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11 ローガン視点
荷造りが終わったジニア嬢と一緒に伯爵家へ帰って来た。夫婦の部屋を案内する。夫婦の寝室を挟み互いの部屋がある。俺もこの日初めて自分の私室に入った。これからは続き扉を通って会いに行ける。
荷解きはメイドに頼み俺はジニア嬢とお茶をする。
目の前にいるジニア嬢に緊張する。それでも俺から話しかけるべきだ。
「今から婚姻届を書く。今日中に夫婦になるが、婚姻式は後日行う。互いの両親だけを呼ぶ、いいな」
「はい」
か細い声で答えるジニア嬢。
俺はこんな言い方をしたい訳じゃない!もっと優しく話しかける事がなぜ出来ない!
「ジニア、今日からそう呼ぶ」
「分かりました」
俯きながら答えるジニア。
それから婚姻届を書き執事に提出してくるよう頼んだ。これでジニアは俺の妻だ。
「朝食と夕食は一緒に取る」
「分かりました」
「俺が出かける時の見送りは必ずしろ」
「はい」
「帰りはいつになるか分からない。俺がジニアの私室へ行く」
「分かりました」
一度私室へ戻ったジニアだったが夕食の時、
「旦那様」
「ローガンと呼べ」
「分かりました、ローガン様」
「何だ」
「私の部屋にドレスや宝石が沢山ありましたが」
「あれはお前のだ」
「あんなに沢山」
「気にするな。いらないなら捨てろ」
「あんな綺麗なドレスや宝石を捨てるなんて勿体ないです」
「なら遠慮するな」
「ローガン様ありがとうございます」
「ああ」
その時ジニアは嬉しそうな顔をした。これからもっと嬉しそうな顔も笑顔も見たい。今日の所はその顔が見れただけで俺はそれだけでいい。
結婚をしたんだから当然初夜がある。俺は夫婦の寝室へ、これからジニアと一緒に寝る夫婦の寝室へ足を踏み入れた。
緊張しベッドに座るジニアの姿。俺の心臓はもうはち切れそうだ。それでも俺は夫、23にもなって未経験なんて知られる訳にはいかない。知識だけはある。
俺はジニアをベッドに寝かせ、震えるジニアに初めて口付けをした。俺にとっても初めての口付けだ。重ねるだけの口付け。それだけで天にも昇る心地だ。俺は何度も重ねるだけの口付けをする。
それからは知識だけを頼りにジニアに触れる。知識だけではどうにもならないと思い知らされた。
優しく?目の前に好きな女性が裸体でいたら優しくなんてどこかへ飛んでいった。目の前の裸体に貪り食う。これが男の性だ。俺も初めてで加減も分からない。
痛がるジニアの声、顔は分かっていた。それでもジニアを気遣う程、俺にも余裕がない。止まる事も出来ずただ我武者羅に腰を振る。一度目は直ぐに果てる。それでも収まらない。二度、三度と、俺が冷静を取り戻した時には明け方になっていた。
その時初めてジニアの顔を見た。涙は枯れ放心状態だった。俺は直ぐにジニアを抱きしめた。ビクっと震えるジニア。
「ジニア、ジニア……(愛してる)」
その日俺はジニアに優しく接した。優しくといっても起き上がる時に手を貸したり、椅子を引いたり、手を繋いで歩いたり、俺に出来る事は全てやった。
それでも夜になるとジニアを求めてしまう。今日こそは、今日こそはジニアをゆっくり寝かせてあげようと思っても、横に寝転んでいるジニアにどうしても触れようと、触れたいと、手を伸ばしジニアの体を触る。少しだけ、少しだけと思っても少しだけで終われるはずがない。
俺は覚えたての糞餓鬼だ。知識だけある糞餓鬼だ。そんな俺が優しく出来る訳がない。結局次の日も我を忘れジニアを求めた。
それからも昼間は優しく出来ても夜にはまるで獣のように貪り食う。
「ジニア、ジニア…(愛してる)」
ジニアは俺を愛していない。それはそうだ。知らない男に無理矢理妻になれと言われ強引に連れて来られ、初夜だと無理矢理体を奪われた。優しさの欠片もない、ただ腰を打ち付けるだけの行為、それのどこに愛が芽生える。どこに愛しいと思える。
なあ、俺はどうすれば良かった?
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どうすればお前は俺を愛してくれる?
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ジニア、ジニア、
俺を愛してくれ………。
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