440 / 625
滅びの神託
第十章第21話 再びのカルヴァラ
しおりを挟む
サマルカでの数日間の滞在を終え、私たちは国境の町カルヴァラへとやってきた。汚職を隠蔽するために偽聖女の汚名を着せられ、矢を射かけられたあの思い出の町だ。
「聖女様。ようこそカルヴァラへお越しくださいました」
城壁に囲まれたカルヴァラの南門の前に立派な軍服を着た人が出迎えに来てくれた。さすがに今回は偽聖女扱いをされるということはなさそうだ。
ええと、この人は会ったことある人かな? 【人物鑑定】っと。
なになに? なるほど。記憶には全くないけれど、どうやら前回サマルカを通ったときに私をエスコートしようとして玉砕したグウェナエルさんの次男らしい。
「お出迎えいただきありがとうございます。お久しぶりですね。ベルナールさん」
私がそう返事をするとベルナールさんは驚きからか目を見開き、そしてすぐさまブーンからのジャンピング土下座を決めた。
うーん、そうだね。7.5点といったところだろうか。まあまあの演技だったけれど、ブーンのときは指先までしっかりと伸ばすことを意識したほうがいいと思うな。
などということを考えているとはおくびにも出さず、いつもどおりの魔法の言葉でベルナールさんを立ち上がらせる。
「神の御心のままに」
すると立ち上がったベルナールさんは私の前に跪いた。
「聖女フィーネ・アルジェンタータ様。どうか我が屋敷にご滞在賜る栄誉を頂けませんでしょうか?」
「え?」
あ、いや、どうしようかな。サマルカではダンスパーティーなる催し物に参加させられたし、今回はやっぱり普通のホテルにしよう。
「すみません。今回はホテルに泊まりたいと思っていたのですが……」
私がそう答えるとベルナールさんはかなりショックを受けてしまった様子で、目を見開き固まってしまう。
あれ? ええと?
「フィーネ様はもしや、ベルナール殿のことがお嫌いなのでしょうか?」
理解できずにいるとクリスさんがそっと耳打ちをしてくれた。
「え? ……あ!」
そうか! 前回振られたうえに今回は客として招かれることも拒否されたんだから、嫌われたと思われてもおかしくはないのか。
「そういうわけではないんですが……」
「であれば、さすがに招待くらいは応じて差し上げたほうが」
「ただ、ちょっとパーティーやら晩餐会やらは遠慮したいかなって。ほら、今は一応緊急事態じゃないですか」
「ああ、なるほど。それはたしかにそのとおりですね」
「そんな……」
おや? 私たちの会話を聞いていたベルナールさんがなぜかさらにショックを受けているようだ。
あれ? もしかしてパーティーやら晩餐会やらを開くつもりだったのかな?
うーん。そんなことにお金を使うくらいならもっと有意義な別のことに使ってほしいのだけれど……。
「あの、ベルナールさん。今はこの町も魔物が暴れている影響で大変なんですよね?」
「はい。ですのでぜひとも聖女様のお力をお借りしたく」
なるほど。うん。やっぱり今回は普通のホテルに泊まろう。私は別に贅沢をしたいわけじゃないからね。
「それではやはり、今の状況で贅沢をさせてもらうわけにもいきません。お金は自分で支払いますので、普通のホテルに宿泊させてください」
「……かしこまり、ました」
がっくりとうなだれながらもベルナールさんは絞り出すようにそう答えたのだった。
◆◇◆
「なんか、ちょっと悪いことをしちゃいましたかねぇ?」
町一番のホテルを紹介してもらった私たちは、その一室で旅の疲れを癒すべく思い思いに休んでいる。ただ、ベルナールさんがあまりにしょげた様子で自分のお屋敷へと帰っていったのが気になってクリスさんに話を振ってみた。
「いえ。フィーネ様がやりたくないことを我慢してなさる必要はございません。フィーネ様が仰るとおり、今の魔王には人間を滅ぼす意図はないのかもしれません。ですが、この先はどうなるかはわかりません。歴史を振り返れば、全ての魔王は必ず人間を滅ぼそうと魔物の軍勢を差し向けてきています。ですから、いずれは勇者を中心とした人間と魔王軍の戦いとなるでしょう。であれば、サマルカでやったような贅の限りを尽くした晩餐会やダンスパーティーといったものからは距離を取り、将来のための蓄えをするべきというというフィーネ様の姿勢は当然のことだと思います」
「……そうですね」
私としてはベルードが瘴気による衝動を押さえきれなくなってしまい、どこの誰がなるのかはわからないが勇者によって倒されるようなことにはなってほしくはない。
だが現実問題として魔物は暴れ回っており、そしてその魔物が暴れ回る元凶は人間が生み出したものなのだ。
現在の魔王警報は準警報の段階だ。これがもう一つ進んだとき、魔王となったベルードは多くの瘴気を引き受けることになる。そしてその衝動を理性で抑えていられる間は、束の間の平和が作り出されるのだろう。
では、その平和はいつまで続くのだろうか?
ベルードもクリスさんの言うかつての魔王たちのように瘴気に呑まれ、その衝動の赴くままに暴れまわる存在と成り果てしまうのだろうか? それとも進化の秘術によってそれを防ぐことができるのだろうか?
もしベルードが衝動に呑まれてしまった場合、私は勇者と共にベルードと戦うのだろうか?
いや、でも平和を求めていたベルードを滅ぼすなんて……!
「フィーネ様?」
「あ、いえ……。すみません。私はどうしたらいいんだろうかって考えていたら難しくて」
「……フィーネ様は聖女でらっしゃいます。フィーネ様がいらっしゃること自体が、我々人類の希望なのです」
「……まあ、吸血鬼なんですけどね。あ、今は妖精吸血鬼でした」
「フィーネ様、それでもです。種族など関係ありません。フィーネ様は神によって聖女の職業を授けられたのですから」
「でも、私にはベルードのように世界の瘴気をなんとかしようなんてことはできませんから。それに、本当は魔物たちを殺したくないんです。魔物たちだってあんな風に暴れ回りたいわけじゃなくて、瘴気のせいであんな風になっているだけで!」
「フィーネ様……」
「瘴気さえなければ、魔物たちだって本当は優しい子たちなんです」
クリスさんはそれを聞くと神妙な面持ちで押し黙ってしまった。
「フィーネ殿。魔物とは、瘴気の基となった衝動を解消するための存在なのでござろう? であればフィーネ殿の見た『大人しくて優しい魔物』が特別なだけで、他の魔物は違うのではござらんか?」
「え?」
「魔物が衝動を解消すると寿命を迎えるのであれば、魔物と衝動は本来セットなはずでござる。ということは、その『大人しくて優しい魔物』はベルード殿が代わりに衝動を引き受けていたおかげではござらんか?」
な、なるほど。そうかもしれない。
「だから、魔物を退治することにうしろめたさを感じる必要はないでざるよ。フィーネ殿」
「そう、でしょうか?」
「そうでござるよ」
「……」
そう言われると、なんだか少しだけ気持ちが軽くなった気がする。
「でも姉さま。ということは、魔物は瘴気がないと生まれないんですよね?」
「え? そういえばそういうことになりますね」
「じゃあ、人間がいなければ魔物は生まれないんじゃないですか?」
「っ!?」
「お、おい! ルミア!」
ルーちゃんの指摘に私は息をのみ、クリスさんは慌てて声を荒らげた。
「でも、事実じゃないですか? 人間は自分たちの欲望のためにあたしたちエルフを捕まえて奴隷にするんですから。それに、姉さまと再会したときのあの村だって酷かったじゃないですか。ああいう奴らがいるから、世界は魔物だらけになるんですっ!」
「それは……」
珍しく強く主張してくるルーちゃんにクリスさんはそのまま口ごもってしまった。
「ルーちゃんは、人間を滅ぼしたいんですか?」
「え? そんなわけないですよ。いい人間だってたくさんいますから。でも悪い人間もたくさんいるじゃないですか。そんな人間たちが魔物を生み出しているのに、自分たちのせいなのに罪悪感も感じずにのうのうと暮らしているのはおかしいって思うんです」
「ああ、それは……」
瘴気を生み出す原因にもなっていそうな人たちに片っ端から神罰でも落とす神様がいれば少しは変わるのだろうか?
いや、でも……。
「そのくらいにしておくでござる。今ここであれこれ悩んだところで、きっとまだ結論は何もだせないとおもうでござらんか?」
そう、かもしれない。
「きっと、こういったことは詳しい人に相談してみるのがいいでござるよ」
「詳しい人?」
「フィーネ殿は精霊神様に会ったのではござらんか? きっと神であれば全て知っているはずでござるよ」
「……それもそうですね」
たしか、精霊の島に来いって言っていたっけ。
「だから、今はゆっくり体を休めるでござる」
「はい」
こうして私は考えることをやめ、そのままゴロンとベッドに横になったのだった。
「聖女様。ようこそカルヴァラへお越しくださいました」
城壁に囲まれたカルヴァラの南門の前に立派な軍服を着た人が出迎えに来てくれた。さすがに今回は偽聖女扱いをされるということはなさそうだ。
ええと、この人は会ったことある人かな? 【人物鑑定】っと。
なになに? なるほど。記憶には全くないけれど、どうやら前回サマルカを通ったときに私をエスコートしようとして玉砕したグウェナエルさんの次男らしい。
「お出迎えいただきありがとうございます。お久しぶりですね。ベルナールさん」
私がそう返事をするとベルナールさんは驚きからか目を見開き、そしてすぐさまブーンからのジャンピング土下座を決めた。
うーん、そうだね。7.5点といったところだろうか。まあまあの演技だったけれど、ブーンのときは指先までしっかりと伸ばすことを意識したほうがいいと思うな。
などということを考えているとはおくびにも出さず、いつもどおりの魔法の言葉でベルナールさんを立ち上がらせる。
「神の御心のままに」
すると立ち上がったベルナールさんは私の前に跪いた。
「聖女フィーネ・アルジェンタータ様。どうか我が屋敷にご滞在賜る栄誉を頂けませんでしょうか?」
「え?」
あ、いや、どうしようかな。サマルカではダンスパーティーなる催し物に参加させられたし、今回はやっぱり普通のホテルにしよう。
「すみません。今回はホテルに泊まりたいと思っていたのですが……」
私がそう答えるとベルナールさんはかなりショックを受けてしまった様子で、目を見開き固まってしまう。
あれ? ええと?
「フィーネ様はもしや、ベルナール殿のことがお嫌いなのでしょうか?」
理解できずにいるとクリスさんがそっと耳打ちをしてくれた。
「え? ……あ!」
そうか! 前回振られたうえに今回は客として招かれることも拒否されたんだから、嫌われたと思われてもおかしくはないのか。
「そういうわけではないんですが……」
「であれば、さすがに招待くらいは応じて差し上げたほうが」
「ただ、ちょっとパーティーやら晩餐会やらは遠慮したいかなって。ほら、今は一応緊急事態じゃないですか」
「ああ、なるほど。それはたしかにそのとおりですね」
「そんな……」
おや? 私たちの会話を聞いていたベルナールさんがなぜかさらにショックを受けているようだ。
あれ? もしかしてパーティーやら晩餐会やらを開くつもりだったのかな?
うーん。そんなことにお金を使うくらいならもっと有意義な別のことに使ってほしいのだけれど……。
「あの、ベルナールさん。今はこの町も魔物が暴れている影響で大変なんですよね?」
「はい。ですのでぜひとも聖女様のお力をお借りしたく」
なるほど。うん。やっぱり今回は普通のホテルに泊まろう。私は別に贅沢をしたいわけじゃないからね。
「それではやはり、今の状況で贅沢をさせてもらうわけにもいきません。お金は自分で支払いますので、普通のホテルに宿泊させてください」
「……かしこまり、ました」
がっくりとうなだれながらもベルナールさんは絞り出すようにそう答えたのだった。
◆◇◆
「なんか、ちょっと悪いことをしちゃいましたかねぇ?」
町一番のホテルを紹介してもらった私たちは、その一室で旅の疲れを癒すべく思い思いに休んでいる。ただ、ベルナールさんがあまりにしょげた様子で自分のお屋敷へと帰っていったのが気になってクリスさんに話を振ってみた。
「いえ。フィーネ様がやりたくないことを我慢してなさる必要はございません。フィーネ様が仰るとおり、今の魔王には人間を滅ぼす意図はないのかもしれません。ですが、この先はどうなるかはわかりません。歴史を振り返れば、全ての魔王は必ず人間を滅ぼそうと魔物の軍勢を差し向けてきています。ですから、いずれは勇者を中心とした人間と魔王軍の戦いとなるでしょう。であれば、サマルカでやったような贅の限りを尽くした晩餐会やダンスパーティーといったものからは距離を取り、将来のための蓄えをするべきというというフィーネ様の姿勢は当然のことだと思います」
「……そうですね」
私としてはベルードが瘴気による衝動を押さえきれなくなってしまい、どこの誰がなるのかはわからないが勇者によって倒されるようなことにはなってほしくはない。
だが現実問題として魔物は暴れ回っており、そしてその魔物が暴れ回る元凶は人間が生み出したものなのだ。
現在の魔王警報は準警報の段階だ。これがもう一つ進んだとき、魔王となったベルードは多くの瘴気を引き受けることになる。そしてその衝動を理性で抑えていられる間は、束の間の平和が作り出されるのだろう。
では、その平和はいつまで続くのだろうか?
ベルードもクリスさんの言うかつての魔王たちのように瘴気に呑まれ、その衝動の赴くままに暴れまわる存在と成り果てしまうのだろうか? それとも進化の秘術によってそれを防ぐことができるのだろうか?
もしベルードが衝動に呑まれてしまった場合、私は勇者と共にベルードと戦うのだろうか?
いや、でも平和を求めていたベルードを滅ぼすなんて……!
「フィーネ様?」
「あ、いえ……。すみません。私はどうしたらいいんだろうかって考えていたら難しくて」
「……フィーネ様は聖女でらっしゃいます。フィーネ様がいらっしゃること自体が、我々人類の希望なのです」
「……まあ、吸血鬼なんですけどね。あ、今は妖精吸血鬼でした」
「フィーネ様、それでもです。種族など関係ありません。フィーネ様は神によって聖女の職業を授けられたのですから」
「でも、私にはベルードのように世界の瘴気をなんとかしようなんてことはできませんから。それに、本当は魔物たちを殺したくないんです。魔物たちだってあんな風に暴れ回りたいわけじゃなくて、瘴気のせいであんな風になっているだけで!」
「フィーネ様……」
「瘴気さえなければ、魔物たちだって本当は優しい子たちなんです」
クリスさんはそれを聞くと神妙な面持ちで押し黙ってしまった。
「フィーネ殿。魔物とは、瘴気の基となった衝動を解消するための存在なのでござろう? であればフィーネ殿の見た『大人しくて優しい魔物』が特別なだけで、他の魔物は違うのではござらんか?」
「え?」
「魔物が衝動を解消すると寿命を迎えるのであれば、魔物と衝動は本来セットなはずでござる。ということは、その『大人しくて優しい魔物』はベルード殿が代わりに衝動を引き受けていたおかげではござらんか?」
な、なるほど。そうかもしれない。
「だから、魔物を退治することにうしろめたさを感じる必要はないでざるよ。フィーネ殿」
「そう、でしょうか?」
「そうでござるよ」
「……」
そう言われると、なんだか少しだけ気持ちが軽くなった気がする。
「でも姉さま。ということは、魔物は瘴気がないと生まれないんですよね?」
「え? そういえばそういうことになりますね」
「じゃあ、人間がいなければ魔物は生まれないんじゃないですか?」
「っ!?」
「お、おい! ルミア!」
ルーちゃんの指摘に私は息をのみ、クリスさんは慌てて声を荒らげた。
「でも、事実じゃないですか? 人間は自分たちの欲望のためにあたしたちエルフを捕まえて奴隷にするんですから。それに、姉さまと再会したときのあの村だって酷かったじゃないですか。ああいう奴らがいるから、世界は魔物だらけになるんですっ!」
「それは……」
珍しく強く主張してくるルーちゃんにクリスさんはそのまま口ごもってしまった。
「ルーちゃんは、人間を滅ぼしたいんですか?」
「え? そんなわけないですよ。いい人間だってたくさんいますから。でも悪い人間もたくさんいるじゃないですか。そんな人間たちが魔物を生み出しているのに、自分たちのせいなのに罪悪感も感じずにのうのうと暮らしているのはおかしいって思うんです」
「ああ、それは……」
瘴気を生み出す原因にもなっていそうな人たちに片っ端から神罰でも落とす神様がいれば少しは変わるのだろうか?
いや、でも……。
「そのくらいにしておくでござる。今ここであれこれ悩んだところで、きっとまだ結論は何もだせないとおもうでござらんか?」
そう、かもしれない。
「きっと、こういったことは詳しい人に相談してみるのがいいでござるよ」
「詳しい人?」
「フィーネ殿は精霊神様に会ったのではござらんか? きっと神であれば全て知っているはずでござるよ」
「……それもそうですね」
たしか、精霊の島に来いって言っていたっけ。
「だから、今はゆっくり体を休めるでござる」
「はい」
こうして私は考えることをやめ、そのままゴロンとベッドに横になったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
異世界でも馬とともに
ひろうま
ファンタジー
乗馬クラブ勤務の悠馬(ユウマ)とそのパートナーである牝馬のルナは、ある日勇者転移に巻き込まれて死亡した。
新しい身体をもらい異世界に転移できることになったユウマとルナが、そのときに依頼されたのは神獣たちの封印を解くことだった。
ユウマは、彼をサポートするルナとともに、その依頼を達成すべく異世界での活動を開始する。
※本作品においては、ヒロインは馬であり、人化もしませんので、ご注意ください。
※本作品は、某サイトで公開していた作品をリメイクしたものです。
※本作品の解説などを、ブログ(Webサイト欄参照)に記載していこうと思っています。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる