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「お主は貴族だな?」
「はい」
「学園も出たな?」
「はい」
「ならば、学園で学んだはずだ。当主とは何だ」
「当主とは家を護り、自領を護る事だと思います」
「では、貴族とは何だ」
「貴族とは…その…」
「贅沢し暮らす事か?」
「贅沢ではないですが、自領が発展してる以上、自分の趣味にお金を使う事もあるかと思います。女性達もドレスや宝石を着飾り社交致します」
「そうだな。だがな、貴族とは私に忠誠心を持ち臣下として私を支える事だ」
「私も陛下に臣下として忠誠心を持っております」
「そうなのか?」
「はい、勿論です」
「ならば当主として、キャメル侯爵家の代表としてお主は私に忠誠は誓ってない」
「陛下、お言葉を返すようですが、忠誠を誓ってないなどお言葉が過ぎると思います」
「ならばお主が邸をあけていた事を私が知らぬとはどう言う事だ」
「それは…、そうです、慌ててたので」
「慌ててたか」
「はい」
「ならば行き先を誰も知らぬとはどういう事か説明せよ」
「それは…」
「ならば家出と判断された娘が誘拐されたとでも思ったのか」
「誘拐とも思いました」
「ならば金銭の要求があったのか」
「ありませんでした。ですから、家出と思い探しに出たのです」
「確かに邸をあける事は許されておる。領地に向かい見て回るのも当主として当然の事だ。領地ならば連絡が取れる。当主が邸を留守にしても、当主の代わりとして時期当主が居るのだ。だかな、時期当主でも当主の居場所を知らぬとはどういう事なのだ。
此度、私は侯爵領の報告を聞きたいとキャメル侯爵家へ書簡を送った。お主が出掛けてるなど知らぬからだ。出掛けてるいると知っておったなら、帰って来てから報告を聞く事も出来た。
お主も学園を出たなら習ったはずだ。当主になる者は長期に渡り邸を留守にする場合、国へ知らせる義務がある事を」
「それは…」
「知らぬのか」
「習ったとは思いますが…」
「知らぬのだな」
「それは…」
「どちらだ、はっきり答えよ」
「…知りませんでした」
「未熟な臣下など私はいらぬ」
「へ、陛下」
「宰相」
「こちらです」
陛下は数枚の紙を受け取った。
「お主等は家出した娘を何処に探しに出たのだ、答えよ」
「王都は騎士団が探しても見つからなかった為、近場の領地から順に探しました」
「お主が身を隠す場合、お主は目立つ所か目立たぬ所かどちらに隠れる」
「目立たない所だと思います」
「ならばお主等は見当違いな所ばかり探したのだな」
「違います」
「ほう、違うとな」
「はい、違います」
「お主等が探した場所は領地でも栄えてる街だ。貴族相手に商売をする店ばかりが建ち並ぶな。その様な目立つ所ばかりではないか」
「それは…」
「宿泊したのも貴族が泊まるホテルばかり」
「それは、私達が貴族だからです」
「だが、目立つ所だ」
「それは…」
「お主等が貴族だから安全の為にホテルで宿泊したとしても、この様な高級な部屋に泊まる必要がどこにある」
「私達は侯爵です。それに私は当主です。安い部屋に泊まる事は出来ません」
「娘を探しに出たのだろう?ホテルの部屋では寝るだけのはずだ、違うか」
「それは、妻が馬車に揺られ疲れたと」
「例え疲れたとしてもお主等は二ヶ月近くの間、高級な部屋に泊まり、貴族相手の街へ出掛け、食事も高級な店で食事した。それにだ、各領地でドレスやら絵画やら購入しておる様だが、娘を探しに出たのだろう?違うのか?」
「そうです」
「もし家出した娘を探しに出たのなら、平民の街や平民が泊まる安価な宿屋を探すのではないのか?」
「貴族の私達が平民と同じ所で泊まる事など出来ません」
「ならばお主等も平民が着る服装で平民に紛れて探せばよかろう」
「それは余りにも危険です」
「その様な格好では危険だが、平民が着る服装ならば目立たぬぞ?」
「それは…」
「目立たぬとは平民に紛れる事だ。平民が着る服装で平民が泊まる安価な宿屋に泊まり、目立たぬ様に息を潜める。隠れるならそうするだろう。
お主等は平民の街は探したのか」
「いえ、娘は貴族です。平民の街へ身を隠すなど思いませんでした」
「お主は先程隠れるなら目立たぬ所と言ったな。ならば、貴族が居る所と平民が居る所、どちらが目立たぬと思う」
「それは…」
「はっきり答えよ」
「平民が居る所だと、思います」
「ならばこの金銭はどう説明する」
陛下は数枚の紙を見せた。
「これは、」
「お主等がこの二ヶ月していた事は娘探しではなく、ただの旅行だ!」
「………」
「旅行に出掛けるならば国へ報告する義務がある。お主は学園を卒業したのにも関わらず、報告する義務を知らなかった。未熟と言わず何と言う」
「………」
「答えれぬという事はお主は自分が未熟だと認めたと同じ事。
先程も言ったな、未熟な臣下などいらぬ」
「はい」
「学園も出たな?」
「はい」
「ならば、学園で学んだはずだ。当主とは何だ」
「当主とは家を護り、自領を護る事だと思います」
「では、貴族とは何だ」
「貴族とは…その…」
「贅沢し暮らす事か?」
「贅沢ではないですが、自領が発展してる以上、自分の趣味にお金を使う事もあるかと思います。女性達もドレスや宝石を着飾り社交致します」
「そうだな。だがな、貴族とは私に忠誠心を持ち臣下として私を支える事だ」
「私も陛下に臣下として忠誠心を持っております」
「そうなのか?」
「はい、勿論です」
「ならば当主として、キャメル侯爵家の代表としてお主は私に忠誠は誓ってない」
「陛下、お言葉を返すようですが、忠誠を誓ってないなどお言葉が過ぎると思います」
「ならばお主が邸をあけていた事を私が知らぬとはどう言う事だ」
「それは…、そうです、慌ててたので」
「慌ててたか」
「はい」
「ならば行き先を誰も知らぬとはどういう事か説明せよ」
「それは…」
「ならば家出と判断された娘が誘拐されたとでも思ったのか」
「誘拐とも思いました」
「ならば金銭の要求があったのか」
「ありませんでした。ですから、家出と思い探しに出たのです」
「確かに邸をあける事は許されておる。領地に向かい見て回るのも当主として当然の事だ。領地ならば連絡が取れる。当主が邸を留守にしても、当主の代わりとして時期当主が居るのだ。だかな、時期当主でも当主の居場所を知らぬとはどういう事なのだ。
此度、私は侯爵領の報告を聞きたいとキャメル侯爵家へ書簡を送った。お主が出掛けてるなど知らぬからだ。出掛けてるいると知っておったなら、帰って来てから報告を聞く事も出来た。
お主も学園を出たなら習ったはずだ。当主になる者は長期に渡り邸を留守にする場合、国へ知らせる義務がある事を」
「それは…」
「知らぬのか」
「習ったとは思いますが…」
「知らぬのだな」
「それは…」
「どちらだ、はっきり答えよ」
「…知りませんでした」
「未熟な臣下など私はいらぬ」
「へ、陛下」
「宰相」
「こちらです」
陛下は数枚の紙を受け取った。
「お主等は家出した娘を何処に探しに出たのだ、答えよ」
「王都は騎士団が探しても見つからなかった為、近場の領地から順に探しました」
「お主が身を隠す場合、お主は目立つ所か目立たぬ所かどちらに隠れる」
「目立たない所だと思います」
「ならばお主等は見当違いな所ばかり探したのだな」
「違います」
「ほう、違うとな」
「はい、違います」
「お主等が探した場所は領地でも栄えてる街だ。貴族相手に商売をする店ばかりが建ち並ぶな。その様な目立つ所ばかりではないか」
「それは…」
「宿泊したのも貴族が泊まるホテルばかり」
「それは、私達が貴族だからです」
「だが、目立つ所だ」
「それは…」
「お主等が貴族だから安全の為にホテルで宿泊したとしても、この様な高級な部屋に泊まる必要がどこにある」
「私達は侯爵です。それに私は当主です。安い部屋に泊まる事は出来ません」
「娘を探しに出たのだろう?ホテルの部屋では寝るだけのはずだ、違うか」
「それは、妻が馬車に揺られ疲れたと」
「例え疲れたとしてもお主等は二ヶ月近くの間、高級な部屋に泊まり、貴族相手の街へ出掛け、食事も高級な店で食事した。それにだ、各領地でドレスやら絵画やら購入しておる様だが、娘を探しに出たのだろう?違うのか?」
「そうです」
「もし家出した娘を探しに出たのなら、平民の街や平民が泊まる安価な宿屋を探すのではないのか?」
「貴族の私達が平民と同じ所で泊まる事など出来ません」
「ならばお主等も平民が着る服装で平民に紛れて探せばよかろう」
「それは余りにも危険です」
「その様な格好では危険だが、平民が着る服装ならば目立たぬぞ?」
「それは…」
「目立たぬとは平民に紛れる事だ。平民が着る服装で平民が泊まる安価な宿屋に泊まり、目立たぬ様に息を潜める。隠れるならそうするだろう。
お主等は平民の街は探したのか」
「いえ、娘は貴族です。平民の街へ身を隠すなど思いませんでした」
「お主は先程隠れるなら目立たぬ所と言ったな。ならば、貴族が居る所と平民が居る所、どちらが目立たぬと思う」
「それは…」
「はっきり答えよ」
「平民が居る所だと、思います」
「ならばこの金銭はどう説明する」
陛下は数枚の紙を見せた。
「これは、」
「お主等がこの二ヶ月していた事は娘探しではなく、ただの旅行だ!」
「………」
「旅行に出掛けるならば国へ報告する義務がある。お主は学園を卒業したのにも関わらず、報告する義務を知らなかった。未熟と言わず何と言う」
「………」
「答えれぬという事はお主は自分が未熟だと認めたと同じ事。
先程も言ったな、未熟な臣下などいらぬ」
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