55 / 55
55 未来へ
しおりを挟むロザンヌお義姉様は男児を出産し、ウルーラお義姉様も男児を出産した。リリーも男児を出産した。
可愛い甥っ子の誕生に私は毎日甥っ子に会いに来てるわ。
「グレースここに居たのか。家にいなくて心配したんだぞ」
「ここに居る方が気が紛れるもの」
「無理はするなよ」
「大丈夫よ」
可愛い甥っ子はベッドの上で眠っている。
小さい手で私の指をギュッと握るの。それがもう本当に可愛くて可愛くて。
フランキーは私を自分の膝の上に座らせた。そして後ろから抱きしめるようにお腹に手を回した。
「まだ目立たないな」
「そんなに早く大きくならないわよ」
「そうだな。グレースの腹の中で大きくなれよ」
フランキーはお腹を優しく撫でる。
ロザンヌお義姉様の第一子誕生に国中がお祭り騒ぎ。次代の王太子になる男児だったこともあるけど一週間お祭りは続いたわ。私達も王宮でお祝いに来た貴族達の相手をしていたの。
一週間後ようやく落ち着いてきてフランキーに言われたの。
『もういいよな?』
フランキーと婚姻して決めた事がある。
男児でも女児でもフレディ義兄様とロザンヌお義姉様の第一子が誕生するまで私達は子を作らない。あと、婚姻して3年経ってもロザンヌお義姉様に子が授からない場合は子を作ろうって。
ロザンヌお義姉様が子が授からないと悩んでいたのもあるし、もし先に私達の子が産まれてそれが男児だった場合、それがこの後の争いになるのは避けたいと思ったから。
王族同士の婚姻、そして大国の王族を親類に持ちルータン国の元王女ウルーラお義姉様と義理の姉妹になった事で私はロザンヌお義姉様より更に立場が上になった。それはフランキーにも言える事。
だから第一子が無事産まれるまでは夫婦の営みの時子種を外に放っていたの。
男児が産まれるまで、私達も始めはそうしようと話してたの。でも女児しか産まれなかったら?もし子が授からなかったら?
私達だって子は欲しいもの。
それに時代は変わるわ。女性が騎士になる事だって、女王になる事だって出来る時代になるかもしれないわ。
だから子種を外に放っていてももし私達に子が授かったらその時はその時。また何か対策を考えればいい。私達に手を貸してくれる家族がここにいる。
その晩、初夜の時以来初めてフランキーは私の中で果てた。
ずっと私の中にいたフランキーの秘部。フランキーはそのまま幸せを噛みしめるかのように私を抱きしめた。
月の物の日以外は毎晩営みはするのよ?中で果てるか外で果てるかの違いだけ。でも私だってフランキーの子供を産みたいと思うわ。だからフランキーが中で果てた時嬉しいと思ったの。これで子供を授かれるかもしれないって。
それから数ヶ月後私の体調が悪くなり医師に診てもらったら子が出来たことが判明したの。
今はほんの少しだけお腹も膨らんできて体調も落ち着いたけど、悪阻もひどくて寝たきりだったわ。夜中に嘔吐する私の背中をフランキーはさすってくれたり、少し暇を見つけては家に戻って来てくれた。家に居る時はずっと付きっきりで私の世話をしてくれたの。
湯浴みが出来なかった時は体を拭いてくれたわ。飲み物しか飲めなかった時はオレンジを絞って飲ませてくれたわ。
悪阻が落ち着いたら今度は動く私が心配みたい。家の中を歩いていても走ってくるわ。甥っ子を見にこっちへ来る時なんてここは王宮なの?って思うくらい私の周りにメイドや騎士がいるの。
「家に帰るか?」
「そうね、でも帰る前に庭を散歩しましょ?」
「そうするか」
フランキーと手を繋いで庭を散歩する。優しい風が私達を通り過ぎる。
今はまだ小さいけど、ここで走り回る次代へ繋ぐ子達。あなた達の世代では女性が活躍する姿も、秘し隠す言葉も、第二王子だから女児だからそんな定めに振り回されない未来であってほしい。
愛する人と愛を紡ぎ夫婦になり家族になる。
そんな当たり前の世になってほしい。
「男の子かな?女の子かな?どっちでも俺達の元に産まれてきてくれるだけで嬉しいけどな。
でも男の子なら剣を教えたいし女の子なら……、いずれ嫁に出すのか…。
それでも愛する人と幸せになってほしい」
「そうね。この子にも愛を知ってほしいと思うわ」
数年後
「オスカー、ライリー、ここに居たのね」
「母上」
「ルーナがお兄様達はどこって探していたわよ」
「それは大変だ、すぐに帰らないと」
オスカーは10歳の長男、ライリーは8歳の次男。そしてルーナは3歳の長女。
オスカーもライリーも午前中は王子教育を受ける為に王宮へ行き午後からは訓練場で剣を振ってるわ。
フレディ義兄様には第一王子と第一王女が産まれたわ。
「兄上、まっ、待ってよ」
私の横を走って通り過ぎる子供達。
「アルバン、イザベラ、ルーナから離れろよ」
「俺達はルーナを愛でてるだけだ」
アルバンはお兄様の長男、イザベラは長女よ。
「アルバンは妹のイザベラを愛でればいいだろ?」
「イザベラは妹ではあるが同士だ。俺達はルーナを愛でる会を発足した」
「そんな会作るなよ」
「オスカー達は毎日会えるだろ」
「アルバンもイザベラも毎日会ってるだろ」
「当たり前だ、ルーナは俺達の女神だ」
「そうよそうよ」
アルバンもイザベラもルーナが産まれてから毎日家に来るわ。
なんか懐かしい光景よね?
「ほらほら言い合いしてるからルーナが驚いてキョトンとしているわよ」
「兄様達は喧嘩してる訳じゃないからな?」
「なかよち?」
「ああ、仲良しだぞ」
「うん」
本物の笑顔で笑い合う子供達の姿。
あなた達の笑顔がこれからもこの国に平和と幸せを運ぶわ。
完結
264
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(26件)
あなたにおすすめの小説
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
跡継ぎが産めなければ私は用なし!? でしたらあなたの前から消えて差し上げます。どうぞ愛妾とお幸せに。
Kouei
恋愛
私リサーリア・ウォルトマンは、父の命令でグリフォンド伯爵令息であるモートンの妻になった。
政略結婚だったけれど、お互いに思い合い、幸せに暮らしていた。
しかし結婚して1年経っても子宝に恵まれなかった事で、義父母に愛妾を薦められた夫。
「承知致しました」
夫は二つ返事で承諾した。
私を裏切らないと言ったのに、こんな簡単に受け入れるなんて…!
貴方がそのつもりなら、私は喜んで消えて差し上げますわ。
私は切岸に立って、夕日を見ながら夫に別れを告げた―――…
※この作品は、他サイトにも投稿しています。
婚約破棄されたトリノは、継母や姉たちや使用人からもいじめられているので、前世の記憶を思い出し、家から脱走して旅にでる!
山田 バルス
恋愛
この屋敷は、わたしの居場所じゃない。
薄明かりの差し込む天窓の下、トリノは古びた石床に敷かれた毛布の中で、静かに目を覚ました。肌寒さに身をすくめながら、昨日と変わらぬ粗末な日常が始まる。
かつては伯爵家の令嬢として、それなりに贅沢に暮らしていたはずだった。だけど、実の母が亡くなり、父が再婚してから、すべてが変わった。
「おい、灰かぶり。いつまで寝てんのよ、あんたは召使いのつもり?」
「ごめんなさい、すぐに……」
「ふーん、また寝癖ついてる。魔獣みたいな髪。鏡って知ってる?」
「……すみません」
トリノはペコリと頭を下げる。反論なんて、とうにあきらめた。
この世界は、魔法と剣が支配する王国《エルデラン》の北方領。名門リドグレイ伯爵家の屋敷には、魔道具や召使い、そして“偽りの家族”がそろっている。
彼女――トリノ・リドグレイは、この家の“戸籍上は三女”。けれど実態は、召使い以下の扱いだった。
「キッチン、昨日の灰がそのままだったわよ? ご主人様の食事を用意する手も、まるで泥人形ね」
「今朝の朝食、あなたの分はなし。ねえ、ミレイア? “灰かぶり令嬢”には、灰でも食べさせればいいのよ」
「賛成♪ ちょうど暖炉の掃除があるし、役立ててあげる」
三人がくすくすと笑うなか、トリノはただ小さくうなずいた。
夜。屋敷が静まり、誰もいない納戸で、トリノはひとり、こっそり木箱を開いた。中には小さな布包み。亡き母の形見――古びた銀のペンダントが眠っていた。
それだけが、彼女の“世界でただ一つの宝物”。
「……お母さま。わたし、がんばってるよ。ちゃんと、ひとりでも……」
声が震える。けれど、涙は流さなかった。
屋敷の誰にも必要とされない“灰かぶり令嬢”。
だけど、彼女の心だけは、まだ折れていない。
いつか、この冷たい塔を抜け出して、空の広い場所へ行くんだ。
そう、小さく、けれど確かに誓った。
【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた
よどら文鳥
恋愛
「ライアンとは婚約解消したい。幼馴染のミーナから声がかかっているのだ」
婚約者であるオズマとご両親は、私のお父様の稼ぎを期待するようになっていた。
幼馴染でもあるミーナの家は何をやっているのかは知らないが、相当な稼ぎがある。
どうやら金銭目当てで婚約を乗り換えたいようだったので、すぐに承認した。
だが、ミーナのご両親の仕事は、不正を働かせていて現在裁判中であることをオズマ一家も娘であるミーナも知らない。
一方、私はというと、婚約解消された当日、兼ねてから縁談の話をしたかったという侯爵であるサバス様の元へ向かった。
※設定はかなり緩いお話です。
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
第一王子不倫カップル最低すぎて…国の破滅の原因がグレースってどんだけ〜〜!
閨も下手で不倫するとか何様なんだろう?
第一王子だけあってやっぱり傲慢なの?
ムカついてカッカしながから読んだので読み飛ばしまくってるかもだけど不倫だけは無理!
つねりまくってやりたい
まゆ様
コメントありがとうございます。
一度目の人生での閨は、下手というより心が閉じている中での行為は苦痛という意味で決して第一王子が下手という訳では…。上手いとも言いませんが。
でも不倫はダメです。
一度目の人生では皆それぞれ心には違う人がいたので、二度目の人生でそれを正し幸せになりました。
他作品もまゆ様の目に止まれば幸いです。
既にもう、グレースの中では答えが出ているみたいですね。
後はそれを自身で認める事が出来るか…と言った所でしょうか?
サラサ様
コメントありがとうございます。
グレースのフランキーを思う気持ちは今までも家族以上だったと思います。後は自身で気付き認めるだけです。
最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
グレースって単に鈍くて優柔不断な子だったのね、、本能に忠実な義姉&真面目そうな王太子が好きな人と一緒になれるのは良き!
ハッピーエンドが見えてくるのは読んでて楽しみです。
kukuri様
コメントありがとうございます。
グレースは鈍感すぎるというか…
ハッピーエンドなので最後までお付き合い頂けると嬉しいです。