佐々木と吉田 崩壊するのに、どうやって戦争すんだよ編

崩壊するのに、どうやって攻めるの？

ある日、失踪

「あのね」
　佐々木が話を続ける。
「俺は別に、中国と仲良くしろとか、メンツメンツの生物なんだから、顔を立ててやれとは言わんよ」
「はい・・・はい」
　苦笑しながら吉田が頷く。

「何もするな」
　ハハハハッと吉田が笑う。
「何もしなけりゃ、勝手に潰れるんだから」
　そうですね、と吉田が頷く。

「今さぁ、中国っていうか、中国共産党」
「はい」
「めっちゃ、粛清やってんじゃん」
「やってますね」
　ニヤニヤしながら、吉田が頷く。

「すごいのはさぁ」
「はい」
「幹部が、解任されるとか辞職するとかならわかるじゃん」
「はいはいはい」
「行方不明ってなんだよ」
　ハハハハハッと吉田が笑う。

「所在が分かんないとか、連絡が取れないってなんだよ」
「まぁそういう国ですから」
「近代国家じゃねぇよ」
「ロシアもそうですから」

「だってさぁ、俺がその役人っていうか、役所で働いてる人ならさぁ」
　佐々木が手を振る。
「ある日、職場に行ったら、部長とか局長とか上司がいないんだよ」
「ハハハハハッ、そうですね」
「書類持ってさぁ、これ誰に出せばいいのって悩むよ」
「まぁ・・・・向こうの人からすれば、よくある事だから、気にしないんじゃないですか」
「まぁそうだろうね」