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夕食の準備が終わるまで居間のソファーでお父様と3人で話をする。
「父上、本当にありがとうございました」
「ふふっ、お父様見て」
「ん?何だ?」
「ガイの尻尾」
「尻尾?」
お父様は身を乗り出して見ている。
「ものすごく揺れてるでしょ?」
「そうだな」
「ガイってたまに表情に出ない時があるんだけど、尻尾や耳を見ると一目瞭然なの。嬉しい時はこうなるし、不安な時は尻尾が垂れ下がるの。怒ってる時はピンってするし、ガイよりとても素直なのよ?」
「ハハハッ、ならこれからは尻尾を見れば直ぐに分かるな」
「そうなの!」
「止めて下さい、二人共」
「ほら今、ちょっと尻尾の揺れが収まった。恥ずかしいの?」
「当たり前だろ」
「ね?お父様素直でしょ?」
「その様だ」
「父上」
「ガイ君」
「はい」
「そう硬くなるな。私も、嫌、俺も家では力を抜くぞ?」
「ですが、俺はその、平民なので」
「確かに身分と言うものがある。だけどもう息子だ、貴族とか平民とか家族には関係ないものだろ?」
「よろしいのですか?」
「ああ、構わないよ。俺も外の顔と内の顔は違う」
「はい」
「ガイと呼んで良いか?」
「はい」
「ガイ、お前は俺の家族だ。俺はお前に内の顔を見せる、だからガイも内の顔を見せて欲しい」
「はい。その変わり、言葉使いが悪いですが…」
「構うものか、俺も家では堅苦しい言葉使いなんかしないさ」
「そうよ?お父様もケビンお兄様も楽に話してるわ。お兄様もそうだったわ」
「そうだったな。クロードが奴等って言うからアイリスまで奴等って言った時は流石に驚いたがな」
「お父様!」
「ハハハッ」
「もう!」
「アイリスも奴等なんて言うんだ」
「子供の頃よ?お兄様と一緒にいる時が多かったからお兄様の口癖が移ってたの」
「アイリス、貴族令嬢だろ?」
「それを言わないで!」
「ガイ、そもそも貴族令嬢は木登りなんかせんよ」
「確かに」
「もう、二人して」
食事の準備が出来たみたいでロナルドが呼びに来た。私達は隣の食堂に移動した。
ケビンお兄様とお義姉様、ソニックとアンネが先に席に付いていた。お母様の姿はないけど…。
「ガイ君だったか?」
「はい」
「ソフィアから聞いた、ソニックと遊んでくれたみたいですまなかったな」
「いえ」
「ソニックも楽しかったみたいだ。また遊んでやって欲しい」
「はい、喜んで」
「アイリスは俺の可愛い妹だ」
「はい」
「頼むぞ」
「はい、ありがとうございます」
ガイはケビンお兄様に頭を下げた。
「ガイ、もう頭を上げてくれ」
ガイは頭を上げ、ケビンお兄様を見る。
「ガイは俺の弟だ」
「はい、お願いします」
「俺さ弟欲しかったんだよ、これからよろしくな」
「はい、お願いします兄上」
いつもの様にアンネの隣に座ろうとしたけど、今日はガイの隣がいいわよね。ガイに声をかけようとしたら、
「兄様は僕の隣に座って下さい」
「ソニックの隣良いのか?」
「はい」
「ガイ、良いの?私も隣に座るわ」
「大丈夫だよ」
「そう?」
「ソニック、俺に教えてくれるか?」
「何をです?」
「俺、こういう畏まったご飯食べないからさ」
「はい、僕教えます。兄様の役に立てて良かったです。兄様、今日は僕と一緒に寝て下さい」
「それは…」
「ソニック、ガイを困らすな」
「ですが父様」
「ガイすまんな」
「いえ」
「なら兄様はどこで寝るのです?」
「俺か…俺は外で寝るから大丈夫だ」
「兄様!」
「何だ?」
「外で寝ると風邪をひきます」
「ソニック、俺は獣人だから寒さには強いんだ」
「それでも駄目です。父様、どうしても僕と一緒に寝るのは駄目ですか?」
「ソニック」
「お祖父様」
「ガイにはちゃんと客間が用意してあるから心配するな」
「ならお祖父様、僕も客間で一緒に寝ても良いですか?」
「それはガイに聞いてみないとな」
「兄様」
「ソニック、また今度一緒に寝ような?」
「今日は駄目ですか?」
「今日は隊長の事も気になるし、ソニックがゆっくり寝れないといけないからな」
「そうです、隊長さんは?」
「隊長は…」
「ソニック、隊長さんはお兄様とお話中なの。二人は友達だから積もる話が沢山あるの」
「分かりました、姉様」
「後で姉様が隊長さんの様子見てくるわね?」
「はい」
「さあ、食べようか」
お父様の声でメイド達が料理を運んで来た。ソニックやアンネの勉強の為に一品づつ出てくるけど、本当はまとめて持ってきて欲しいとは言えないけど…。
ソニックはガイにフォークとナイフを教えながら食べている。この前まで教えられてた方なのに…。ふふっ、これも成長ね。 私はお義姉様を手伝いながらアンネに食べさせながら夕食を食べる。
作法の勉強も兼ねてる為、話すのはあまりよろしくない。けど全く話さない訳ではないけど。私はアンネにこれはお肉よって話ながら食べてる。アンネにはまだ小さく一口大に切り少しづつ食べさせている。
「父上、本当にありがとうございました」
「ふふっ、お父様見て」
「ん?何だ?」
「ガイの尻尾」
「尻尾?」
お父様は身を乗り出して見ている。
「ものすごく揺れてるでしょ?」
「そうだな」
「ガイってたまに表情に出ない時があるんだけど、尻尾や耳を見ると一目瞭然なの。嬉しい時はこうなるし、不安な時は尻尾が垂れ下がるの。怒ってる時はピンってするし、ガイよりとても素直なのよ?」
「ハハハッ、ならこれからは尻尾を見れば直ぐに分かるな」
「そうなの!」
「止めて下さい、二人共」
「ほら今、ちょっと尻尾の揺れが収まった。恥ずかしいの?」
「当たり前だろ」
「ね?お父様素直でしょ?」
「その様だ」
「父上」
「ガイ君」
「はい」
「そう硬くなるな。私も、嫌、俺も家では力を抜くぞ?」
「ですが、俺はその、平民なので」
「確かに身分と言うものがある。だけどもう息子だ、貴族とか平民とか家族には関係ないものだろ?」
「よろしいのですか?」
「ああ、構わないよ。俺も外の顔と内の顔は違う」
「はい」
「ガイと呼んで良いか?」
「はい」
「ガイ、お前は俺の家族だ。俺はお前に内の顔を見せる、だからガイも内の顔を見せて欲しい」
「はい。その変わり、言葉使いが悪いですが…」
「構うものか、俺も家では堅苦しい言葉使いなんかしないさ」
「そうよ?お父様もケビンお兄様も楽に話してるわ。お兄様もそうだったわ」
「そうだったな。クロードが奴等って言うからアイリスまで奴等って言った時は流石に驚いたがな」
「お父様!」
「ハハハッ」
「もう!」
「アイリスも奴等なんて言うんだ」
「子供の頃よ?お兄様と一緒にいる時が多かったからお兄様の口癖が移ってたの」
「アイリス、貴族令嬢だろ?」
「それを言わないで!」
「ガイ、そもそも貴族令嬢は木登りなんかせんよ」
「確かに」
「もう、二人して」
食事の準備が出来たみたいでロナルドが呼びに来た。私達は隣の食堂に移動した。
ケビンお兄様とお義姉様、ソニックとアンネが先に席に付いていた。お母様の姿はないけど…。
「ガイ君だったか?」
「はい」
「ソフィアから聞いた、ソニックと遊んでくれたみたいですまなかったな」
「いえ」
「ソニックも楽しかったみたいだ。また遊んでやって欲しい」
「はい、喜んで」
「アイリスは俺の可愛い妹だ」
「はい」
「頼むぞ」
「はい、ありがとうございます」
ガイはケビンお兄様に頭を下げた。
「ガイ、もう頭を上げてくれ」
ガイは頭を上げ、ケビンお兄様を見る。
「ガイは俺の弟だ」
「はい、お願いします」
「俺さ弟欲しかったんだよ、これからよろしくな」
「はい、お願いします兄上」
いつもの様にアンネの隣に座ろうとしたけど、今日はガイの隣がいいわよね。ガイに声をかけようとしたら、
「兄様は僕の隣に座って下さい」
「ソニックの隣良いのか?」
「はい」
「ガイ、良いの?私も隣に座るわ」
「大丈夫だよ」
「そう?」
「ソニック、俺に教えてくれるか?」
「何をです?」
「俺、こういう畏まったご飯食べないからさ」
「はい、僕教えます。兄様の役に立てて良かったです。兄様、今日は僕と一緒に寝て下さい」
「それは…」
「ソニック、ガイを困らすな」
「ですが父様」
「ガイすまんな」
「いえ」
「なら兄様はどこで寝るのです?」
「俺か…俺は外で寝るから大丈夫だ」
「兄様!」
「何だ?」
「外で寝ると風邪をひきます」
「ソニック、俺は獣人だから寒さには強いんだ」
「それでも駄目です。父様、どうしても僕と一緒に寝るのは駄目ですか?」
「ソニック」
「お祖父様」
「ガイにはちゃんと客間が用意してあるから心配するな」
「ならお祖父様、僕も客間で一緒に寝ても良いですか?」
「それはガイに聞いてみないとな」
「兄様」
「ソニック、また今度一緒に寝ような?」
「今日は駄目ですか?」
「今日は隊長の事も気になるし、ソニックがゆっくり寝れないといけないからな」
「そうです、隊長さんは?」
「隊長は…」
「ソニック、隊長さんはお兄様とお話中なの。二人は友達だから積もる話が沢山あるの」
「分かりました、姉様」
「後で姉様が隊長さんの様子見てくるわね?」
「はい」
「さあ、食べようか」
お父様の声でメイド達が料理を運んで来た。ソニックやアンネの勉強の為に一品づつ出てくるけど、本当はまとめて持ってきて欲しいとは言えないけど…。
ソニックはガイにフォークとナイフを教えながら食べている。この前まで教えられてた方なのに…。ふふっ、これも成長ね。 私はお義姉様を手伝いながらアンネに食べさせながら夕食を食べる。
作法の勉強も兼ねてる為、話すのはあまりよろしくない。けど全く話さない訳ではないけど。私はアンネにこれはお肉よって話ながら食べてる。アンネにはまだ小さく一口大に切り少しづつ食べさせている。
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