伯爵令嬢の恋

アズやっこ

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 積み上げられた草。あんなにボウボウだった草が無くなった。


「クロ」

「何?」

「帰ってくる?」

「こない」

「何で」

「両思いになったのに拷問かよ」

「え?」

「え?両思いだよな?」

「それはそうよ」

「好きな女が側にいて何もするなとか俺には無理」

「そ、そう」

「それに」

「何?」

「本当に平民でも良いのか?」

「良いわよ」

「後悔しないか?」

「後悔ならクロが出て行ってから毎日してるわよ」

「そうなのか?」

「私は好きなのに嫌われてるし、口付けだって、口付けしたら余計に忘れられなくて…」

「そうか」


 私はクロードに抱きつき、


「私の事、嫌ってないのよね?」

「ああ、好きだ」


 クロードが抱きしめ返してくれた。


「私は雲の上の人じゃないわよ?」

「俺にとっては雲の上の人間なんだ」

「クロが平民だから?」

「そうだな」

「私だって平民みたいなものでしょ」

「それは今だからだろ?」

「そうだけど」

「前は貴族のご令嬢だっただろ?まあ今も貴族のご令嬢なんだけどな」

「昔はね」

「フレッドに怒られそうだな」

「お兄様?」

「殴られるのは覚悟の上だ」

「そんな」

「良いんだ、ローラが手に入るなら」

「それでも」

「ずっと手に入れたくて入らなかったんだ。一発や二発当たり前だろ」

「クロが殴られなくても」

「それでも大事な妹を平民にするんだ」

「そうだけど」

「今更手放せない」

「私も離れるのはもう嫌よ」

「ローラ」


 クロードの唇が重なり、


「愛してる」

「私も」

「もう一度良いか?」

「うん」


 クロードの唇が重なり、何度も角度を変えて口付けした。


「お前等!!」


 突然の声にクロードは私を自分の体の後ろに隠し、


「フレッド」

「クロードお前!」

「殴られるのは覚悟の上だ!」

「当たり前だろ!」


バキッ


「っ」

「一発で済んだ事を有り難く思え」

「すまん」

「気持ちはもっと殴らないと気が済まないがな」

「すまん」

「まあお前の気持ちは知ってたからな。どっちに転んでも俺はいいかって思ってたよ」

「そうなのか?」

「お前の初恋だろ?」

「そうだけど」

「何年思ってるんだよ」

「煩い」

「さっさと気持ち伝えれば良いものを」

「そんな事できるか」

「お前はお前で勝手に拗らせてるしな、笑えたよ」

「煩い」

「それより俺は知らなかったぞ!」

「何が」

「お前が騎士団に入ってる事だ」

「ああ」

「どうして俺に言わなかった」

「騎士団に入ったのはローラと距離を取りたいと思ったからだ。俺も限界だったんだよ。ちょうどおっさんが旦那様ににおわす事を言われたって言ってたから、なら俺がってなっただけだ」

「そうか、悪いな」

「気にするな」

「それでだ」

「何だ」

「お前、俺の可愛い妹を嫁に欲しいのか?」

「当たり前だろ」

「ならお前が貴族になれ」

「は?」

「俺は可愛い妹を平民にしたくない」

「それは、」

「お前は嫁に欲しい」

「ああ、譲る気はない」

「今更お前達の邪魔はしないさ」

「なら何だよ」

「ローラの婿になってお前が嫁いでこい」

「は?」

「だから、」

「言ってる事は分かってるよ!」

「そうか」

「俺が嫁いで婿になるのは別に良い。ローラと結婚出来るならどんな形でも文句言うつもりはない」

「なら良かったよ」

「お前は?」

「俺か?俺の補佐をお前がしろ」

「は?」

「俺が当主になる。当主の権限でお前を婿と認める」

「そんな事出来るのか?」

「まあ他の貴族はしないだろうな。後継者争いの火種になるだけだしな」

「だろうな」

「でもお前もこの邸で育った家族だろ?家族は一緒に暮らさないとな。あ、でも大丈夫だぞ?離れを建ててやる」

「当たり前だ」

「俺だって嫌だよ。可愛い妹とお前の情事なんて聞きたくない」

「誰にも聞かせる訳ないだろ」

「お前は騎士団で働いても良いけど、形は俺の補佐だ」

「補佐って何やるんだよ」

「執事みたいな事だけど、まあ簡単に言えば付き人?   

俺の家の爵位なんてあってないようなものだ。平民の男を婿に取っても別に関係ないさ」

「揉めると思うけどな」

「他の貴族からはな」

「だろ?」

「それでも今以上落ちるものはない」

「お前らしいわ」

「だろ?それにだ、隣国とのパイプも作ってきたからこの国の貴族に爪弾きされても問題ない」

「流石だな」

「だろ?」

「お兄様?」

「ローラも聞いていたな」

「はい」

「ローラもそれで良いな?」

「お兄様が許してくれるなら」

「俺はローラともクロードとも離れたくない。俺達は子供の頃から一緒に育ってきただろ?」

「そうだけど」

「ローラは勿論俺の可愛い妹だ」

「そうね」

「クロードも俺の可愛い弟だ」

「そう、ね?」

「何だ?」

「可愛い、の?」

「手のかかる可愛い弟だ。それに親友でもある」

「そう」

「俺はお前達と一緒に暮していきたい」



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