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第十九話 やはり逃げるが勝ちになる件について
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五堂の言葉と同時に、背中に氷を入れられたような寒気と怖気を感じた。
すると弾かれたように、五堂の傍にいた虎が駆け出す――――非常階段がある通路に向かって。
――ヤバイッ!?
虎が物凄い速度で通路へと飛び込んできて、獰猛な敵意とともに唸り声を上げた。
だが……。
「……ん? どうしたの山月?」
「……ガルルゥ」
虎は犬でいえば「くぅ~ん」という申し訳なさを感じさせるような様相で虎女を見る。
五堂もまた怪訝な表情で非常階段の方へ来て、そして一言。
「誰も……いない?」
…………………………いや、ここにいますが何か?
現在俺は五堂のすぐ背後の壁にペタリとくっついて息を殺している。
すると次々と他の連中も確かめるようにここへやって来たので、さすがにもうこれ以上は無理だと判断し、俺はゆっくりと階段を下りていく。
そして少し距離が開いたところで全速力で駆け下り、廃ビルから離脱した。
「っ……はあはあはあ…………マジで危なかったわぁぁぁ」
ガキの侍女の北常の時もそうだったが、気配を察知する能力に長けた奴らが多過ぎる。
あの虎が向かってきた直後に、すぐに《ステルス》を使って逃げ遂せたが、二度目ということもあって、もうあの場で潜入調査をするのは無理だと判断した。
というか怖過ぎる。できればもうあの連中とは関わり合いになりたくない。
「てか四奈川は大丈夫なのかねぇ。あんな連中の中にいて」
まあ葉牧さんがついているから滅多なことにはならないと思うけどな。
それにしてもどっと疲れた。早く帰って熱い風呂に浸かりたい。そして寝たい。
際どかったものの、それなりに得るものはあった。
もしかしたら今後、『持ち得る者』として台頭してくるであろう勢力を知れたのは大きいし、俺のスキルの有用性がまた証明されたことも良かった。
「とりあえず俺は地道にレベル上げでもしましょうかね」
緊張感から解放された俺は、適当にスマホで情報を集めつつ家へと戻っていった。
※
一方その頃、六門が逃げ出したことに気づいていない者たちは、いまだに不可思議な謎を追うように考え込んでいた。
「おかしいわね。この子がちゃんと気配を察知したんだけど」
そう言いながら山月の頭を撫でつけるヒオナ。
「ここは……初秋、確かあなたも少し前、ここから人の視線を感じたのよね?」
「はっ、その通りです織音様」
織音の問いに丁寧に返答する初秋。
「えっと……ここに誰かがいたってことですか? 今さっきまで?」
疑問を投げかけたのは心乃である。そして彼女は乙女にも同じことを聞いた。
「そうですね。確かに何者かの気配を私も感じていました。しかし下手に動くことはお嬢様を危険に晒されると思っていましたので。てっきり一ノ鍵のご令嬢の差し金だと考えていたのですが」
「あら、心外ね。わたしが仲間を隠れさせ、あなたたちを窺わせていたとでも?」
「その可能性が高いということです」
「何だと貴様! そのようなこと、織音様がなさるわけがないだろう!」
主が侮辱されたとでも思ったのか、初秋が乙女に敵意を向ける。
「よしなさい初秋」
「で、ですが織音様!」
「今ここで何を言ったところで言い訳にしかならないわよ。ここに本当に何者かが潜伏していたのなら、確かに怪しいのは先に来ていたわたしなのだから」
とは言うが、自分が関与していないということは分かっているはずなので、織音には微塵も焦りは見えない。
「……ここにいたのは確かよ。この子の気配感知は人間以上だもの」
やはり獣なのか、鋭敏なセンスを持っているようだ。
「ただ気になるのは、まるで霧のように姿が消えたことよ。階段を上った音も下りた音もなかったしね」
「ヒオナの言う通りね。だとしたら……スキル、かしら」
「一瞬で移動するスキル……《テレポート》とか反則じみたスキルなんて存在するの? だとするなら厄介極まりないんだけど」
ヒオナはあ~嫌だ嫌だと手を振る。
「転移系のスキルね。……その人材、欲しいわね」
「あぁ……また織音様の悪い癖が」
初秋は織音の人材収集癖に対し頭を抱える。
「ところであんたたちは何も感じなかったわけ~?」
言葉を発せず事の成り行きを見守り続けている飛柱たちにヒオナは聞く。
「悪いが俺には分からん。若はどうですかい?」
「……ふわぁ~。何? 人の気配? ああ……ずっとその壁の向こう側にいた奴のこと?」
全員がギョッとなって兵卦に視線を向ける。
「あなた、気づいていたの?」
「…………誰あんた?」
「き、貴様っ! この期に及んで何を言っているのだ!」
初秋が怒るのも無理はないかもしれない。主催者であり、わざわざ自己紹介までした自分の主のことをいまだに理解していなかったのだから。
すると兵卦に耳打ちするように丸城が、この場にいる者たちのことを教えた。
「ふぅん。それで? そこにいた奴って、この会合に呼ばれたから来たんじゃないの?」
「……それはそうね。わたしの呼びかけに応じて来たのは明らかよ。ただ本人は恐らく、ここには素顔を見せず情報だけを掴もうとしていたようだけれど」
完全に六門の企みはバレているようだ。
「ま、いっか。この会合に注目してるのって、何もここに直接来たワタシたちだけじゃないみたいだしね~」
ヒオナが肩を竦めながら、射貫くような視線をベランダの方へと向ける。
その先には高層ビルなどの様々な建物が並んでいるが、その屋上や建物の陰に、複数の人影が確認することができた。
「ただまあ、盗撮とか盗聴って趣味悪いから嫌いなのよね~。素性がバレたくないから近づきたくないって気持ちは分かるけど」
「わたしとしては有能な『持ち得る者』たちが、それなりに存在することを知れただけでも会合を開いた意味はあるけれどね」
サッと髪を手で払い、織音は深々とソファに腰かける。
「さて、と。謎の潜入者によって中断していたけれど、ではさっそく続きを始めましょうか」
六門については、とりあえず保留となったようで、彼女たちは各々の持ち得る情報を示し始めたのであった。
すると弾かれたように、五堂の傍にいた虎が駆け出す――――非常階段がある通路に向かって。
――ヤバイッ!?
虎が物凄い速度で通路へと飛び込んできて、獰猛な敵意とともに唸り声を上げた。
だが……。
「……ん? どうしたの山月?」
「……ガルルゥ」
虎は犬でいえば「くぅ~ん」という申し訳なさを感じさせるような様相で虎女を見る。
五堂もまた怪訝な表情で非常階段の方へ来て、そして一言。
「誰も……いない?」
…………………………いや、ここにいますが何か?
現在俺は五堂のすぐ背後の壁にペタリとくっついて息を殺している。
すると次々と他の連中も確かめるようにここへやって来たので、さすがにもうこれ以上は無理だと判断し、俺はゆっくりと階段を下りていく。
そして少し距離が開いたところで全速力で駆け下り、廃ビルから離脱した。
「っ……はあはあはあ…………マジで危なかったわぁぁぁ」
ガキの侍女の北常の時もそうだったが、気配を察知する能力に長けた奴らが多過ぎる。
あの虎が向かってきた直後に、すぐに《ステルス》を使って逃げ遂せたが、二度目ということもあって、もうあの場で潜入調査をするのは無理だと判断した。
というか怖過ぎる。できればもうあの連中とは関わり合いになりたくない。
「てか四奈川は大丈夫なのかねぇ。あんな連中の中にいて」
まあ葉牧さんがついているから滅多なことにはならないと思うけどな。
それにしてもどっと疲れた。早く帰って熱い風呂に浸かりたい。そして寝たい。
際どかったものの、それなりに得るものはあった。
もしかしたら今後、『持ち得る者』として台頭してくるであろう勢力を知れたのは大きいし、俺のスキルの有用性がまた証明されたことも良かった。
「とりあえず俺は地道にレベル上げでもしましょうかね」
緊張感から解放された俺は、適当にスマホで情報を集めつつ家へと戻っていった。
※
一方その頃、六門が逃げ出したことに気づいていない者たちは、いまだに不可思議な謎を追うように考え込んでいた。
「おかしいわね。この子がちゃんと気配を察知したんだけど」
そう言いながら山月の頭を撫でつけるヒオナ。
「ここは……初秋、確かあなたも少し前、ここから人の視線を感じたのよね?」
「はっ、その通りです織音様」
織音の問いに丁寧に返答する初秋。
「えっと……ここに誰かがいたってことですか? 今さっきまで?」
疑問を投げかけたのは心乃である。そして彼女は乙女にも同じことを聞いた。
「そうですね。確かに何者かの気配を私も感じていました。しかし下手に動くことはお嬢様を危険に晒されると思っていましたので。てっきり一ノ鍵のご令嬢の差し金だと考えていたのですが」
「あら、心外ね。わたしが仲間を隠れさせ、あなたたちを窺わせていたとでも?」
「その可能性が高いということです」
「何だと貴様! そのようなこと、織音様がなさるわけがないだろう!」
主が侮辱されたとでも思ったのか、初秋が乙女に敵意を向ける。
「よしなさい初秋」
「で、ですが織音様!」
「今ここで何を言ったところで言い訳にしかならないわよ。ここに本当に何者かが潜伏していたのなら、確かに怪しいのは先に来ていたわたしなのだから」
とは言うが、自分が関与していないということは分かっているはずなので、織音には微塵も焦りは見えない。
「……ここにいたのは確かよ。この子の気配感知は人間以上だもの」
やはり獣なのか、鋭敏なセンスを持っているようだ。
「ただ気になるのは、まるで霧のように姿が消えたことよ。階段を上った音も下りた音もなかったしね」
「ヒオナの言う通りね。だとしたら……スキル、かしら」
「一瞬で移動するスキル……《テレポート》とか反則じみたスキルなんて存在するの? だとするなら厄介極まりないんだけど」
ヒオナはあ~嫌だ嫌だと手を振る。
「転移系のスキルね。……その人材、欲しいわね」
「あぁ……また織音様の悪い癖が」
初秋は織音の人材収集癖に対し頭を抱える。
「ところであんたたちは何も感じなかったわけ~?」
言葉を発せず事の成り行きを見守り続けている飛柱たちにヒオナは聞く。
「悪いが俺には分からん。若はどうですかい?」
「……ふわぁ~。何? 人の気配? ああ……ずっとその壁の向こう側にいた奴のこと?」
全員がギョッとなって兵卦に視線を向ける。
「あなた、気づいていたの?」
「…………誰あんた?」
「き、貴様っ! この期に及んで何を言っているのだ!」
初秋が怒るのも無理はないかもしれない。主催者であり、わざわざ自己紹介までした自分の主のことをいまだに理解していなかったのだから。
すると兵卦に耳打ちするように丸城が、この場にいる者たちのことを教えた。
「ふぅん。それで? そこにいた奴って、この会合に呼ばれたから来たんじゃないの?」
「……それはそうね。わたしの呼びかけに応じて来たのは明らかよ。ただ本人は恐らく、ここには素顔を見せず情報だけを掴もうとしていたようだけれど」
完全に六門の企みはバレているようだ。
「ま、いっか。この会合に注目してるのって、何もここに直接来たワタシたちだけじゃないみたいだしね~」
ヒオナが肩を竦めながら、射貫くような視線をベランダの方へと向ける。
その先には高層ビルなどの様々な建物が並んでいるが、その屋上や建物の陰に、複数の人影が確認することができた。
「ただまあ、盗撮とか盗聴って趣味悪いから嫌いなのよね~。素性がバレたくないから近づきたくないって気持ちは分かるけど」
「わたしとしては有能な『持ち得る者』たちが、それなりに存在することを知れただけでも会合を開いた意味はあるけれどね」
サッと髪を手で払い、織音は深々とソファに腰かける。
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