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後日聞いた話では、エステル様は最後まで、自分は悪くないと言って暴れていたみたいだけど、縛られ馬車に無理矢理乗せられ修道院へ送られた。 セシム様も鉱山へ送られた。
エステル様のご両親は子爵になり、新たに領地を与えられ、荒れ果てた領地を一から出直すみたい。孤児院育ちの若者を集い、一緒に領地を開拓すると聞いた。
公爵領は一度国預かりになるみたいだけど、第二王子が婚姻したら公爵を賜り、公爵領は第二王子が所有する事になったそう。
あの夜会の次の日から私は早速チャーリーと王都にある五箇所の孤児院をどうするか話し合った。そこにエステル様のお母様もお見えになり、
「ブラウニー侯爵家に私が足を踏み入れるべきではありませんが、私も話し合いに参加させて頂けますでしょうか」
「勿論です」
「ありがとうございます。私の事はアイリーンとお呼び下さい」
「いえ、元王女殿下の名を呼ぶなど出来ません」
「いえ、私は子爵夫人です。チャーリー様やエミリーヌ様より下位貴族なのでどうぞ名で呼んで下さいませ」
「でしたら、俺の事はチャーリーでお願いします。これからは孤児院を護る協力者で同士です。侯爵とか子爵とかなしでいきませんか?」
「私もエミリーヌと」
「では、その様に」
「はい。後、話し合いでは遠慮は入りません。遠慮していたら良い案は浮かばない」
「分かりましたわ」
「じゃあ話し合いをしますか」
「そうね」
「ええ」
「あの、アイリーン様、一つお聞きしても?」
「どうぞ」
「ありがとうございます。アイリーン様は旦那様に付いて行かなくて良かったのですか?」
「あちらの領地では私は足手まといになります。孤児院育ちの若者と一緒に一から出直す旦那様の足手まといになるよりは、私は王都に残り孤児院の子達の為に教える事が沢山あります。お互い王都と領地を行き来しようと、そしてお互い頑張ろうと励まし合ってますのよ」
「孤児院育ちの若者に職を与えたのですか?」
「与えたと言っても荒れ果てた土地です。あるのは古びた邸だけです。皆で邸に住み、一から耕し領地経営出来るまで数年は掛かります」
「それでも働く場所と住む家があれば充分です。後は食べ物ですが…」
「公爵としての蓄えまで没収されませんでした。陛下の御慈悲のお陰です。贅沢な暮らしをしなければ数年は暮らしていけます」
「ではアイリーン様は今何処で暮らしているのですか?公爵家ですか?」
「公爵家は没収されました。私は他の子爵の方々が住む少し外れの所に小さい家を借りました。最低限の使用人は居ますが、私が王女の時から仕えてくれた者達です。贅沢をしなければ暮らしていけます」
「ならお給金は受け取るべきだと思います。それは正当な権利ですわ」
「ですが、これは私の贖罪ですので」
「ですが、蓄えだけで暮らしていけるのは、もって数年です。領地経営が出来た所で全員の生活が出来るまで賄えるかどうか分かりません。少ない給金でも受け取るべきだと思いますわ」
「ちょっとエリー、少ない給金って…。確かに多くは出せないけど、実力に応じて出すつもりだよ?」
「分かってるけど、どれだけ出せるか分からない内は少ないって言っておいた方が良いのよ」
「俺もそのつもりでいるけど、俺の立場も分かってくれよ」
「分かってるわよ?ミリー商会の経営者として頑張って、ね?」
「頑張るよ?それでもさぁ……」
「ふふっ。二人は仲が良いのね。今更何を言っても仕方ないのだけど、エステルがエミリーヌ様の様にチャーリー様に寄り添って居たなら……。今更ね、ごめんなさい」
「いえ…」
「さあ、話し合いをしよう!」
「そうね。チャーリーはどう考えてるの?」
「うん。まあ、物資は必要だね。紙とペン、絵本も数冊欲しい。初めは絵本を読み聞かせ文字に興味を持って貰わないと」
「そうね。絵本の読み聞かせならシスターでも出来るわね」
「教えるのは別としても読み聞かせはシスターに助けて欲しいかな。毎日読み聞かせして欲しいからね。後は男の子には模擬刀を数本、女の子には布と針と刺繍糸かな。後は、絵が好きな子には色々な色の鉛筆や、料理が好きな子には包丁の持ち方作り方まで教えれば、孤児院の食事は作れる様になると思う。作れば作るだけ上達も早い、それなら街の食堂でも働けるしね」
「なら、教える方は騎士とお針子と料理人?」
「後はメイドはどうでしょう」
「アイリーン様、メイドとは?」
「平民が無料の学校へ通い、メイドの動きを一から教えます。騎士やお針子や料理人もそこで基礎を習いますわよね。それならメイドも選択肢として入れてはどうかと思いまして。孤児院で教える目的は文字の読み書きが一番ですわよね?」
「はい」
「騎士やお針子、料理人やメイド、それぞれ教える人を雇いますが、それでも基礎を叩き込む程度でよろしいのではなくて?」
「そうですね。隣国では貴族と裕福な家庭の平民しか学校へ通いません。後は親から教わり見様見真似で覚えます」
「この国は平民は無料の学校へ通えます。孤児院の子達も同様ですわ。それなら文字の読み書きを重点に教え、後は自分が将来なりたい職、自分に合った職を見つけるお手伝いをした方がよろしいかと思いますわ。メイドの基礎は食堂で働く時でも役に立つと思いますの」
「確かにそうですね。自分に合った職を見つけれるのは良い事だと思います」
エステル様のご両親は子爵になり、新たに領地を与えられ、荒れ果てた領地を一から出直すみたい。孤児院育ちの若者を集い、一緒に領地を開拓すると聞いた。
公爵領は一度国預かりになるみたいだけど、第二王子が婚姻したら公爵を賜り、公爵領は第二王子が所有する事になったそう。
あの夜会の次の日から私は早速チャーリーと王都にある五箇所の孤児院をどうするか話し合った。そこにエステル様のお母様もお見えになり、
「ブラウニー侯爵家に私が足を踏み入れるべきではありませんが、私も話し合いに参加させて頂けますでしょうか」
「勿論です」
「ありがとうございます。私の事はアイリーンとお呼び下さい」
「いえ、元王女殿下の名を呼ぶなど出来ません」
「いえ、私は子爵夫人です。チャーリー様やエミリーヌ様より下位貴族なのでどうぞ名で呼んで下さいませ」
「でしたら、俺の事はチャーリーでお願いします。これからは孤児院を護る協力者で同士です。侯爵とか子爵とかなしでいきませんか?」
「私もエミリーヌと」
「では、その様に」
「はい。後、話し合いでは遠慮は入りません。遠慮していたら良い案は浮かばない」
「分かりましたわ」
「じゃあ話し合いをしますか」
「そうね」
「ええ」
「あの、アイリーン様、一つお聞きしても?」
「どうぞ」
「ありがとうございます。アイリーン様は旦那様に付いて行かなくて良かったのですか?」
「あちらの領地では私は足手まといになります。孤児院育ちの若者と一緒に一から出直す旦那様の足手まといになるよりは、私は王都に残り孤児院の子達の為に教える事が沢山あります。お互い王都と領地を行き来しようと、そしてお互い頑張ろうと励まし合ってますのよ」
「孤児院育ちの若者に職を与えたのですか?」
「与えたと言っても荒れ果てた土地です。あるのは古びた邸だけです。皆で邸に住み、一から耕し領地経営出来るまで数年は掛かります」
「それでも働く場所と住む家があれば充分です。後は食べ物ですが…」
「公爵としての蓄えまで没収されませんでした。陛下の御慈悲のお陰です。贅沢な暮らしをしなければ数年は暮らしていけます」
「ではアイリーン様は今何処で暮らしているのですか?公爵家ですか?」
「公爵家は没収されました。私は他の子爵の方々が住む少し外れの所に小さい家を借りました。最低限の使用人は居ますが、私が王女の時から仕えてくれた者達です。贅沢をしなければ暮らしていけます」
「ならお給金は受け取るべきだと思います。それは正当な権利ですわ」
「ですが、これは私の贖罪ですので」
「ですが、蓄えだけで暮らしていけるのは、もって数年です。領地経営が出来た所で全員の生活が出来るまで賄えるかどうか分かりません。少ない給金でも受け取るべきだと思いますわ」
「ちょっとエリー、少ない給金って…。確かに多くは出せないけど、実力に応じて出すつもりだよ?」
「分かってるけど、どれだけ出せるか分からない内は少ないって言っておいた方が良いのよ」
「俺もそのつもりでいるけど、俺の立場も分かってくれよ」
「分かってるわよ?ミリー商会の経営者として頑張って、ね?」
「頑張るよ?それでもさぁ……」
「ふふっ。二人は仲が良いのね。今更何を言っても仕方ないのだけど、エステルがエミリーヌ様の様にチャーリー様に寄り添って居たなら……。今更ね、ごめんなさい」
「いえ…」
「さあ、話し合いをしよう!」
「そうね。チャーリーはどう考えてるの?」
「うん。まあ、物資は必要だね。紙とペン、絵本も数冊欲しい。初めは絵本を読み聞かせ文字に興味を持って貰わないと」
「そうね。絵本の読み聞かせならシスターでも出来るわね」
「教えるのは別としても読み聞かせはシスターに助けて欲しいかな。毎日読み聞かせして欲しいからね。後は男の子には模擬刀を数本、女の子には布と針と刺繍糸かな。後は、絵が好きな子には色々な色の鉛筆や、料理が好きな子には包丁の持ち方作り方まで教えれば、孤児院の食事は作れる様になると思う。作れば作るだけ上達も早い、それなら街の食堂でも働けるしね」
「なら、教える方は騎士とお針子と料理人?」
「後はメイドはどうでしょう」
「アイリーン様、メイドとは?」
「平民が無料の学校へ通い、メイドの動きを一から教えます。騎士やお針子や料理人もそこで基礎を習いますわよね。それならメイドも選択肢として入れてはどうかと思いまして。孤児院で教える目的は文字の読み書きが一番ですわよね?」
「はい」
「騎士やお針子、料理人やメイド、それぞれ教える人を雇いますが、それでも基礎を叩き込む程度でよろしいのではなくて?」
「そうですね。隣国では貴族と裕福な家庭の平民しか学校へ通いません。後は親から教わり見様見真似で覚えます」
「この国は平民は無料の学校へ通えます。孤児院の子達も同様ですわ。それなら文字の読み書きを重点に教え、後は自分が将来なりたい職、自分に合った職を見つけるお手伝いをした方がよろしいかと思いますわ。メイドの基礎は食堂で働く時でも役に立つと思いますの」
「確かにそうですね。自分に合った職を見つけれるのは良い事だと思います」
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