リアルチートは突然に _ゲーム初心者の最強プレーヤー_

Lizard

文字の大きさ
9 / 36
第一章 リアルチーター

九本目 結論:この装備一式はもう色々とぶっ壊れ

しおりを挟む
改めて杖刀のアイテムウィンドウを見ていて、アルミリアさんに聞いていなかった効果を見つけた。

「あ、アルミリアさん。他の装備の前にお聞きしたいんですけど・・・」
「はい?どうしました?」
「この魔力の同調と核のMP容量ってなんですか?」

正直他の字面のインパクトのせいで見落としていた。
けれど、これが僕の想像通りならかなり重要じゃないか?

「あ、まだ説明してませんでしたね。魔力の同調というのは、その剣が内包している魔力をリューセイさんが使うことが出来るようなるものです」
「それがこの核のMP容量っていうやつですか?」
「はい。この能力も相当なものなんですが、忘れてました・・・」

うん、僕もです。

「核のMP容量は、自然回復するんですか?」
「しますよ。なので実質リューセイさんの魔力回復速度は二倍です」
「それは・・・凄いですね」
「はい、しかもそれだけじゃないんです!通常は武器を介して魔法を使うと武器自体が脆くなります。ですが、この魔力の同調というのはリューセイさんの魔力と刀の魔力が同じものになるため、刀で魔法を発動してもリスクがないんです」

それは使い方次第でかなり便利になりそう。
というか武器を介して魔法を使うと脆くなるのか。知らなかった。

「他にも利点はありますよ。魔力伝導率がいい素材・・・ナーガの革もそうですが、そういうものなら脆くなりにくいです。ですが、魔力の同調というのはいわば魔力伝導率100%と同じ効果があるんです」

魔力伝導率・・・初めて聞く言葉だが、伝導率ということは、恐らく通常は武器を介して魔法を使うと魔力を浪費するのだろう。魔力伝導率100%・・・つまりは浪費0ということかな?

「これでこの刀の説明は終わりです。それじゃ、もう一本の刀をどうぞ!!」
「えっと・・・先に防具の方見ていいですか?」
「はい!勿論です!刀に比べると見劣りしますが、防具も自信作です!!」

それは期待大だな・・・まずは革製の手袋を見てみよう。
あれ?これ・・・手の甲の部分だけ硬い・・・金属の板でも入れてるのかな?

「リューセイさん、気づきました?」
「気づいたって・・・手の甲の部分のことですか?」
「はい!!実は、その手袋は二重構造になっていまして、動きを阻害しないように一部だけですが、ナーガの鱗を間に挟んでいるです。アイテムウィンドウの防御力には反映されませんが、ちょっとした盾のように使えます!勿論、革自体もナーガのものですので、防御力もかなりのものですが」

――――――――
黒蛇の手袋
防御力+28
耐久力:1300
ステータス効果:STR+40
ナーガの素材で作られた手袋
――――――――
ステータス効果が凄いな・・・でも防御力が高いのか低いのか分からない。
まぁ低いってことはないか。
えーっと・・・今着てる初期装備は・・・

――――――――
初心者の服
防御力+2
耐久:50
初心者の為に作られた服
――――――――
うん・・・凄く低い。
この服、なんと頭を除くすべての部位、それこそ靴も含めて「初心者用の服」、となっている。つまり、本来なら各部位ごとに別々の耐久力と防御力があるはずなのに全ての部位合わせてこれなのだ。
これ・・・壊れたらどうなるの?いや、考えないようにしよう。

「あの、防御力って普通はどれくらいなんですか?」
「ふぇっ」

意表を突かれた表情でアルミリアさんが変な声を出す。
まぁ・・・常識知らずなのは自分でも分かるんだけどね。
今までに防具の防御力とか見たことなかったんだよ・・・

「え、えーっと・・・平均的な鉄装備が防御力+10ですね」
「おおー!この手袋凄いですね!」
「えへへ・・・ありがとうございます。って、他の装備も見てくださいよー」
「あ、すいません」

次は・・・ブーツを見させてもらおう。
・・・これ、ブーツって言うのかな?
見た目は確かにブーツだった。しかし、靴底が明らかにブーツの構造ではない。歩きにくい普通のブーツと違い、かなり自由に動く。
さらに、足を覆う部分である革も普通のものではない。
伸縮性が高い。それこそ、障害にはなりえないくらいに・・・

「リューセイさん、実はその靴にもちょっと工夫をしてあるんですよ!」
「やっぱりですか?この伸縮性、普通のブーツとは違いますよね」
「はい!そちらはナーガの革を【錬成術】でマッドフロッグの革と合わせて加工しました。色は変わってないので見た目では分かりにくいですが」
「マッドフロッグ?」
「あ、マッドフロッグっていうのはレッサーナーガのいる沼の近くに生息してるモンスターです」
「蛇の沼の近くにカエルですか・・・」
「あはは、カエルと言ってもモンスターですからね。それに、マッドフロッグの肉はかなり不味い、というか麻痺毒が混ざっているので、レッサーナーガも食べないんです」
「なるほど・・・」

カエルの生きるための知恵かな・・・
って、普通に流しちゃってたけど【錬成術】なんてのもあるんだね。
多分素材を加工したりするようなものだと思うけど・・・
あれ?そういえば何か忘れてるような・・・

「あ!!」
「? どうしました?」
「あはは・・・何でもないです」

【付与魔法】のスキルブック忘れてた・・・後で試そう。
アルミリアさんが怪訝な表情をするが、今はとりあえず装備だ。
ブーツのアイテムウィンドウを表示――

――――――――
黒蛇のブーツ
防御力+31
耐久:1350
ステータス効果:VIT+20 AGI+10
装備効果:靴底からの衝撃によるダメージを軽減
ナーガの革を基本としてマッドフロッグの革が混ざったブーツ
伸縮性に富んだ特殊な靴底と生地により、動きを阻害しない
――――――――

「おお・・・凄いですね」
「ありがとうございますっ!!いやぁ・・・刀を最初に見せたのは失敗だった気がしますね」
「それは・・・しょうがないと思います」

そもそも僕が刀を見ようとしたからね。
このブーツだって凄い性能・・・なんだけど。
刀の性能が異常だからね・・・

さて、最後にコートだ。
さっきから思っていたけど、ナーガの革はほとんど光を反射していない。
そのせいで黒さが一層際立ってるな・・・
鱗は青が混じった色合いだったけど、革は完全に黒一色。
このコートは恐らく頭装備も兼ねているのだろう。フードがついている。
あれ?この感触・・・

「もしかして?」
「はい!手袋と同じように中に鱗を仕込んでいます!そちらのフードはつけ外しが自由なので、お好きなようにしてください」

おお・・・便利だな。
えっと・・・アイテムウィンドウを表示――

――――――――
黒蛇のコート(フード付き)
防御力+43
耐久力:1900
ステータス効果:VIT+30
装備効果:装備者のMP回復速度上昇
――――――――
おお・・・これは嬉しい効果だね。
まだ刀が残っているけど・・・
本当にアルミリアさんにはなんてお礼を言ったらいいか分からない。
本当に代金はいいのかな。

「ふふ・・・喜んでもらえているようでよかったです」
「おっと、顔に出てました?」
「はい。凄く嬉しそうな顔をされてましたよ?」
「あはは」
「それでは・・・最後に、もう一本の刀を見てもらえませんか?」
「分かりました」

若干覚悟を決め、刀を手に取る。
その瞬間、柄がわずかに赤い光を放つ。
さっきと同じだ。多分これが契約完了の合図なんだと思う。

アイテムウィンドウオープン――

――――――――
黒蛇の龍刀〈No name〉【契約者:リューセイ】(刀・鞘)
Damage+56
耐久:3800【完全破壊不可】
ステータス効果:STR+40 AGI+30
装備効果:・契約者に龍の力を与える
     ・存在として契約者の一部になる
     ・切った相手の魔力をわずかに吸収し、契約者に譲渡する
武器効果:・魔力を籠めることで切れ味・硬度が上昇する
     ・耐久が0になっても消えることはなく、契約者の魔力を吸収することで自己修復
     ・契約者以外装備不可
――――――――
・・・うっわ・・・コレ杖刀よりツッコミ所満載だね



結論:この装備一式は色々とぶっ壊れ
しおりを挟む
感想 147

あなたにおすすめの小説

私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい

あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。 誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。 それが私の最後の記憶。 ※わかっている、これはご都合主義! ※設定はゆるんゆるん ※実在しない ※全五話

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...