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しおりを挟む2ヶ月後、いつもの喫茶店。
「ライラ、やっぱりエマは運命の人じゃなかった」
「そう、残念だったわね。ねぇ、ロニー、どうしてそんなに運命の人を探したいの?」
「何言ってるんだよ。ライラが始めに…」
「私?私が何?」
「ライラが俺の護衛を、テオを運命の人だって言ったから、だから俺も運命の人を探しているんだろ?」
「どういう意味?」
「ライラが俺に気兼ねなくテオと付き合えるように、俺が、俺が、必死に探しているんだろ」
「ロニー、私、別にテオの事好きじゃないわよ?憧れのお兄さんよ?」
「10歳の時に言っていただろ?テオみたいな人が良いって」
「うん、だからお兄さんとしてね?護ってくれるじゃない?私、弟しかいないし、ロニーは婚約者でしょ?それに同じ年だし」
「なら、テオの事は好きじゃないんだな」
「ええ、好きじゃないわ」
「なら、俺の事は?」
「嫌いじゃないわ」
「好きじゃないのか?」
「そうね。だってロニーも私の事好きじゃないでしょ?」
「俺はお前を…」
「家族のように育ってきたし今更異性としてお互い見れないでしょ?」
「ライラ、お前も一度運命の人を探してみたら分かるよ」
「よく分からないけど、分かったわ」
それから私は運命の人を見つけてみた。
躓いた私を支えてくれた方に、この人かも!と思った。
お礼をする為に喫茶店に行き、ケーキと紅茶を頼み、
「そちらのケーキ美味しそうですね」
「これ?美味しいよ」
「どんな味ですか?」
「うん、まぁ、普通?」
「そうですか」
楽しくない…。
本屋で出会った人と歩いていた時、
「この本はね……」
と、ずっと話していた。隣で歩いていても、なんだろう?この人じゃないってだけは分かる。
学園で仲の良いクラスの子達で話していた。そこには男の子もいて、その中の男爵令息が話しかけてきた。
「ライラ、今度二人でどこかへ出掛けないか?」
「どこかって?」
「分かるだろ?」
「え?どこ?」
「若いうちは遊ばないと、だろ?」
「あぁ、公園?」
「外でか?」
「公園は外しかないと思うけど」
「俺は室内の方がいいな」
「なら喫茶店?」
「喫茶店も行っても良いけどその後の方が楽しみだな」
「喫茶店の後?」
「本当に分からないのか?」
「ええ」
「ライラって婚約者いるだろ?」
「ロニー?」
「婚約者とする事だよ」
「ロニーとする事は喫茶店で話すくらいよ?後はお互いの家に行って本を読んだり、家族で過ごすくらいかしら」
「婚約者と何もしていないのか?」
「お互い本読んだり、昼寝したりしてるわよ」
「昼寝?」
「たまに一緒に寝ちゃうけど」
「寝てるんだ」
「ええ、お互い爆睡よ」
「は?本当の昼寝?」
「昼寝に本当も嘘もあるの?」
「ライラ、同じ部屋に男と女がいてする事は一つだろ?」
「え?」
「キスする、その先も」
「キス?それにその先?だってそれは結婚してからでしょ」
「俺、お前の婚約者が可哀想に思えてきた」
「何でよ」
「婚約者だって健全な男だろ?そしたらキス一つくらいしたいだろ。できればその先だって」
「ロニーに限ってそれはないわよ。だって私達家族だもの」
「なんとなく聞かなくても分かるけど、お前、手は繋いだ事はあるよな?」
「10歳頃までは繋いでいたわよ?」
「最近は?」
「最近は繋いでないわよ?だって同じ歩幅で歩けるもの」
「男と女の歩幅が同じな訳がないだろ?
お前さ、鈍いにも程があるぞ?」
「鈍くないわよ!」
「なら今から俺が抱きしめるから正直な感想を言えよ?」
「分かったわ」
抱きしめられ、
「どうだ」
「嫌な気分」
「他には?」
「気持ち悪い」
「一度婚約者と試してみろよ、そしたら何かが分かると思うぞ」
「分かったわ」
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