ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
208 / 656
10章

351.ピース視点2

彼らに王子だと言うことが知れると…今まで優しい顔をしていた男性の気配が変わった…

「証拠隠滅をしましょうか…」

その言葉は冗談とも本気とも取れた…それを助けてくれたのはミヅキだった。

何やら揉め出す一同に事情を聞いて愕然とする…

サウス国の兵士がミヅキを攫ってきたことを聞かされた…

しかも薬を作ってくれた薬師も同意ではなかった模様…信じられない気持ちでミヅキを見つめると…その手を掴む

心の底から申し訳ないと謝ると、ミヅキは笑って首を振る…

謝るべきは罪をおかした者だと…

これは国の問題なのに…しかし周りの人達はそれを許さないだろうと見ると…ミヅキの様子に仕方なさそうにミヅキを優しげに見つめていた。



ミヅキは謝る僕に気にするな言うだけでなく…僕の事を心配してくれる。

こんな子をなぜ兵士達は誘拐などしたんだろう…

とりあえず王宮に戻り皆の誤解を解かないと…でもここから離れ難いなぁ…

僕を普通の子供と扱ってくれるここが、凄く居心地がいい…

でも僕は王子だ…後ろ髪を引かれながら帰ることを決めると、ミヅキが寂しそうにとんでもない事を言う。

一緒にお風呂だと…

一緒にご飯だと…

僕はその誘惑に抗えなかった。

もう少し居ようかな…その気持ちを伝えるとミヅキが嬉しそうに喜んでくれる…やっぱりここは居心地がいいな

僕は笑ってミヅキの手を取り、お風呂に入るのを楽しみだと言うと…突然、殺気が飛んでくる…

後ろを見ると、冒険者の人が顔を引き攣らせながら壁に穴を開けていた…どうやらミヅキと一緒にお風呂に入るの事を嫌がっているようだ…

別に二人きりで入る訳でも無いのに…そんなに嫌なら湯浴み着でも着ればいいし…

でも…面白い反応だな…

少しからかいたいが、本当に命が危なそうだ…

そんなふうに笑っていると…綺麗な女性が部屋に入ってきた…聞いて驚く!彼女が薬師…

儚げな雰囲気のその女性が薬師?

彼女が心配そうに僕のそばに来ると熱を計るためにおでこに手を当てた…

一気に意識がおでこに集中する…少し冷たいその手は僕のおでこを気持ちよく冷やしてくれた…

女性はエヴァさんと言うらしい…ミヅキの視線が気になるが今は無視だ…

するとミヅキが彼女もお風呂に入ると言う…

この女性とお風呂…

それを想像するだけでただでさえ火照った頭は限界を超えた…。


落ち着くとみんなで風呂に入る…他の人と入るのは初めての体験でワクワクしていると…見たことも無い建物に案内された…

どうやら話の流れからミヅキが考えて商人が建てたらしい…異国の風呂とは変わっていたが悪くなかった…

広い風呂にみんなでくっ付き合いながら入っている

僕はリュカやテオと友達になり一緒にいた…

同世代の友達だ…リュカの遠慮ない態度もテオの関心無い感じもなんかくすぐったい

ミヅキと一緒にいたと思われる大きな従魔たちが風呂に入ると一気にお湯が流れてしまい、ベイカーさんが怒り出す…その様子をみんなで笑って見ていた。

壁の向こうのお風呂から女性達の声が聞こえると、大人達の会話が止まる…その様子にテオは苦笑していたが、リュカはよくわかってないみたいだ…

僕もエヴァさんの声が聞こえると恥ずかしくなり湯船に顔を沈めた。

あれ…ミヅキわざとやってないかな…

風呂から出ると女性陣たちが出てくるのを待つ

すると足が動かないミヅキが変わった杖をつきながら一人で出てきた…

初めてみる道具…起きてから初めてづくしだ…

しかし大人達の関心は別にあるようだ、誰がミヅキを抱き上げるかで争っていた…エヴァさんも心無しか参加したそうにしている

すると商人が急いで走ってきた、慌てた様子でミヅキの持っていた杖に注目している、それを作り売り出そうとしていた…確かに怪我をした者が一人で歩ける道具…

いいかもしれないなぁ…あれもウエスト国の物なのかと思っていると…ミヅキが考え作ったと言う…細かい説明を分かりやすく商人に説明している姿は…年下とは思えなかった…

確かこの風呂もミヅキの考えだと言っていたが…もしかして全てそうなのか?

その姿に驚いていると、ミヅキ達が僕がいた事に気がついた…すると今までの雰囲気が変わり、張り詰めたものになってしまった…

ミヅキも悲しそうに僕を見つめる…

理由を聞くと、どうやら自分が考えた事を知られたく無い様だ…確かに誘拐されたばかりできっと不安なのだろう

僕はミヅキの事を誰にも言わないと決めた…

だって…この関係を壊したくないからね…

それにミヅキの嬉しそうな顔を見たら…やっぱり助けたいと思ってしまった。

そして…その判断は正しかった…僕はこの時、命拾いをしたんだ。

彼らは生半可な気持ちでこの国に来たのではないと…

あの選択を後悔することはきっと無いだろう。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593