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3.孤立する伯爵
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互いの出方を窺うように緊迫した空気を放つクスフォード伯爵家の親子が、静かに睨み合う。
「一応、内容は聞こう。その二つの提案とは何だ?」
重苦しい声で話を促して来た父親にアルベルトが細く息を吐いた後、その提案内容を語り始める。
「一つ目の提案は、私がシャーロと一緒になって、このクスフォード家を継ぎます。ですが、父上には早々に引退して頂き、さっさと田舎の領地に引っ込んで頂くというものです」
その息子の一つ目の提案に伯爵が不快そうに顔を顰めた。
「二つ目は、私をクスフォード伯爵家から除名し、親子の縁を切って頂く事。その場合、私は彼女のリングバード子爵家に婿入りするつもりです。幸い、妹のリリアーナ嬢は婚約者がまだ決まっていない状態ですし、何よりもすでにシャーロは私の子を身籠っております。もちろん、この件に関してはリングバード子爵夫妻より、お許しを頂けた場合になりますが……」
そう言って、アルベルトがチラリと子爵夫妻に視線を向けると、二人だけでなくシャーロッテの妹であるリリアーナもその提案に同意するよう大きく頷く。
「どうやら寛大なリングバード子爵家の方々は、ご息女であるシャーロッテ嬢に無体な真似をした私でも、快く受け入れてくれるようです」
そう言って、申し訳なさそうな笑みをアルベルトは浮かべたが、父親の方はそうはいかない。怒りからか、小刻みに震え出した。
「何を……何をバカな事を!! お前は、私達の一人息子であり、この格式高いクスフォード家の唯一の跡取りなのだぞ!? 子爵家へ婿入りなどしたら、一体誰がこの家を継ぐと言うのだ!!」
「従弟である分家のマルティスを養子に迎え、継がせればいいのでは? 彼ならばあなたが拘っている尊い血筋のクスフォード家特有の赤毛でもありますし」
「バカな事を申すな!! あのような遊び人……当家の次期当主には相応しくないだろうが!!」
そうわめき始めた父親にアルベルトが白い目を向ける。
「ならば、私がクスフォード家の家督を継ぎますので、父上は早々に引退し、田舎の領地へ引きこもってください。何故なら今の私は、妻として迎え入れるシャーロが、あなたと同じ空気を吸っているという状況に耐えられないので。ちなみにどちらの条件を選んで頂いても、今彼女がお腹に宿している私達の最愛な存在に父上を会わせる気は今のところ一切ないので、ご理解の程お願いいたします」
冷たい口調で息子から言い渡された初孫との面会拒絶宣言にクスフォード伯爵は衝撃が大きすぎたのか、口をあけたまま吃音のようなうめき声を発しながら、石像のように固まってしまった。
しかし、そんな伯爵を尻目にその隣から小さな声で控え目な主張の声があがる。
「アル……。その、わたくしも……孫には会わせて貰えないのかしら……」
不安そうにやや涙目になりながら、そう訴えてきたのはアルベルトの母であるクスフォード伯爵夫人である。
「まさか! 母上には是非、私達の子供を抱いて頂きたいです!」
大袈裟にそう叫んだアルベルトがスッとシャーロッテに視線を向けると、シャーロッテは幸福に満ちた笑みをふわりと浮かべた。
「お義母様には産後、子育てに関して色々と分からない事を是非ご教授頂きたいです」
「シャーロッテ嬢……。はぁー……良かった……。旦那様と同じく、わたくしも初孫を抱かせて貰えないのかと思って、危うく絶望しかけてしまったわ……」
「母上は、私が留学中の際、ずっとシャーロを支えてくださったではないですか。そんな彼女を大事に扱ってくださった母上に無体な真似など、私はいたしませんよ?」
「ふふ、ありがとう。そもそもシャーロッテ嬢をあなたの婚約者にと提案したのは、わたくしですものね! まぁ……旦那様は途中でお考えが変わってしまったようだけれど」
そう言ってアルベルトの母は、自身の夫に白い目を向ける。
「ま、待て!! 何故、レイシアは良くて私はダメなのだ!!」
「未来の義理の娘予定である彼女の醜聞が広まる事を目論み、あわよくばメリットが多い侯爵令嬢と息子の私を無理矢理婚約させようとしたあなたに孫の顔なんか見せる訳ないでしょう? 全く何を言っておられるのですか……。図々しいにも程があります」
「なっ……!!」
父親に対して何の感情も持ち合わせていないと言いたげな無表情で、淡々と告げられたその理由に伯爵は、打ちひしがれるように肩を落として愕然とする。
「ちなみに本日から私は、しばらくリングバード子爵家にてお世話になろうと思っております。先程私が提案させて頂いた今後の件についてですが、もし父上が私に家督を継いで欲しい場合は、現在父上が抱え込んでいらっしゃる案件を早々に終わらせて頂き、さっさと田舎の領地に引っ込んでくださいね。でないと、私はこのクスフォード家には戻りませんので。逆に私を除名する場合は、私はそのままリングバード子爵家に婿入りいたします。その場合、公の場で顔を会わせても赤の他人として接して頂くようお願い申し上げます」
「なっ……ぐっ……」
息子から一切妥協のない辛辣対応をされた伯爵が、体を小刻みに震わせながら水面で空気を求める魚のように口をハクハクさせる。
「ちなみに伯爵家の権限で、リングバード子爵家に圧力をかけようなどというバカな真似もなさらないでくださいね?」
そう言って、アルベルトは先程、左腕に付けて見せたブレスレットを父親にチラつかせる。
「先程もお伝えしましたが、私は留学中に隣国の第二王子であらせられるグレイブ殿下と、かなり親しい間柄となりました。尚且つ、クスフォード家が囲っているガラス職人達の平均賃金もしっかり把握しております。下手をしたら更に良い給金条件を提案し、職人たちを引き抜き……という動きも出来ますので、お心にとめておいてください。ちなみに今回の件で例の侯爵家が絡んでいた場合、グレイブ殿下より隣国の外交担当の変更希望があるかもしれません。侯爵殿にはお心の準備をされていた方がよろしいと、お伝えください」
言いたい事だけを一気に語ったアルベルトはスッと席を立ち、向かいに座っていたシャーロッテを大事な宝物を扱うように優しく立たせる。
「それではシャーロ、しばらく君の家にお世話になるが……構わないかな?」
「ええ、もちろん。お父様にお母様もよろしいですわよね? リリもいいかしら?」
シャーロッテからのお願いにリングバード子爵家の面々は、それぞれ違った反応を見せる。
「ええ! もちろん」と母の子爵夫人。
「アルベルトお義兄様には、色々と問い詰めたい事がありますし、わたくしは構いませんよ?」と妹のリリアーナ。
「ああ、構わないよ」と返答と表情が合っていないのが父親の子爵である。
先程までクスフォード伯爵親子に射殺さんばかりの鋭い視線を送っていた妹のリリアーナは、今回のアルベルトの立ち回り方で、かなり思う事があるのだろう。
それは父である子爵も同様で……。
何やら微妙な表情を浮かべ、渋々と言う印象を少しだけ見せた。
そんな義理の父にアルベルトが、気まずそうな笑みを送る。
「その、追いつめられていた状況だったとは言え、挙式前にご息女を傷物にした挙句、子供まで儲けてしまい、本当に申し訳ございませんでした……」
「お分かり頂いているのであれば、私はもう何も申しません。ですが……父親という立場からすると、色々と思う事があります。しばらくは、それなりの接し方を私がしてしまう事は、ご理解ください」
「ええ、もちろん。真摯な姿勢で全て受け止めさせて頂きます」
そんな気まずい雰囲気で会話をしつつも、すっかりリングバード子爵家の面々にに馴染んでいる息子の様子にクスフォード伯爵が、小さく呼びかける。
「アルベルト……」
その呼びかけに気が付いたアルベルトが、再び表情を綺麗になくした顔を実父に向けた。
「もし今後、私があなたを許せる日がくれば、その時は子供にも会わせましょう。しかし、現状では、そんな未来は私の中には全くありません……。実の息子の私にこれだけの辛辣な言葉を口にさせる状況をご自身で招いてしまった事を、しっかりと受け止めてください」
真っ直ぐな視線を向けてくる息子から、突き放されるような言葉を投げつけられた伯爵が、今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。だが、アルベルトは何の未練もないという意思表示をするようにくるりと踵を返した。
「それでは、これにて私は失礼致します」
自身の家では絶対に口にする事はないと思っていた言葉を口にしたアルベルトは、シャーロッテを優しくエスコートしながら、生まれ育ったクスフォード家を後にした。
「一応、内容は聞こう。その二つの提案とは何だ?」
重苦しい声で話を促して来た父親にアルベルトが細く息を吐いた後、その提案内容を語り始める。
「一つ目の提案は、私がシャーロと一緒になって、このクスフォード家を継ぎます。ですが、父上には早々に引退して頂き、さっさと田舎の領地に引っ込んで頂くというものです」
その息子の一つ目の提案に伯爵が不快そうに顔を顰めた。
「二つ目は、私をクスフォード伯爵家から除名し、親子の縁を切って頂く事。その場合、私は彼女のリングバード子爵家に婿入りするつもりです。幸い、妹のリリアーナ嬢は婚約者がまだ決まっていない状態ですし、何よりもすでにシャーロは私の子を身籠っております。もちろん、この件に関してはリングバード子爵夫妻より、お許しを頂けた場合になりますが……」
そう言って、アルベルトがチラリと子爵夫妻に視線を向けると、二人だけでなくシャーロッテの妹であるリリアーナもその提案に同意するよう大きく頷く。
「どうやら寛大なリングバード子爵家の方々は、ご息女であるシャーロッテ嬢に無体な真似をした私でも、快く受け入れてくれるようです」
そう言って、申し訳なさそうな笑みをアルベルトは浮かべたが、父親の方はそうはいかない。怒りからか、小刻みに震え出した。
「何を……何をバカな事を!! お前は、私達の一人息子であり、この格式高いクスフォード家の唯一の跡取りなのだぞ!? 子爵家へ婿入りなどしたら、一体誰がこの家を継ぐと言うのだ!!」
「従弟である分家のマルティスを養子に迎え、継がせればいいのでは? 彼ならばあなたが拘っている尊い血筋のクスフォード家特有の赤毛でもありますし」
「バカな事を申すな!! あのような遊び人……当家の次期当主には相応しくないだろうが!!」
そうわめき始めた父親にアルベルトが白い目を向ける。
「ならば、私がクスフォード家の家督を継ぎますので、父上は早々に引退し、田舎の領地へ引きこもってください。何故なら今の私は、妻として迎え入れるシャーロが、あなたと同じ空気を吸っているという状況に耐えられないので。ちなみにどちらの条件を選んで頂いても、今彼女がお腹に宿している私達の最愛な存在に父上を会わせる気は今のところ一切ないので、ご理解の程お願いいたします」
冷たい口調で息子から言い渡された初孫との面会拒絶宣言にクスフォード伯爵は衝撃が大きすぎたのか、口をあけたまま吃音のようなうめき声を発しながら、石像のように固まってしまった。
しかし、そんな伯爵を尻目にその隣から小さな声で控え目な主張の声があがる。
「アル……。その、わたくしも……孫には会わせて貰えないのかしら……」
不安そうにやや涙目になりながら、そう訴えてきたのはアルベルトの母であるクスフォード伯爵夫人である。
「まさか! 母上には是非、私達の子供を抱いて頂きたいです!」
大袈裟にそう叫んだアルベルトがスッとシャーロッテに視線を向けると、シャーロッテは幸福に満ちた笑みをふわりと浮かべた。
「お義母様には産後、子育てに関して色々と分からない事を是非ご教授頂きたいです」
「シャーロッテ嬢……。はぁー……良かった……。旦那様と同じく、わたくしも初孫を抱かせて貰えないのかと思って、危うく絶望しかけてしまったわ……」
「母上は、私が留学中の際、ずっとシャーロを支えてくださったではないですか。そんな彼女を大事に扱ってくださった母上に無体な真似など、私はいたしませんよ?」
「ふふ、ありがとう。そもそもシャーロッテ嬢をあなたの婚約者にと提案したのは、わたくしですものね! まぁ……旦那様は途中でお考えが変わってしまったようだけれど」
そう言ってアルベルトの母は、自身の夫に白い目を向ける。
「ま、待て!! 何故、レイシアは良くて私はダメなのだ!!」
「未来の義理の娘予定である彼女の醜聞が広まる事を目論み、あわよくばメリットが多い侯爵令嬢と息子の私を無理矢理婚約させようとしたあなたに孫の顔なんか見せる訳ないでしょう? 全く何を言っておられるのですか……。図々しいにも程があります」
「なっ……!!」
父親に対して何の感情も持ち合わせていないと言いたげな無表情で、淡々と告げられたその理由に伯爵は、打ちひしがれるように肩を落として愕然とする。
「ちなみに本日から私は、しばらくリングバード子爵家にてお世話になろうと思っております。先程私が提案させて頂いた今後の件についてですが、もし父上が私に家督を継いで欲しい場合は、現在父上が抱え込んでいらっしゃる案件を早々に終わらせて頂き、さっさと田舎の領地に引っ込んでくださいね。でないと、私はこのクスフォード家には戻りませんので。逆に私を除名する場合は、私はそのままリングバード子爵家に婿入りいたします。その場合、公の場で顔を会わせても赤の他人として接して頂くようお願い申し上げます」
「なっ……ぐっ……」
息子から一切妥協のない辛辣対応をされた伯爵が、体を小刻みに震わせながら水面で空気を求める魚のように口をハクハクさせる。
「ちなみに伯爵家の権限で、リングバード子爵家に圧力をかけようなどというバカな真似もなさらないでくださいね?」
そう言って、アルベルトは先程、左腕に付けて見せたブレスレットを父親にチラつかせる。
「先程もお伝えしましたが、私は留学中に隣国の第二王子であらせられるグレイブ殿下と、かなり親しい間柄となりました。尚且つ、クスフォード家が囲っているガラス職人達の平均賃金もしっかり把握しております。下手をしたら更に良い給金条件を提案し、職人たちを引き抜き……という動きも出来ますので、お心にとめておいてください。ちなみに今回の件で例の侯爵家が絡んでいた場合、グレイブ殿下より隣国の外交担当の変更希望があるかもしれません。侯爵殿にはお心の準備をされていた方がよろしいと、お伝えください」
言いたい事だけを一気に語ったアルベルトはスッと席を立ち、向かいに座っていたシャーロッテを大事な宝物を扱うように優しく立たせる。
「それではシャーロ、しばらく君の家にお世話になるが……構わないかな?」
「ええ、もちろん。お父様にお母様もよろしいですわよね? リリもいいかしら?」
シャーロッテからのお願いにリングバード子爵家の面々は、それぞれ違った反応を見せる。
「ええ! もちろん」と母の子爵夫人。
「アルベルトお義兄様には、色々と問い詰めたい事がありますし、わたくしは構いませんよ?」と妹のリリアーナ。
「ああ、構わないよ」と返答と表情が合っていないのが父親の子爵である。
先程までクスフォード伯爵親子に射殺さんばかりの鋭い視線を送っていた妹のリリアーナは、今回のアルベルトの立ち回り方で、かなり思う事があるのだろう。
それは父である子爵も同様で……。
何やら微妙な表情を浮かべ、渋々と言う印象を少しだけ見せた。
そんな義理の父にアルベルトが、気まずそうな笑みを送る。
「その、追いつめられていた状況だったとは言え、挙式前にご息女を傷物にした挙句、子供まで儲けてしまい、本当に申し訳ございませんでした……」
「お分かり頂いているのであれば、私はもう何も申しません。ですが……父親という立場からすると、色々と思う事があります。しばらくは、それなりの接し方を私がしてしまう事は、ご理解ください」
「ええ、もちろん。真摯な姿勢で全て受け止めさせて頂きます」
そんな気まずい雰囲気で会話をしつつも、すっかりリングバード子爵家の面々にに馴染んでいる息子の様子にクスフォード伯爵が、小さく呼びかける。
「アルベルト……」
その呼びかけに気が付いたアルベルトが、再び表情を綺麗になくした顔を実父に向けた。
「もし今後、私があなたを許せる日がくれば、その時は子供にも会わせましょう。しかし、現状では、そんな未来は私の中には全くありません……。実の息子の私にこれだけの辛辣な言葉を口にさせる状況をご自身で招いてしまった事を、しっかりと受け止めてください」
真っ直ぐな視線を向けてくる息子から、突き放されるような言葉を投げつけられた伯爵が、今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。だが、アルベルトは何の未練もないという意思表示をするようにくるりと踵を返した。
「それでは、これにて私は失礼致します」
自身の家では絶対に口にする事はないと思っていた言葉を口にしたアルベルトは、シャーロッテを優しくエスコートしながら、生まれ育ったクスフォード家を後にした。
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