15 / 36
第二章 ボス(プレイヤースキル的な)
十五本目 その単語、めちゃくちゃ気になるんですが?
しおりを挟む「ショート、どうする?」
「ど、どうするって言ってもな・・・こいつがわざわざ嘘つくわけねぇし・・・どうしよう?」
「私に聞かないでよ・・・」
エスティアとショートがお互いにこの後どうするかを聞きあう。
うーん、僕もどうしよう。
あ、そういえば・・・
「ショート、いくつか聞きたいことがあるんだけど、いいかな」
「お?いいぜ」
「えっとね、まず、【付与魔法】がどんなものか教えてくれないかな?」
「うん?【付与魔法】か・・・あれはたまーに持ってる奴がいる、って感じだな。俺は数人しかしらないが。かなりレアだな。なにせ遺跡やダンジョンから出るスキルブックでしか手に入らないし・・・って、おいまさか・・・?」
「うん、多分そのまさかだね。二日前にNPCクエストって奴で入手したんだ」
「マジか・・・っつうか、持ってるなら別に俺に聞く必要ないんじゃないか?」
「ああ、僕が知りたいのはそういうことじゃなくてね。人前で使ってもいいものかどうか、っていうのを念のため確認しておこうと思って」
「そういうことか。お前人間関係の面倒ごと嫌いだもんな・・・うーん、多分、意味ないと思うぞ?」
「え?なんでだい?」
「お前も土日のイベントにボスとして参加すんだろ?お前が話題にならないわけがねぇからな。しかもお前、ダンジョンのモンスターのLvを下げるなんて真似するわけだしな・・・」
どうやら昨日説明を受けた四人以外は初耳だったらしい。
ちょっと何を言ってるか分からない、という顔をしている。
別に悪いことじゃないと思うけどなぁ・・・
「ああ、残念ながら20Lvより下げられないみたいなんだよ・・・」
「なんでそれで残念なのかが分かんねぇわ。とにかく、お前は間違いなく目立つ。そもそも戦闘力上位12人に入ってる時点でもう手遅れだ。だからわざわざ【付与魔法】を隠しても無駄だってこった」
「そうか・・・分かった。ありがとう」
「おう。あ、そういや変た、ブライアンも使えたはずだぞ。参考になるかもな」
「お前ナチュラルに変態って言おうとしただろ?」
「気のせいだ」
「なわけあるか!!」
「断じて気のせいだと進言させてもらおう」
「お前もう自分が何言ってるか分かってないだろ」
「ああ、当然だ」
「何が当然なのかはおいといて・・・まぁ俺も付与魔法は使えるぜ。ギルドの中で数少ない支援役だからな」
「あれ?そうなの?」
「まぁ、パッと見そうは見えないかもしれないがな・・・俺は、女の子に癒されるだけじゃなく、癒してあげたいんだ」
「へぇ、そうなんだ。頑張ってね」
「ああ!頑張るぜ!」
「おいリューセイ、応援すんじゃねぇ」
あれ?ダメだった?
「ところでショート」
「どうした?」
「いくつか聞きたいことがあるって言ったよね。他にも質問はあるよ」
「分かったよ・・・で?どうしたってんだ?」
「こっちがある意味本命、かな。【竜魔法】って知らないかな?」
「【竜魔法】・・・?いや、聞いたことないぞ」
最前線で戦ってるショートでも知らない、か・・・
「やっぱり知らないか。これは昨日手に入れた魔法だよ。竜の力を借りる魔法、って感じかな」
「マジかよ・・・羨ましいぞそれ」
「俺も欲しいぜ・・・ロマンが詰まってそうな魔法だな」
ショートとフェンリルが羨ましがってる・・・
実際、この魔法はかなり使える。
ショート達と会う前にレッサーナーガを狩っていた時、スキルLvが上がったおかげで【竜爪】以外にもいくつか使えるようになった。そして、そのどれもが強力だった。
「とにかく、最前線で戦ってるショート達でも知らないってことだよね?」
「ああ。初めて聞いた。少なくとも、それっぽい魔法を使ってる奴も見たことないしな」
「うーん・・・隠した方がいいのかなーて思ってたんだけど・・・さっきのショートの話を聞くと無駄っぽいなぁ」
「おう、無駄だぞ。ちなみに、入手方法はお前以外の奴にもできそうな感じか?」
「うーん・・・どうだろ。僕も詳しいことは分かってないけど、ナーガの魔石が多分必須だからね」
「・・・それはキツイな。もしナーガの魔石の取得条件がソロ攻略なら・・・無理じゃね?」
「無理ね」
「無理でしょ」
「無理だろう」
「無理だな」
無理じゃないんだけどなぁ・・・
あっ、ちょっと待てよ。
「ねぇショート、聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「ナーガを討伐した時に称号を入手したんだけどさ。称号がスキルや魔法の取得条件になることってある?」
「・・・ある、と思う。スキルや魔法の取得条件は基本的なもの以外詳しいことは分かってないからな。絶対とは言えない。けど、特殊スキルを持ってる奴がそれ関連の称号を持ってることはあるからな。ちなみに、お前の称号はどんなやつなんだ?言いたくなけりゃ言わなくていいけどな」
「別にいいよ。えっと、【大蛇に認められし者】ってやつだね」
「完全にナーガ関連だな・・・多分それも取得条件の一つ、ってとこだと思う。ちなみに、その称号はどうやったら手に入るんだ?」
「えっとね、ナーガを適正Lvから20以上下回るLvで単独撃破」
「分かった、不可能だ」
「そうね、絶対無理だわ」
「そもそも俺たちのLvを下げる方法がないと無理だけどな。下げたとしても無理だな」
いや、不可能じゃないんだよ?
「相手の動きが読めて鱗を斬ることができれば不可能じゃないんだけどなぁ・・・」
「それが不可能だっての。運営の話じゃナーガの適正Lvは45、だったか?20引いて25Lv・・・絶対無理だな」
「できるよ」
「お前だけだ」
別にそんなことはないと思うんだけどなぁ。
まぁ今はその話はおいといて・・・
「とりあえず、マルトロスに行けばいいんだよね?」
「まぁ、そうだな」
「じゃあ、僕は今から行ってくるよ」
「出来れば一緒に行ってみてみたいんだがな・・・」
「魔法の試し打ちも兼ねてるからね・・・うまく制御できるか分からないし、そもそもこの人数で行く必要もない。だから一緒に戦うのはもっと強い相手がいる時でいいかな?」
「まぁ、それならマルトロスで合流できれば大丈夫だな」
「・・・ところで、少し気になってたことがあるんだけどさ」
「?なんだよ」
「そもそも、どうして僕にマルトロスに行ってほしいのかな?」
「・・・今の段階で、見つかってる街はマルトロスまでだって言ったな?」
「うん」
「マルトロスより先に行けてないんだ。その理由は、勝てねぇ奴がいるからだ。俺たちも何度も全滅してる」
トップギルドであるショート達が何度も全滅・・・か。
「それは・・・どんなやつなのかな?」
気になる。少なくとも、ナーガ以上であることは確実。
そんな僕の問いに対しショートは――
「―――"12体の最強種"の内の一体、蛇帝ニーズヘッグだ」
―――その単語、めちゃくちゃ気になるんですが?
0
あなたにおすすめの小説
私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい
あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。
誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。
それが私の最後の記憶。
※わかっている、これはご都合主義!
※設定はゆるんゆるん
※実在しない
※全五話
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる