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6話 魔物討伐完了
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「《ストレージ:イン》」
剥ぎ取ったビッグアントの顎と甲殻を纏めて、虚無空間に収納。
だけど、これでもまだ一部だ。
顎と腹の甲殻以外は、剥ぎ取ってすらいない。
無残な死骸が、そこら中に転がっている。
「ごめんベガ、そろそろいっぱいかな。限界まで入れる?」
「もう少しだけ探索を続けるつもりなんだ、空きを残しておいてくれ」
彼女は《ウォーター》で、手にした三本の剣を濡らすと、雑巾で拭う。
ビッグアントの血を落とし、そのうち一本を僕に投げた。
「おわっと……ありがと」
「礼には及ばないさ」
戦闘後の処理は全て終わった。
他の魔物が死骸に寄ってくる前に、僕らはその場を後にし、休息を取ることにした。
ダンジョンでの活動に小休止は不可欠だ。
人間である以上、体力や魔力にも限界はある。
どちらかが底を尽きれば、その場でぶっ倒れる。
帝都の街中ならいざ知らず、ダンジョンという過酷な場において、それは死に直結する。
「《ストレージ:アウト》」
薪と火口を取り出し、形を組む。
それを《ファイア》で着火し、焚き火を灯した。
暖かい。
燃え盛る火を前に、僕は腰を下ろして体育座り。
一緒に取り出した魔力ポーションを、ぐいっと一気飲みした。
「ぷはぁ……体に染みるぅ……。やっぱ、魔術を使った後のポーションは最高だね」
「今のイオ、最高に可愛いな」
「へぇっ!? きゅ、急に何を!?」
「冗談だよ、冗談。それより、きちんと温まっておくんだよ。雨に濡れて、汗を掻いて、身体も冷えてるだろうからね」
「う、うん」
真顔で言われて、ちょっとドキっとしちゃったよ。
ベガって、顔も綺麗だし雰囲気もカッコいいから。
男の僕でさえ心動かされたんだ。女の子なら一発だろうな。
……あっ。
そういえば、何人もの女の子に囲まれて登校してたっけな。
そんな彼女が、なんで僕なんかを選んでくれたんだろう?
「どうした、そんなじろじろ見て? もしかして、真に受けた?」
「いや、騎士学校の頃を思い出して」
「そう、残念。でも奇遇だね、私も思い出してた。イオが、筆記試験を主席で卒業したことを」
「肝心の実技は、下から数えたほうが早いんだけどね。あはは……」
僕が自虐気味に笑うと、彼女は一切笑わずに腰を下ろす。
胡坐を組んで、片膝を立て……って!?
ぶんっ!
僕は咄嗟に顔を逸らす。
「やっぱり真に受けた? 私を直視できないくらい」
「す、スカートの中、見えるから! あ、足、閉じてよっ!」
「"見える"んじゃなくて、"見せてる"んだよ」
「衛兵さーんっ! 痴女にセクハラされています! 助けてくださいっ!」
「フッ、冗談だよ、冗談。本当に可愛いな、イオは」
そんなこんな会話しつつ、焚き火で温まること数分。
ベガは腰嚢から懐中時計を取り出し、時刻を確認した。
「……そろそろだな。行くぞ、イオ」
彼女は立ち上がると、装備を最終点検し、焚き火を《ウォーター》で消す。
「んえ? どうかしたの?」
別に、休憩時間が足りないっていうわけじゃない。
前のパーティーでは、休憩時間中の雑用は全て僕の仕事だったから、休憩が短いのには慣れている。
だけど、わざわざ時間を気にして出発するなんて珍しいな。
暗いダンジョン内では、朝も夜も関係ないのに……。
「ついてきてくれれば分かるさ。ここからが、本来の目的だ」
先へ進むベガの背中を、僕は慌てて追いかけた。
剥ぎ取ったビッグアントの顎と甲殻を纏めて、虚無空間に収納。
だけど、これでもまだ一部だ。
顎と腹の甲殻以外は、剥ぎ取ってすらいない。
無残な死骸が、そこら中に転がっている。
「ごめんベガ、そろそろいっぱいかな。限界まで入れる?」
「もう少しだけ探索を続けるつもりなんだ、空きを残しておいてくれ」
彼女は《ウォーター》で、手にした三本の剣を濡らすと、雑巾で拭う。
ビッグアントの血を落とし、そのうち一本を僕に投げた。
「おわっと……ありがと」
「礼には及ばないさ」
戦闘後の処理は全て終わった。
他の魔物が死骸に寄ってくる前に、僕らはその場を後にし、休息を取ることにした。
ダンジョンでの活動に小休止は不可欠だ。
人間である以上、体力や魔力にも限界はある。
どちらかが底を尽きれば、その場でぶっ倒れる。
帝都の街中ならいざ知らず、ダンジョンという過酷な場において、それは死に直結する。
「《ストレージ:アウト》」
薪と火口を取り出し、形を組む。
それを《ファイア》で着火し、焚き火を灯した。
暖かい。
燃え盛る火を前に、僕は腰を下ろして体育座り。
一緒に取り出した魔力ポーションを、ぐいっと一気飲みした。
「ぷはぁ……体に染みるぅ……。やっぱ、魔術を使った後のポーションは最高だね」
「今のイオ、最高に可愛いな」
「へぇっ!? きゅ、急に何を!?」
「冗談だよ、冗談。それより、きちんと温まっておくんだよ。雨に濡れて、汗を掻いて、身体も冷えてるだろうからね」
「う、うん」
真顔で言われて、ちょっとドキっとしちゃったよ。
ベガって、顔も綺麗だし雰囲気もカッコいいから。
男の僕でさえ心動かされたんだ。女の子なら一発だろうな。
……あっ。
そういえば、何人もの女の子に囲まれて登校してたっけな。
そんな彼女が、なんで僕なんかを選んでくれたんだろう?
「どうした、そんなじろじろ見て? もしかして、真に受けた?」
「いや、騎士学校の頃を思い出して」
「そう、残念。でも奇遇だね、私も思い出してた。イオが、筆記試験を主席で卒業したことを」
「肝心の実技は、下から数えたほうが早いんだけどね。あはは……」
僕が自虐気味に笑うと、彼女は一切笑わずに腰を下ろす。
胡坐を組んで、片膝を立て……って!?
ぶんっ!
僕は咄嗟に顔を逸らす。
「やっぱり真に受けた? 私を直視できないくらい」
「す、スカートの中、見えるから! あ、足、閉じてよっ!」
「"見える"んじゃなくて、"見せてる"んだよ」
「衛兵さーんっ! 痴女にセクハラされています! 助けてくださいっ!」
「フッ、冗談だよ、冗談。本当に可愛いな、イオは」
そんなこんな会話しつつ、焚き火で温まること数分。
ベガは腰嚢から懐中時計を取り出し、時刻を確認した。
「……そろそろだな。行くぞ、イオ」
彼女は立ち上がると、装備を最終点検し、焚き火を《ウォーター》で消す。
「んえ? どうかしたの?」
別に、休憩時間が足りないっていうわけじゃない。
前のパーティーでは、休憩時間中の雑用は全て僕の仕事だったから、休憩が短いのには慣れている。
だけど、わざわざ時間を気にして出発するなんて珍しいな。
暗いダンジョン内では、朝も夜も関係ないのに……。
「ついてきてくれれば分かるさ。ここからが、本来の目的だ」
先へ進むベガの背中を、僕は慌てて追いかけた。
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