魔術学院最下位の俺が最強スキル絶対真眼を手に入れちゃいました。~必ず首席で卒業してみせる~

一条おかゆ

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第72話 神々の指令

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「あー疲れたな」

 俺はベッドに深く身体をあずける。
 予期しない新魔王との再会。
 確実にあるとは思っていたが、こうして突然訪れると自分を見失ってしまうものだ。

 結局バイトに全然身が入らなかったし、元偉大な魔王とは言え、あんな小さな女の子一人にこれだけ心がかき乱されるなんて。
 俺もまだまだ甘……

「……すぅ……すぅ……」

 疲れからか、心地よいベッドによってからか、俺はすぐに眠りの世界へと誘われた。

 ◇◇◇

「ここは……どこだ?」

 なぜか俺の意識が目覚める。
 周りには一面の白い空間。
 物は何もなく、本当にただ白いだけの場所。
 ……夢か?

「目が覚めましたか、アベル・マミヤ」
「誰だ!」

 俺は声がする方――背後へと振り返った。

 目に映る背後の存在は天使だった。
 灰色の髪に、白すぎる肌。
 そして4枚の羽根に国を傾かせるほどの美貌。
 そのどこを切り取っても誰もが美しいと答えるはずだ。

 ……俺はこの光景に見覚えがある。
 この天使にも見覚えがある。

「久し振りだな」

 一年前。
 俺にスキルを与えた神々の使いだ。

「そうですね、あなたもすっかり髪が伸びましたね」

 俺の黒い髪は伸びきったこともあって、後ろで結んでいる。

「時が経つのは早いからな」
「あれだけ大変な事があったので、しょうがないとも思いますよ」
「俺の事、見てたのか?」
「はい。この1年いや200年のあなたの活躍、神々と共に見させて頂きました」
「人の人生を覗き見なんて趣味が悪いな」
「仕事ですから」

 天使にそっけなく返されてしまった。

「それで、何の用だ」

 本題に入るとしよう。
 神々の使いが下らない世間話をしに来たわけじゃないだろう。
 なら何かの重大な理由があるはずだ。

「通称、新魔王と呼ばれる者に接触しましたね」
「あぁ」

 ついぞ今日の事だ。

「まずは気になることもあるでしょう。質問をどうぞ」
「……新魔王はスキルが元々無かったのか?」
「はい、あなたと同じく。ですからあなたとほぼ同時期に与えました」

 同時期……一年前のこの頃だな。
 それで深淵から這い上がって俺に会いに来たのか。
 ……聖杖の勇者ではない俺に。

「新魔王も俺と同じく、何かすれば願いを叶えてもらえるのか?」

 今までスキルを付与してもらえなかった代償として、ある課題をこなせば願いが叶えさせてもらえる、という条件を俺はもらった。
 だから俺には『神になる』という目的の元、首席卒業をする必要がある。

 そういった条件は新魔王ももらえてるだろう。

「はい、彼女に課した課題は深淵の王を倒すことです」
「……深淵、の王?」

 聞いたことも無い言葉に、理解が追い付かなかった。

「とある時、神々の座を追放された一柱が深淵で王になったのです。その退治を彼女の課題にしたまでですね」

 俺とはレベルが違い過ぎる課題。
 確かにバルザール魔術学院で首席になるのも簡単な話ではない。
 学院で首席、というのはその世代で一番の魔術師といっても過言が無いレベルなんだ。

 でも……深淵の王の討伐?
 元神々の一柱?
 明らかに俺とは次元が違い過ぎる。

「それは、既にこなしたのか?」
「はい。そしてその望みで深淵から這い上がってきました」
「そうだったのか……最後に一つだけいいか?」
「はい、いくつでもどうぞ」
「関係ないかもしれないが、キザイアさんはどうなった?」
「本来教えてはいけないのですが……まぁいいでしょう。彼女なら死にましたよ。深淵の王によって」
「そうか……」

 やっぱり死んでいたんだな。
 でも、それは深淵の王の手によって死んだんだ、
 新魔王はあまり関係ないんじゃないか?
 まぁ、深淵に引き込むという事自体が、新魔王を倒すためだったから何とも言えないな。

「では、本題に入りましょうか」
「あぁ、いつでも言ってきてくれ」

 さて、ここからどんな話が来るのか。
 わざわざ神々が天使を使いとして、俺の夢に介入してきたのだ。
 ただごとなわけがない。

「アベル・マミヤ、あなたに命じます――新魔王を殺してください」
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