2 / 13
2
しおりを挟む私はジュリア。伯爵家に産まれた。16歳の時、3歳年上の侯爵家のアーロン様と婚約した。家と家の繋がりの政略。
貴族なら仕方がない事よ。恋愛結婚なんてほとんど無いに等しいもの。私の友達も政略結婚で嫁いでいった。
初顔合わせの時アーロン様は言った。
「政略結婚になるけどこれからお互い知っていこう。そしたらいつかこの結婚が幸せだと思えるようになるよ」
アーロン様は私と過ごす時間を大事にしてくれた。庭でお茶をしたり、観劇に行けば帰りは一緒に食事をする。薔薇園へ行けば手を繋いだ。
婚約して1年が過ぎた頃、もうそろそろ結婚かと思っていたら、
「姉上は学園を卒業出来なかった事を今でも後悔しているみたいなんだ。卒業パーティーに出たかったと未だに言っているんだ。だからジュリアには後悔してほしくない。ジュリアの卒業パーティーは俺にエスコートさせてくれないか?」
「お願いします。私も卒業パーティーが楽しみになりました」
「ジュリアが学園を卒業したら直ぐに俺と結婚しような」
アーロン様のお姉様は学園を途中で辞めて嫁いだ。結婚が決まると学園を辞める女生徒は多い。卒業するまで残っている女生徒は半分以下。嬉しいような悲しいような。それでもアーロン様の優しさが私は嬉しかった。
卒業まで学園にいると売れ残りと言われているのは知っている。それでも私のように婚約者がいる人は少し違うけど。
それに卒業パーティーはとても華やかと聞いた。婚約者にエスコートされ一緒にダンスを踊る。卒業パーティーを楽しみにしている女生徒は多い。私も卒業パーティーが楽しみになった。
私は優しくて誠実なアーロン様に好意を持った。
私の誕生日の日は朝早くに来て、
「誕生日おめでとう。一番初めに俺が祝ってあげたかったんだ。それにジュリアの顔を朝一番で見たかった」
可愛い髪飾りを貰い、花束を貰った。
その日は学園まで迎えに来てくれてそのままデートへ出かける。一緒にケーキを食べ話をする。
「ジュリア、俺達は政略結婚だ。それでも俺を一生愛してくれるか?」
「はい、私はアーロン様を一生愛します」
「どんな俺でもか?どんな俺でも一生側に居てくれるか?」
「はい、アーロン様は優しい方です。誠実な方です。私は一生アーロン様の側に居たいです」
「そうか、良かった。なぁジュリア、俺は愛する人との子が欲しい。ジュリアは子供何人欲しい?俺は出来れば愛する人に良く似た女の子が欲しい。絶対可愛い子になる。絶対に嫁には出さない」
「男の子かもしれませんよ?」
「男の子か…、そしたら格好いい子になるだろうな…、それはそれで心配だ。女性に誠実な子になってほしい」
「私はアーロン様に似た子が欲しいです。産めるなら何人でも…」
私は顔を赤らめて俯いた。
「ジュリアは本当に可愛いな。早く結婚したいよ」
アーロン様と将来の話をする。アーロン様の優しく私を見つめる瞳に、優しい態度に私はどんどんアーロン様を好きになっていった。
学園を卒業する1ヶ月前、
「ジュリア、ようやく卒業だな。約束通り卒業したら俺と結婚してほしい。俺と夫婦になってくれるか?」
「はい」
「良かった。断られたらどうしようかと思ったよ。一生大事にする。幸せになろうな」
「はい、お願いします」
私は毎日ウエディングドレスを見ていた。これを着てアーロン様に嫁ぐ日を夢見て。
婚約して2年、私は幸せだった。アーロン様に恋をした。
アーロン様の優しさに、誠実さに私は幸せな結婚生活が送れると疑わなかった。政略結婚でも幸せになれると疑わなかった。
アーロン様にエスコートされ一緒に踊ったダンス。楽しみだった卒業パーティーも無事に終わり婚姻式の一週間前、
「ジュリアと結婚したら俺は父上から当主を受け継ぐ。当主夫人としてジュリアも俺を助けてくれないか」
「私で出来る事なら」
「賢いジュリアなら大丈夫だ」
私は当主夫人としてアーロン様を助けようと、私に出来る事なら何でもやろうと、そう心に誓った。
愛する人を一生側で支える、そう心に誓った。
213
あなたにおすすめの小説
お認めください、あなたは彼に選ばれなかったのです
・めぐめぐ・
恋愛
騎士である夫アルバートは、幼馴染みであり上官であるレナータにいつも呼び出され、妻であるナディアはあまり夫婦の時間がとれていなかった。
さらにレナータは、王命で結婚したナディアとアルバートを可哀想だと言い、自分と夫がどれだけ一緒にいたか、ナディアの知らない小さい頃の彼を知っているかなどを自慢げに話してくる。
しかしナディアは全く気にしていなかった。
何故なら、どれだけアルバートがレナータに呼び出されても、必ず彼はナディアの元に戻ってくるのだから――
偽物サバサバ女が、ちょっと天然な本物のサバサバ女にやられる話。
※頭からっぽで
※思いつきで書き始めたので、つたない設定等はご容赦ください。
※夫婦仲は良いです
※私がイメージするサバ女子です(笑)
※第18回恋愛小説大賞で奨励賞頂きました! 応援いただいた皆さま、お読みいただいた皆さま、ありがとうございました♪
9年ぶりに再会した幼馴染に「幸せに暮らしています」と伝えたら、突然怒り出しました
柚木ゆず
恋愛
「あら!? もしかして貴方、アリアン!?」
かつてわたしは孤児院で暮らしていて、姉妹のように育ったソリーヌという大切な人がいました。そんなソリーヌは突然孤児院を去ってしまい行方が分からなくなっていたのですが、街に買い物に出かけた際に9年ぶりの再会を果たしたのでした。
もう会えないと思っていた人に出会えて、わたしは本当に嬉しかったのですが――。現状を聞かれたため「とても幸せに暮らしています」と伝えると、ソリーヌは激しく怒りだしてしまったのでした。
結婚式当日に私の婚約者と駆け落ちした妹が、一年後に突然帰ってきました
柚木ゆず
恋愛
「大変な目に遭ってっ、ナルシスから逃げてきたんですっ! お父様お姉様っ、助けてくださいっ!!」
1年前、結婚式当日。当時わたしの婚約者だったナルシス様と駆け落ちをした妹のメレーヌが、突然お屋敷に現れ助けを求めてきました。
ふたりは全てを捨ててもいいから一緒に居たいと思う程に、相思相愛だったはず。
それなのに、大変な目に遭って逃げてくるだなんて……。
わたしが知らないところで、何があったのでしょうか……?
婚約者と家族に裏切られたので小さな反撃をしたら、大変なことになったみたいです
柚木ゆず
恋愛
コストール子爵令嬢マドゥレーヌ。彼女はある日、実父、継母、腹違いの妹、そして婚約者に裏切られ、コストール家を追放されることとなってしまいました。
ですがその際にマドゥレーヌが咄嗟に口にした『ある言葉』によって、マドゥレーヌが去ったあとのコストール家では大変なことが起きるのでした――。
【完結】私に可愛げが無くなったから、離縁して使用人として雇いたい? 王妃修行で自立した私は離縁だけさせてもらいます。
西東友一
恋愛
私も始めは世間知らずの無垢な少女でした。
それをレオナード王子は可愛いと言って大層可愛がってくださいました。
大した家柄でもない貴族の私を娶っていただいた時には天にも昇る想いでした。
だから、貴方様をお慕いしていた私は王妃としてこの国をよくしようと礼儀作法から始まり、国政に関わることまで勉強し、全てを把握するよう努めてまいりました。それも、貴方様と私の未来のため。
・・・なのに。
貴方様は、愛人と床を一緒にするようになりました。
貴方様に理由を聞いたら、「可愛げが無くなったのが悪い」ですって?
愛がない結婚生活などいりませんので、離縁させていただきます。
そう、申し上げたら貴方様は―――
おさななじみの次期公爵に「あなたを愛するつもりはない」と言われるままにしたら挙動不審です
ワイちゃん
恋愛
伯爵令嬢セリアは、侯爵に嫁いだ姉にマウントをとられる日々。会えなくなった幼馴染とのあたたかい日々を心に過ごしていた。ある日、婚活のための夜会に参加し、得意のピアノを披露すると、幼馴染と再会し、次の日には公爵の幼馴染に求婚されることに。しかし、幼馴染には「あなたを愛するつもりはない」と言われ、相手の提示するルーティーンをただただこなす日々が始まり……?
婚約者マウントを取ってくる幼馴染の話をしぶしぶ聞いていたら、あることに気が付いてしまいました
柚木ゆず
恋愛
「ベルティーユ、こうして会うのは3年ぶりかしらっ。ねえ、聞いてくださいまし! わたくし一昨日、隣国の次期侯爵様と婚約しましたのっ!」
久しぶりにお屋敷にやって来た、幼馴染の子爵令嬢レリア。彼女は婚約者を自慢をするためにわざわざ来て、私も婚約をしていると知ったら更に酷いことになってしまう。
自分の婚約者の方がお金持ちだから偉いだとか、自分のエンゲージリングの方が高価だとか。外で口にしてしまえば大問題になる発言を平気で行い、私は幼馴染だから我慢をして聞いていた。
――でも――。そうしていたら、あることに気が付いた。
レリアの婚約者様一家が経営されているという、ルナレーズ商会。そちらって、確か――
私の宝物を奪っていく妹に、全部あげてみた結果
柚木ゆず
恋愛
※4月27日、本編完結いたしました。明日28日より、番外編を投稿させていただきます。
姉マリエットの宝物を奪うことを悦びにしている、妹のミレーヌ。2人の両親はミレーヌを溺愛しているため咎められることはなく、マリエットはいつもそんなミレーヌに怯えていました。
ですが、ある日。とある出来事によってマリエットがミレーヌに宝物を全てあげると決めたことにより、2人の人生は大きく変わってゆくのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる