスなステータスだわ」
バレてはいないようだけど、疑いは晴れていないみたい。
「経験の差よ」
横から、エルが言った。
「まだ冒険者になったばかりで、実戦経験不足。スキルがあっても、使いこなせていない。だから、チグハグ」
エル姐さん、それ、軽くディスってるでしょ?
「なるほど」
そっちも、納得するな!
「じゃあ、もうよろしいでしょうか?」
釈然としないけど、この流れに乗るしかない。
「ええ、いいわ」
「ありがとうございます」
「ただね、ひとつ問題があるわ」
すんなり行かねえ。
「問題、ですか?」
「やっぱりね、今回の実績と、このステータスからいったら、Cランクっていうのはちょっとねえ・・」
それって、まさか?
「Bランク、でもいいと思うんだけど?」
やっぱり。
「でも。俺、レベルまだ19ですよ?」
「ギルマス権限ていうものがあるのよ。ただし、条件があるわ」
条件?
スザンヌさんがそう言った瞬間、エルとガイヤさんの肩が、ビクンと痙攣した。
「条件って、なんでしょうか?」
俺は、恐る恐る聞いてみた。
「あなたたち、この村を出るそうね?」
「ど、どうしてそれを?!」
そんな事、エルとコリンにしか言っていないはずなのに、どうしてスザンヌさんが知っているんだ?
だって、スザンヌさんて、王都に出張してて、昨日帰って来たばかりなんだよな?
「蛇の道は蛇って言うでしょ」
イヤ、何言っているかよく分かんないし。
「あの、それが何か?」
俺は、ほんとうにスザンヌさんが、何を言いたいのかわからなくて、そう尋ねた。
ふと見ると、エルとガイヤさんの顔が、蒼白だ。
?????
「あたしも、一緒に行くわ」
はあぁーーー!?
意味分かんねー!!
「そ、それはどういう意味で・・?」
俺は、思わず動揺して、そう言った。
エルとガイヤさんは・・・なんか煤けてる。
「文字通りの意味よ。あなたたちの旅に、同行するということよ」
「あの、全く意味がわからないんですけど。どうして、一緒に行かなきゃならないんですか?」
さも、当たり前のことの様な顔をするスザンヌさんに言った。
エルたちは・・・灰になっている。
「セイヤくんカワイイし、とっても興味があるから!」
「全く、意味が分かりません」
「いいじゃない、連れてってよ」
「ギルマスの職務はどうするんですか?!」
俺は流石に気持ち悪くなって、思わず大きな声で言った。
「あら、そんなのガイちゃんに譲るに決まってるじゃない!」
あ、ガイヤさんが膝から崩れ落ちた。
「そんな簡単に、職務を投げ出していいんですか?」
「投げ出すんじゃないわよ、譲るのよ」
あー言えば、こー言う!
「エル、どうすれば良いんだ?」
「あたしはシラナイ・・」
ダメだ、魂が抜けている。
「コリンは、どう思う?」
「良いよー!たくさんいた方が、楽しい!」
コリンさんの、許可が出てしまった。
意味が分からなさすぎる・・。
スザンヌさんが、Sランクになれないのって、もしかして?
「ガイヤさん、大丈夫ですか?」
「え?あっ、はい、大丈夫です。いつものことですから」
いつものことって、それはマズイでしょうが!
一体全体、どうなるんだろう?
でも、最近のエルの様子が、なんかおかしかった理由が、これでようやく分かったよ・・・。
「それとね、もう一つ条件があるの」
まだあるの?
いい加減、もうランクアップはいらないから、帰してほしいと思ってきた。
「ガイちゃん、おねがい」
スザンヌさんが、ガイヤさんの方を向いて言った。
「分かりました」
ガイヤさんが一礼して、ギルド長室を出て行った。
なんだ?
ガイヤさん、どこへ行ったんだ?
エルの顔を見ると、無言で首を振る。
「あの、スザンヌさん?」
「ごめんね、ちょっと待っててね」
なんだろ、すごい不安感だけしかないんだけど。
スザンヌさんは、呑気にライアンの喉を弄っている。
ゴロゴロ喉鳴らしているし・・。
完全に、子猫じゃんか。
「お待たせいたしました」
ガイヤさんがノックをして、部屋に戻ってきた。
すると、その後から小さな子が続いて入ってくる。
「こ、こんにちは・・」
そこには、ピンクに近い赤い髪を三つ編みにした、コバルトブルーの瞳の女の子が立っていた。
「アイリスちゃん!もう、身体は大丈夫なの?」
エルが駆け寄って、手足に触っている。
「は、はい。おかげさまで、なんともないです」
頬を少し赤らめながら、アイリスは言った。
「良かった!」
「セイヤお兄ちゃん、あの子はだあれ?」
コリンが、聞いてくる。
「ああ、コリンはまだ会ってなかったか。あの娘は、ニンフルサグ村で助けた娘で、アイリスって言うんだ」
「そうなんだ!アイリスちゃん、こんにちは。コリンだよ。よろしくね」
コリンも、彼女のところに駆け寄って、手を取った。
「う、うん。よろしく」
ほんとにコリンと殆ど変わらない身長で、2人が並ぶと姉妹みたいだ。
「あのう、それでスザンヌさん。なんでここに、アイリスを?」
俺は、女の子たちの様子を、慈愛に満ちた表情で眺めているスザンヌさんに、尋ねた。
「それはね、あの娘にお願いされたからなの」
「おねがい、ですか?」
「アイリスちゃん、セイヤくんに自分で言ってみなさい」
スザンヌさんが、コリンに両手をブンブン振り回されていた、アイリスに声をかけた。
すると、アイリスとコリンが一緒に、こちらを振り向く。
「あ、あのう・・ボク。・・・ぼ、ボクも・・セイヤさんと一緒に旅に行きたいの・・・」
「ええっ!」
また、わけのわからない事が増えたぞ。
俺は、慌ててスザンヌさんを見る。
相変わらず、顔がデカイ・・じゃなくて。
「どういうことですか?」
「アイリスちゃんにね、ニンフルサグ村であった事を聞いたあと、村長のところに連れて行ったんだけど。村長が言うには、この娘の服装は、ヒタト国のものだって言うのよ」
そうなんだ、そういえばなんとなく、冒険者とかの服ともちょっと違うし、かといってハルバト国の普段着とも違うかな?
どちらかというと、軍服っぽいというか・・。
「けれど、この娘・・・ご両親とかの記憶が無いっていうの。村長は、昔どっかで見たような気がするっても言ううんだけど・・」
そう言えば俺、村長に会ったことないけど、たぶん結構な歳なんだろうな。
でも、昔って言っても、アイリスの年齢を考えたら、そんなに昔ってことは無いよね。
国交が途絶える直前ならわかるけど、そんな最近で、顔を忘れるっていうのもおかしいか・・。
「じゃあ、アイリスには、帰る先が無いという事ですか?」
「そうなのよ、国交の無いヒタトに送り帰すわけにもいかないし、かと言ってニンフルサグ村の生き残りは、この娘だけだし。・・だから、これからどうしたいか、本人に聞いたのよ」
「そしたら、俺の名前が出たと?」
スザンヌさんとアイリスが、同時に頷いた。
「ボク・・・ダメ、ですか?」
コバルトブルーの瞳に、涙をいっぱいに溜めている。
エルとコリンを順番に見ると、2人とも頷いている。
「ふう・・・分かった。一緒に行こう」
「「「やったー!!!」」」
なんで、スザンヌさんまで両手を上げて、喜ぶのかなぁ?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
目の前には、重厚な木製の大きな扉がある。
「失礼いたします。エルさまとセイヤさま、お連れさまをご案内しました」
ガイヤさんが、扉のノッカーを鳴らして、中へ声を掛けた。
「ガタッ!」
なにやら、部屋の中から大きな物音がした。
「ご、ご苦労さま。少~し待ってね」
ん?妙に声が甲高いような気がするんだけど。
エルの方を見ると、なぜかこめかみがピクピクしている。
・・・ガイヤさんは・・なんで、額から汗が?
「お待たせ。いいわよ、入って」
たっぷり1分ほどして、ようやく中から声がした。
「失礼いたします」
ガイヤさんが、ゆっくりと扉を開ける。
「「お邪魔しま~す」」
ガイヤさんに続いて、俺とコリンはそう言いながら執務室の中に入って行った。
エルは無言で入ってくる。
ライアンは、コリンに抱かれている。
室内はかなり広くて、40畳くらいはあった。
内装は、白で統一されている。
大きな姿見と化粧台、白いソファーセット、壁際には書棚や食器棚がある。
装飾には、金色の飾りがふんだんに使われていた。
・・・何というか、ベルサイユ?的な?
そして目の前には、大きな執務机。
机に向こうには、ウエーブのかかった、金髪の人物が、後ろを向いて座っている。
ゴツイな・・・肩幅が半端ない。
「ギルド長、Aランク冒険者のエルさまと、Cランク冒険者のセイヤさまです」
後ろ姿に、ガイヤさんが一礼して言った。
すると、金髪の人物は、椅子をくるりと回してこちらに向いてきた。
(この演出いるのか?)
「わざわざ来ていただいて、ごめんなさいね。ギルマスのスザンヌよ」
ニッコリ微笑んで、首を傾げた。
で、でかい・・・顔が。
女、なのか?
「エルちゃんも、お久しぶりね。元気してた?」
立ち上がって、机のこちら側へ回り込んで来ると、エルの前まで来て、その小さな両手を自分の大きな両手で包み込むように持って、満面の笑みで言ってくる。
「ん、元気。さっきまでは」
エルは、完全に表情を消して、答えている。
ただ、こめかみの震えが酷くなっている気がする。
それにしても、でかい・・背も。
「で、こちらが噂のセイヤくんね。初めまして、スザンヌよ。よろしくね」
「は、はい」
同様に、俺の手をそのゴツゴツした大きな手で握ってくる。
濃いアイシャドウに付けまつげ、瞳の色は青色の大きな目で、ニッコリ微笑む。
真赤な口紅を塗った大きな口の周りが、うっすらと青い。
ヒゲ?
金髪なのに、青?
・・・オトコ、ですか?
「まー、随分と可愛らしいお顔をしているわねえ。こんな細い腕で、ワイバーンを殺っちゃたの?」
「あ、あの」
手を離してくれないんだけど。
顔が近いし。
「あら、私があんまり美しいから、見とれちゃった?ウフフ、か~わいい!」
「うわぁ!・・ぐっ」
握られた手を、力強く引っ張られて、いきなり抱きすくめられた。
ものすごい力で、ちっ息しそうになる。
「セイヤお兄ちゃんを、いじめちゃダメ!」
その時、コリンが小さなファイヤボールを、ギルマスの大きな背中へ放った。
「あら、ごめんなさい。可愛い子を見ると、つい抱きしめちゃうのよ。・・でも、部屋の中でこんなもの撃っちゃダメよ」
ギルマスは、向かってくる火の玉の方を見ずに、片手でそれを受け止めると、まるで紙屑のように簡単に握りつぶしてそう言った。
そして、コリンの方を向いて、大きな目でウインクをした。
一瞬、バチリと音がしたような気がした。
「あの、ギルド長。そろそろ、本題を」
ガイヤさんが、恐る恐る言ってきた。
「ガイちゃん、そうじゃないでしょ。スザンヌって呼びなさいって、いつも言っているでしょう?」
「も、申し訳ありません。スザンヌさま」
ガイヤさんのことばで、ようやく俺は解放されて、ギルマスは自分の机へと戻った。
「で、その勇敢なかわいらしい子は?」
「コリン!この仔はライアン!」
コリンが、元気に答える。
「そう、コリンちゃん元気ねえ。ライアンちゃんていうの?変わった仔ね」
「ライアンは、俺の使役獣なんです」
微笑むギルマスに、そう答えた。
「このままじゃなんだし、あちらのソファーへ移動しましょうか。」
俺の答えにうなずいて、ギルマスはソファーセットを指した。
「それで、ギルド長さん・・」
「スザンヌよ」
「すみません、す、スザンヌさん?」
ガイヤさんを除いて、みんながソファーに座ったところで、俺はギル・・スザンヌさんに、切り出した。
「俺たちを呼んだのは、何か聞きたいことがあるとか?」
「そうね、まずはお礼とお詫びをしなくちゃね」
スザンヌさんは、そう言って頭を下げた。
「えっ?べ、別にそんな・・」
「いいえ、あなたたちがいなければ、今回の討伐は、失敗してたわ。だから、そのお礼を言いたいの」
困惑している俺に、スザンヌさんがそう言った。
「それに、サブマスのガイちゃんが付いていながら、多くの冒険者たちを犠牲にしてしまい、その上、あなたたちを含めて、残りの人たちを危険な状態にしたことは、ギルドとして責められるべきものだわ。だから、お詫びなのよ」
「そんな・・あの時は、不測の事態というか、不可抗力だと・・」
俺がそう言うと、スザンヌさんはかぶりを振った。
「いついかなる時も、不測の事態にさえ備えるのが、集団をまとめるものの勤めなのよ」
隣では、ガイヤさんも頭を下げていた。
「・・分かりました。でも、あの時は、みんなが全力を出し切った結果であって、誰か1人のおかげとか、せいとかじゃなかったと思っていますんで、もう、頭をあげてください」
「「ありがとう」」
2人は、ようやく頭をあげてくれた。
「でね、本題なんだけど」
「はいぃ?」
スザンヌさんが、ニッコリと微笑んで、ソファーから身を乗り出してきた。
俺は思わず変な声を出して、のけ反った。
本題って・・。
今のが本題じゃないのかよ。
「ねえ、セイヤくんて・・・何者?」
「何者って、べ、別に、平凡なただのCランク冒険者ですが・・?」
「ほんとうに?」
やべっ、やっぱりこの流れになってきた。
それにしても、でかい顔が近いっす。
「ほんとうも何も、そうとしか」
「ふう~ん」
変な汗かいてきた。
「エルも、なんか言ってくれよ。別に普通だよな?」
「普通。(でも、あたしに振らないで。あんまり、関わりたくない)」
助けを求めたのに、全く感情のこもっていないお返事。
その上、心の声がダダ漏れ。
「だったら、ステータスを見せてもらってもいいかしら?」
きたーっ!
圧が凄すぎて、断れる雰囲気じゃねえし。
「い、いいですけど」
思わず、okしてしまった。
冷や汗が止まらねー。
エル様の予言的中・・・。
「言っておくけど、あたし、『鑑定』のユニークスキル持ってるから、変に隠そうとしても無駄よ?」
「は、ハイ」
スザンヌさんが、さらに近寄って来て、膝の上の俺の手を握った。
俺は思わず、両肩をビックっと震わせてしまった。
「セイヤお兄ちゃん大丈夫?」
「あ、ああ。大丈夫だ」
隣に座っていたコリンが、心配そうに、俺の顔を覗き込んできた。
「じゃあ、見せてくれる?」
「はい」
俺は、自分のステータスを表示した。
例の、隠蔽したステータスだ。
「・・・なるほどね。想定していたのより、そんなに特異なものじゃなかったけど・・」
スザンヌさんはそう言って、宝ジェンヌのようなアイメイクの目を細めた。
「・・・擬装は、していないようね。でも、レベルとあまりにも、アンバランスなステータスだわ」
バレてはいないようだけど、疑いは晴れていないみたい。
「経験の差よ」
横から、エルが言った。
「まだ冒険者になったばかりで、実戦経験不足。スキルがあっても、使いこなせていない。だから、チグハグ」
エル姐さん、それ、軽くディスってるでしょ?
「なるほど」
そっちも、納得するな!
「じゃあ、もうよろしいでしょうか?」
釈然としないけど、この流れに乗るしかない。
「ええ、いいわ」
「ありがとうございます」
「ただね、ひとつ問題があるわ」
すんなり行かねえ。
「問題、ですか?」
「やっぱりね、今回の実績と、このステータスからいったら、Cランクっていうのはちょっとねえ・・」
それって、まさか?
「Bランク、でもいいと思うんだけど?」
やっぱり。
「でも。俺、レベルまだ19ですよ?」
「ギルマス権限ていうものがあるのよ。ただし、条件があるわ」
条件?
スザンヌさんがそう言った瞬間、エルとガイヤさんの肩が、ビクンと痙攣した。
「条件って、なんでしょうか?」
俺は、恐る恐る聞いてみた。
「あなたたち、この村を出るそうね?」
「ど、どうしてそれを?!」
そんな事、エルとコリンにしか言っていないはずなのに、どうしてスザンヌさんが知っているんだ?
だって、スザンヌさんて、王都に出張してて、昨日帰って来たばかりなんだよな?
「蛇の道は蛇って言うでしょ」
イヤ、何言っているかよく分かんないし。
「あの、それが何か?」
俺は、ほんとうにスザンヌさんが、何を言いたいのかわからなくて、そう尋ねた。
ふと見ると、エルとガイヤさんの顔が、蒼白だ。
?????
「あたしも、一緒に行くわ」
はあぁーーー!?
意味分かんねー!!
「そ、それはどういう意味で・・?」
俺は、思わず動揺して、そう言った。
エルとガイヤさんは・・・なんか煤けてる。
「文字通りの意味よ。あなたたちの旅に、同行するということよ」
「あの、全く意味がわからないんですけど。どうして、一緒に行かなきゃならないんですか?」
さも、当たり前のことの様な顔をするスザンヌさんに言った。
エルたちは・・・灰になっている。
「セイヤくんカワイイし、とっても興味があるから!」
「全く、意味が分かりません」
「いいじゃない、連れてってよ」
「ギルマスの職務はどうするんですか?!」
俺は流石に気持ち悪くなって、思わず大きな声で言った。
「あら、そんなのガイちゃんに譲るに決まってるじゃない!」
あ、ガイヤさんが膝から崩れ落ちた。
「そんな簡単に、職務を投げ出していいんですか?」
「投げ出すんじゃないわよ、譲るのよ」
あー言えば、こー言う!
「エル、どうすれば良いんだ?」
「あたしはシラナイ・・」
ダメだ、魂が抜けている。
「コリンは、どう思う?」
「良いよー!たくさんいた方が、楽しい!」
コリンさんの、許可が出てしまった。
意味が分からなさすぎる・・。
スザンヌさんが、Sランクになれないのって、もしかして?
「ガイヤさん、大丈夫ですか?」
「え?あっ、はい、大丈夫です。いつものことですから」
いつものことって、それはマズイでしょうが!
一体全体、どうなるんだろう?
でも、最近のエルの様子が、なんかおかしかった理由が、これでようやく分かったよ・・・。
「それとね、もう一つ条件があるの」
まだあるの?
いい加減、もうランクアップはいらないから、帰してほしいと思ってきた。
「ガイちゃん、おねがい」
スザンヌさんが、ガイヤさんの方を向いて言った。
「分かりました」
ガイヤさんが一礼して、ギルド長室を出て行った。
なんだ?
ガイヤさん、どこへ行ったんだ?
エルの顔を見ると、無言で首を振る。
「あの、スザンヌさん?」
「ごめんね、ちょっと待っててね」
なんだろ、すごい不安感だけしかないんだけど。
スザンヌさんは、呑気にライアンの喉を弄っている。
ゴロゴロ喉鳴らしているし・・。
完全に、子猫じゃんか。
「お待たせいたしました」
ガイヤさんがノックをして、部屋に戻ってきた。
すると、その後から小さな子が続いて入ってくる。
「こ、こんにちは・・」
そこには、ピンクに近い赤い髪を三つ編みにした、コバルトブルーの瞳の女の子が立っていた。
「アイリスちゃん!もう、身体は大丈夫なの?」
エルが駆け寄って、手足に触っている。
「は、はい。おかげさまで、なんともないです」
頬を少し赤らめながら、アイリスは言った。
「良かった!」
「セイヤお兄ちゃん、あの子はだあれ?」
コリンが、聞いてくる。
「ああ、コリンはまだ会ってなかったか。あの娘は、ニンフルサグ村で助けた娘で、アイリスって言うんだ」
「そうなんだ!アイリスちゃん、こんにちは。コリンだよ。よろしくね」
コリンも、彼女のところに駆け寄って、手を取った。
「う、うん。よろしく」
ほんとにコリンと殆ど変わらない身長で、2人が並ぶと姉妹みたいだ。
「あのう、それでスザンヌさん。なんでここに、アイリスを?」
俺は、女の子たちの様子を、慈愛に満ちた表情で眺めているスザンヌさんに、尋ねた。
「それはね、あの娘にお願いされたからなの」
「おねがい、ですか?」
「アイリスちゃん、セイヤくんに自分で言ってみなさい」
スザンヌさんが、コリンに両手をブンブン振り回されていた、アイリスに声をかけた。
すると、アイリスとコリンが一緒に、こちらを振り向く。
「あ、あのう・・ボク。・・・ぼ、ボクも・・セイヤさんと一緒に旅に行きたいの・・・」
「ええっ!」
また、わけのわからない事が増えたぞ。
俺は、慌ててスザンヌさんを見る。
相変わらず、顔がデカイ・・じゃなくて。
「どういうことですか?」
「アイリスちゃんにね、ニンフルサグ村であった事を聞いたあと、村長のところに連れて行ったんだけど。村長が言うには、この娘の服装は、ヒタト国のものだって言うのよ」
そうなんだ、そういえばなんとなく、冒険者とかの服ともちょっと違うし、かといってハルバト国の普段着とも違うかな?
どちらかというと、軍服っぽいというか・・。
「けれど、この娘・・・ご両親とかの記憶が無いっていうの。村長は、昔どっかで見たような気がするっても言ううんだけど・・」
そう言えば俺、村長に会ったことないけど、たぶん結構な歳なんだろうな。
でも、昔って言っても、アイリスの年齢を考えたら、そんなに昔ってことは無いよね。
国交が途絶える直前ならわかるけど、そんな最近で、顔を忘れるっていうのもおかしいか・・。
「じゃあ、アイリスには、帰る先が無いという事ですか?」
「そうなのよ、国交の無いヒタトに送り帰すわけにもいかないし、かと言ってニンフルサグ村の生き残りは、この娘だけだし。・・だから、これからどうしたいか、本人に聞いたのよ」
「そしたら、俺の名前が出たと?」
スザンヌさんとアイリスが、同時に頷いた。
「ボク・・・ダメ、ですか?」
コバルトブルーの瞳に、涙をいっぱいに溜めている。
エルとコリンを順番に見ると、2人とも頷いている。
「ふう・・・分かった。一緒に行こう」
「「「やったー!!!」」」
なんで、スザンヌさんまで両手を上げて、喜ぶのかなぁ?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
0
あなたにおすすめの小説
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
異世界に来ちゃったよ!?
いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。
しかし、現在森の中。
「とにきゃく、こころこぉ?」
から始まる異世界ストーリー 。
主人公は可愛いです!
もふもふだってあります!!
語彙力は………………無いかもしれない…。
とにかく、異世界ファンタジー開幕です!
※不定期投稿です…本当に。
※誤字・脱字があればお知らせ下さい
(※印は鬱表現ありです)
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる