123 / 124
第二章
エピローグ
しおりを挟む
俺たち迷宮攻略隊は現役復帰したトーニャちゃんをリーダーとして再び『悪魔の迷宮』へと挑んだ。攻略はとんとん拍子で迷宮を進み、第三十七階層でついに迷宮核を発見した。
その一番の要因はトーニャちゃんにエレナという二人の規格外のエースがいるおかげだろう。だがもう一つの要因として、厄介なレッサーデーモンが出なくなったということも大きかったと思う。その理由は俺たちがあの悪魔を倒したからだと推測しているが、その真偽は定かでない。
「さ、エレナちゃん。これを壊せばもうこの迷宮は悪さができなくなるわン」
黒い迷宮核を前にしてトーニャちゃんがエレナにそう指示を出した。
「あたしがやって良いんですか?」
「ええ。サバンテの領主様も王都の高等学園に恩が売れるし、ギルドも領主様に恩が売れるのよン。どうせ誰がやってっも一緒なんだから、やっちゃいなさいン」
「……わかりました。聖なる力を使ったほうがいいですか?」
「ん-、そうねン。念のためにお願いできるかしらン」
「はい。剣の舞」
エレナは光輝く剣を一本出現させた。なんとあの悪魔の一件以来、エレナはフラウの応援を受けずとも聖なる力も扱えるようになったのだ。
エレナの生み出した光の剣は滑らかに空中を進み、黒い迷宮核に突き刺さる。
「聖なる審判!」
ベヒーモスを葬ったアーツが発動すると迷宮核のある小部屋は眩い光に包まれた。
やがて光が消えると、迷宮核は粉々に砕け散る。
「良くやったわン。これで、この『悪魔の迷宮』は魔物を生み出さなくなったわよン」
「これで、サバンテは救われたんですね?」
「ええ、そうよン。エレナちゃんとディーノちゃんのがんばりのおかげねン」
そう言ってトーニャちゃんは俺とエレナをひとまとめにして抱き寄せた。
「わ、ちょ、ちょっと!」
「アントニオさん。苦しいです」
「あらン? ごめんなさいねン。つい嬉しくなっちゃったわン」
そう言って放してくれたトーニャちゃんだったが、前に俺はこれで死にかけているのだから勘弁して欲しいものだ。
ともあれ、これで悪魔と迷宮というサバンテを騒がせた二つの災厄は取り除かれたのだ。
「さあ、帰るわよン」
「はい」
こうして俺たちは迷宮の出口へと向かって歩きだしたのだった。
◆◇◆
迷宮を攻略してからエレナが王都に戻るまでの間、俺は長期休暇ということでエレナとの時間を過ごした。
何か特別なことをしたわけではない。例のパンケーキ屋で時間を潰したり懐かしい場所を歩き回ったりしていただけなのだがあっという間に時間が過ぎ去り、エレナの夏休みの期間が終わりを迎えてしまった。
今は王都の学園へと戻るエレナの見送りにやってきている。
昔は会うのがあれほど憂鬱だったというのに、エレナと別れるのがこれほど寂しいと思うだなんて想像だにしなかった。
勝気な物言いや性格は変わっていないものの、感謝や気遣いができるようになっただけでなくほとんど手を出さなくなったエレナは本当に可愛いのだ。
ほとんど、というのはたまに過度にからかわれたりすると怒って反撃をするのだが、まあそれも可愛いと思える程度のものだ。
本当に、昔とのギャップが大きい。前のエレナだけを知っている人が今のエレナを見たらよく似た別人だと思うに違いない。
「ちょっと、ディーノ?」
「ああ。ごめん。エレナも変わったよなって思って」
「あら。そんなこと言ったディーノだって随分変わったわよ? 昔はちょっと大変なことがあったらすぐに逃げ出していたくせにね」
エレナは穏やかな笑顔を浮かべた。
「でも、今のディーノはすごくかっこよくなったわよね。フラウのおかげかしら?」
『えっへん。あたしのおかげなのだー』
「フラウ。聞こえてないから」
『じゃあ、召喚してよっ』
「そうだな」
「えへっ。エレナ。元気でねっ!」
「うん。フラウも、ディーノをよろしくね? 昔みたいなヘタレに戻らないように、よろしく頼むわよ」
「任せるのだーっ! あたしがディーノをしっかり応援してあげるっ」
「うん。よろしくね」
そう言ってエレナはフラウに頬を寄せた。フラウはその頬に頭をぐりぐりとこすりつけている。
俺の扱いが微妙なのは少し気になるけれど、フラウがいなければここまでこの結果が手に入らなかったことは間違いない。
「学生さん。そろそろ出発するから乗り込んでくれるかい?」
エレナが搭乗予定の乗合馬車の御者さんがそう声を掛けてきた。
「あら、もうそんな時間なのね。それじゃあ、あたしはそろそろ行くわ」
「ああ。元気でやれよ」
「当たり前じゃない。かならず首席で卒業して見せるわ」
「ああ。がんばれよ」
「ええ。もちろん。それからあたし、卒業したら冒険者になるわ。ディーノと一緒に冒険するの」
「それは楽しみだな」
「ねえ、あたしも一緒だよねっ?」
「もちろんよ。フラウも一緒に、三人で冒険しましょう」
「うんっ」
「卒業は来年の冬だっけか?」
「そうよ。必ず迎えに来てよね?」
「ああ。少しでもランクを上げて、剣姫のパートナーに相応しくなっているよ」
「ふふ。期待してるわよ。断魔の英雄様」
そう言ってエレナはすっと俺に体を寄せてきた。
それを俺は優しく抱きとめると顔を上げて瞳を閉じたエレナの唇に口付を落とした。
ほんの数秒だけれども、確かな温もりが伝わってくる。
「ふふ。じゃあ、またね。ディーノ、フラウ」
するりと俺の腕の中から抜け出した温もりが離れていき、ふわりと残り香が鼻をくすぐる。
「ああ、またな」
「エレナ。まったねーっ!」
エレナは赤い髪をなびかせて馬車に乗り込むとすぐに馬車は発車した。
馬車の中からはエレナが大きく手を振っており、俺たちはそれに負けじと大きく手を振り返した。
ごとごとと音を立てて進む馬車の姿はあっという間に小さくなっていく。
そんな馬車を俺たちは見えなくなるまで手を振って見送り続けたのだった。
==============
本日より新作「勇者召喚されたが俺だけ村人だった~ならば村で働けと辺境開拓村に送られたけど実は村人こそが最強でした~」の投稿を開始しております。
本来の意味でのチートを使って最強になっていくお話で、サクサク進めるようになっております。よろしければそちらもお読み頂けると幸いです。
その一番の要因はトーニャちゃんにエレナという二人の規格外のエースがいるおかげだろう。だがもう一つの要因として、厄介なレッサーデーモンが出なくなったということも大きかったと思う。その理由は俺たちがあの悪魔を倒したからだと推測しているが、その真偽は定かでない。
「さ、エレナちゃん。これを壊せばもうこの迷宮は悪さができなくなるわン」
黒い迷宮核を前にしてトーニャちゃんがエレナにそう指示を出した。
「あたしがやって良いんですか?」
「ええ。サバンテの領主様も王都の高等学園に恩が売れるし、ギルドも領主様に恩が売れるのよン。どうせ誰がやってっも一緒なんだから、やっちゃいなさいン」
「……わかりました。聖なる力を使ったほうがいいですか?」
「ん-、そうねン。念のためにお願いできるかしらン」
「はい。剣の舞」
エレナは光輝く剣を一本出現させた。なんとあの悪魔の一件以来、エレナはフラウの応援を受けずとも聖なる力も扱えるようになったのだ。
エレナの生み出した光の剣は滑らかに空中を進み、黒い迷宮核に突き刺さる。
「聖なる審判!」
ベヒーモスを葬ったアーツが発動すると迷宮核のある小部屋は眩い光に包まれた。
やがて光が消えると、迷宮核は粉々に砕け散る。
「良くやったわン。これで、この『悪魔の迷宮』は魔物を生み出さなくなったわよン」
「これで、サバンテは救われたんですね?」
「ええ、そうよン。エレナちゃんとディーノちゃんのがんばりのおかげねン」
そう言ってトーニャちゃんは俺とエレナをひとまとめにして抱き寄せた。
「わ、ちょ、ちょっと!」
「アントニオさん。苦しいです」
「あらン? ごめんなさいねン。つい嬉しくなっちゃったわン」
そう言って放してくれたトーニャちゃんだったが、前に俺はこれで死にかけているのだから勘弁して欲しいものだ。
ともあれ、これで悪魔と迷宮というサバンテを騒がせた二つの災厄は取り除かれたのだ。
「さあ、帰るわよン」
「はい」
こうして俺たちは迷宮の出口へと向かって歩きだしたのだった。
◆◇◆
迷宮を攻略してからエレナが王都に戻るまでの間、俺は長期休暇ということでエレナとの時間を過ごした。
何か特別なことをしたわけではない。例のパンケーキ屋で時間を潰したり懐かしい場所を歩き回ったりしていただけなのだがあっという間に時間が過ぎ去り、エレナの夏休みの期間が終わりを迎えてしまった。
今は王都の学園へと戻るエレナの見送りにやってきている。
昔は会うのがあれほど憂鬱だったというのに、エレナと別れるのがこれほど寂しいと思うだなんて想像だにしなかった。
勝気な物言いや性格は変わっていないものの、感謝や気遣いができるようになっただけでなくほとんど手を出さなくなったエレナは本当に可愛いのだ。
ほとんど、というのはたまに過度にからかわれたりすると怒って反撃をするのだが、まあそれも可愛いと思える程度のものだ。
本当に、昔とのギャップが大きい。前のエレナだけを知っている人が今のエレナを見たらよく似た別人だと思うに違いない。
「ちょっと、ディーノ?」
「ああ。ごめん。エレナも変わったよなって思って」
「あら。そんなこと言ったディーノだって随分変わったわよ? 昔はちょっと大変なことがあったらすぐに逃げ出していたくせにね」
エレナは穏やかな笑顔を浮かべた。
「でも、今のディーノはすごくかっこよくなったわよね。フラウのおかげかしら?」
『えっへん。あたしのおかげなのだー』
「フラウ。聞こえてないから」
『じゃあ、召喚してよっ』
「そうだな」
「えへっ。エレナ。元気でねっ!」
「うん。フラウも、ディーノをよろしくね? 昔みたいなヘタレに戻らないように、よろしく頼むわよ」
「任せるのだーっ! あたしがディーノをしっかり応援してあげるっ」
「うん。よろしくね」
そう言ってエレナはフラウに頬を寄せた。フラウはその頬に頭をぐりぐりとこすりつけている。
俺の扱いが微妙なのは少し気になるけれど、フラウがいなければここまでこの結果が手に入らなかったことは間違いない。
「学生さん。そろそろ出発するから乗り込んでくれるかい?」
エレナが搭乗予定の乗合馬車の御者さんがそう声を掛けてきた。
「あら、もうそんな時間なのね。それじゃあ、あたしはそろそろ行くわ」
「ああ。元気でやれよ」
「当たり前じゃない。かならず首席で卒業して見せるわ」
「ああ。がんばれよ」
「ええ。もちろん。それからあたし、卒業したら冒険者になるわ。ディーノと一緒に冒険するの」
「それは楽しみだな」
「ねえ、あたしも一緒だよねっ?」
「もちろんよ。フラウも一緒に、三人で冒険しましょう」
「うんっ」
「卒業は来年の冬だっけか?」
「そうよ。必ず迎えに来てよね?」
「ああ。少しでもランクを上げて、剣姫のパートナーに相応しくなっているよ」
「ふふ。期待してるわよ。断魔の英雄様」
そう言ってエレナはすっと俺に体を寄せてきた。
それを俺は優しく抱きとめると顔を上げて瞳を閉じたエレナの唇に口付を落とした。
ほんの数秒だけれども、確かな温もりが伝わってくる。
「ふふ。じゃあ、またね。ディーノ、フラウ」
するりと俺の腕の中から抜け出した温もりが離れていき、ふわりと残り香が鼻をくすぐる。
「ああ、またな」
「エレナ。まったねーっ!」
エレナは赤い髪をなびかせて馬車に乗り込むとすぐに馬車は発車した。
馬車の中からはエレナが大きく手を振っており、俺たちはそれに負けじと大きく手を振り返した。
ごとごとと音を立てて進む馬車の姿はあっという間に小さくなっていく。
そんな馬車を俺たちは見えなくなるまで手を振って見送り続けたのだった。
==============
本日より新作「勇者召喚されたが俺だけ村人だった~ならば村で働けと辺境開拓村に送られたけど実は村人こそが最強でした~」の投稿を開始しております。
本来の意味でのチートを使って最強になっていくお話で、サクサク進めるようになっております。よろしければそちらもお読み頂けると幸いです。
21
あなたにおすすめの小説
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
最強付与術師の成長革命 追放元パーティから魔力回収して自由に暮らします。え、勇者降ろされた? 知らんがな
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
旧題:最強付与術師の成長革命~レベルの無い世界で俺だけレベルアップ!あ、追放元パーティーから魔力回収しますね?え?勇者降ろされた?知らんがな
・成長チート特盛の追放ざまぁファンタジー!
【ファンタジー小説大賞の投票お待ちしております!】
付与術のアレンはある日「お前だけ成長が遅い」と追放されてしまう。
だが、仲間たちが成長していたのは、ほかならぬアレンのおかげだったことに、まだ誰も気づいていない。
なんとアレンの付与術は世界で唯一の《永久持続バフ》だったのだ!
《永久持続バフ》によってステータス強化付与がスタックすることに気づいたアレンは、それを利用して無限の魔力を手に入れる。
そして莫大な魔力を利用して、付与術を研究したアレンは【レベル付与】の能力に目覚める!
ステータス無限付与とレベルシステムによる最強チートの組み合わせで、アレンは無制限に強くなり、規格外の存在に成り上がる!
一方でアレンを追放したナメップは、大事な勇者就任式典でへまをして、王様に大恥をかかせてしまう大失態!
彼はアレンの能力を無能だと決めつけ、なにも努力しないで戦いを舐めきっていた。
アレンの努力が報われる一方で、ナメップはそのツケを払わされるはめになる。
アレンを追放したことによってすべてを失った元パーティは、次第に空中分解していくことになる。
カクヨムにも掲載
なろう
日間2位
月間6位
なろうブクマ6500
カクヨム3000
★最強付与術師の成長革命~レベルの概念が無い世界で俺だけレベルが上がります。知らずに永久バフ掛けてたけど、魔力が必要になったので追放した元パーティーから回収しますね。えっ?勇者降ろされた?知らんがな…
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました
遥風 かずら
ファンタジー
冒険者ギルドに所属しているエンジは剣と魔法の才能が無く、文字を書くことだけが取り柄であった。落ちこぼれスキル【転写】を使いギルド帳の筆記作業で生計を立てていた。そんなある日、立ち寄った勇者パーティーの貴重な古代書を間違って書き写してしまい、盗人扱いされ、勇者によってギルドから追放されてしまう。
追放されたエンジは、【転写】スキルが、物やスキル、ステータスや魔法に至るまで何でも【コピー】できるほどに極められていることに気が付く。
やがて彼は【コピー】マスターと呼ばれ、世界最強の冒険者となっていくのであった。
無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる