腹黒御曹司との交際前交渉からはじまるエトセトラ

真波トウカ

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(熱い……)
 下着越しではない手の温度は隼人の視線と同じように熱かった。
 やわやわと揉まれて乳房が形を変えるたびに、麻由の体の熱もどんどんと高まっていくようだった。
「ん……」
 男性に肌をさらすのなんてもちろん初めてで、恥ずかしさはあるけど、しかし怖くはなかった。
 それは隼人が壊れ物を扱うように優しく触れてくれるからだ。
 不意に、指先が尖った飾りの先をかすめた。
「あ、んっ」
 自分の口から出たのが信じられないような甘い声に驚いて、思わず唇を噛む。
 それを見とがめて、隼人がなだめるようにそこをなぞった。
「こら、唇を噛むんじゃない。内出血になるぞ」
「だって……」
「声はいくらでも出していいから」
 麻由がもう唇を噛んでいないのを確認すると、隼人は紅い飾りをきゅっとつまみ上げる。
「やぁ……っ」
 ぴりぴりと微細な電流が流れるような快感に、麻由は頭を振り乱す。
「ちゃんと声を出して、俺にどこがいいのか教えてくれ」
 つまみ上げられた飾りを指先で転がされると、もう声を抑えることはできなくなる。体をよじって刺激を逃がさないと、全身が熱くておかしくなりそうだった。
 甘い刺激が走るたびにお腹の奥のほうも切なくうずく。
 自分の体がこんな風に快感を享受することができるなんて知らなかった。
「隼人さん……」
「そんなかわいい顔するな」
 涙で潤んだ瞳で見つめると、頭を軽くなでられたあと、スカートをするりと引き抜かれた。ブラジャーと揃いのショーツに手をかけられて、知らずにすりあわせていた足に思わず力が入る。
「こーら」
 隼人がたしなめ、さっきまで散々指先でもてあそばれていた紅い飾りを口に含まれる。ざらついた舌がそこを舐め上げると、体の力が抜けた。
「だめ……ぇ」
 弛緩した足からは、あっさりショーツも脱がされてしまう。
 一瞬、羞恥心が湧き上がるが、舌先で突起をつつかれ、唾液を絡めて転がされると、そんな考えは隅に追いやられてしまった。頭の中は気持ちいいという感情一色で、閉じたかったはずの足は反対に自分から開いてしまう。
「麻由の体は素直だな」
「ちが……」
「そうかな?」
 隼人の指が腿に触れると、柔らかな内側をたどって、上へと進んでくる。表皮だけをなぞるような触れかたに、白い肌は小さく震えた。
 秘めた場所にたどり着いた指はそのままぴったりと閉じた割れ目をなぞる。くちゅと、粘りのある水音がして、麻由は顔を赤らめた。
「ん、ちゃんと感じていたな」
「やぁ……」
 隼人は褒めるように額に軽く口づけを落とすと、耳の縁をなぞるように舐め、耳孔に舌先をねじ込む。同時に、何度も秘部の入り口をなぞり上げる。
 頭の中に直接水音が響いておかしくなりそうだ。
 さっき聞いた湿った音が耳を嬲る音と重なって、倒錯的な気分になる。まるで自分の秘所が空気を含みじゅぶじゅぶと大げさな音を立てているようで。
「待って、ぇ……変になっちゃ……」
「なればいい」
 なぞり上げていた割れ目をそのまま上にたどり、隼人の指は柔らかな茂みをかき分けて花芽を探し当てた。
 顔を覗かせた秘玉につん、と触れられて麻由は思わず隼人にしがみつく。
「あぁっ」
「大丈夫だ。そのまま感じていればいい」
 蜜が絡まった指先で紅く熟れた芽をこねられる。優しく触れられるたび、電流が流されたような強い刺激に目の前がチカチカと白んだ。お腹の奥が切なく収縮する。
 どこかへ上り詰めていくような感覚に、麻由は混乱してますます強く隼人のシャツにすがった。
「や、だめっ、変なの……っ」
「大丈夫。そのまま身を任せろ」
 ぐり、と隼人が花芽を強く押すと、快感がはじけ麻由は体を弓なりに反らせた。
「は、あ、ああぁ――っ」
 ぐんっと体をしならせ、体を震わせる。
 肩で息をして、体をベッドに沈み込ませる間も、まだ腿は小刻みに痙攣していた。
「隼人さ……」
「かわいかった、麻由」
 隼人は力の入らない麻由の足を恭しく持ちあげると、甲に一つキスを落とす。そのまま肩に担ぐと、まだヒクヒクと震える秘所に指を這わせた。
 なにも受け入れたことのない麻由の秘部はもう紅く色づいて、しとどに濡れている。
 隼人が指を一本差し入れると、欲しがっていたものを離さないというように中がきつく締まった。
「ん……」
「しっかり準備しないと痛いから」
 十分に濡れたそこは、指を受け入れても異物感こそあれど、痛くはない。
 上下に動かされると、閉じていたそこはだんだんと柔らかく、指を受け入れるようにほぐれていく。
 ぐ、とお腹の裏側を押されて、麻由は体を震わせた。
「あ……っ」
 きゅうっと中が締まり、隼人の指の形がいやでもわかる。
「増やしても平気か?」
 もう一本指が入ってバラバラに動かされると、空気を含んだ蜜がじゅぶじゅぶと卑猥な音を立てた。
 二本の指が交互に、ざらついたところをなでるたびに、たまらない気持ちになる。
「隼人さ、もう……っ」
 本能的に、受け入れたことのないものを求めてしまう。
 自分を満たしてほしい。疼く体がそう訴えている。
 隼人は気遣うように少しだけ首をかしげた。
「大丈夫か? きつかったら言うんだぞ」
 隼人が自分の衣服を脱ぎ払う。雑な手つきで床にそれらを置くと、麻由の眼前に男の肌があらわになった。

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