ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
404 / 656
13章

547.恥じらい

「あっ…」

自分の体を見下ろすと…

「まぁでもつんつるぺったんだから大丈夫か」

悲しいがなにも見るところはない!

癒されるこのぷくぷくぷにぷにの体を見ても誰も困らないだろう…と思っていたが

「ミヅキ!お前一応女の子だろ!ちゃんと前を隠しなさい!」

ベイカーさんが慌てて持っていた布を体に巻き付けてきた。

「ベイカーさん…でもそうするとベイカーさんが丸見えになっちゃうよ」

「あっ…」

目を閉じて手で押さえて見てないよアピールをすると…

「ミヅキ!そのまま目を閉じててくれ!」

コジローさんの必死な声が遠くから聞こえてくる。

「えー?ちょっとも開けちゃ駄目?」

声がした方を向きながら声をかけると…

「だ、駄目だ!絶対開けるな!」

珍しいコジローさんの慌てた声がして面白くなり、悪戯心が湧き上がる。

「じゃあ三秒だけね~いーち、にー…」

ゆっくり数を数えると

「ま、待って!」

いつもは足音をたてずに歩くコジローさんのバタバタとした音がすると…

「コ、コジロー!俺の分も持ってきてくれ!」

ベイカーさんがコジローさんに服を持ってきてくれと頼む。

しばらくして

「ふぅ…もういいよ」

声と同時に大きな布を被せられる。

「全く…なんで急に壁が壊れたんだか…」

布から顔を覗かせるとベイカーさんが困り顔で私に布を被せて拭いてくれていた。

ベイカーさんの体をみると…

「ズボン履いてる…」

上半身は裸で下半身にはしっかりとズボンを履いていた…なんかずるい…

「ミヅキの服も持ってきたいが…エヴァさんがいるからなぁ…」

コジローさんの声に振り返るとコジローさんはきっちりと服を着ていた。

お風呂に服…なんか違和感が…少し残念な気持ちで上から下まで眺めると

「そんなに見ないでくれ…」

コジローさんが目をそらす。

「コジローさんだって見たよね?私ももう少し見とけば良かったな~」

チラッとコジローさんの体をみると

「いや、俺は見てないぞ!ちゃんと目を逸らしたからな、それにベイカーさん達みたいに鍛えてないから…見せる程のものでは…」

自信なさげに答えると

「コジロー、ミヅキの冗談だよ!そんなに真に受けるな」

ベイカーさんが苦笑しながらコジローに声をかけた。

半分本気だけど…

「それよりミヅキ、お前何か服はないのか?ほら水着とか」

ベイカーさんに言われて収納をあさって水着を掴むと

「あったよ、ベイカーさん達の分もあるよ」

自分の分と三人分の水着を取り出す。

「じゃあそれ着てみんなで入り直すか!?」

ベイカーさんとアランさんが受け取るが

「いや、俺は…大丈夫だ」

コジローさんがもういいと手を振って断ってくる。

「え…コジローさん…一緒に入ろうよ、今度はちゃんと水着着るから」

お願いと下から見上げると

「わかった…」

目をつぶって水着を受け取った。

「じゃあ着替えてくるよ」

「ここで着替えてもいいですよ!しっかりと目はつぶってますから!」

ニコリと笑いかけると

「…着替えてくるよ…」

コジローさんがまた浴室を出ていった…

「じゃあ俺はこのまま履いちまおう」

アランさんは隠すことなく着替え出すと

「やっぱり恥じらってる人を見るのが楽しいね…」

私はアランさんから顔を逸らして自分も着替える為に脱衣場に向かった。

みんなが着替え終わるとベイカーさん達がまだ体を洗っていないと言う事なので洗ってあげることにした。

ベイカーさんの大きな背中をゴシゴシと洗いながら…

「あれ?そういえばセバスさん達は?」

セバスさんとアルフノーヴァさんがいないことに気がついた。

「なんかエルフのお偉いさん達と話があるみたいだ、どうせミヅキが食べさせた食材を交渉に今後こっちに手を出さないように約束でもさせてるんだろ」

アランさんが答えると

「まさか…その為に好きに作れって言ったのかな?」

いつもなら自重しろと怒られるのに好きにしろと言われて変だと思っていた。

「そうだろな、エルフ達はこの国にどうもミヅキを置いときたい感じだったからな、こっちの国の良さを全面に押し出そうとしたんじゃないのか?」

「そ、そうか…でもちゃんと話せばエルフの人達わかってくれそうだけどね」

そんなに嫌な人達だとは思わなかったけど…あっでもエルフの子供の時はちょっとウザかったなぁ~

「聖獣や神木を崇めるエルフ達にはそれらに溺愛されてるミヅキは手元に置きたい存在だろうからな」

「そっか…やっぱりシルバ達はかっこいいもんね…」

ウンウンと納得すると

「ん?まて!なんかおかしいぞなんでシルバ達がかっこいいってなるんだ」

「えっ?だからシルバやシンク達が可愛くて綺麗でかっこいいからそばにいて欲しいんでしょ?それを従えてるのが私だから私の機嫌を取っていてもらおうってことなんじゃないの?」

「うん…まぁ間違ってない…間違ってないがなんか違うような…」

うーんと腕を組み悩んでいる。

「いくらエルフの国が良くてもずっとこの国にいるわけにはいかないよね」

私はベイカーさんの顔を覗き込んで笑いかける。

「やっぱり私はみんなとあの町で暮らしたいもん」

「そうだな」

ベイカーは嬉しそうに頷くと私の頭を撫でた。

「ミヅキがもしエルフの国で暮らしたら…困る」

コジローさんが真剣に顔をしかめると

「なんで?」

「俺もここに暮らさないといけなくなるからな」

「コジローさんも?」

「ミヅキに会えなくなるなんて耐えられないからな」

寂しそうに笑う…いつもは隠れている傷付いた目と口がニコッと動くと思わず頬が赤くなる。

「別に…ここに住むことになったとしても必ずコジローさん達に会いに行くけどね…」

「それも嬉しいけど…やっぱり人の国にいて欲しい、何か会った時にすぐに駆けつけられるように」

コジローさんがじっと見つめてくるので素直に頷いた。

「ミヅキ…お前コジローにはなんか甘いよな」

ベイカーさんがコジローさんと私の様子をジト目で伺っていた。

「だ、だってコジローさんはいつでも真面目だし…私の事を思ってくれてるのが凄い伝わるから…」

「俺だってお前の事を一番に考えてるんだけどなぁ…」

ベイカーさんがため息をつくと

「そんなのわかってるよ」

ポンッとベイカーさんの広い背中に抱きつくと

「ベイカーさんだからわかってくれてると思ってけどなぁ…私の気持ち」

ギュッと首に抱きつくと

「調子がいいよな」

呆れながらもどこか嬉しそうに笑っていた。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593