【R18】婚約破棄の復讐に、王子の弟を蹂躙してやります

monaca

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07 逝く

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「どうして?
 あんなにひどい捨てかたをしておいて、なんで、いまさらになってこんなことをするの?」

 アタシが問うと、ファビオはさらに凶悪で素敵な笑みを浮かべた。
 骸骨のように痩せた彼も、死神みたいで魅力的だ。

 彼はゆっくりと近寄ってきて大きく足を上げると、裸で倒れているアタシの股の部分をためらいなく踏み潰した。
 足の裏で味わうように、ぐりぐりと踏みしだく。
 あまりの喜びに嬌声をあげて悶えるアタシにいう。

「ひどい捨てかたって、なんのことだ?」
「あ、んっ……と、とぼけるわけ?
 悪夢のような仕打ちだったわ。
 急に全然殴ってくれなくなったじゃない。
 お気に入りのあのナイフで切ることさえしなくなった。
 あんな……あんなに愛し合っていたのに」

 彼は、舌打ちをしてアタシの顔を蹴り上げた。
 アタシはたまらなくなって、近くで倒れていた椅子を引き寄せ、その脚のひとつを自分の股に入れる。

 疼いて疼いて、溢れて溢れて仕方がない。
 もっと、もっとしてほしい。

「はあっ、ふうっ……はあっ」
「ソフィア、てめえは学習能力が高すぎたんだよ」

 なにを、言っているの?
 そんなことより、早くこの椅子を強く蹴って。
 アタシのなかに入っているこれが、アタシを引き裂いて血が噴き出すくらいに。

「若いころのおれは、自分の暴力性を制御できなかった。
 はじめて心から愛し、結婚の約束までした女に、おれの印をつけたい気持ちが強すぎたんだ。
 だから殴った。
 切った。
 刺した。
 本当に、手加減なしになんでもやった」

 ええ、あなたはそうだった。
 すばらしい日々だった。
 毎日のように血を吐き、骨が折れ、失血と痛みで気が遠くなりながら、あなたに犯されていた。
 思い出すだけで恍惚とする。

「てめえはそれを、愛として学習しちまった。
 愛するおれがやることを、すべて愛だと信じた。
 いま思えばしおらしい女心だが、当時のおれは急に怖くなったんだ。
 ……このままじゃ、間違いなく殺すってな」
「殺してくれたらよかったのに!」

 アタシは叫んだ。
 心から叫んだ。
 それが愛なら、アタシは全然構わなかった。

 彼は頭をかきむしり、あきらめた顔でいう。

「……ひとつ訊くが、おれはもう、死ぬんだよな?
 てめえが素性を隠してここまで潜り込んできたってことは、おれに復讐しにきたってことだ。
 そうなるとこの病気も、てめえの仕業だろ?」
「そうよ。
 でも、アタシの復讐はあなただけじゃない。
 あなたの両親にも復讐することにしたの」
「なぜだ!
 おれの不始末に気づいて、てめえを助けてくれようとしたはずだ」

 助ける?
 あれが善意だというのなら、迷惑な善意もあったものだ。

「あいつらはアタシを入院させて、あなたとの愛を忘れさせようとしたわ。
 アタシは絶対に忘れないように、毎日自分で自分を愛して、必死に抵抗した」

 傷つけるものをなにも部屋に置いてくれなかったから。
 アタシは頑張って、壁や床でみずからを痛めつけた。

 あそこですごした最後の日だって、そうだ。
 アタシは窓から落ちることを思いついた。
 高いところから落ちれば、もっと、何ヶ月も実感できる痛みを得ることができると思った。

 そして隙を見て実行した。
 痛みだけでなく、脱出して自由を得られたのは本当に僥倖だった。

「親も殺すのか? おれみたいに?」
「いいえ、殺しはしないわ。
 彼らには、愛するものを奪われ、愛を否定される恐怖を思い知らせてやるんだから。
 そう、愛するこの国を奪って、彼らの国民に対する愛――すべての政策を否定してあげる」

 アタシが宣言すると、ファビオは妙な顔をした。
 てっきり悔しがると思ったのだけど。

「おれの親……国王が、この国を愛しているだって?
 アハハハ。
 てめえの言う愛は、本当に歪んでやがる。
 まあいい。
 てめえはもうおれが殺してやるから、安心しろ」
「本当?
 どうやってやるの?」

 ファビオがアタシを殺す。
 考えただけで、それは心が躍る話だった。

 きっと彼なら、彼ならアタシを満たしてくれる。
 復讐で満たすよりも間違いなく気持ちがいいだろう。

「そうだな……」

 彼が部屋を見渡す。
 壁に飾られている剣が目に留まったようだ。

 それは、細くて長い刀身をもつ剣だった。
 斬るというより刺して使うのかもしれない。

 彼はその剣を手に取ると、あのころのような熱のこもった目でアタシを見た。

「その椅子に乗って、股を開け。
 それはてめえの身体にあるが、おれの所有物だろう?」

 言われた瞬間、アタシのソコが反応した。
 まるで絶頂を迎えたように、びくんびくんとうごめく。

 なにをされるか想像したのだ。

「はい、ご主人様」

 言われたとおり、椅子に乗って股を開く。
 さらに、両手の指をすべて使って、もうぐちゃぐちゃに濡れているソコを、彼に向けてぱっくり開いた。

 狙いやすいように。

「ああ、最高だボケが。
 てめえは本当に救いようのないくらい、最高のクソ女だったよ。
 ……動くんじゃねえぞ!」

 剣の切っ先が、アタシのソコを向いた。
 これからあれがアタシに這入ってくるのは間違いない。

 きっとものすごく痛い。
 でも、すぐには死なない。

 出血多量で失血死するまで、きっと彼は、剣でぼろぼろに裂けたアタシのソコを愛してくれるだろう。
 そして、そのままアタシは死に包まれる。

「ファビオ、愛してるわ」

 アタシは最期に彼の姿を目に焼きつけて、そっと目を閉じた。
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