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第1章 こんなはずでは・・
4落ち着かない日々
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「えいっ!!」
「とりゃ~!!」
先程から、皇太子殿下の婚約者には似つかわしくない?掛け声とともに、私はテーブルの上にある花瓶を睨みつけながら、両手を宙に浮かせていたり、何度も右腕を上から振り下ろしたり、両手でものを投げるような格好をしたりしていた。本人が必死なだけに傍から見ているとどう見ても怪しい、異様な雰囲気を醸し出していたようだ。
「リサ・・何やってんの?」
あきれたような声で黒猫のシャノンが言った。いつの間に現れたのだろう。テーブルの上に座り、こちらを見ている。
「この世界にいるんだから、私も魔法が使えるんじゃないかと思って・・。今、花瓶を移動させようとしてる所なんだけど、びくともしないのよね~」
首をかしげてみたり、瞬きを何度もするが、状況はさっきから変わる様子もない。
「本気?どう見ても、変テコなカンフーか怪しい宗教みたいだよ」
シャノンは半ば呆れたような声を出した。
「え~っ!!シャノン、いくらなんでも、それはひどい言い方すぎない?」
「いやいや、現実を直視しようね~。ホントに、リサのそういう、思い込んだら、本気なところ、かなりひく・・」
ピシャリと冷たい視線を送りながらシャノンは口角をゆがませた。
「そんなぁ・・」
私は情けない声を出していた。
そんな私をあきれたような目で見ながらシャノンは言った。
「だって、どう見ても魔法をバカにしてるよね。そんなでたらめで、魔法が使えるんだったら苦労はないね。しかも、無秩序な魔法が飛び交えば世の中えらいことになるよ・・」
「そっか~。確かに、言われたらそうだね~」
シャノンの言葉に納得する。
「でも、何で、急にそんなこと始める気になったわけ?」
「もうすぐ婚約披露の儀があるし、私もいよいよアルベルトの婚約者としてふさわしくならなきゃいけないと思って・・でも、何をしたらよいのか分からなくて・・・」
「なるほどね~」
何かアドバイスでもしてくれるのかと期待して待っていたが、シャノンは何も言わず、
「にゃ~ん」
甘い声で鳴いた後、マイペースで毛づくろいを始めた。
そのしぐさについつい見とれてしまう。可愛い!シャノンは黙っていると可愛すぎる・・
「リサの健気な気持ちは悪くはないんだよね~。でも、その気持の持っていく方向は、ちょっと間違ってると思うなぁ・・」
「そうかなぁ」
「そうだよ」
そう言うと、シャノンはフンと言って横を向いた。
「ねぇ・・シャノンって、消えたり現れたりするけど・・それって魔法?」
「う~ん、妖精なんで、基本魔法は使えないんだけど、何だろ、それは超自然現象?っていうやつかもしれない。それと、ここだけの話、私、生きているときにはかなり魔法も勉強したんだよね・・うふふ。」
かなり自信満々に言った。
「そうだ!いいこと思いついた!!シャノンが私の先生になってくれたらいいんじゃない?ねぇ、教えて!教えて!」
思いつきだったが、何より名案だと思った。ところが、シャノンからは一言・・
「む~り!!」
冷たい・・あまりにも冷たすぎる・・。が、そこで諦めたら女が廃る(すた)ではないか・・
「お願いします」
「教えないって・・」
「お願いします」
しばらく押し問答した後、超名案が私の頭に舞い降りた。
「ねぇ・・シャノンはしゃべりたいときって、私の身体を使いたいよね~」
「必要があれば・・。でも、もうあんまり必要ないと思うけど・・」
「じゃ、魔法を教えてくれないんだったら貸さないことにしようかな~。私の身体・・」
「ほぉ~。そうきましたか」
「ははは・・どうだ!」
「言っておくけど、魔法って誰もが使えるわけじゃないのよね・・」
「まあ、まあ・・やってみたらうまかったとかになるかもしれないし・・」
「はぁ。とりあえず、婚約披露の儀が無事終わってから、一度テストする。それに合格しなければ教えないよ」
「やった~!!これで私も魔法使いになれるぅ~」
「魔法が使える人がどうか、テストするって聞いてる?」
シャノンは浮かれきった私に水を差したつもりだったのだろうが、私は全く気にならなかった。
「アイアイサー」
「ほんとに、リサはうらやましい性格。それと、今一番大事なのは、婚約披露の儀をちゃんと滞りなく済ませることだから・・」
「は~い!」
私は、力いっぱい元気に返事をした。
「とりゃ~!!」
先程から、皇太子殿下の婚約者には似つかわしくない?掛け声とともに、私はテーブルの上にある花瓶を睨みつけながら、両手を宙に浮かせていたり、何度も右腕を上から振り下ろしたり、両手でものを投げるような格好をしたりしていた。本人が必死なだけに傍から見ているとどう見ても怪しい、異様な雰囲気を醸し出していたようだ。
「リサ・・何やってんの?」
あきれたような声で黒猫のシャノンが言った。いつの間に現れたのだろう。テーブルの上に座り、こちらを見ている。
「この世界にいるんだから、私も魔法が使えるんじゃないかと思って・・。今、花瓶を移動させようとしてる所なんだけど、びくともしないのよね~」
首をかしげてみたり、瞬きを何度もするが、状況はさっきから変わる様子もない。
「本気?どう見ても、変テコなカンフーか怪しい宗教みたいだよ」
シャノンは半ば呆れたような声を出した。
「え~っ!!シャノン、いくらなんでも、それはひどい言い方すぎない?」
「いやいや、現実を直視しようね~。ホントに、リサのそういう、思い込んだら、本気なところ、かなりひく・・」
ピシャリと冷たい視線を送りながらシャノンは口角をゆがませた。
「そんなぁ・・」
私は情けない声を出していた。
そんな私をあきれたような目で見ながらシャノンは言った。
「だって、どう見ても魔法をバカにしてるよね。そんなでたらめで、魔法が使えるんだったら苦労はないね。しかも、無秩序な魔法が飛び交えば世の中えらいことになるよ・・」
「そっか~。確かに、言われたらそうだね~」
シャノンの言葉に納得する。
「でも、何で、急にそんなこと始める気になったわけ?」
「もうすぐ婚約披露の儀があるし、私もいよいよアルベルトの婚約者としてふさわしくならなきゃいけないと思って・・でも、何をしたらよいのか分からなくて・・・」
「なるほどね~」
何かアドバイスでもしてくれるのかと期待して待っていたが、シャノンは何も言わず、
「にゃ~ん」
甘い声で鳴いた後、マイペースで毛づくろいを始めた。
そのしぐさについつい見とれてしまう。可愛い!シャノンは黙っていると可愛すぎる・・
「リサの健気な気持ちは悪くはないんだよね~。でも、その気持の持っていく方向は、ちょっと間違ってると思うなぁ・・」
「そうかなぁ」
「そうだよ」
そう言うと、シャノンはフンと言って横を向いた。
「ねぇ・・シャノンって、消えたり現れたりするけど・・それって魔法?」
「う~ん、妖精なんで、基本魔法は使えないんだけど、何だろ、それは超自然現象?っていうやつかもしれない。それと、ここだけの話、私、生きているときにはかなり魔法も勉強したんだよね・・うふふ。」
かなり自信満々に言った。
「そうだ!いいこと思いついた!!シャノンが私の先生になってくれたらいいんじゃない?ねぇ、教えて!教えて!」
思いつきだったが、何より名案だと思った。ところが、シャノンからは一言・・
「む~り!!」
冷たい・・あまりにも冷たすぎる・・。が、そこで諦めたら女が廃る(すた)ではないか・・
「お願いします」
「教えないって・・」
「お願いします」
しばらく押し問答した後、超名案が私の頭に舞い降りた。
「ねぇ・・シャノンはしゃべりたいときって、私の身体を使いたいよね~」
「必要があれば・・。でも、もうあんまり必要ないと思うけど・・」
「じゃ、魔法を教えてくれないんだったら貸さないことにしようかな~。私の身体・・」
「ほぉ~。そうきましたか」
「ははは・・どうだ!」
「言っておくけど、魔法って誰もが使えるわけじゃないのよね・・」
「まあ、まあ・・やってみたらうまかったとかになるかもしれないし・・」
「はぁ。とりあえず、婚約披露の儀が無事終わってから、一度テストする。それに合格しなければ教えないよ」
「やった~!!これで私も魔法使いになれるぅ~」
「魔法が使える人がどうか、テストするって聞いてる?」
シャノンは浮かれきった私に水を差したつもりだったのだろうが、私は全く気にならなかった。
「アイアイサー」
「ほんとに、リサはうらやましい性格。それと、今一番大事なのは、婚約披露の儀をちゃんと滞りなく済ませることだから・・」
「は~い!」
私は、力いっぱい元気に返事をした。
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