退魔の少女達

コロンド

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番外編

夢と現に囚われし少女 1

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こちらFantiaにてリクエストを受けて作成した作品になります。

本編終了後にもしかしたらあったかもしれない物語、くらいの感覚でお楽しみください。

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街灯一つない小規模な廃墟の町。
唯一の光源である月明かりに照らされたその町は、見ようによっては幻想的にも見える。
そんな人気のない場所に、ガサガサと草木を踏み分けながら動く影が二つ。

「すんすん、淫魔の香り……比較的近くに一体、少し遠くにもう一体、ですかね。どうしましょうカナ先輩?」

「うーん、各個撃破していると片方に逃げられるかも……」

互いに視線を交し合うサクラとカナ。
二人は淫魔が出現したとの報告を受け、今はもう誰も住んでいない廃村へと足を踏み入れていた。
報告によればこの辺りで女性の失踪事件が相次いでいるのだという。

「二手に分かれよう。近場の方をサクラが、私は遠くの方を片付ける。いいよね?」

「はい、任せてください!」

グッと拳を握りしめ、サクラは元気よく返事をする。

「よし、じゃあ気をつけて。敵わないと思ったらすぐ逃げてね」

「分かりました!」

そこでサクラとカナは別々の方向へと足を進める。
カナと別れて行動するのは心許ないが、カナの指示はサクラなら一人でも問題ないという信頼があってこそのもの。
その期待に応えるべく、サクラは淫魔の香りを追いかけた。

前へ進む度に強くなる不穏な香り。
コンクリートの合間から生えた雑草を一歩また一歩と踏みしめるたびに、淫魔の禍々しい気配を肌で感じる。

「あれ?」

さらに進むと急に開けた場所に出た。
足元の草木は通りやすいように刈られた痕跡があり、それが道のようにどこかへ続いている。
その不自然に整備された道をサクラは歩いていく。

「これ……教会……?」

道をたどっていくと、そこにはまだギリギリ建造物として形を保っている教会があった。
強力な淫魔の気配を感じつつも、サクラはその教会の扉を開ける。
扉の隙間から、ドライアイスのような白い靄があふれる。

「……ッ!? ……これは?」

多くの女性が失踪しているという情報を事前に知っていたサクラは、この先に凄惨な光景が待ち受けているのではないかと身構えていた。
だが目の前に広がるのは意外な光景。
教会の中は廃墟とは思えないほどに整理されていて、十数人の女性たちが祭壇に向けて祈りを捧げていた。
そしてその祭壇には、シスターの恰好をした女性が立っていた。
長い白い髪に白い肌。
ボロボロになった屋根の合間から差す月明かりに照らされ、その姿はどこか神秘的にも見える。
だが、サクラは瞬時に理解する。
その者が淫魔であることを。

白い肌のシスターがゆっくりとまぶたを開け、サクラの姿を見るなり柔らかい表情で微笑む。

「ようこそ、サクラ様」

「……ッ! 私のことを知っているんですか?」

サクラは瞬時に刀を具現化させ、臨戦態勢を取る。

「ふふっ、この辺りを拠点に活動する可憐な退魔師さんがいると聞いて、いつか遭いたいと思っていたんですわ。おっと申し遅れました、私の名はムゥ。以後よろしくお願いしますわ」

サクラはギュッと刀を強く握る。
今すぐ斬りかかりたいところだが相手が自分のことを知っている以上、何か罠を仕掛けている可能性もある。

「そんなに警戒をしないでくださいませ。私は皆さんを幸福に導きたいだけですの」

周囲にいる女性たちは集中しているのか、それとも眠っているのか、この状況になってもなお祈りを続けている。
尋常ではない光景だった。

「この女性たちは?」

「彼女たちは私の信者ですわ。皆自分の意思でこの場にいますの」

「なるほど、あなたが随分と胡散臭い淫魔だということが分かりました」

おそらくムゥは人の意識をコントロールする類の能力を持っているのだろうとサクラは推測する。
そうであればこれ以上、彼女の話を聞くのは無駄。
むしろ何かしらの術を掛けられる可能性すらある。

「……ここで、決めるッ!」

サクラは一気にムゥとの間合いを詰める。
一歩、二歩、三歩と距離を詰めたところで、体に異変が起きる。

「うっ……?」

急に視界が揺れ、眩暈がする。

「な……何、これ……?」

「ふふっ、だんだんと眠くなってきたでしょう? ここは私の瘴気で満たされていますからね」

(これは……睡眠薬のようなもの……? まずい……)

この部屋に入るときに見た白い靄。
それがそうだったのだろう。
うかつに室内に入り込んだことを後悔する。
だが今更引き返すことなどできない。
サクラは息を止め、勢いよく床を蹴った――――つもりだった。

(あ……れ……?)

サクラの体は前のめりに倒れるように、地面に吸い込まれる。
もう一度立ち上がろうと意識を振り絞るも、体はまるで動かない。
まぶたが重く、意識は薄れる。

「お休みなさいサクラ様。向こうの世界で、また会いましょう」

「こんな……ところでぇ……」

歯を噛みしめて、言うことを聞かない自分の体をなんとか奮い立たせようとする。
だが次第に口を動かす力さえ入らなくなり、視界は真っ暗になってゆく。



そしてある瞬間、ぼやけた意識がスッと目覚めた。

「はっ……!?」

顔を上げると、こちらを覗き込むムゥと名乗った淫魔の姿が目に映る。
腕を振るえば刃が届く距離。

「はぁッ!!」

サクラは何のためらいもなく、うつ伏せの体勢から刀を振った。
だが刃がムゥの左腕に当たるも、返ってくるのは柔らかい感覚。

(……え? 私の刀が、なんで……?)

少し遅れてサクラは自分が持っている刀が、クッションのようなおもちゃの剣に入れ替わっていることに気づく。

「ごめんなさいサクラ様、武器は危ないので没収させていただきましたわ。ここは夢の世界。私は夢を司る淫魔なのですわ。だから、サクラ様はこの世界では私にあらがうことはできないんですの」

「夢の……世界……」

言われて辺りを見渡すが、周囲の景色は眠りにつく前とほとんど変化はない。
違うところといえば祈りを捧げていた信者たちの姿が見えないところくらいか。

(またか……)

心の中でそっと呟く。
だがサクラにそこまで焦りはなかった。
以前似たような淫魔を撃退した経験がある。
きっと今回も乗り越えることができるはず。
そう自分に言い聞かせた。

(刀は使えない……だったらッ!)

サクラは目の前にいる淫魔をキッと睨み、掴みかかろうとする。

「おすわり」

「んぐッ!?」

だが急に上から何かがのしかかるような重みを感じ、その場で四つん這いになる。

「だから、この世界では全部私のいいなりなんですわよ? ほらサクラ様、そのまま私の手の甲にキスしてくださいませ」

「ん……くぅ……っ!」

体が勝手に動く。
差し出されたムゥの手の甲に、サクラの唇が近づいていく。
抵抗しようとする意思に意味はなく、プルプルと体を震わせながら唇が手の甲に接触する。

「キャー! サクラ様にちゅーしてもらいましたわー!」

「くっ……!」

意図せぬ行動を自分に強制させるという屈辱に、サクラは歯を食いしばり頬を紅潮させる。
この世界では自分の体を自由に動かす権利すらないらしい。

「じゃあキスのお礼に、たーっくさん気持ちよくして差し上げますわね。もちろん、抵抗はできませんわよ」

「う……ぐっ……やめぇ……」

まるで金縛りにあったかのように体が動かない。
淫魔の言う通り、一切の抵抗は不可能だった。
そんな状態のサクラにムゥは体を密着させ、色んな所に触れてくる。
最初は指や手を触れられたり、頬や首筋を撫でられたり。
しかしサクラに触れるムゥの指先は、少しずついやらしい手つきに変わっていく。

「んっ……あっ……」

「ふふっ、可愛い声が漏れてますわよ?」

制服のスカートの内側や襟元からムゥの冷たい指が侵入してくる。
体の自由が利かないサクラは、それをただ抵抗せずに受け入れることしかできない。

「サクラ様の肌、すべすべで気持ちいい……でもね、本当はこんな風に触れることもできるんですわよ」

「……ッ!? いいッ!? なに、これ……ンンッ!?」

ムゥの指がサクラの服を通り抜けて肌を這う。
脱がされてもいないのに下着の内側が触れられる感覚にサクラは戸惑う。

「可愛い反応……服を脱がされてもいないのに、急に体を直接触られる感覚がやってきて、びっくりしちゃいましたか?」

夢の世界だけあって、何でもありらしい。
ツーっと這うように進む二つの指は、サクラの左右の胸へと近づいていく。

「んぐっ……ぁ、あぁうッ!」

そしてその指が胸の先端をクリクリと責め始める。

「敏感なお胸ですこと。きっと色んな淫魔にたくさん虐められたんでしょうねぇ」

「ち、違っ……やめ、ろぉ……ッ!」

「でも……私はもっと淫乱ではしたないサクラ様を見てみたい……だから、作り変えて差し上げますわ」

ムゥの顔が近づく。
抵抗できず、何をされるのかも分からない。
込み上げる恐怖を必死に押し殺す。
そんなサクラの表情を、ムゥは興味深そうに覗き込んでいた。

「ほら、行きますわよ。胸の感度を2倍にッ!」

「――ッ!? ンぁああああッ!?」

サクラの体が急にびくんと跳ねる。
一瞬で自分の体が別物になってしまったかのように、胸が強く感じてしまう。

「あっはは、そうそう! もっとそういう淫らな声が聞きたいんですわ! ほら! ほらぁッ!」

「いあっ! んっ……ぐぅうう……ッ!」

体を動かしての抵抗は不可能。
ならばせめて声は上げるまいと、サクラは必死に耐え忍ぶ。

「へぇ、すごい! まだ我慢できるんですわね。じゃあ……胸の感度をさらに倍ッ!」

「ンン~~~~ッ!?」

ゾクリとした感覚が背筋を貫き、無意識に腰が浮く。
電流を流されているかのように体が痙攣し、その状況が延々と続く。

「ほら、ほらっ! もう両乳首ともクリトリスよりずっと敏感になっているはずでしょう? もう果ててしまってもいいんですのよ?」

「ひぁあッ! こんなッ……責め、なんかに……ッ!」

「まだ耐えるんですの? いいんですの? 耐えれば耐えるほど…………また……気持ちよくされてしまいますわよ?」

どんなに体を動かそうと強く念じても、体はただ快楽に打ち震えて痙攣を続けるだけ。
サクラはもう、涙目で相手を睨むことしかできなかった。

「そう……そんなに気持ちよくなりたいんですわね! じゃあ、行きますわよ? 意識が飛ばないように、ちゃんと歯を食いしばるんですわよ? …………胸の感度を……さらに倍ッ!」

――プシャアッ!

その瞬間、サクラの秘所から噴水のように潮や愛液が勢いよく吹き出し、ショーツが一瞬で水浸しにする。

「――ひぎぁあッ!? ンぁああああああッ!! あッ、くぁあああああッ!!」

我慢していた快楽が一気に爆ぜる。
腰を突き上げ絶叫し、秘所から幾度も幾度も愛液があふれ、それが止まらない。
一度の絶頂では我慢していた快楽を完全に解放することはできず、二度、三度と絶頂を繰り返す。

「あっはは、可愛い。気高き退魔師様がこんな姿になって……本当に可愛い。もっと私色に染め上げてあげますわね」

そして今度はムゥの両手が、サクラの下半身へと移動していく。
左手の人差し指が、ショーツを貫通してクリトリスをツンとつつく。

「クリの感度を倍」

「あ”あ”ッ!?」

そして右手の指はサクラの膣内に入り込む。

「膣内の感度を倍」

「ン”い”ぃ”ッ!?」

少し触れられただけなのに、下半身からやってくる甘い感覚に背筋がビクンと跳ねる。

(くっ、動け……動けぇ……ッ!)

そう強く念じるも、体はまるで言うことを聞かない。

「足掻いても無駄、もう逃げられないんですわ。さぁ、最高の快楽をお楽しみ下さいませ!」

そしてムゥの愛撫が始まる。

「うぁ……ッ! くぁあああッ!!」

来るとわかっていても、耐えることのできない快楽がやってくる。
もうすでに熱くなっている膣内を、ムゥの指でぐちゅぐちゅとかき混ぜられる。
それに加えて感度を上げられたクリトリスを摘ままれたり、突かれたり。
ムゥの指先の些細な動きで、サクラの体は踊るようにビクビクと震える。

「ひぐっ……手……止め……っ、あぁんッ! うぁっ、来る……っ、ンッ! あぁあああッ!! ひぁ……あっ……ああ、またッ、んッ、あぁあああッ!?」

剥き出しになった弱点を好き勝手に弄ばれ、収まりかけていた絶頂の余韻がまた刺激される。
我慢などできるはずもなく、再び連続絶頂が始まる。

「あらあらサクラ様。さっきまではずっと我慢できていたのに、今はもうずっとイきっぱなしですわよ?」

「う……ぐっ……こんな、ところで……」

(こんなところで……寝てる場合じゃ、ないのに…………起き、ろ……起きろ、私! 目を、覚ませぇええッ!)

絶対に負けたくないという強い思い。

「なっ、これは……!?」

その思いがこの夢の世界に影響を与えたのか、周囲の光景が崩れるように消えていく。
それはこの夢の世界の支配者でもあるムゥにも予想外の出来事だった。
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